2024年4月29日(月)
ビオトープ池にて

 自宅そばのビオトープ池。元々は田んぼだったと思っていた場所を手掘りで掘って、粘土を貼り付けて作った小さな人工池です。その後地元の方に聞くと、ここは田ではなく山だったと。だからすぐに水が漏れてしまうのです。水が減るたびに給水して凌いでいましたが、3年前にとうとう干上がってしまって…。それまではクロスジギンヤンマが40匹以上羽化していたのに姿を消してしまいました。でも、今日見に行ったら、クロスジギンヤンマらしい脱皮殻が1つとシオカラトンボ系の脱皮殻が3つ。そしてヨツボシトンボが羽化を終えたばかり(写真左)。セリの株ではシュレーゲルアオガエルが休憩中。鳴嚢を軽く膨らませたり、へこませたりしていました。鳴く時は鳴嚢(めいのう)をものすごく大きく膨らませるのですね(トップページ)。シュレーゲルアオガエルが鳴いているところを初めて見ました。小さな池の自然が少しずつ回復しているのがうれしい。(Y)

2024年4月28日(日)
ホオノキ

 今日はホオノキ。左の写真はホオノキの芽吹きです。元々は托葉だったものが冬の寒さや乾燥から幼い芽を守るために革質に変化した芽鱗。それが1枚ペロッと剥がれ、ホオノキが活動を始めたことを知ります。少しずつ広がる新葉(写真右)。ピンク色のものは幼葉を守っていた托葉…托葉が必要に応じて革質になったり、柔らかい膜質になったり。動かないと思っていた樹木のダイナミックな活動に驚きました。ホオノキの新葉までの変化は、2023年4月26日当欄の「ホオノキ(その1〜3)」をご覧ください。(Y)

2024年4月27日(土)
トチノキ・芽吹きから若葉へ

 2023年3月3日の当欄でトチノキの冬芽を紹介しました。今年もトチノキは豪快に芽吹き(写真左。4月5日)、今は淡い緑色の柔らかな新葉が広がっています(写真右。4月27日)。周囲の山々も冬のくすんだ色がいつの間にかパステルカラーに彩られ、私の大好きな山の風景になりました。次はホオノキを紹介します。(Y)

2024年4月26日(金)
コシアカツバメ(その2)

 コシアカツバメ(以下コシアカ)が毎年巣作りをする場所は、今は写真のようになっています。ここでは、コシアカのほかにツバメ、スズメ(コシアカの古い巣を利用)、セグロセキレイが巣作りしていました。突然の状況に、みんな困っていることでしょう。夕方、諦められないのか建物の上空を円を描くように30羽ほどのコシアカが飛んでいました。ここで生まれて、毎年ここで子育て…当たり前にしてきた営みがぷっつり途切れてしまう。工事を、繁殖期を少し外してくれたら…。とても切ない思いです。(Y)

2024年4月25日(木)
コシアカツバメ

 4月10日にコシアカツバメの飛来を確認しました。今年もまた子育て期や巣立ちの時期を迎え、そして秋の渡りまで棚田全体がコシアカツバメで賑わうことを期待していました。ところが毎年集団で巣作りをしていた施設が先日から工事に入りました。老朽化した屋根や壁を取り換える大がかりな工事のようです。コシアカツバメは学校や大型施設など限られた場所でしか巣作りしません。東南アジアから繁殖のために渡って来て、いつもの巣作りの場所が使えなかったら…。気になって仕方ありません。新しい安全な場所で巣作りをして、そして来年はまたここに戻って来て巣作りすることを願っています。写真左は田で巣材の泥を集める親鳥、右はその巣。どちらも以前ここで撮った写真です。(Y) ※昨日の当欄でチゴザサと書いたのはチゴユリの誤りでした。お詫びします。

2024年4月24日(水)
チゴユリとアケビの花

 南斜面の小道でチゴユリの花が咲いていました(写真左)。年々株が少なくなって、昨年はとうとう花が咲きませんでした。今年は以前あった場所から少し離れたところで花が咲き、株も少し増えました。日当たりかな? 土壌かな? またたくさんの花が咲くように、様子を見ながら手を入れていきたいと思います。さて、棚田の入り口付近から甘い香り…アケビの花が咲き始めていました(写真右)。真冬を除いて、一年中咲き誇る様々な花。蜜を求めて集まる多くの昆虫。そして昆虫を食べるカエルや野鳥たち…。里山地域の生物相の豊かさは、多様な生物がつながりあってこそです。(Y)

2024年4月23日(火)
羽化ラッシュ

 昨年の秋、薪置き場に置いてあった段ボール箱で自然下のジャコウアゲハの蛹を見つけました。寄生されなかったので、そろそろ羽化かなと様子を見に行ったら、体色が濃いグレーになって翌日ぐらいには羽化しそう…(写真左。4月20日)。でも翌日は雨だったので見に行かず、次の朝見に行ったら蛹はもぬけの殻。羽化を見ることはできませんでした。やはり雨でも見に行くべきでした。去年の春の羽化は1匹だけだったけど今年は2匹目で、まだ羽化しそうな蛹があと1個。アゲハも今季3匹目の羽化がありました(写真右。4月20日)。(Y)

2024年4月22日(月)
小さな命を大切に思える人に

 キビタキやメジロの美しい囀りが聞こえ、ため池にはカワセミやカルガモ。ここ数年聞くことのなかったヒクイナの声もします。先日は、地元の子どもたちにアカガエルやセトウチサンショウウオの幼生を見せることができました。自分が生まれ育った所にこんな貴重な生物がいること、豊かな自然があることは誇っていいし、自慢してもいい。そして将来どんな仕事に就いたとしても、小さな命を大切に思える人になってほしいと思います。さて、草むらを歩いていたら、冬眠から目覚めたばかりの痩せたアマガエル(写真左)。また孵化したばかりのヤブキリ幼虫(写真右。体長約7mm)。今年も里山の賑わいが始まりました。(Y)

2024年4月21日(日)
草はらの手入れ

 カヤネズミの生息地として残していた草はらの草を刈り、刈草を焼きました(写真左。4月20日)。火の様子を見ながら、セイタカアワダチソウを抜いて、ノイバラを根元から刈りました。これらが大きくなると手入れに難儀するのです。周囲はカサスゲが増え、花が咲き始めています(写真右)。カサスゲはカヤネズミが好む巣材です。今までは一面草はらにしていましたが、そこに草を刈って小さな道を作りました。風の通りが良くなって、手入れもしやすく、また景観も良くなるでしょう。カヤネズミ、喜んでくれるかな?(Y)

2024年4月19日(金)
羽化

 昨日、今季初めての羽化がありました。キアゲハが1(写真左)、アゲハが2(写真右)、ジャコウアゲハが1の3種4匹。どれも春型の小さなチョウですが、羽化直後のチョウはとても美しいです。飼育箱にはまだアゲハ、クロアゲハなどの蛹が残っています。毎日飼育箱を見て、羽化が始まっていたら飛んで行けるように扉を開けたままに。親の気持ちになって、無事羽化することを願っています。(Y)

2024年4月16日(火)
セトウチサンショウウオの成長(その2)

 4月2日の当欄で、孵化して間もないセトウチサンショウウオを紹介しましたが、今回は少し成長したセトウチについて。餌は田んぼビオトープのミジンコやアカムシを与えています。成長が心配でしたが、体長約2.5cm、体色も濃くなり体格も立派に(写真左)。よく見ると体前部のヒレは指のある前あしに、そして体後部にはヒレ(写真右)。このヒレは後あしになります。6〜7月頃に外鰓が消失し、肺呼吸になって上陸します。魚類から両生類への進化の歴史を感じながら、今年も大切に成長を見守ってやりたいと思います。(Y)

2024年4月14日(日)
ショウジョウバカマとウマノアシガタ

 北斜面にショウジョウバカマの花が咲き始めました(写真左)。田んぼビオトープ周辺ではウマノアシガタが例年にも増して美しい花を咲かせています(写真右)。小鳥たちがさえずり、シュレーゲルアオガエルなどカエルの鳴き声が響いています。水の中ではアカガエルの幼生、セトウチサンショウウオの幼生、メダカも気持ちよさそうに泳いでいます。こんな生き物たちの賑わいも危うい状況にあります。自然も生物の命もどうしたら守れるのでしょうか。太陽光パネルは増加の一途です。(Y)

2024年4月13日(土)
タンポポ

 タンポポの花といえば、茎の先に咲く丸い花を思い浮かべますが、実はこれは花の集合体。1枚の花弁(花びら)のように見えている小さな花(小花・しょうか)が集まったものです。このような作りの花を頭状花(とうじょうか)と言い、小花の1つ1つに雄しべ・雌しべ・がくがあります。さて、当地のタンポポは在来のカンサイタンポポ、シロバナタンポポ、キビシロタンポポと外来のセイヨウタンポポの4種です。左の写真はカンサイタンポポ。花全体を包む総苞(そうほう)と呼ばれる部分が閉じています。右はセイヨウタンポポ。総苞が反り返っています。そろそろ実ができる頃。カワラヒワやホオジロが食べにやってきます。2023年4月7日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年4月10日(水)
コシアカツバメ飛来

 コシアカツバメが飛来。昨年まではブッポウソウと同じ4月末〜5月初めに飛来していましたから、今年はとても早いです。この辺りでは個体数は多いのですが、近くの施設の軒下だけで集団営巣していて、他に営巣している所はありません。最近は民家やスーパーなどでもツバメ類が巣作りできない場所が増えました。コシアカツバメが今年もこの施設で営巣できることを願っています。Kさんのお宅では例年のようにツバメが巣作りを始めましたが、我が家はやっぱりダメみたいです。でも、花が次々と咲くうれしい春です(写真左:ナズナ、右:カキドオシ)。(Y)

2024年4月9日(火)
コバノミツバツツジとツチイナゴ

 南斜面の小道でコバノミツバツツジが咲き始めました(写真左)。小道沿いでササ刈りをしていると、目の前に成虫越冬のツチイナゴ(写真右)。昨年は猛暑の夏が長く、秋があったのかどうか…。そして急な冷え込みとともに昆虫がほとんどいなくなりました。秋に成虫になって冬を越すツチイナゴ。「生きていてよかった!」…今季初めてのうれしい出会いです。(Y)

2024年4月8日(月)
シュンランとヒサカキの花

 シュンランの花を見に行ったら、すでに花は終わっていました。また先日、満開のヒサカキの花を撮影したらピンボケのものばかり。がっくりです。でもダメもとで北斜面に行くと、シュンランもヒサカキもまだ咲いていました。東西南北、方向によって斜面の気温が違います。北斜面が暖かくなってから咲いたのでしょう。左の写真はシュンラン、右はヒサカキです。今年も見ることができて、カメラに収めることができてよかった!(Y)

2024年4月7日(日)
水草取りと生物調査

 昨秋は暑さと日照りで田んぼビオトープが干上がって、水草取りも十分できませんでした。取りそこなった分を今頃取り除きながら、生物調査をしています。左の写真はドジョウ、右はシオカラトンボ系のヤゴです。ところで、冬の暖かい日に群れになって泳いでいたメダカが忽然といなくなりました。世代交代で、しばらくすると体長1cmもない小さなメダカが現れるのかな。いつもいるものだと今まで気に留めることもなかったけど、メダカが見られなくなる時期があるのかもしれません。今季はちゃんとメダカを観察して確かめたいと思います。(Y)

2024年4月6日(土)
満開のサクラ

 サクラが満開です。写真は濃いピンク色の早咲きのサクラ。見上げると美しさに心がほぐれます。ソメイヨシノも満開となり、ヤマザクラも咲き始めました。これから里山は美しい花の季節を迎えます。(Y)

2024年4月5日(金)
ヒメカンスゲとスズメノヤリ

 春の花が次々と咲き始めています。左の写真はヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)。スミレでもタンポポでもなく、この花が咲くと春が来たことを思い起こさせてくれます。右の写真はスズメノヤリ(イグサ科)。初めてこの名前を聞いた時、先が尖ってないけどヤリ?と不思議に思いました。調べると、先端の花の集まりが大名行列の毛槍に似ているからということでした。ヒメカンスゲとともに大好きな花です。(Y)

2024年4月3日(水)
春の風景

 20℃越えのお天気が続いたあと、今日は土砂降りの雨。肌寒い一日でした。左の写真は棚田から見た自宅方面の春の風景(2024.04.02)。里山地域だからこその美しい風景だと自負しています。今年は自宅にツバメを呼ぼうと少し工夫をしました(写真右)。ヘビ対策もカラス対策もこれでバッチリ?。今年は我が家で巣作りどうぞ!(Y)

2024年4月2日(火)
セトウチサンショウウオの成長

 飼育しているセトウチサンショウウオの幼生。孵化した時は1cmほどでしたが、今は約2cmになりました。外鰓もつるんとしていたのが、複雑に枝分かれしています。毎日写真を撮っていますが、小さくて複雑な体のつくり、おまけにアクリル板越しの水の中。私のコンパクトデジカメではなかなか納得のいく写真は撮れません。今日は絞り込んで被写界深度を深くしてみました。外鰓のよくわかる、今までで一番の写真が撮れた…かな?(写真左・右) 今、セトウチの魅力にどっぷりとはまっています。(Y)

2024年4月1日(月)
ミツバツチグリとニオイタチツボスミレ

 3月は寒い日が続いていましたが、ここ数日20℃を超えるお天気。少し体を動かせば汗ばむほどで、早咲きの桜も桃も一気に満開になりました。休耕田で刈草を焼いていると、法面にミツバツチグリ(写真左)とニオイタチツボスミレ(写真右)の花が咲いているのに気づきました。華やかな桜や桃とは違う可憐な美しさ。ニオイタチツボスミレに顔を近づけると、おしろいのような上品な匂いがしました。(Y)

2024年3月31日(日)
生物の営みと美しい風景

 上の田んぼビオトープの畔を切って、土中のパイプからではなく昔の棚田のように水が上から下に流れるようにしました(写真左)。雨が降ると滝のように勢いよく水が流れ落ちます。昨年の猛暑と少雨でドロドロに汚れた水がすっかりきれいになりました。冬眠から目覚めたばかりのアカハライモリ(写真右)も気持ちよさそう。シュレーゲルアオガエルの「キリリリッ、キリリリッ」と乾いた声も響いて、また一つ季節の移り変わりを感じます。澄んだ水の流れを眺めていると気持ち良い。こんな風景や生物の営みを大切に守りたいです。(Y)

2024年3月30日(土)
春の到来

 昨日、今日は20℃を超えました。急に暖かくなって樹木が一気に芽吹き始めました。左の写真はゴンズイの冬芽(1月14日)。右は芽吹き始めたゴンズイです(3月29日)。気付かないまま、樹木も大きく変化しながら花を咲かせ、葉を茂らせます。昨日は暖かくいいお天気だったせいか、動物の動きも活発でした。鳥ではエナガ・カルガモ・シジュウカラのカップルなど。チョウではアカタテハ、ルリタテハ、ヒメアカタテハ、テングチョウ、キタキチョウ、モンシロチョウ。成虫越冬のホソミオツネントンボやクビキリギスも活動開始。水の中では多数のオタマジャクシとともにドジョウ、ガムシ、ヤゴなどの姿。生物が賑わい始めた嬉しい春の到来です。(Y)

2024年3月28日(木)
アカガエルの見分け方(その2)

 田んぼビオトープのアカガエルの卵は、すべてオタマジャクシ(以下幼生)になりました。成長の早いものでは体長2〜3cm。3月20日の当欄では卵塊で2種を見分ける方法を紹介しましたが、この大きさになると幼生で見分けられます。左の写真は背に一対の黒斑があるニホンアカガエルの幼生、右は黒斑のないヤマアカガエルの幼生です。今季は今までになく多くの産卵があり、田んぼビオトープはオタマジャクシがいっぱい! これから食べて食べられて…生き残ったものだけがカエルになります。それまで水が切れることのないように、お天気を気にしながらの毎日です。(Y)

2024年3月26日(火)
休耕田の畑

 今冬は雪がほとんど降らず、雨の多いお天気でした。おかげで田んぼビオトープはこの季節には珍しく満水です。でもこの先、日照りや少雨が続くと一気に干上がりそうで…アカガエルやセトウチが無事上陸できるように願いたいです。さて、休耕田の畑を見に行くと、巻かないのでそのままにしていた白菜に花が咲き(写真左)、キャベツがよく育って今までで一番の出来!(写真右)。 このキャベツは花が咲く前に収穫しなくては。3月下旬というのに寒い日が続きます。それでも今週後半からは春本番とか。サクラの蕾も膨らんできました。(Y)

2024年3月25日(月)
セトウチサンショウウオ(その2)

 3月21日の当欄に、孵化して間もないセトウチサンショウウオ幼生の外鰓(以下えら)について書きました。その時つるんとしていたえらが、今日見たら枝分かれしています(写真左)。また、えらの前方に左右1本ずつある突起はバランサーと呼ばれるもの。幼生期の初期に体の平衡を取る役割をしていて、これがないと幼生はひっくり返ってしまうそうです。バランサーは2週間程度で脱落します。右の写真で、えらの下から後方に突き出しているのはヒレ。これから指ができて前肢になります。その後、体の後方にもヒレができてそれが後肢になります。幼生は様々に変化しながら元気に成長しています。(Y)

2024年3月23日(土)
ヒル

 田んぼビオトープにたくさんいたチスイビル(以下ヒル)が全くいません。以前、田んぼビオトープに入ると、長靴に10匹以上のヒルが上がってきて驚いたことがあり、血を吸われたこともあります。だからヒルがいなくなってホッとした面も。ところがヒルがいなくなったのと同時期に、ミズカマキリタイコウチ、ゲンゴロウ類など水生昆虫も姿を消したり大きく数を減らしたりしたのです。調べるとヒルは、今では水草が豊富な池など自然が残された場所でないと見つからないそうで、全国的に絶滅が危惧されているのだそうです。原因は主に農薬。以前の田んぼビオトープはいい環境だったのだと改めて思います。さてこれからどうしたらいいのでしょう…。ヒルは伸びたり縮んだり、自在です(写真左・右)。(Y)

2024年3月21日(木)
セトウチサンショウウオ

 1月30日に見つけたセトウチサンショウウオの卵のう。卵のう膜を破ってしまい、剥き出しになった卵を自宅で飼育していました(1月30日の当欄)。先日見たら、幼生になって泳いでいます(写真左)。棘のように出ているのは外鰓です。右の写真は2021年5月4日のものですが、外鰓は鳥の羽のように細かく枝分かれしています。個体の成長につれて、つるんとした棘のような外鰓も細かく枝分かれしていくのですね。セトウチの成長を間近で見ていると、魚類から両生類への進化の歴史が感じられてワクワクしてきます。(Y)

2024年3月20日(水)
アカガエルの見分け方(その1)

 田んぼビオトープのアカガエルの卵はほとんどが孵化して幼生になり、早くに産卵されたものは2cmほどに成長して元気に泳いでいます。当地には2種のアカガエルがいます。ちょっと遅いのですが、卵塊での2種の見分け方について紹介します。左の写真のように、卵塊を掬って手の中にすっぽり収まるのがニホンアカガエル。小さな卵塊でも手の中に収まらず、流れてしまうのがヤマアカガエルです。このやり方で見分けられるのは産卵後1週間まで。それ以降は難しくなります。(Y)

2024年3月18日(月)
アカガエルの新たな産地

 今まで気づかなかった場所にアカガエルの卵塊があると聞いて、教えてくださったOさんに案内していただきました。田の法面の際に掘られた屋根溝(やねみぞ)にたくさんの卵塊があり、ほとんどが孵化していて2cmほどに成長した幼生も(写真左)。屋根溝は田の水を抜くためのものだそうです。田に水分が多いと大型機械が使えないのです。アカガエルの産卵は田んぼビオトープ周辺だけになってしまったと思っていたので、思いがけず嬉しいことでした。中山間地には、山際の水が湧く場所がもっとあるはず。アカガエルとの共生が期待できそう…。右の写真は、幼生の集まりに接近して撮影したものです。(Y)

2024年3月17日(日)
久しぶりの草刈り

 カヤネズミの越冬地として刈り残していた枯葉色の草はら(写真左。高い所から俯瞰したものです)。一昨日から草刈りを始めました。広い放棄田なので作業はなかなか進みませんが、オイルタンク1杯分の草刈りで最低10個のカヤネズミの巣が見つかります。右の写真は、草はらの中。倒れた草を起こしながらの、休み休みの作業です。1月24日の当欄の右の写真は7月に撮影したもの。左の写真と同じ草はらです。草を刈り終えたら焼いて…緑色の美しい草はらが楽しみです。(Y)

2024年3月13日(水)
消えたメダカとビオトープ

 遺伝子組み換えされた「光るメダカ」ではなく、地域のメダカを田んぼビオトープに入れてきました。今日も毎年捕りに行く水路に行きました。ところが、あんなにたくさんいたメダカが全くいない! いるのは多数の小さな巻貝と少数のドジョウのみ。生物が周りからどんどんいなくなります。やがては人への影響も出てくるのでは? ところで隣の地区の小学校で、子どもたちと作っていたビオトープがひとまず完成しました(写真左、右)。ツルツルした壁面には粗朶を設置。これから草が生え、花が咲き、トンボが来て…。うれしい想像が広がります。今日はここに入れるメダカを捕るつもりでした。田んぼビオトープから分けることにします。子どもたちの未来が明るいように…大人にはその責任があると思うのです。(Y)

2024年3月11日(月)
地域の自然にこだわったビオトープ

 同じ町内の小学校の子どもたちとビオトープ作りをしています。今日は庭で、細い木の枝を10〜20本束ねて粗朶(そだ)作り(写真左)。粗朶は小さな生物の隠れ場所になったり、メダカの産卵場所になったりするので、ビオトープの多様な環境作りに使います。今週小学校に持って行く予定。メダカは、お店で売っている遺伝子操作されたものではなく、地域にいるメダカを。また、水草もホテイアオイではなくコナギ(写真右)を。地域の自然にこだわったビオトープにしたいと思います。(Y)

2024年3月10日(日)
アカガエルの卵塊救出

 今日は風もなく、日差しの暖かいお天気です。鳥たちの活動も活発で、庭のケヤキの木にアオゲラがやってきました。今季初飛来です。さて、一昨日の続きでMさんの田の水路へ卵塊救出に。6〜7個あると思っていたセトウチサンショウウオの卵のうは、掬いあげてみると2個だけ(写真左。1対の大きなものとちぎれて分離したもの)。これで田んぼビオトープと周辺のセトウチ卵のうは通算36個に。またアカガエル卵塊は13個あり、一昨日の分と合わせて42個。これらはすべて救出して、田んぼビオトープの水量の安定したところに放しました。右の写真は、田んぼビオトープで1個のアカガエル卵塊から生まれた夥しい数の幼生(オタマジャクシ)です。この中からカエルにまで育つのは…?(Y)

2024年3月9日(土)
自然を壊して再エネなんて

 今日の最低気温-1℃、最高気温+5℃。啓蟄はもう過ぎたというのに、時折雪が舞う真冬並みのお天気でした。それでアカガエル卵塊の救出は明日以降にして、今日は家の用事を。こんなに寒い中、バードバスではシジュウカラやヒヨドリ、スズメがひっきりなしに水浴び。イカルの高音の明るい囀りが響きます。昨日、卵塊を救出した近くの田の法面には一輪のコスミレ?(写真左)。また卵塊のすぐそばにノウサギの糞(写真右)。減少が心配されているノウサギが近くにいることがとても嬉しい。当地に限らず、自然豊かな場所を壊してソーラーパネルを並べたり風発建設なんて何かおかしい…。(Y)

2024年3月8日(金)
セトウチ、産卵ラッシュ

 今日は田んぼビオトープへ。セトウチサンショウウオの卵のうは40個に。田んぼビオトープに隣接するMさんの田や水路にもアカガエルが産卵していないか…気になって見に行きました。今まで数回見に行った時はなかったのに、今日は田に29個の卵塊がありました(写真左)。すでに水はほとんどありません。このままでは干からびそうなので、救助して田んぼビオトープへ移しました。水路にも卵塊が数個。また、セトウチの卵のうも6〜7個(写真右)。ここで見つけるのは初めてです。水路の卵塊や卵のうも放っておけば埋めたパイプから流れてしまいますが、今は大丈夫。救助は明日に。(Y)

2024年3月6日(水)
東京へ

 3月1日から2泊3日で、2人の娘家族に会いに東京へ行きました。東京はどこも大勢の人、人。デパ地下での買い物をすごく楽しみにしていたけど、人の多さと大荷物とで早々に諦めました。東京一極集中は問題ありだけど、私の住む所のように高齢化・人口減少も大いに問題ありです。左の写真は都心から30分ほどの所。昔の武蔵野を彷彿とさせる風景が残っていました。右は帰りの新幹線の車窓からの眺め。富士山がとてもきれいでした。さて、帰宅して田んぼビオトープに行ったら、新たな産卵があったようです。通算で、アカガエルが300卵塊以上、セトウチサンショウウオの卵のうは27個になりました。(Y)

2024年2月28日(水)
セトウチサンショウウオの新しい卵のう

 田んぼビオトープの近くの水たまりにある深みで、セトウチサンショウウオの卵のうを7個見つけました(写真左、右。卵のうは茎にしっかり付いていました)。田んぼビオトープでも1個、新たな卵のうが。通算で23個。調査を始めて以来最高の数です。この水たまりでセトウチの卵のうを見つけたのは初めて。気づかなかっただけで、ずっと産卵があったのだと思います。ここは雨が降らないと干上がってしまうので、田んぼビオトープに移しました。干上がらないように、適度な雨を願うばかりです。(Y)

2024年2月26日(月)
セトウチサンショウウオの外鰓

 セトウチサンショウウオの外鰓はカエルと違って、変態して上陸するまであります(写真左。飼育下のもの。2020年5月13日)。右の写真は自然下の成体、田んぼビオトープに来てメスを待つオスです(2022年11月27日)。水辺に来るのは繁殖期だけで、繁殖が終われば雑木林などで暮らし水辺に来ることはありません。2020年、初めて飼育して放流。成熟するのに2〜3年かかるそうですから、今繁殖に来ているのはその時の個体かも…!(Y)

2024年2月25日(日)
カエルの外鰓

 田んぼビオトープでアカガエルの卵塊数を調べたら、新しいものも入れて通算で300個近くありました。セトウチサンショウウオの卵のうも15個に。ここは生物のホットスポットと言っても過言ではない気がします。大切に保全されるべき場所ではないでしょうか。さて早くに産卵されたものは体長1cmほどのオタマジャクシ(幼生)になっています(写真左)。右の写真は孵化して間もない、外鰓のある幼生です。外鰓(がいさい)とは外えらのこと。カエルにも孵化して2〜3日は外鰓がありますが、その後消失します。カエルの外鰓を初めて見た時は驚き、感動しました。(Y)

2024年2月23日(金)
水の濁りとカモの羽

 田んぼビオトープに行くと、このところずっと水が濁っています。先日は大きい羽が3枚水面に浮いていました(写真左。3枚のうちの1枚)。カモが来ているのです。夜行性で、種類は特定できていません。右の写真はたんぼビオトープにいたコガモ(2017年3月2日)。写真を整理していて見つけました。当時は田んぼビオトープに隣接して放棄田があり、木も生えていて隠れやすかったのか、10羽ほどの群れが昼間も活動していました。今は放棄田を整備しているので、隠れる所はありません。だから夜に採餌にくるのかな。羽をよく観察して、早く種類を特定したいです。(Y)

2024年2月21日(水)
アセビの花とフキノトウ
 大阪では、18・19日はまだ2月というのに暑いほどのお天気。冬物の上着を脱ぎたかったけど、たくさんの荷物もあったので着たまま我慢。でもこちらに戻ってからはお天気が悪く、とりわけ今日は一日中冷たい雨が降る肌寒い一日でした。さて先週撮影したものですが、アセビの花が咲き(写真左)、フキノトウも大きく膨らんで中の蕾が見えるように…(写真右)。昨日は少しですがフキノトウ味噌を作って早春の香りを楽しみました。(Y)
2024年2月20日(火)
アカガエルとセトウチサンショウウオの産卵

 18日から一泊で大阪に行きました。電車の窓から眺める風景は高層マンション林立の味気なさ。自宅に戻れば落葉した樹木と緑の常緑樹、枯葉色の中に見えてきた淡い緑色。見慣れたとはいえ変化に富んだ今頃の景色にほっと一息。さて、今日3日ぶりに田んぼビオトープに行くと、アカガエルの新しい卵塊が71個(写真左はその1つ。通算では240個ほど)。そして、セトウチサンショウウオの卵のう1個を発見(写真右。通算で11個)。この地域の個体のほとんどみんなが、この広くはない田んぼビオトープに集まってきているような気もします。別の場所で小さくても水の涸れない場所が増えてほしい。生物と共生するための大きな願いです。 ※2月16日の里やま日記の、アカガエルの卵塊数通算200個以上は間違いで、正しくは170個以上です。(Y)

2024年2月16日(金)
アカガエルの産卵から考えたこと

 田んぼビオトープで今日見つけたアカガエルの卵塊は、およそ100個(写真左。その一部です)。通算で200個を超えました。1卵塊の卵数は500〜3000個ですから、200個の卵塊では10万個〜60万個の卵があるということになります。もちろんすべてがカエルになるわけではなく、卵・幼生・成体がさまざまな生物の餌となり、里やまに棲む生物の命を支えています。アカガエルがいなければ里やまの多くの生物は生存が難しくなります。アカガエルは里やま生態系の中で重要な役割を担っているのです。そのアカガエルが、乾田化や水路のコンクリート化で生存の危機に瀕しています。何とかアカガエルの生息環境を保全できないか。毎年卵塊と向き合う中で考えてしまいます。右の写真は、水路で角ぐみ(つのぐみ)始めたカサスゲです。(Y)

2024年2月15日(木)
セトウチサンショウウオの卵のう

 昨夜は田んぼビオトープの方から盛んにヤマアカガエルの鳴き声がしたので、産卵が期待できそう…。楽しみに田んぼビオトープに行くと、やはりアカガエルの新しい卵塊が43個も見つかりました(通算では67個)。早くに産卵されたものは幼生が卵塊膜から出て泳ぎ出しています。また、水路ではセトウチサンショウウオの卵のうをまた1個見つけました(写真左。7個目)。すでに発生が進んでいますから、見落としていたのでしょう。右の写真は昨日見つけた卵のう。これも拡大して見ると、かなり発生が進んでいました。(Y)

2024年2月13日(火)
卵の発生と子どもたちとのビオトープ作り

 今日は4月並みの暖かいお天気。田んぼビオトープの様子を見に行きました。アカガエルの卵のうでは、発生が進んでいました(写真左)が新しい産卵はなし。セトウチサンショウウオの卵のうは1個増えて合計4個に(写真右は今日見つけたもの)。こちらも発生が進んでいるので、以前に産卵されていたのに気付かずにいたものです。そのあと、車で隣の地区の小学校へ。依頼があって、ビオトープ作りの下見に行ってきました。ビオトープを作って下の学年の子たちを楽しませたいという、上の学年の子どもたちの熱い思いを担任の先生からお聞きしました。子どもたちとのビオトープ作りが楽しみです.(Y)

2024年2月11日(日)
植物たちの冬ごもり

 冬の間、樹木は冬芽で春に芽吹く花や葉を厳しい寒さや乾燥から守ります。一方、草花は枯れてしまいますが、地上部は枯れても地下の根が生きているものもたくさんあります。そこから春に新しい芽を伸ばすものや、緑の葉が地面に張り付くようにして冬を越すものがあります。写真のように円形に葉を広げて冬越しする様子をロゼットといいます(左の写真はタンポポ、右はノアザミ)。ロゼットのメリットは、冬の冷たい風を避け、太陽の光を効率よく利用できること。ロゼットとは、八重咲のバラの花を由来とする言葉だそうです。(Y)

2024年2月9日(金)
生物多様性お話し会

 日々田んぼビオトープと向き合っていると、山を切り開いて石を積んで棚田を作った先人の苦労が見えてきます。私たちも借りた田を水を涸らさない様に管理していると、多様な生物が見られるようになりました。周辺の草はらにもさまざまな生物が暮らしています。そんな場所が潰されて太陽光パネルだらけになるなんて…耐え難い思いです。同じような問題意識を持つ人たちで「生物多様性お話し会」を持とうということになり、昨日実施されました。15名の参加があり、私たちも生物調査のデータ紹介や「生物多様性とは?」という話をさせていただきました。その後、アカガエルの産卵が始まった田んぼビオトープ(写真左)の見学。若い参加者の人たちも大いに興味をもってくれて、自分たちの地域でもやってみようと…。とても励まされた思いで帰ってくると、庭では早春の花フクジュソウが咲き始めていました(写真右)。(Y)

2024年2月4日(日)
渇水を乗り越えて

 去年の夏から秋にかけてほとんど雨が降らず、最近まで田んぼビオトープは半分ほど干上がった状態。水草を抜いても泥上げをしても一向に水が湧きません(写真左。1月14日)。ここは、休耕田を借りた時はイノシシのぬた場でした。畔が常にぬかるんで、麻袋に土を詰めて畔に積むことを何度も行ってようやく歩けるような状態。そんな場所だから、穴を掘ればすぐに水が湧いてきました。でも今冬は全く湧いてこなかった。猛暑と少雨で地下水位も下がっていたのでしょう。1月20日と21日の待望のまとまった雨で、田んぼビオトープは一気に満水に(写真右。左の写真と同じ場所。1月21日)。アカガエルの産卵に間に合って、ほっとしています。(Y)

2024年2月2日(金)
アカガエルの産卵と太陽光パネル

 今季は冬鳥が少ないとはいえ、今日はカシラダカとアオジを見ることができました。例年なら10月〜11月頃には姿を見せる鳥たち。この異変の原因は? 今後何らかの発表があるでしょうか。さて、今日もアカガエルの新しい卵塊が8個ありました(写真左。これは2月1日に撮影したもの)。この写真のように、同じ場所に集中して産卵することが多いです。アカガエルが産卵する田のすぐ近くで太陽光パネルの設置工事がほぼ終了(写真右)。カエルとパネル、やっぱりミスマッチだなぁ…。(Y)

2024年2月1日(木)
能登の大地震から1か月

 早いもので、今日から2月。元日の能登地方の大地震から1か月です。地震は日本列島に住む限り避けられませんが、能登で起こった地震の規模の大きさに呆然となりました。想定外なんて言葉は人間の思い上がり。自然災害には通用しないものであることをまた思い知らされました。人間は自然にも他の人間や野生生物の命にも、もっと謙虚に生きなければ…。さて、1月21日に始まったアカガエルの産卵。今日は14個の新しい卵塊を確認しました。左の写真で右側が21日産卵のもの、左側が新しいピカピカの卵塊です。また、セトウチサンショウウオの卵のう1個を見つけました(写真右)。絶滅に瀕した両生類の命。大切に守りたいと思います。(Y)

2024年1月31日(水)
田んぼビオトープの整備

 秋から始めた水草取り。カエルの産卵に間に合うか心配でしたが(写真左。2023年12月10日)、頑張った甲斐あってようやく目途がつきました(写真右。2024年1月21日)。作業直後なので水が濁っていますが、翌日にはきれいになりました。泥上げや水草取りの作業は大変ですが、田んぼビオトープがきれいになり、生息する生物が増えることは大きな喜びでもあります。(Y)

2024年1月30日(火)
セトウチサンショウウオの産卵

 今日は暖かく穏やかな一日。田んぼビオトープの水草取りをしました。アカガエルの産卵は1月21日の1卵塊のみ。セトウチサンショウウオ(以下セトウチ)は成体も見ないし、産卵はまだだろうと思っていました。ところが無造作に水草を抜いたらセトウチの卵のうが2個付いていてびっくり(写真左)。あまりに無造作だったので、1個は卵のう膜が破れて寒天質に包まれた卵が剥き出しに。その1個は持ち帰って孵化するまで飼育することにして、無事な方は見つけた所にそっと戻しました。昨夏の猛暑と少雨を生き抜いて産卵に戻って来たセトウチ…何だか愛おしいです。作業を終えて帰宅すると、きれいな空が広がっていました(写真右)。(Y)

2024年1月27日(土)
ヒメカマキリの卵鞘

 薪置き場に積んでいた薪にヒメカマキリの卵鞘がありました(写真左)。初めて見るもので大きさ約1cmと、その小さいことに驚きました。成虫とは昨年初めての出会いがありました。本種は他のカマキリと比べて小さくて目立ちにくいですが、成虫も幼虫も眼に特徴があるので見分けることができます。右の写真は少し成長した幼虫で、夫が2010年8月に撮影したものです。(Y)

2024年1月26日(金)
ケラとサワガニ

 ニホンアカガエルの産卵があった1月21日は昼間暖かく、水路ではケラを見ることができました(写真左)。田んぼビオトープの上の法面からは水が滴り落ちています(写真右)。所々にある穴ではサワガニ(季節の1コマ504)が越冬中。サワガニは清流の生きものだと思っていたので、当地で初めて見た時は驚きました。田んぼビオトープの水も水田と同じように雨水頼みですが、土中を通って湧き出す水がきれいだということでしょう。本種は日本固有種。母ガニの腹板内で稚ガニまで成長します。ケラもサワガニも魅力的で、見飽きることがありません。(Y)

2024年1月25日(木)
冬芽と葉痕(ニワウルシとサンゴジュ)

 左の写真はニワウルシ(別名シンジュ)幼木の冬芽と葉痕。ニワウルシは中国原産の高木で成長すると高さ25m、直径1mほどにもなる木。たくさんの種子を飛ばし、成長が早いので至る所の空地や道路際に見られます。大きなハート形が葉痕、その上の突起が冬芽です。右の写真は、ご近所のおばあちゃんのお宅にあるサンゴジュの冬芽と葉痕。大きな帽子をかぶった人のよう。これらの芽吹きも見てみたい。春が待ち遠しいです。(Y)

2024年1月24日(水)
棚田が美しいのは(その3)

 きれいになった堤防の景観を記録に残したくて、棚田の高い所から撮影しました(写真左。2021年9月7日)。右の写真は現在のため池堤防下です。白っぽく見えているのはマコモなどが枯れたもの。ここでカヤネズミが繁殖し、枯れた草の株元や倒れた草の間で越冬します。それでも放っておくわけにはいかず、これから少しずつ枯れ草を刈ります。そうすると、春にはまた青々とした草が生えて美しい草はらに。若いころ見た美しい棚田の景観は、農家の多くの人の汗によって守られていたのです…当時はそんなこと思いもしなかった。(Y)

2024年1月24日(水)
棚田が美しいのは(その2)

 左の写真は、ため池堤防下の数年間放置されたままの放棄田です(2016年12月14日撮影)。その後うちで草刈りなど整備しているとカヤネズミが多数生息するマコモ、チガヤ、ススキの美しい草はらになりました(写真右。2020年7月5日撮影)。2023年1月24日の当欄もご覧ください。(Y)

2024年1月22日(月)
棚田が美しいのは(その1)

 昨夏の猛暑で棚田の整備ができず、暑さが和らいだ10月になってから草刈りや田んぼビオトープの水草取りを始めました。放っておいた水草は伸び放題(写真左。2023年11月20日)。アカガエルの産卵までに水草を除去して開放水面を広げておかなくてはと作業開始。水草取りは大変。でも毎日少しずつ続けていると、いつの間にかきれいに(写真右。左の写真と同じビオトープです)。棚田が美しいのは人の汗の賜物という言葉に共感…でも現代において美しい棚田の景観を守り続けるにはどうしたらいいのでしょう。(Y)

2024年1月21日(日)
アカガエルの産卵が始まりました

 一昨日、昨日と待望のまとまった雨が降り、田んぼビオトープのすべてが満水。干上がっていた田んぼビオトープのいろんな所からあふれ出てくるきれいな水…いつまでも眺めていたいと思いました。そして今季初めてのニホンアカガエルの産卵(写真左)。1卵塊だけですが昨季より3週間ほど早い産卵です。水路にはオスの成体も(写真右)。ところで冬鳥が少ない今季ですが、昨日はシロハラ、今日はトラツグミが初めて庭に来ました。うれしいことがテンコ盛りの、特別うれしい日…。(Y)

2024年1月19日(金)
クサギの冬芽と芽吹き

 クサギの冬芽を初めて見た時、元気いっぱいって感じで面白いと思いました(写真左。2022年2月)。この冬芽がどのように芽吹くのだろう? 右の写真は芽吹いて葉が展開し始めたもの(2022年4月)。以前は葉が茂った木か、落葉した木しか目に入らなかった…。冬芽で寒さをしのいで、春に芽吹いて葉を茂らせるという木のダイナミックな変化に気付かないでいたのです。冬芽の面白さとともに芽吹きの美しさ、不思議さに触れて、一昨年から観察を始めました。いろんな木の芽吹きの季節に、少しずつ紹介したいと思います。(Y)

2024年1月18日(木)
冬芽(ナナカマドとヒメコウゾ)

 昔、幼い娘たちと「ふゆめ がっしょうだん」の絵本を楽しみました。以来、絵本にある様々な冬芽に興味を持ちました。でも当時住んでいた大阪では身近で見る機会もなく、いつの間にか心の奥底に。当地に来て様々な冬芽を見る機会を得て、しまっていた興味がまたムクムクと…。左の写真はナナカマド、右はヒメコウゾの冬芽です。こちらに移住した当初、ヒメコウゾがはびこって困っていたのに、こんなに大きな冬芽に気付かなかった。身近にあることで興味を持ち、知ることでさらに気付きが増える…そんな気がします。(Y)

2024年1月16日(火)
草刈りとカヤネズミの巣

 今日は草刈りをしました。左の写真は放棄田のマコモとチガヤの小さな群落。ここを刈っていて秋の繁殖巣を3個見つけました。もう使われていないので中を見ると、チガヤの葉が細かく裂かれた産座にたくさんの黒いものが(写真右)。カヤネズミ幼獣のフンです。幼獣が無事育ったのだと思うとうれしくなります。今日の草刈りで見つけた巣は12個。そのうち8個が繁殖巣と思われるものでした。最終的にどれだけの巣が見つかるか楽しみ…。草はらで一生を過ごすカヤネズミは、良好な草地環境の指標とされ、岡山県の準絶滅危惧種です。(Y)

2024年1月15日(月)
フキノトウと温暖化

 フキノトウが現れました(写真左)。昨年より40日、一昨年より50日も早い顔見せです。朝晩の冷え込みは厳しくても、昼間は暖かい日が多いためでしょう。温暖化が言われて久しく、豪雨、干ばつなど様々な異変が報じられています。でもそればかりではなく、温暖化による生物多様性の貧弱化が始まっていて、人間の生活に影響を及ぼしつつあると感じます。そんな地球環境の危機の中でも戦火は止むことなく、人の命や生活基盤の破壊はエスカレートするばかり。戦争は温暖化を加速し、環境破壊の最たるものだというのに…。ゴンズイの冬芽(写真右)を見ると、寒さの中でただ春に向けて芽吹く準備を整えています。人間も、人や人以外の生きものの命や生きるということをもっともっと大切にできないものでしょうか。(Y)

2024年1月14日(日)
水草取りとオオコオイムシ

 今日は明るく暖かい日差し。田んぼビオトープで午前、午後の2回水草取りをしました。2月になるとアカガエルの産卵が始まります。それまでに水量を増やし開放水面を広げなけらばならないので少々焦り気味。左の写真は作業中に出てきたオオコオイムシ。あと、ヒメガムシ、シオカラ系のトンボのヤゴやヒルなど。生物の気配が少なくなった冬に出会う生きものたちは、どれも貴重です。休耕田に水を溜めた所は6か所ありますが、昨日ようやく2か所目の整備が終わったところ(写真右)。1日経つと水が澄んできれいになります。(Y)

2024年1月13日(土)
水草取りとドジョウ

 この冬は野鳥がすごく少ないです。例年、群れを作って自宅周辺の雑木林や畑、藪、草地で一冬中過ごすカシラダカやアオジを全く見ることができません。ミヤマホオジロ(季節の1コマ506)やシロハラ(2022年12月27日の当欄)も今年はとても少ない。温暖化が生物に大きな影響をもたらし、後戻りできない状況になってはいないか…。里山地域から、生物を観察しながら発信を続けます。さて、先日は水草(主にマコモ)取りをしました(写真左)。その時に現れたのはドジョウ(写真右)。きつい水草取りの作業中、ほんの一時心が和みました。(Y)

2024年1月10日(水)
繁殖巣と越冬巣

 先日、チガヤ群落になっている休耕田の草刈りをしていて、カヤネズミの大きな繁殖巣を2つ見つけました。使用済みの巣なので開いて中を観察(写真左)。2層構造になっていて、外層は巣材を粗く裂いてありますが、内層はとても細かく裂いてあって柔らかい。この柔らかく暖かい産座で数匹の赤ん坊が育ったのでしょう。カヤネズミの巣は鳥のように巣材を運んでくるのではなく、そこに生えているチガヤやススキなどのイネ科の草の葉を裂いて編んで作ります。繁殖のための巣はこのように手間をかけて丁寧に作られています。ところで、2014年に家の側にたくさんの藁束を立てて「わらにお」と呼ばれるものを作りました(2015年1月18日の当欄左側の写真)。藁が足りなくてまるで編み笠を被った侍のような失敗作でしたが、春になって「わらにお」をほどいたら、小さいけれど暖かそうなカヤネズミの越冬巣が!(写真右)。カヤネズミが冬の間ここにいたのだと感激。 懐かしい思い出です。(Y)

2024年1月7日(日)
棚田の整備

 夏の猛暑で、南に面した棚田では一日中日差しが強く作業ができませんでした。それで今頃、暖かい日は水草取り、寒い日は草刈りと棚田の整備作業です。左の写真は冬の棚田。まだまだ草刈りは終わりません。右の写真は刈り取った1枚の田の1年分の草。光合成のすごさに圧倒されます。コメ農家はお米を作る人、ぐらいしか考えていませんでしたが、自分で作業するようになって思い至りました。農家の人は本体の作業以外にも、ため池、水路、農道の整備をし、農地や周辺の草を何度も刈ってそれを片づけて…大変な労働の結果が、お米の生産だけでなく環境保全・景観保全・国土保全にも繋がっていたのだと。その労働の価値が都会の人々にどれほど認識されていただろうか?労働に見合う報酬は? 作業をしながら思いが巡ります。(Y)

2024年1月6日(土)
ジャコウアゲハ幼虫の飼育を終えて

 昨年の12月中旬までジャコウアゲハの飼育幼虫がいました。最終的には死んだものあり、温めることで蛹化したものもありで飼育を終えました。蛹化に至ったものも無理があったのでしょう、その後すべて死んでしまいました。自然に反することをしたのかもしれません。もともと当地ではジャコウアゲハは年3化。でも昨年は、秋が暖かかったためか4化目が出現し産卵もありました(写真左)。食草は十分でしたが、日暮れが早くなり、朝晩の冷え込みが強くなってくると幼虫の活動は不活発に。幼虫の成長や蛹化には食草や気温だけでなく、日長も関係があるのかもしれません。自然下でも秋に産卵されたものは多くが死ぬのでしょう。昨年の猛暑の長い夏は、様々な生物にも大きな影響があったものと思われます。先日薪置き場で自然下で育った蛹を見つけました(写真右)。かろうじて間に合った蛹でしょう。(Y)

2024年1月5日(金)
赤い実、青い実

 左の写真はヤブコウジの赤い実、右はジャノヒゲの青い実です。冬枯れの雑木林で、ひときわ輝いています。(Y)

2024年1月4日(木)
おはぎと水草取り

 夫は昨年のお正月から、今までしたことのないことを発案します。昨年はコンニャク作り。私も一度やってみたかったので一緒にしました。(2023年1月5日、6日の当欄)。何度か失敗した後に完成。でも、コンニャク作りでお正月は終わりました。さて今年は、おはぎ作り。私は何度か作っているので夫に任せて、田んぼビオトープの水草取りに。開放水面が広くなりました(写真左)。2時間ほどして帰宅したら、テーブルの上におはぎ!(写真右)。おいしくて、ちょっと夫を見直しました。(Y)

2024年1月3日(水)
切り干し大根

 今シーズンは畑の大根がうまく育ちました(写真左)。無農薬・無化学肥料です。20本ほどですが、どうやって食べきるか…まずはおでんなどの煮物。あとは佃煮、ユズ大根、切り干し大根など保存食に。12月に切り干し大根を作ってみました。大根1本(約800g)で70gの切り干し大根ができました(写真右)。2回の調理で食べきる量です。簡単なので、もっと作って1年間の保存食にします。梅仕事、柚子仕事に大根仕事…大変だけど出来上がったら達成感も。それに、買ったものよりおいしいです。(Y)

2024年1月2日(火)
「明けましておめでとう」が言えなくて…

 今日は1月2日。元旦に石川県の能登地方で大きな地震がありました。厳冬期、しかも元旦の大地震。被災された方たちのことを思うと胸が痛みます。改めて日本は地震国なのだと心に刻みました(2023年3月15日5月7日の当欄もご覧ください)。さて、薪置き場で冬眠中のカメノコテントウ(写真左。体長約1.2cm)とヤモリの幼体(写真右。体長4〜5cm)を見つけました。今日は日差しが暖かく、しばらく見ていると動き出したので急いで元の場所へ。私のすぐそばでひっそりと生きている生きものたち。いとおしい命です。(Y) ※今年から新しいページにしました。

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