2021年12月31日(金)
雪の大晦日

 このところ寒い日が続いて雪も降ります。今朝も庭は一面銀世界(写真左)。昼を過ぎて雪が解けてきたので庭を散策したら、アカマツの新芽がもう伸びています(写真右)。ある地域からは、セトウチサンショウウオの産卵が始まりそうだとの連絡をいただきました。冬枯れというけれど、自然界では春が始まりかけています。(Y)

2021年12月30日(木)
冬芽

 今日は自宅の周りで冬芽を探しました。冬芽は樹木が冬の寒さや乾燥に耐えている姿です。トチノキの冬芽はベタベタした樹脂で覆われているし、モクレンやコブシはふさふさした毛で覆われています。植物によって様々です。左の写真はサクラ類の、右はヤマグワの冬芽。顔のように見えるのは葉痕です。(Y)

2021年12月29日(水)
新しい日常

 今日、ウリを荼毘に付しました。今までに飼った犬は3匹。1匹目は夫、2匹目は次女、3匹目は長女の縁で我が家の一員になりました。近所の人は、今度は私が新しい犬を連れてくると言われますが、ちょっともう無理かな。30年以上、犬がいる暮らしが当たり前でした。これから犬のいない新しい日常が始まります。今は寂しくてたまらないけど、そのうち慣れるでしょうか。昨日、久しぶりに近所を歩きました。左の写真はツルリンドウの実、右はニワウルシの冬芽と葉痕。厳しい寒さでも生物の気配を感じるとうれしくなります。(Y)

2021年12月27日(月)
ウリ、天国へ

 昨夜、ウリが天国へ旅立ちました。ムラはありましたが前日までは概ね食欲旺盛で小康状態。でも昨日夜に異変が生じ、10時半頃に私と夫が見守る中で静かに息を引き取りました。会いたい人や犬に会えて思い残すことなく力尽きたのでしょう。若い時、雪の上を3本の肢で全速力で走るウリ(写真左)、犬がいっぱい出てくる映画「南極物語」に熱中(写真右)…。思い出は尽きません。犬を飼うことは大変ではありますが、私たちの日常が豊かになったのは確かです。(Y)

2021年12月26日(日)
空を見上げて

 今日はKちゃんが来てくれました。帰省を終えて戻る前にウリに会いたいということで寒い中を来てくれました。初めて会ったときはKちゃんは小学生、今は大学生です。ウリをずっと可愛がってくれてウリも大好きな人。Kちゃん以外にもウリのことを気にしてくれる人はたくさんいて、天気の良い日に何度も訪ねてきて励ましてくれたり、遠方からセーターや食べ物を送ってくれたり。ウリを通じて出会った素敵な方たちに感謝、出会わせてくれたウリにも感謝です。さて、暖かい日には日向ぼっこが大好きなウリを庭に出してやります。気持ちよさそうに空を見上げるウリ(写真左。2021年12月15日)。右の写真は、肢の不自由なウリのために買ったバギーに乗って嬉しそうな顔。我が家に来て間もない1歳の頃です(写真右。2011年8月5日)。(Y)

2021年12月25日(土)
クモの卵のう

 クモは卵をひとかたまりで産み、糸を巻いて卵のうという袋を作ります(写真左。2021.12.23)。卵は卵のうの中で孵化し、子グモは一度脱皮をしてから卵のうを出ます(出のう)。左の写真はフタが閉じているので、中に孵化した子グモがいるのでしょう。子グモは卵のうの中で冬を過ごし、春に出のうします。暖かい季節には卵のうのフタが開いたものをよく見ますが、それは子グモが出て行った後のものです。右の写真はジョロウグモの卵のう(2019.10.31)。卵のうは種によってさまざまな形をしています。(Y)

2021年12月23日(木)
休耕田の畑

 休耕田で作業をすると、いつも帰りに畑に寄ります。この頃は大根と白菜(写真左・右)、キャベツ、下仁田ネギ、春菊、小松菜がよく育ち重宝しています。霜が降りると野菜がすごく甘くなります。(Y)

2021年12月22日(水)
鳥類調査 その2

 今回の調査で確認できたのは、イカルチドリ、ビンズイ、カシラダカ、ベニマシコなど19種。私はベニマシコ(写真左)が初見だったので、うれしい調査になりました。右の写真はジョウビタキのオスです。(Y)

2021年12月22日(水)
鳥類調査 その1

 環境省「モニタリングサイト1000・里地」の鳥類調査をしました。2021年度越冬期、6回の調査のうちの1,2回目です。写真は調査コースの地面。落ち葉を踏んだ時の心地よい音を聞きながら歩きます。アベマキの大きなドングリがたくさん落ちていました。(Y)

2021年12月21日(火)
草刈りで

 昨日は日差しのある場所は暖かかったけど、ひんやりとした空気。絶好の草刈り日和です。このところお天気が安定せず外の作業ができなかったので、久しぶりに田んぼビオトープへ。水路の泥上げの効果で、4つある田んぼビオトープすべて満水。透き通るようなきれいな水です(写真左)。あとはチゴザサなどの水草を抜いたら、1か月後に迫ったアカガエルやセトウチサンショウウオの産卵にも間に合いそう。気持ちよく周辺の草刈り作業。右の写真はその時に見つけたカヤネズミの巣。剥き出しになった巣に、寒くないように刈草をたくさん被せておきました。(Y)

2021年12月19日(日)
棚田の一本道とレンゲソウ

 今日、庭で冬鳥のシロハラを見ました。鳴き声はよく聞いていたのですが、見るのは今シーズン初めてです。さて、左の写真は冬の一本道。そのわきで秋に種を蒔いたレンゲソウが元気に育っていました(写真右)。これぐらい大きく育つと真冬の寒さにも負けず成長するでしょう。棚田の一本道と満開のレンゲソウ…。来年の春が楽しみです。(Y)

2021年12月17日(金)
越冬蛹とヤブコウジ

 保護していた幼虫のうち、アゲハの幼虫(11月13日の当欄)が11月19日に蛹になりました(写真左)。今、飼育箱の蛹はアゲハ10、ジャコウアゲハ7、モンシロチョウ1、ダイミョウセセリ2、アゲハモドキ(ガの一種)4です。自然下ではジャコウアゲハの蛹2個の場所を確認しています。ところで、今日の午後は強い寒気が入って大荒れの天気に。一時ゴーッと音を立てて強風が吹き荒れ、初雪は激しい吹雪です。一気に気温が下がり、日暮れ頃にはすでに氷点下で地面は真っ白。厳しい寒さに生きものの気配が少なくなる季節でも、雑木林の中ではヤブコウジがきれいな赤い実をつけています(写真右。12月14日撮影)。(Y)

2021年12月14日(火)
冬の彩り

 デッキのそばのヒイラギの木に白い花が咲いていました(写真左)。いつもそばを通るのに、今まで気づきませんでした。ヒイラギの花がこんな寒い季節に咲くのだということも。北斜面にはフユイチゴの輝くような赤い実(写真右)。冬枯れの中で数少ない花や実を見ていると、沈みそうな心も高揚してきます。(Y)

2021年12月12日(日)
泥上げの成果

 左の写真は田んぼビオトープの12月9日の様子です。水がほとんどなくなっています。以前は3月頃によくこのような状態になり、カエルやセトウチサンショウウオの幼生をたくさん干上がらせてしまいました。右は12月10日に水路の泥上げをした翌日の写真。一晩で満水になりました。田んぼビオトープの水を保つために、水草除去と水路の泥上げは大変だけど大切な作業です。(Y)

2021年12月10日(金)
水路の泥上げ

 飼い犬の状態もそれなりに落ち着いているので、夫と交代で外の作業を再開しました。久しぶりに田んぼビオトープに行くと、いつもは満水のところが干上がっています。点検すると2か所の排水口付近から勢いよく水が出ていました。応急の水漏れ補修をして、次は流入する水を確保するため水路の泥上げです。作業前には泥がたまり、刈草が被さっていました(写真左)。作業後は一気にきれいな水が流れはじめ(写真右)、下の田んぼビオトープの干上がりも解消しました。アカガエルやサンショウウオの産卵までに環境整備ができそうでホッと一息です。(Y)

2021年12月8日(水)
アオゲラ

 キツツキの仲間はさえずりをしない代わりに、木を激しくつつくドラミングで自分の縄張りをアピールします。左の写真は家の近くに架けた小鳥の巣箱。外して中を見るとコケが敷き詰められていたので、ヤマガラかシジュウカラが繁殖に使ったのでしょう。そして前板が真っ二つに割れています。そういえばこの巣箱をアオゲラ(写真右。以前の写真です)がよくドラミングに使っていました。巣箱は中が空洞で穴が開いているので音がよく響くのです。それにしても板を簡単に割ってしまう嘴の強さは驚きです。(Y)

2021年12月5日(日)
バタフライガーデン その2

 里山の要素をいっぱい詰め込んだバタフライガーデンには、チョウだけでなくいろんな生きものたちが集まってきます。蜜を求めてアブやハチ、草地にはバッタやキリギリス。昆虫が多いので、カマキリやアシナガバチなどの肉食昆虫やムカデ、クモ類、それに鳥たちも。秋~冬にはエゴマや雑草のタネを食べにアトリ(写真左。2020年10月)やビンズイ(写真右。2021年11月)、ミヤマホオジロなどが。池があるのでカエルやイモリ、ヘビなども。ここにいると生きものは様々に関わりあって生きていることが実感できます。(Y)

2021年12月4日(土)
バタフライガーデン その1

 自宅そばの小さな畑に、作物ではなくチョウの蜜源植物や幼虫の食草・食樹を植えることにしました(写真左。今年8月)。初めは写真家今森光彦さんに倣って「オーレリアンの庭」と呼んでいましたが、狭い土地なのでシンプルに「バタフライガーデン」と呼ぶようになりました。このバタフライガーデンには、小さなため池(ビオトープ池)や落葉樹など里山の要素をいっぱい詰め込んでいます。残念ながら天候のせいか、今年はアゲハチョウ科の大きなチョウがあまり来なかった。花も期待通り咲かなかったものも。でも宿根草が多いので来年に期待!右の写真は今の冬枯れのバタフライガーデンです。(Y)

2021年12月3日(金)
ナツアカネとビオトープ池

 田んぼビオトープで水漏れ補修をしていたら、翅がぼろぼろになったオスのナツアカネを見つけました(写真左)。多分、今年見る最後のナツアカネになるでしょう。帰宅して自宅そばのビオトープ池(人工池)の水の具合を見に行ったら、先客のメスのミヤマホオジロが近くに飛び移りました。寒くなって天敵もいないし、きれいな水もたっぷり(写真右)。餌となる雑草のタネも豊富。私がいないときには鳥たちがここで生活を謳歌していると思うと、何だかうれしくなります。(Y)

2021年12月1日(水)
今日から師走

 早いもので今日から師走。昨夜の雨の後、一気に12月下旬並みの寒さになりました。昨日までは昼間暖かかったしウリの容態も少し落ち着いているので、様子を見ながら夫と交代で田んぼビオトープや自宅周辺の整備を再開しました。昨日は落枝を集めたり、自宅南斜面のササ刈りなど。夕方になってもわりと暖かかったので、作業中アマガエルや成虫越冬のツチイナゴが現れました(写真左・右)。暗くなったので帰宅して時計を見たら午後5時前。これから冬至までさらに日が短くなる、気ぜわしい季節です。(Y)

2021年11月29日(月)
我が家の愛犬ウリ

 ウリは沖縄生まれ。生後およそ3か月の時に交通事故に遭い、右前肢を失いました。その後、縁あって我が家に。左の写真はウリが我が家に来て2週間ほど経った頃。向かって左の毛がない部分は手術痕です。ウリは今11歳。体調を崩して動物病院に連れて行ったら、肝臓に悪性の腫瘍があり、もう長くは生きられないと告げられました。とてもショックを受けましたが、今は最後まで穏やかに過ごさせてやりたいというのが一番の願いです。ストレスになる点滴もやめました。その代わり、できるだけそばにいて声をかけてやるようにしています。散歩のときにかわいがってくれた大好きな人たちが会いに来てくれて、おいしくて体に良い食べ物や役に立つ用品などを差し入れしてくれました。そんな時は全身で喜びを表します。そんな皆さんのやさしさに接して、食欲も出て目力も復活(写真右)。全然力が入らず立てなかった肢も、よろけながらも少し歩けるようになりました。うれしいとか安心ということは、生きる力になるのかもしれません。(Y)

2021年11月24日(水)
ジャコウアゲハの越冬蛹

 ジャコウアゲハの蛹を2つ見つけました。1つは一輪車の荷台の裏側(写真左中央下。写真右はその拡大)、もう1つはガレージに立てかけた木箱の内側で。今年は自然下で見つけた蛹の1つは蛹化失敗(11月9日の当欄)、残りはすべて寄生されていました。今回見つけた2つは越冬蛹。来年無事羽化することを願っています。一輪車はそれまで使用禁止です。(Y)

2021年11月22日(月)
水草取りの成果

 暖かい日に少しずつ水草を抜いていたら、開放水面が広がっていきました(写真左)。右の写真は作業を始めたころです。びっしり生えているのはマコモ(イネ科)。まず長く伸びたマコモを刈って、それから根茎を切って抜いていきます。4枚ある田んぼビオトープの1枚の、やっと半分を終えたところです。(Y)

2021年11月21日(日)
ミズカマキリとハシリグモ

 火曜日あたりから寒くなるらしいので、暖かいうちに頑張って水草取りをしています。作業中に現れたのはミズカマキリ(写真左)。久しぶりの出会いです。右の写真はハシリグモの仲間。この仲間は水辺を好み、網を作りません。田んぼビオトープにたくさんいるクモです。よく見るとハマベアワフキを捕食中(2020年12月6日の当欄)。また、最近我が家の庭のケヤキにはエナガ、シジュウカラ、コゲラなどが日に何度となくやってきます。木肌をつついてアブラムシ類を食べているようです。生きもののつながりが日々興味深いです。(Y)

2021年11月20日(土)
犬と月食と紅葉と

 飼い犬の体調が良くなかったので、動物病院に連れて行きました。診断は思いがけず重い病気。点滴をしてもらって少し元気になった犬は、帰宅してからも不安なのか私のそばを離れようとしません。言葉は喋らなくても私の言うことを理解できる、目と目で通じ合える、そんな犬です。少しでも元気で長生きさせてやりたいです。ところで昨夜は部分月食(写真左)。眺めながら果てしない宇宙に思いを馳せました。右の写真は昼間作業中に見た山。今が一番紅葉が美しいです。(Y)

2021年11月18日(木)
カラスザンショウ

 1か月ほど前のことですが、田んぼビオトープで作業をしていると、たくさんのカラスがカラスザンショウの木(写真左)にいるのが見えました。カメラを向けると一斉に逃げていきましたが、その数ざっと30羽。写真右は、木の下に落ちていたカラスザンショウの実。多分カラスが落としたものでしょう。この実はカラスのほかにアカゲラ、アオゲラ、キジバト、ジョウビタキなど小鳥たちが好み、冬前の貴重な栄養源になっているようです。また、葉はアゲハチョウ科の幼虫の食草です。この木は人にはあまり利用されることもなく雑木扱いですが、生態系の中で大きな役割を果たしているようです。また、崩壊地、伐採跡地などに初めに生える先駆植物ですが、種子の分散には鳥や動物が深く関わっているのでしょう。(Y)

2021年11月17日(水)
水草取り

 暖かい日は、生物調査も兼ねて田んぼビオトープの水草取りをしています。根っこを取れば水が湧いてくるし、根に絡んだ泥は畔の水漏れ修理に使います。作業中、生きものたちが次々と現れます。ヤゴ(写真左。シオカラトンボ系)、ガムシ、ドジョウ、エビ(写真右)など。エビはおそらく、数年前に近くの水路から何匹か捕ってきて田んぼビオトープに放したものの子孫。その後姿を見ていなかったので、見つけた時は定着していたのだとうれしかったです。(Y)

2021年11月16日(火)
フユノハナワラビとチャノキの花

 左の写真はシダ植物のフユノハナワラビ。シダなのでこれは花ではなく胞子葉。でも寂しくなった畔の彩りです。広い棚田の休耕田を夫婦二人で草刈りをしているので、なかなか十分にとはいきません。そのいい加減さがちょうどよい植物もあるようで、フユノハナワラビも株が年々増えています。右の写真はチャノキの花。寒くなって花が少なくなった季節に白い花びらが輝いて見えます。(Y)

2021年11月15日(月)
アゲハ蛹とハラビロカマキリ

 また昨日の続きです。アゲハの蛹は緑色のほうも反り返った形になりました(写真左)。左の茶色いのは幼虫がまだ暖かい時期に食草をたくさん食べたもの。右の緑色のほうは寒くなってあまり食べずに蛹になったもので、やはり小さいです。右の写真はメスのハラビロカマキリ(10月30日撮影)。今年はこのときの一度しか見ませんでした。ハラビロカマキリだけでなく、オオカマキリコカマキリなどカマキリ類が今年は少なかったので気になります。(Y)

2021年11月14日(日)
アゲハ蛹化とクワコ

 昨日書いたアゲハの前蛹が蛹になりました(写真左。緑色の方)。脱皮を終えた直後のようで、まだ左の蛹のように上部が反り返っていません。明日には同じ形になるでしょう。前蛹から蛹まで6日もかかりました。残っている幼虫はあと1匹です。右の写真はクワコ(カイコガ科)。昨夜部屋に飛び込んできました。クワコはカイコの原種(野生種)だそうです。体表面に獣毛のような毛。そして櫛状の触角。初めての出会いに感動しました。(Y)

2021年11月13日(土)
イヌザンショウのアゲハ幼虫

 左の写真はアゲハの蛹と前蛹。右は今年最後の終齢幼虫で、明日には前蛹になりそうです。この緑色の2匹は、他の幼虫にイヌザンショウの葉を補給する時に付いていた卵が成長したものです。もう葉を食べることもないので、ようやく今年の食草補給も終了です。冷え込みが厳しくなりましたが、無事蛹になって来春の羽化が見られるのを楽しみに待ちます。ところで芋虫は嫌いという人が多いと思いますが、私にはアゲハ終齢幼虫の可愛さは格別。この緑色の幼虫を見るたび、20年ほど前に流行った「チョコエッグ」の中の精巧なフィギュアを思い出します。(Y)

2021年11月12日(金)
柚子をいただきに

 同じ地域のTさんは私より20才以上年上。お母さんのような存在です。Tさんの亡くなられたご主人が、子どもや孫のためにと実のなる木をたくさん植えられたそうです。ピオーネ、みかん、柿、キーウィ、ブルーベリー、柚子など。今ではお孫さんやひ孫さんが季節折々にブドウ狩りやブルーベリー狩りなどを楽しみに来られます。私もお相伴に預かって、昨日は柚子(写真左)狩りに行かせてもらいました。柚子を自分で収穫して初めて知った鋭くて大きな棘(写真右)。柚子の収穫は大変です。さて、大きな篭2つに山盛りの柚子。娘たちに送って、ご近所におすそ分けして、残りは私の柚子仕事。大切にいただきます。(Y)

2021年11月11日(木)
田んぼビオトープの草刈り

 今日は午前中、田んぼビオトープの草刈りをしました。早春に産卵するアカガエルも田んぼビオトープに集まってきたようです。草刈りを早くして環境整備をと気がせくし、草刈り機で傷つけないか気を遣います。メスはみんな卵でお腹が大きく膨らんでいて、すでに産卵準備はOK。1月下旬~3月中旬の産卵期まで冬眠して過ごします。写真左は棚田入り口の階段でじっとしていたオスのナツアカネ。寒くて動けなかったようです。写真右は作業中に見つけたカヤネズミの巣。巣の地上からの高さは約20cm。巣材はイ、チゴザサ、スギナなどで、大きくてしっかりした作りなので繁殖用の巣でしょう。剝き出しになってしまったので、刈草をたくさん被せて繁殖が続けられるようにしておきました。(Y)

2021年11月10日(水)
晩秋の生きものたち

 2~3年前、自宅そばの畑にアトリの30羽ほどの群れが来て、エゴマのタネをあっという間に食べつくしました。それからは毎年エゴマを育てているのですが、残念ながらあの時のように群れで来ることはありません。今年もアトリは来なかった。でも、今日ビンズイが2羽来て地面に落ちたエゴマのタネを食べているようでした。ビンズイが畑に来るのは初めて。ちょっとうれしい出来事でした。写真は秋遅くまで見られるツユムシ類で、左はヤマクダマキモドキ、右はツユムシ。いずれもメスです。写真ではわかりにくいですが、ツユムシは片方の触角がありません。厳しい世界を何とかここまで生き延びたのでしょう。(Y)

2021年11月9日(火)
ジャコウアゲハ蛹化失敗

 10月28日、薪置き場の枠でジャコウアゲハ幼虫が前蛹になっていました(写真左)。いつ蛹になるだろうかと毎日観察していましたが、なかなか蛹になりません。11月5日、いつものように見に行ったら、ようやく蛹化のための脱皮が始まっていました(写真右)。大きな変化を目の前で見るチャンスと思いしばらく見ていましたが、一向に脱皮は進まずその後3日経ってもこのままの状態。この個体はここまで脱皮して力尽きたのです。今年はジャコウアゲハの産卵が少なく、また自然下のものは寄生などで全く羽化を確認できませんでした。飼育箱の中には蛹が5、前蛹が1います。昨年10月29日の当欄の写真は脱皮を終えて蛹になったばかりの個体です。この個体は今年の春、無事羽化しました。(Y)

2021年11月8日(月)
アゲハモドキ(?)幼虫・その後

 左の写真はクマノミズキの葉を食べている、アゲハモドキと思われる終齢幼虫(10月24日の当欄)。よく見ると飼育箱にたくさん入れた葉が糸で綴られていて、その中に幼虫がいるのが見えます(写真右)。蛹化方法を調べたら、地表の落葉層の間で繭を作るとありました。この写真のように2枚の葉を綴り合わせた中で繭を作って蛹になり越冬するようです。冬の間、適度な湿気を保つなどの管理をしっかりやって無事羽化させたいです。(Y)

2021年11月7日(日)
今日は立冬

 ジョウビタキに続いて、ミヤマホオジロやカシラダカ、ツグミの飛来を確認しました。ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、コゲラも混群を作って活発に活動しています。いつもの初冬の風景。この「いつもの」がこれから先も続きますように。さて、暦の上では今日は立冬。でも昼間は暖かいを超えて暑いぐらいで、ちょっと作業するだけで汗が滲みます。暑がりの私には冬の始まりというより、ようやく秋の到来という感じ…。左の写真は現在の棚田。右は雑木林。木々がだいぶ色づいてきました。(Y)

2021年11月6日(土)
クビキリギス

 田んぼビオトープの整備をしていて、クビキリギス(褐色型)を見つけました(写真左・右)。同じ成虫越冬のツチイナゴとともに、この時期よく見られます。右の写真の真っ赤な大あごが魅力的だと思うのですがどうでしょう? 様々な生きものがいて、それぞれが今の時間を精一杯生きています。(Y)

2021年11月5日(金)
ヤマトシジミ羽化

 保護していたヤマトシジミ蛹(10月31日の当欄)が羽化しました。羽化は来年春だと思っていましたが、何気なく飼育箱を見たらチョウがいて(写真左)そばには羽化殻(写真右)。フタを開けて急いで写真を撮って。しばらくしたら飛んで行きました。カタバミやキツネノマゴなどの蜜源植物もまだ咲いているし、ヤマトシジミはまだまだいるので交配も大丈夫でしょう。越冬態を調べたら幼虫です。この個体はメスなので産卵したら冬を乗り越えることなく命を終えます。冬以外は年中成虫を見ることのできるヤマトシジミ。年に何回世代を重ねるのでしょう。(Y)

2021年11月4日(木)
ジョウビタキの水浴び

 昨日の「季節の1コマ」の水浴び中のジョウビタキ。どうもジョウビタキのように見えません。そこで改めて小さい写真ですが、ジョウビタキの水浴び中(写真左)と水浴び後(写真右)の別アングルを。ジョウビタキはしばらく水の中に体全体を浸けているような激しい水浴びをします。もういなくなったと思ったら、浅いバードバスから突如顔を上げるのです。あ、まだいたって…。昨日はバードバスにいるジョウビタキを確認してから、水浴びを終えるまでおよそ15分。長い水浴びで長旅の疲れを癒し、体の汚れもきれいになったかな。(Y)

2021年11月3日(水)
ウマオイとナミテントウ

 1ヶ月ほど前のことですが、ウマオイが家の中に入ってきました(写真左)。3日ほど前にはナミテントウも(写真右)。ナミテントウはテントウムシ科ですが、最もよく見かけるナナホシテントウとは少し雰囲気が違うし体の模様がさまざまで面白い(2020.07.13の当欄)。何か不思議な魅力を持った昆虫たち。でも最近減ってきているようで気がかりです。どちらの訪問者も、もちろん写真を撮ってから逃がしてやりました。(Y)

2021年11月2日(火)
中山間地保全事業(草刈り)

 昨日は中山間地保全事業の草刈りの日。総勢9人。朝8時から約3時間、棚田の広いブドウ畑がきれいになりました。作業をしていてふと見ると、ロール状の防鳥ネットの中でオオカマキリが産卵中(写真左)。また、やはりネットの中に大きなメスのニホンアカガエルが。入ったのなら出られるだろうと期待して、作業終了後に見に行きました。残念ながらカエルは半分干からびて死んでいましたし、カマキリは救助したもののかなり弱っていました。気温は高くなかったけど日差しが強く、乾燥していて耐えられなかったようです。小さな生き物にとって、どんなものでも凶器になります。それにしても、何でこんなに狭いややこしい所に入ったのでしょう…。右の写真は作業中に見つけたツマグロヒョウモンのオス。翅がかなり傷んでいます。このチョウももうすぐ命尽きるのでしょうか。(Y)

2021年11月1日(月)
オオスズメバチとクマバチの巣

 最近、ガレージ屋根の木材に開けられた穴にオオスズメバチがよくやってきます(写真左)。この穴はおそらくクマバチが作った巣穴。オオスズメバチは巣の入り口を大あごでかじって広げ、今では自由に出入りしています。巣に残ったクマバチ幼虫の餌(花粉や花蜜を固めたもの)を狙っているのか、巣穴で越冬しているクマバチの新成虫を狙っているのか、それとも別の理由なのかよくわかりません。ガレージのそばに吊るしていた柿もだいぶ食べられました(写真右)。今日は5匹も来ていて、気温が高めだったせいか攻撃的。夫がガレージのそばにいただけで飛んできて襟のあたりをウロウロ。体を低くして動かないように我慢して…。刺されずにすみました。よかった!初めて見る行動なので観察したいけど近づけない。(Y)

2021年10月31日(日)
思わぬところに蛹

 飼育箱が足りなくなりました。それで以前、ヤマトシジミの卵からの成長を見るために食草のカタバミとともに入れていた飼育箱を空けることに。最初に卵と幼虫を見つけて(9月4日9月12日の当欄)飼育箱に入れたものの、その後幼虫は行方不明になってしまい、飼育失敗とあきらめていました。それが思いがけず蛹!長さ1cmほどの小さな蛹が飼育容器の下の方についていました。来年春の羽化が楽しみです。また、キッチンの片隅にはモンシロチョウの蛹が1つ(写真右)。畑から持ち帰ったダイコンの間引き菜についていたのでしょう。知らないうちに幼虫が移動し脱皮して蛹になった。想像すると何かワクワクするような気分。でも暖かい室内で冬に羽化しては困るので、そっと外して屋外で保護します。(Y)

2021年10月30日(土)
紅葉

 例年なら庭のヤマザクラが美しく紅葉するのですが、今年は紅葉する前にほとんど葉を落としてしまいました。残念に思っていたら、南斜面の雑木林にひときわ鮮やかに紅葉した木が(写真左)。ヤマウルシです。休耕田の畔を歩いていたらミソハギ(8月8日の当欄)も紅葉。こちらは草紅葉です。周囲の山々も色づいてきました。外の作業に最適な季節ですが、里山の美しい季節も大切に楽しみたいと思います。(Y)

2021年10月28日(木)
アゲハ羽化

 イヌザンショウに産卵されたアゲハが羽化しました(写真左・右)。蛹のまま越冬すると思っていましたから、何気なく飼育箱をみてびっくり。急いで飼育箱のフタを開けると、しばらくして飛んで行きました。今から羽化して、花はまだいろいろあるし常緑の柑橘類もあるけど、交配の相手が見つかるかな…。やはり温暖化?昼間は暑いくらいだし、朝晩の冷え込みもそんなに厳しくないし。今年産卵されたアゲハチョウ科で羽化を確認できたのはクロアゲハ2匹(7月31日の当欄)と今回のアゲハの3匹だけ。天候のせいかアゲハチョウ科がすごく少ない年でした。(Y)

2021年10月27日(水)
サワガニの巣穴

 過ごしやすい気候になったので、暖かい昼間に水草取りなど田んぼビオトープの手入れを始めました。先日、田んぼビオトープの奥まで草を刈っていて、たくさんの穴を見つけました(写真左)。何だろうと思って見ているとサワガニが穴から出てきました。この穴はサワガニの巣穴だったのです。右の写真は穴に潜むサワガニ。分かりにくいですが、少し赤く見えています。サワガニは渓流に棲むイメージが強いですが、標高300mの田んぼビオトープにもサワガニが棲んでいます。(Y)

2021年10月25日(月)
季節の変わり目

 今日は一日中冷たい雨。所用で久しぶりに市街地に出かけました。行く途中の川沿いの道でツバメが2羽まだ飛んでいました。帰宅途中のため池には冬鳥ヒドリガモの姿が。数日前には冬鳥ジョウビタキが飛来し、繁殖を終えたノビタキが南に渡る途中で立ち寄りました。上空を30~40羽の小鳥の群れが一糸乱れぬ感じで飛んでいきます。渡ってきたばかりのアトリかな?長い猛暑の夏、そして短い秋が足早に過ぎて季節は冬へ。写真左は満開のリンドウ(10月21日)、右はセンブリ(10月20日)です。

2021年10月24日(日)
ロウ物質を分泌する昆虫

 隣の地区のSさんがガの幼虫を持ってこられました(写真左)。体中が白い粉を吹いたようで、初めて見る昆虫です。白い粉はロウ物質。ロウ物質を分泌する昆虫は他にもたくさんいて、例えばベッコウハゴロモの幼虫(写真右。刺のように出ています)やアオバハゴロモの幼虫、ホソミドリウンカの幼虫(5月30日の当欄)など。左の写真の幼虫は、クマノミズキの葉についていたことからアゲハモドキの幼虫ではないかと思われます。無事越冬して羽化するのが楽しみです。ロウ物質をまとうのは身を守る効果があるということでしょうか?(Y)

2021年10月23日(土)
セスジツユムシ

 左の写真はセスジツユムシのメス、成虫です。右は8月に見つけたバッタ目の幼虫。これは初めて見たもので、姿形が何となくユーモラスで可愛くて。何の幼虫か知りたくて写真を大切に保存していました。セスジツユムシの幼虫だと名前がわかった時はうれしかった!昆虫は成虫しか思い浮かばなかったけど、卵から孵化して様々に変化して成虫になる。そんな当たり前のことにやっと気付くようになりました。(Y)

2021年10月21日(木)
イモリの幼生とサワガニ

 昼間は割合暖かいお天気だったので、来春のアカガエル産卵に備えて田んぼビオトープの水草取りを始めました。水草取りと水路の泥上げをしないとすぐに干上がってしまうのです。今年は初夏からほとんど水草を放置していたので、マコモなどの水草が田んぼビオトープ全体にはびこっています。生きものたちの状況が心配でしたが、みんな元気!オオコオイムシ、ヤンマのヤゴ、ガムシ、イモリの幼生(写真左)、サワガニ(写真右)など。これから水草取りをしながら、折々に出会った生きものたちを紹介したいと思います。(Y)

2021年10月20日(水)
ジョロウグモのメスとオス

 庭でサクラの小枝とアカマツの幼木、それにステンレスの布団干しを足場にして、ジョロウグモが大きくて複雑な網を張っています。真ん中にいるのは大きなメス(写真左。体長約2.5cm)。センチコガネオオコオイムシらしきものなど3匹以上の昆虫を一緒に網で絡めて食べています。同じ網のメスから離れたところには、体長約1cm、幅5mmほどの小さなオス(写真右)がいます。コガネグモと同じようにジョロウグモも豊かな自然環境の指標生物です(2021年7月19日の当欄)。人間も、つい網にかかって困るのですが、大切に共生したい生き物です。(Y)

2021年10月19日(火)
アゲハの幼虫

 イヌザンショウに産卵されたアゲハの幼虫。自然にしておくと、いつの間にかみんないなくなってしまうので、卵や1齢幼虫(写真左。体長約5mm)から飼育することにしました。食草がなくなると新しい葉を入れてやります。そこにもまた卵が付いていることがあるので、幼虫の数も増えて様々な成長の段階を見ることができました(写真右は終齢幼虫)。今、さなぎになったものが8、終齢幼虫が3匹、4齢幼虫が2匹飼育箱の中にいます。保護していても全部が育つわけではなく、3匹がヤドリバエ類に寄生されて死にました。自然下で羽化までたどり着くのは、一体どれくらいの確率だろう…。(Y)

2021年10月18日(月)
草刈りとカヤネズミの巣

 昨日から一気に冬になった感じ。急な気温変化に戸惑うけど、外作業には絶好の季節になりました。早速放棄田の草刈り。5月に刈ったきり猛暑や長雨もあって放置したままの放棄田はすごい状況。伸びきったマコモやチガヤ、チゴザサ、ミゾソバなどに蔓草が絡んで行く手を阻みます。そんな中で、子育て中と思われるカヤネズミの巣が10個ほど見つかったので、一部は刈り残して子育てが終わるのを待つことにしました。写真左はカヤネズミの巣、右は同じ場所で見つけたオオカマキリの卵鞘。生きものたちの息遣いが聞こえてきそうです。(Y)

2021年10月16日(土)
リンドウとセンブリ

 田んぼではリンドウ(写真左)、南斜面の小道ではセンブリ(写真右)が咲き始めました。2種はともにリンドウ科。どちらも薬草でもあり、すごく苦いお薬だそうです。センブリの名前の由来は、「千回振っても(振り出しても)まだ苦い」ということから。また、リンドウ、センブリの効能はよく似ていて健胃、胃弱、食欲不振など。センブリはドクダミ、ゲンノショウコとともに日本の三大民間薬と言われています。食料になる植物も、薬になる植物も自然の中にたくさんあり、昔の人はその恵みを生かしながら暮らしてきたのだと改めて思いました。(Y)

2021年10月14日(木)
棚田の一本道(コスモス編)

 棚田の一本道、コスモスが満開になりました(写真左・右)。近くの休耕田で先日レンゲソウの種をまき、今日は来年のために、花の季節を終えたヒマワリの種取りをしました。種取りは花が咲いて(9月6日の当欄)からおよそ40日後が良いそうですが、今日でほぼ40日。今年の種は悪天候にかかわらず、例年になく大きく、よく熟しています。来年のヒマワリも期待できそうです。(Y)

2021年10月13日(水)
アゲハヒメバチ

 9月10日に蛹になったモンキアゲハ幼虫。10月4日にいつものように見に行くと、蛹の右中央部が浸みたようになっています(写真左)。おかしいなと思ったもののそのままに。その後しばらくして再び見に行くと、蛹を保護するために被せたネットの中に大きなハチ!急いでハチを逃がしてから蛹を見ると、大きな穴が開いて中が空っぽ。その時初めてハチは蛹の中で育った寄生蜂だったことに気付きました。アゲハヒメバチでしょう。写真も撮らずに慌てて逃がしてしまったことを後悔しました。右の写真は元気なころのモンキアゲハ幼虫。いつ寄生されたのでしょうか。厳しい生きものの世界を垣間見た気がします。(Y)

2021年10月12日(火)
コカマキリとジョロウグモ

 休耕田の畔の草を刈っていたら、すぐ前にお腹の大きなコカマキリ(写真左)。素早く動けないので、私も合わせてゆっくりゆっくり草刈り機を動かします。少し離れた雑木林には、バリケードのように複雑で大きなジョロウグモの網(写真右)。ナガコガネグモがいつの間にかいなくなって、この季節はジョロウグモが里山を代表するクモ。今は体長1.5cmほどですが、これからもっと大きくなって産卵。年末頃まで姿を見ることができます。私は季節外れの暑さにへばっているけど、生きものたちは生き残って子孫を残すために懸命です。(Y)

2021年10月11日(月)
コバノガマズミとヨメナ

 10月も中旬になろうというのに、しかも夕方にこの高温多湿は何だろうと思う。今年はハラビロカマキリを見なかったし、カブトムシやクワガタムシを見ることもここ数年ありません。秋がなくて異常に長い夏という気がします。それでもヤマザクラの葉は紅葉し、コバノガマズミは赤い実をつけ(写真左)、ヨメナは薄紫の花を咲かせています(写真右)。でも温暖化対策をもっと急いでやらないと、いつまで今の自然のサイクルが続くだろう。雨が降らないので、畑に水を運びながら心配は尽きません。(Y)

2021年10月10日(日)
ジャコウアゲハ幼虫

 帯糸で体を支えていたジャコウアゲハ幼虫が、まだ頭部を左右に動かしています(写真左・右。10月5日撮影)。蛹化かと思いましたがその後も前蛹のまま。何か異常があって蛹にならずに死ぬかと思っていたら、今日蛹になっていました。この夏はおかしなお天気が続いたせいか、真夏にはアゲハチョウ科のチョウをほとんど見ることがありませんでした。今蛹になっているのは2化目のチョウが産卵したもの(8月6日の当欄)。この蛹が羽化して産卵しても寒さに向かう時期、幼虫の食草がありません。このまま羽化せずに越冬するのでしょうか。昨年は3~4化なので、今夏の天候はアゲハチョウ科の幼虫にとってダメージが大きかったと思われます。(Y)

2021年10月9日(土)
草刈りとリンドウ

 ここは今年4回目の草刈りをしている休耕田。雨がよく降った時期があったので草の勢いがすごいです。ススキや外来種のメリケンカルカヤなど草丈の高い植物が急速に勢力を伸ばしています。草を刈っていると、草の隙間からリンドウらしきものが微かに見えました(写真左)。草刈り機を鎌に替えて丁寧に刈っていくと、現れたのは蕾の膨らんだ大きなリンドウの株(写真右)。開花が楽しみです。(Y)

2021年10月8日(金)
実りの秋

 10月というのに日中はまだまだ高温多湿。少し作業をすれば汗だくに。このところは朝晩もあまり涼しくなく、「秋」という感覚が持てないでいます。やはり温暖化が進んでいることを実感します。ありがたいことに、気候危機の現代にあっても毎年決まった時期にイネは実ります(写真左、右)。広がる黄金色の田。このような光景を守るために、また未来を生きる人たちのために、私たちの世代や都市生活者は何ができるでしょうか。「実りの秋」を迎えて、ふと考えてしまいます。(Y)

2021年10月7日(木)
蛹の保護ポケット

 レモンの木に3匹いたクロアゲハ幼虫。貴重な生き残り(9月23日の当欄)が前蛹になりました。ところが糸が切れて落下。昨年レスキューしたことを思い出して(2020年10月13日10月28日の当欄)またやってみました。今日は用事があって、気になりつつ途中で外出。帰宅したら蛹になっていました(写真左)。すぐに続きのレスキューを(写真右)。小さな前蛹だったし、最近は寄生されることが多いので無事羽化できるか心配ですが、飼育箱の中で見守りたいと思います。(Y)

2021年10月6日(水)
イモ堀り

 10月3日、夫と休耕田の畑でサツマイモ掘りをしました。写真左はその1株分です。昨年は1つが3kgなんて、切るのに難儀するような大きなイモばかり。おまけにササの地下茎がイモの中に食い込んで、食べられずにたくさん処分しました。今年は適度な大きさのきれいなものができたので、うれしい「収穫の秋」です。右の写真は子どものイモリ。2匹見つけました。乾燥したこんなところで餌探しをしているのでしょうか。ちょっと不思議です。(Y)

2021年10月5日(火)
アゲハの蛹化

 アゲハの前蛹が激しく体を震わせていました。蛹化の最中でしたが、幼虫も蛹も緑色。よくわからなくてアレ、アレと思っているうちに脱皮殻を振り落として蛹になっていました(写真左。蛹化直後)。蛹化が始まると本当に早いです。およそ3時間後に見ると、蛹は前のめりのようになっていました(写真右)。とはいえ、顔のように見えているのが背側ですから前のめりはおかしいですね。以前はチョウといっても成虫しか思い浮かびませんでした。でも今は卵から幼虫、蛹、チョウと大きく変化していく過程を間近で見ています。改めてそれぞれの生物の命のすごさ、大切さに思いを馳せるようになりました。(Y)

2021年10月4日(月)
ススキとノコンギク

 大阪にいる時、七夕やお月見の頃になるとササやススキの入ったバケツが花屋の店先に置かれます。タダだったり100円のことも。タダはもちろん100円でもうれしくて、宝物のように家に持って帰りました。そんなわけで、以前はササはともかくススキは大切に思えてなかなか刈れませんでした。でも、ここではササもススキもたくさんあって、ありすぎて…。放っておくと藪になるので、今はひと時秋の風情を楽しんだら刈ります(写真左)。右の写真はノコンギク。所々に小さな群落を作る、大好きな秋の花です。(Y)

2021年10月3日(日)
サクラタデとアキノキリンソウ

 田んぼでは、サクラタデ(写真左)やアキノキリンソウ(写真右)が咲き始めました。放置されたままの藪の中で咲いているのは美しく感じられませんが、適度に整備された中に特別に刈り残された秋の花は格別です。今日は雲一つないお天気。日中の日差しはきついですが、時折吹く風は涼しくて気持ちいい。ピークは過ぎましたが、今も毎日のように渡り途中のツバメが見られます。先日は、コシアカツバメと腰の白いイワツバメを確認しました。やっと秋本番。田んぼの整備も本番です。(Y)

2021年10月2日(土)
ツチイナゴ成虫

 昨日、休耕田で今秋初めてのツチイナゴ成虫を見つけました(写真左)。すぐそばには新しい脱皮殻(写真右)があったので脱皮直後のようです。きれいな成虫でした。今の時期から次々と成虫が現れます。本種は日本国内(南西諸島を除く)で唯一、成虫で冬を越すバッタ。今は本種の羽化の時期で成虫も幼虫もいます。成虫はこのまま越冬して来年の初夏に産卵。7~8月頃までは前年羽化の成虫を見ることができます。(Y)

2021年10月1日(金)
ルリタテハ羽化

 8月31日にカサブランカの葉裏で見つけたルリタテハ幼虫(8月31日9月13日の当欄)が今日、2匹揃って羽化しました。(写真左・右)。翅の表を撮りたいと粘ったけど、1匹はなかなか翅を開かないし、もう1匹は体を小刻みに震わせると、あっという間に飛んでいきました。そんなわけで、翅表の青い色はチラッとだけ。右の個体は蛹の抜け殻に止まっています。(Y)

2021年9月30日(木)
アゲハの幼虫

 イヌザンショウや朝倉ザンショウに産卵されたアゲハの幼虫は、なぜか少し大きくなるといなくなってしまいます。それで、今シーズンは卵から保護・飼育することにしました。大変だろうと思っていましたが、アゲハの幼虫はよく食べよく育ち、体長2cmぐらいで終齢になります。クロアゲハやモンキアゲハより成長が早く、前蛹や蛹になるのも早い。その分手間が少なくて飼育は容易です。昨日前蛹になったもの(写真左)が、今日はもう蛹になっていました(写真右)。(Y)

2021年9月29日(水)
ヤクシソウとダイミョウセセリ

 ヤクシソウ(キク科)が咲き始めました(写真左)。これからの季節に盛りを迎え、昆虫たちにとって花の少ない時期のありがたい蜜源となります。右の写真はダイミョウセセリ幼虫(終齢かな?)。食草のヤマノイモを食べる時だけ巣から出てきます。今日は久しぶりに会いました。透明感のある白い体と黒い頭部。シンプルだけど何とも味わいのあるダイミョウセセリ幼虫が、ヤクシソウとともに大好きです。(Y)

2021年9月28日(火)
秋は忍び足で

 朝晩は涼しくなりましたが、昼間はムシムシして蚊の襲来にも悩まされ、まだまだ爽やかな秋とはいきません。それでも、例年通り秋の恵みの木の実たちが…。クリ(写真左)、実ザンショウ(朝倉ザンショウ。採り残した実がきれいです。写真右)。アケビ、カキなど。クリの実はイノシシの大好物。イノシシを呼び寄せないように、そして栗ご飯を楽しみに、せっせと栗拾いです。(Y)

2021年9月27日(月)
ヤマノイモ

 デッキの柱に、毎年ヤマノイモの蔓が絡みます。年々葉が茂るようになって、いつの頃からかダイミョウセセリが産卵するようになりました(2020年8月24日の当欄)。左の写真で葉が丸く欠けているのは、ハキリバチが巣作りの材料として切り取った痕です。右の写真はむかご。むかごは素揚げにしたり、むかごご飯・かやくご飯やお好み焼きの具にしたりと重宝します。絡んだ蔓は少々煩わしいけれど、虫も人も利用するので冬に枯れるまでそのままにしています。秋になっていろんな木の実が実るようになりました。今日はカラスが集まって地面に落ちたドングリを食べていました。(Y)

2021年9月26日(日)
ホトトギスとアキノノゲシ

 休耕田に作業に行く途中、ため池に向かう道を通ります。そこは北向き斜面の下で半日蔭。猛暑の夏にはいろんな昆虫が集まるし、日向とはまた違う花々が咲きます。今はホトトギスの花が可憐に咲き始めました(写真左)。休耕田ではアキノノゲシが美しく咲いています(写真右)。この植物は放置していると人の背丈以上に大きくなって、花もあまり目に止まりません。今年は早い時期に刈ったので、その後伸びたのもほどほどの高さ。この花がこんなに美しいのだと初めて気づきました。(Y)

2021年9月25日(土)
スジボソヤマキチョウとメスグロヒョウモン

 ウマノスズクサ畑で雑草を刈っていたら、すぐそばに植わっているシオンにたくさんの昆虫が蜜や花粉を求めて集まっていました。左の写真は吸蜜中のスジボソヤマキチョウ、右はメスグロヒョウモンのメス。メスグロヒョウモンは翅がかなり傷んでいます。(Y)

2021年9月24日(金)
棚田の一本道 初秋編

 9月6日の当欄で取り上げた、棚田の一本道と満開のヒマワリ。ヒマワリは終わりましたが、今はススキやヒガンバナが一本道を彩ってくれています(写真左、右)。コスモスも咲き始め、これから春に向けてレンゲソウの種まきをします。(Y)

2021年9月23日(木)
クロアゲハ幼虫、危機一髪!

 レモンの木でメスのオオカマキリが、2匹いるクロアゲハの終齢幼虫の1匹を食べていました。さらにもう1匹のところに行って鎌を振り上げて…。危機一髪で助けてやることができました(写真左)。オオカマキリも生き抜いて産卵するために必死でしょう。このレモンの木にはクロアゲハの幼虫が3匹いました。先に終齢になったのは蛹化直前に行方不明に。結局残ったのはこの1匹だけ。飼育箱に入れて見守ることにしました。畑ではシオンが満開(写真右)。昼間はまだまだ暑いけど、秋本番を感じさせてくれます。(Y)

2021年9月22日(水)
カラスザンショウの幼虫(その2)

 脱皮を終えると幼虫は向きを変えて自分の脱皮殻を食べていました(写真左)。ところで、カラスザンショウの代わりに与えたイヌザンショウの葉を全く食べようとしません。そこで夫が園芸用三脚と高枝鋏を使って大木のカラスザンショウの一枝を取ってきました。葉は今まで食べていた幼木のものより随分大きくて硬そうです(写真右。右端に終齢になったばかりの幼虫を乗せようとしています)。食べるかな?でも夕方見たらこの葉をしっかり食べていました。幼虫の食草へのこだわりは強いようです。幼虫は帯の模様や色から間違いなくアゲハ。生きものを見て、いろいろわかってくると楽しいです。(Y)

2021年9月22日(水)
カラスザンショウの幼虫(その1)

 昨日の幼虫は、今朝もカラスザンショウの葉の上でじっとしていました。しばらくして見に行くと、幼虫の1匹が体の前半は緑色になり後半は黒。そして、みるみる緑色の部分が増えて…。脱皮の最中だったのです。ほどなく黒い幼虫は脱皮を終えて、体長2~3cmの緑色の終齢幼虫になりました。左の写真は黒い脱皮殻がまだ少し残っています。右の写真は頭部の殻を外そうとしているところ。これが取れたら脱皮完了です!(Y)

2021年9月21日(火)
食草が足りない!

 アゲハチョウ類の幼虫は大きくなると、ものすごく食べます。クロアゲハの幼虫がいるカラスザンショウの株は葉がほとんどなくなってしまいました(写真左)。昨日まではまだ葉が残っていて3匹の幼虫がいたのです(写真右)。今朝は左の状態になってしまって、幼虫が食草を求めて移動を始めていました。まだまだ食べ足りないのです。終齢になるともっと食べるようになります。もうカラスザンショウの葉はないので、代わりに同じミカン科のイヌザンショウの葉を飼育箱に入れました。でも同じミカン科でもそれまで食べていた植物にこだわる傾向があってすぐには食べません。お腹が空いたら食べてくれるかな?(Y)

2021年9月20日(月)
ウマノスズクサ畑で

 夏の猛暑と長雨の影響か、ウマノスズクサはよく育っていたのにジャコウアゲハの産卵は少ない。今年は繁殖期が終わるまで幼虫の食草が不足することはないと思っていました。でも少し涼しくなって次々と産卵(写真左)。一方でなぜか葉は枯れていきます。さて、どうしたものか。ウマノスズクサを育てるのは短く刈り込んで新しい葉を出させるのがよいということだけど、その加減やタイミングがすごく難しい。それでも、卵や幼虫がついていない茎を選んで根元近くでバッサリ。これから首尾よく新しい葉が出てくるかな…。見上げた空の美しさにちょっと一息つきました(写真右)。(Y)

2021年9月19日(日)
ルリタテハ幼虫、その後

 9月13日の当欄で取り上げた2匹のルリタテハ幼虫。朝見たら1匹は前蛹になっていて(写真左)、もう1匹は幼虫のまま。前蛹も昼間は変化なく、蛹化は明日だろうと思っていました。でも、夕方見たらすでに蛹に変化していました(写真右)。幼虫のほうも前蛹に。昼間はまだ気温が上がるので幼虫の変化も早いのだと思います。タテハチョウ科のルリタテハは、アゲハチョウ科のように体を帯糸で支えるのではなく、吐き出した糸で腹部の先を固定して、ぶら下がって蛹になります。カサブランカの葉、蛹化までもってくれてよかった!(Y)

2021年9月18日(土)
キリギリス科の幼虫とアカバナ

 ツバメの姿が少なくなりました。越冬地への渡りを始めたようです。これからは、北からの渡りの途中のツバメが電線にたくさん集まっている光景が見られるようになります。そして、ここでしっかりと栄養補給をして次の地へ旅立っていきます。そんな風景を思い浮かべながら田んぼで草刈りをしていたら、脱皮中のキリギリス科の幼虫を見つけました(写真左)。畔には満開のアカバナ(写真右)が。花の移ろいや普段着の生きものたちの様子が身近に見られるのが何ともうれしいです。(Y)

2021年9月17日(金)
幼虫の飼育

 コンクリート際の硬い土に生えてきたイヌザンショウの木。大きくなってきて、昨年はアゲハが産卵しました。10数個産卵してすべて幼虫になったのに、少し大きくなった頃にほとんどが姿を消してしまいました。残った2匹の幼虫を保護して飼育。無事羽化しました(写真左。2020年10月12日撮影)。今年の夏も同じ木で2匹の幼虫を見つけ飼育したのですが、原因不明で2匹とも死んでしまいました。最近また卵を見つけたので、卵寄生蜂などから守るために卵からの飼育に挑戦。今日飼育ケースを見たら、孵化したばかりの幼虫が卵の殻を食べているのを発見しました(写真右。体長1~1.5mm)。羽化まで先は長いですが、大切に育てます(Y)。

2021年9月16日(木)
終齢幼虫

 レモンとカラスザンショウにいるアゲハ類の幼虫がどちらも終齢になりました。写真左はレモンの幼虫。脱皮直後で色が薄いです。写真右はカラスザンショウの幼虫。どちらの幼虫も、背面中央部の斜めの帯がつながっているのでクロアゲハの幼虫だとわかりました。9月2日に終齢になったモンキアゲハの幼虫は今は蛹(9月5日9月10日の当欄)です。朝晩冷えるようになり、昼間の暑さも和らいでチョウたちも活発に活動。卵を見つけることも多くなりました。天敵が多い環境でどこまで保護してやれるかな。台風、被害がないといいのだけど…。(Y)

2021年9月15日(水)
ヒガンバナとサワヒヨドリ

 田んぼではヒガンバナが咲き始め(写真左)、サワヒヨドリが満開(写真右)。花の蜜を求めてたくさんの昆虫がやってきます。そしてそんな昆虫を捕食しようとカマキリなどの肉食昆虫やクモ類も。草地を歩くとバッタが跳ねて踏まないか気を遣うほど。里山地域ならどこにでもある自然。でも、いろんな命がすべて繋がっていることを実感します。そんな生きものたちの躍動がうれしくて…。大切に保全したいです。(Y)

2021年9月14日(火)
クダマキモドキとクサヒバリ

 隙間の多い家なのか、生きものたちがよく入ってきます。カマドウマ、ヤモリ、コオロギ、アマガエル、怖いムカデまで。9月9日に入ってきたのはクダマキモドキ類(写真左)。11日にはクサヒバリ(写真右)。カメラに収めてすぐ逃がしてやりました。ところで大きな台風14号の動きが気になります。私が若かったころの気候とは随分違う激しいものになっています。人間の英知と協力で温暖化を食い止めることはできないものでしょうか。(Y)

2021年9月13日(月)
ルリタテハ幼虫

 カサブランカの葉で育っているルリタテハ幼虫(8月31日の当欄)が大きくなりました。初めは4匹いましたが、今は2匹しかいません。ネットを被せていたのですが、完全ではないし病気で死んだのかもしれません。左の写真は4齢幼虫?右は終齢幼虫だと思います。刺の色が白く変わり、地肌の色もすっかり変わりました。この幼虫はユリ栽培農家の方には害虫だけれど、そうでない人でも、こんなトゲトゲの幼虫を見たら思わず殺虫剤をかけてしまいそうですね。(Y)

2021年9月12日(日)
ヤマトシジミ幼虫

 飼育ケースの中のヤマトシジミの卵が割れていました(写真左。9月10日撮影)。でも孵化したばかりであろう幼虫が見つかりません。少し時間がたってから探しに行ったら、卵の殻もなくなっていました。チョウの幼虫は自分が出てきた卵の殻を食べるので、どこかにいるはず。幼虫がもう少し大きくなったら見つかるでしょう。その時を楽しみにと思っていたら、別のカタバミの株に少し成長した幼虫がいました(写真右。体長2~3mm)。今まで気づかなかった小さな世界。知ることは楽しいです!(Y)

2021年9月11日(土)
ホタルガとジャコウアゲハ幼虫

 ホタルガの写真を撮りたいと、食草であるサカキの周辺を探していました。するとサカキの幹、地上1m程のところでジャコウアゲハの前蛹を見つけました(写真左)。ウマノスズクサ畑にたくさんいた大きな終齢幼虫が一斉に姿を消したので、どこに行ったのだろうと思っていました。畑から5~6mも離れたこんなところに! お目当てのホタルガも発見して写真が撮れました(写真右)。すぐそばのヒヨドリバナで吸蜜中でした。(Y)

2021年9月10日(金)
モンキアゲハ幼虫、蛹に

 カラスザンショウのモンキアゲハ終齢幼虫(9月5日の当欄)が昨日前蛹になり(写真左)、今日蛹になりました(写真右)。あんなに葉を食べていたのに食べなくなって、保護のために被せたネット伝いに移動したり動かなくなったり。そんな様子からそろそろ蛹化と思って一昨日飼育箱に移したばかりでした。やっとここまで…。あとは無事に羽化することを願うばかりです。というのも、せっかく蛹になっても寄生されたり原因不明で死んだりで、今シーズンはアゲハチョウ科の羽化をまだ見ていないのです。(Y)

2021年9月9日(木)
生きものたちの日常(その1)

 左の写真はナガコガネグモの狩り。獲物はコバネイナゴハネナガイナゴのどちらかです。ナガコガネグモは捕えた獲物を吐き出した糸でグルグル巻きにします。いつの間にかコガネグモがいなくなり、ナガコガネグモが産卵の季節を迎えました。今、草を刈っていると捕食中のナガコガネグモをたくさん見ることができます。右の写真は交尾中のトノサマバッタ。下にいる大きいほうがメスです。よく見るとこのメスは右の中脚がちぎれてありません。いくつもの危機を乗り越えてきたであろう命です。(Y)

2021年9月8日(水)
ツユクサとゲンノショウコ

 左の写真はツユクサ(ツユクサ科)です。花の青い色が好きで刈り残していたら、いい感じの群落ができました。もったいないので、もう少しそのままで…。右の写真はゲンノショウコ(フウロソウ科)。薬草として有名で整腸薬、止瀉薬になります。飲むとすぐに効果があるから「現の証拠」。ところで調べてみると、ツユクサも薬草で、また食べてもおいしいそうです。サラダ、お浸し、天ぷらなど。まわりにいっぱいあるので、一度食べてみようと思います。それにしても、水、空気、食べ物、薬…。人間は自然の恵みによって生かされているのですね。(Y)

2021年9月7日(火)
カヤネズミ調査

 環境省「モニタリングサイト1000・里地」のカヤネズミ調査をしました。6月の調査では巣が2個しか見つかりませんでしたが、今回は5個見つかりました。5個のうちの1個は作りかけのものでしたが、残り4個は繁殖巣と思われるしっかりしたつくりの巣でした。写真左はそのうちの1個です。暑さが和らいだし、カヤネズミ調査も終わったので、ちょっと手ごわい草地の草刈りシーズン到来です。右の写真はため池と岸に沿ったマコモ群落。ここで巣が1個見つかりました。(Y)

2021年9月6日(月)
棚田の一本道とヒマワリ

 私たちが管理している棚田の真ん中を東西方向に、軽トラが通れるぐらいの細い地道があります。私はそれを棚田の一本道と呼んでいます。昨日は雨も止んで暑さも少しマシになったので、久しぶりに田の草刈りに行きました。5年目の棚田のヒマワリが例年にも増して美しかったです。ヒマワリが終わったら、来年に向けてレンゲソウのタネを蒔きます。写真は一本道とヒマワリ。農家の組合のお世話をされているKさんの「棚田が美しいのは人の汗の賜物」という言葉。私もささやかに汗を流すつもりです。(Y)

2021年9月5日(日)
カラスザンショウの幼虫、終齢に

 8月23日31日の当欄で取り上げたカラスザンショウの幼虫。しばらく動かなかったので脱皮かなと思っていたら、やはり9月2日に脱皮して終齢幼虫になりました(写真左、右)。若齢から終齢になる時の大きな変化にはいつも驚き、感動します。この終齢幼虫は、背面中央部の斜めの帯が中央で切れているなどの特徴があり、やはりモンキアゲハでした。終齢になってからはすごい食欲。植木鉢2個分の葉がほとんど食べられて、3個目の植木鉢に移しました。羽化まで葉がもってくれるでしょうか。(Y)

2021年9月4日(土)
ヤマトシジミ

 カタバミの葉裏でヤマトシジミの2齢幼虫を見つけました(写真左。8月31日撮影)。そのカタバミは、アゲハ類の幼虫がいるカラスザンショウの植木鉢に生えたものです。雨が続いて見ることができず、今日、少し大きくなったであろう幼虫を見ようと探しましたが見つかりません。もう少し探してみます。でも別の場所のカタバミで成虫メスの産卵行動を観察していて、卵を1つ見つけました(写真右。大きさ約0.5mm)。上下が平たい錠剤のような形。ルーペで見ると表面にはレースのようなきれいな模様があるのですが、うまく撮れませんでした。手元で飼育することに。成長の過程が楽しみです。(Y)

2021年9月3日(金)
ゴマダラカミキリ

 窓辺でパソコンに向かっていたら、窓ガラス越しに見えるゴーヤの棚に何やら動くものが。近くに行ってみたらゴマダラカミキリでした。久しぶりの大きな甲虫。うーん、やっぱり迫力あります! うれしくて、しばらく眺めていました。(Y)

2021年9月2日(木)
ニホンヤモリ

 6月頃の夜、ヤモリが窓ガラスに張り付いていると、腹に2個の卵らしきものが透けて見えることがよくあります(写真左)。調べてみたらやはり卵でした。ヤモリは一度に2個の卵を産むそうで、産み落とされた卵は初めは柔らかく粘着性があるので、2個セットで壁の隙間などにくっついているそうです(産卵期は5月~9月)。右の写真はヤモリの幼体で体長4~5cm(2017年11月27日撮影)。成体はたくさんいますが卵は見たことがありません。一度見てみたいです。(Y)

2021年8月31日(火)
チョウの幼虫

 カラスザンショウにいる幼虫は、よく食べて順調に成長しています(写真左)。赤紫色の角のようなものは臭角と言います。怒ると派手な色で異臭を放つ臭角を出して威嚇します。カメラを近づけてくる私に激しく怒っているようです。この臭角の色からするとこの幼虫はモンキアゲハの幼虫ではないかと思います。また、カサブランカの葉に穴が開いていたので葉裏を見るとルリタテハの幼虫(写真右)が4匹いました。トゲトゲですが、触っても痛くないし毒もありません。どちらも無事に羽化まで育ってほしいです。(Y) PS:8月24日の当欄でクビキリギスとしたものはクサキリではないかとご指摘いただきました。よく見ると確かにクサキリでした。お詫びして訂正いたします。

2021年8月30日(月)
コバネイナゴ

 飼育中のバッタの幼虫(8月17日の当欄)は、8月27日に羽化して成虫になりました。写真左は羽化殻、右は羽化した成虫です(成虫は翌日の写真)。予想通りコバネイナゴでした。朝見たときは幼虫に変化がなかったのに、2時間後に見たら羽化殻と傍らに成虫がいました。羽化直後だったようで、翅が伸びきっておらず、透明感があって幼虫時代と同じ模様が透けていました。今回も飼育をして、幼虫と成虫がつながってよかった! 生きものたちの生の営みの神秘や美しさに触れると、その生きものがとても愛おしく感じられます。(Y)

2021年8月29日(日)
エゴノキとヤマガラ

 エゴノキの実が実りました(写真左)。今年は豊作です。エゴノキの実はヤマガラの大好物。ヤマガラが頻繁にやってきます。よく見ていると、4羽ほどが入れ代わり立ち代わりやってきては実をくわえてどこかに飛んでいきます(写真右。これは以前に撮った写真ですが)。冬越しの食料をいろんな所に蓄えているのです(5月18日の当欄)。さらにすごいことは、ちゃんとその場所を覚えていてほとんどすべてを食べてしまうこと。そしてわずかな食べ残しから、またエゴノキが芽生えます。最近よく聞く「SDGs(持続可能な開発目標)」の目標にもなっている「飢餓をゼロに」、「陸の豊かさを守ろう」が頭に浮かびました。ヤマガラはとっくに実践しているのではないかな…。(Y)

2021年8月28日(土)
狩り

 左の写真は、アメンボがイトトンボを捕食しているところ。多分、羽化したばかりのイトトンボが水に落ちたところを捕えたのでしょう。のんびりしたイメージのあるアメンボですが、俊敏な肉食昆虫です。右なカラスゴミグモの狩り。網は張りますが、ナガコガネグモなどと違って獲物を糸でぐるぐる巻きにはしません。狩りの仕方も様々です。(Y)

2021年8月27日(金)
ミソハギ群落と広場

 今日は朝から、管理地となっている休耕田の草刈りに行きました。長く降り続いた雨が止んだと思ったら、また高温多湿のお天気です。日本の夏は「耐える」季節。そんな期間は長くないほうがいいのに、年々長くなっています。暑くなる前に今日はこれで終わりと下を見たら、満開のミソハギ群落が美しかったこと!(写真左)。また軽トラで帰る途中にある広場に立ち寄った時にクルマバッタモドキを初めて見ました。自宅から200mほどしか離れていないのに、広場には自宅周辺では見られない昆虫がいます。(Y)

2021年8月26日(木)
続・カラスザンショウ

 雑木林の見上げるような大きなカラスザンショウの木(6月17日の当欄)に花が咲き始めました。植木鉢の幼木にいる幼虫は脱皮して3齢になりました(写真左。黒いものは脱皮殻)。この幼虫がいる株と卵がある株にネットを被せました(写真右)。寄生されたり、天敵に食べられたりするのを防ぐためです。いずれ幼木は「チョウの来る庭」に移植して、カラスザンショウと生きものたちの関りを観察したいと思っています。(Y)

2021年8月25日(水)
アゲハチョウ科の卵と幼虫

 カラスザンショウにいる幼虫は1cm以上になりました。さらによく見ると、葉裏に卵を1つ見つけました(写真左。黄色の今まで見たことのない卵です)。今シーズンはウマノスズクサでジャコウアゲハの卵を1個見つけただけだったので、新しい卵の発見はうれしいことでした。今まで卵が見つからないのに、いつの間にか幼虫が育っているので不思議な感じがしていました。見落としていただけということでしょう。ジャコウアゲハの幼虫はいつの間にか30匹近くに。卵も今日やっと5個見つけました。他にはレモンの木に幼虫6匹、イヌザンショウに幼虫4匹。天候がようやく落ち着いて、チョウたちも活発に活動を始めたようです。右の写真は植木鉢のカラスザンショウの幼木です。(Y)

2021年8月24日(火)
クビキリギス

 今シーズン初めてクビキリギス成虫(メス)を見ました(写真左。8月16日撮影)。部屋を出てすぐのところです。右の写真は幼虫(6月22日撮影)。天敵の多い厳しい世界で、幼虫が生き延びて成虫へと成長していく。その過程を間近で見られるのが何よりうれしいです。成虫はこのまま越冬し、来年の春に産卵して一生を終えます。(Y)

2021年8月23日(月)
カラスザンショウ

 雑木林の見上げるようなカラスザンショウの木。アゲハチョウ科の食草で、ミヤマカラスアゲハなどが好みます。観察しやすい大きさのカラスザンショウの木が欲しかったので、去年タネを蒔いたら3株が育ちました。現在10数cm~30cmほど。そのうちの1本で今朝、1匹の幼虫を見つけました(写真左)。体長5~6mm。レモンの木にも同じくらいの幼虫が1匹います(写真右)。2匹の幼虫は似ているような似ていないような…。雨が降って少し涼しくなったためか、クロアゲハモンキアゲハなどが飛ぶのをよく見るようになりました。おそらくそのどちらかだと思います。成長が楽しみ。(Y)

2021年8月22日(日)
ジャコウアゲハ幼虫、蛹に

 8月20日に前蛹になったジャコウアゲハ幼虫。翌日には蛹化すると思っていましたが、お天気が悪く気温も低かったせいか今朝蛹になっていました(写真左)。すぐそばの支柱では高さ120~130cmのところでもう一つ、きれいなオレンジ色の蛹(写真右)を見つけました。季節によって、また蛹化する場所の素材によって(例えば植物の葉と人工物とでは)蛹化の仕方や蛹の色が違うということがあるのでしょうか?観察を続けていたら、まだまだ面白いことが見つかりそうです。ところで、支柱の蛹の写真を撮っていたらピクッと動きました。蛹になったばかりです!(Y)

2021年8月20日(金)
ジャコウアゲハ幼虫、前蛹に

 ウマノスズクサ畑で、1匹のジャコウアゲハ幼虫が前蛹になっていました(写真左)。高さ30cmほどのウマノスズクサの葉裏です。去年の秋には、食草から10m以上離れた常緑樹の枝やガレージの梁などの高いところで蛹化していました。季節によって蛹になる場所も変わるのかもしれません。話変わって…今、草地を歩くと昆虫の幼虫や子ガエルがたくさんいて、踏まないように気を遣います。生きものたちがたくさん現れるのは初夏だと思っていましたが、今年の極端な天候のせいでしょうか、今頃が一番種類も数も多いような気がします。右の写真は、ウマノスズクサの葉上にいたツチイナゴの幼虫。体長1cmもない若齢幼虫です。(Y)

2021年8月19日(木)
脱皮直後

 ウマノスズクサ畑で、脱皮直後のジャコウアゲハ幼虫を見つけました(写真左)。頭部が褐色。時間がたつと頭部は黒くなります(写真右)。初めてこの状態の幼虫を見たときのこと。体がちぎれているように見え、全く動かないのでてっきり他の幼虫に食いちぎられて死んでしまったと思いました。ジャコウアゲハ幼虫は、食べるものが不足すると共食いをすると何かで読んでいたので。でも、死んだと思った幼虫はしばらくして動き出したのです。後ろのものは脱ぎ捨てた脱皮殻だということに、その時ようやく気付きました。「あー、よかった!」 初めて脱皮を見た時のことです。(Y)

2021年8月18日(水)
ツマグロヒョウモンとクモ

 先日の夕方、田んぼに行くとサワヒヨドリの花の下にツマグロヒョウモンのオスがいました。じっと動かないので、もう眠りに就いているのか…でも様子が変。近づいていくと翅が逆方向に半ば畳まれた状態で死んでいました。羽化したばかりのようなきれいな状態なのに…。よく見ると花のすぐそばに白っぽい小さなクモがいて、がっちりとチョウの頭部を捕まえていました。花を訪れた一瞬に、網を張らないクモに襲われたようです。野生の生き物はすべて食う食われるの厳しい世界にいるわけですが、美しいチョウだったので余計に強く実感させられました。(Y)

2021年8月17日(火)
バッタの幼虫

 写真左の小さなバッタの幼虫が、何の幼虫なのか気になっていました。外で作業をする機会が多くなると、出会う昆虫の種類も数も増えてきます。それにつれ興味も膨らんできて、図鑑やインターネットで調べることも多くなりました。あれこれ調べているうち、この幼虫はコバネイナゴではないか、そして右は同じ幼虫がもう少し成長したもの?そう思うようになりました。そういえば似ているような気もするし…。それで、この幼虫が成虫になる過程を見てやろうと只今飼育中。今はこの幼虫を草地や畑で頻繁に見かけます。興味を持つと、小さな生き物でもよく見えるようになるものですね。(Y)

2021年8月16日(月)
中・大型哺乳類調査

 環境省の「モニタリングサイト1000・里地」の調査サイトに登録されています。調査項目の一つ、中・大型哺乳類調査をするために、関係者の了解を得て地区内3か所にセンサーカメラを設置しています。今までにカメラに写っていたのは、イノシシ(写真左。幼体、通称ウリボウ)、ノウサギ(写真右)、タヌキ、アナグマ、キツネ、イタチ、シカ、サルなど。それに鳥類のシロハラやコジュケイ、カルガモなどの姿もあって、なかなか面白いです。これらの動物の中で厄介なのは、イノシシ、シカ、サルです。イノシシの被害は防獣柵と電気柵でかなり防ぐことができますが、シカやサルには役に立ちません。この地区ではまだシカとサルの出没頻度は低く、被害は出ていませんが、県内でも深刻な被害に悩む地域もあります。都市近郊農業は乱開発、田舎は獣害、そしてともに担い手不足。今でも極端に低い日本の食料自給率はこれからさらに下がり続けるのでしょうか。(Y)

2021年8月15日(日)
雨が止んで

 4日にわたって断続的に降り続いた雨がようやく止みました。久しぶりの晴れ間に急いで洗濯物を外へ。ここは大丈夫でしたが、全国では洪水や崖崩れの被害が多くの場所で発生しました。「数十年に一度の災害」が毎年のように起こっています。最近は「気候変動」という言葉では弱すぎるとして「気候危機」とか「気候非常事態」という言葉も使われるようになったそうです。今の政治に危機感はあるのでしょうか…。気を取り直して、家の周辺を歩いてみました。ジャコウアゲハ幼虫はウマノスズクサの葉裏で雨を避けて元気でした。ため池は満水(写真左)。写真の手前側の窪んでいるところは、水かさが増した時に排水するために作られた素掘りの水路です。雨の間じゅう、怖いくらいの勢いで水が流れ下っていたものと思われます。堤防のわきではキツネノカミソリが咲き始めていました(写真右)。(Y)

2021年8月14日(土)
草刈りのあとで

 8月10日の当欄でも、ため池堤防付近の草刈り前後の写真を紹介しましたが、今日はもう少し違う角度の写真を。左は堤防上の防獣柵に押し寄せるササや背の高い草。右はその草を刈ったあとの堤防からの眺めです。右の写真で、刈り残している場所はマコモやガマなどの草はら。カヤネズミの巣がたくさん見つかりそうなので、9月のカヤネズミ調査を終えてから刈ります。美しい風景や生物多様性に富んだ里山環境は人が地道に手を加え続けることによって維持されているもの。そして昨今の多発する大きな自然災害は、人間の過活動による自然破壊や地球温暖化に起因することはほぼ確実。その中、ほんの少しでも良好な環境を守りたい…。ささやかな抵抗。(Y)

2021年8月13日(金)
コウゾリナとキンミズヒキ

 コウゾリナ(キク科)が、ため池を背景に美しく咲いていました(写真左)。西洋風のきれいな名前だと思いますが、在来種です。茎や葉にある剛毛が剃刀(カミソリ)のように鋭いことから、カミソリナからコウゾリナに転じたようです。その通り硬くてザラザラ。でも若葉は食用になるそうです。また、自宅の周辺ではキンミズヒキ(バラ科)が咲き始めました。キンミズヒキの果実にはかぎ形の刺があり、動物の毛や人の衣服にひっついて散布されます。子どものころよく遊んだ「ひっつき虫」のひとつです。だから花は可愛いけど増えすぎると後が少しやっかい。(Y)

2021年8月12日(木)
北斜面の小道 その2

 今、北斜面の小道で見られる昆虫は、ヒカゲチョウオオチャバネセセリ(写真左)、ゴイシシジミモノサシトンボハグロトンボリスアカネ(写真右)などいろいろ。そんなわけで、北斜面の草刈りは涼しくなるまで待つことにしました。(Y)

2021年8月12日(木)
北斜面の小道 その1

 自宅から西の方角に小道があり、そこを下っていくとため池の堤防(写真左)に出ます。ため池にはさまざまなトンボが集まり、今はチョウトンボが飛び交っています。堤防の手前右側に北斜面の小道(写真右)があります。今は藪のようになってしまっていて何とかしたいのですが、猛暑を避けて昆虫たちが集まっています。(Y)

2021年8月11日(水)
最近のこと その2

 自宅そばの畑では、ブルーベリー(写真左)やミョウガ(写真右)が収穫の時期を迎えました。都会にいる時はどちらも高価なものと思っていましたが、毎年畑でたくさん採れます。ブルーベリーは傷みやすいし、ミョウガは収穫に手間がかかる。だから高価なのかもしれません。季節の移ろいとともに野に咲く花も変わり、畑で採れるものも変わります。田舎にいると、生活は不便だけど心が和むことも多いです。(Y)

2021年8月11日(水)
最近のこと その1

 8月7日、トノサマガエルを放しに久しぶりに田んぼに行った日、クルマバナ(写真左)やサワヒヨドリ(写真右)が満開でした。野の花は強く自己主張しませんが、穏やかで優しい美しさです。(Y)

2021年8月10日(火)
草の勢い

 左の写真は、防獣柵を挟んで左がため池の堤防、右が堤防の法面です。イノシシが増えて、いろんな所に防獣柵ができました。柵があると草刈りがしにくくて、おまけに法面は急傾斜。つい草刈りが億劫になってササや背の高い草が伸び放題。その草に蔓が絡んでこんな有様…。草の力で柵も傾いてきたので、先日から思い切って刈り始めました。少しずつしかできないので刈り終えるのに数日かかりました。でも堤防から見える眺めはとてもきれいで、ほっと一息です(写真右)。(Y)

2021年8月9日(月)
待望の雨

 一昨日の午後、1カ月ぶりに少しまとまった雨が降り、ビオトープ池が久々の満水に。そして昨日の夜から今日の午前中にかけて、台風9号の影響で断続的にやや強い雨と風。雨が止んだ時にカメラを持ってウマノスズクサ畑に行くと、今年初めてハネナガイナゴ成虫(写真左)とツチイナゴ幼虫(写真右。体長約1.5cm)を見つけました。ジャコウアゲハ幼虫は数が増えて、体長5~6mmから1.5cm位のものまで様々います。暑いときには北斜面でよく見かけたヒカゲチョウが軒下に2匹。雨風を避けに来たようです。ところで、台風9号は広島から島根に抜けて温帯低気圧に変わりましたが、所によっては大雨が続くとのこと。大きな災害になりませんように。(Y)

2021年8月8日(日)
ミソハギ

 何年か前、荒れ地で草に埋もれていたミソハギを見つけ2、3株を自宅そばのビオトープ池に移植。年々株が増えて手狭になったので、田んぼビオトープの湿地状の所にも株を分けました。さて、このところの猛暑でしばらく田んぼビオトープにもご無沙汰していましたが、昨日は飼育したトノサマガエルを放しに久しぶりに行きました。ミソハギの花が盛りの季節を迎えています(写真左。白い花はサワヒヨドリ)。群落が去年よりさらに大きくなっていました。右の写真は花の拡大。以前はお盆に欠かせない花として植えられていたそうですが、最近この辺りではほとんど見られなくなりました。(Y)

2021年8月7日(土)
トノサマガエル、生まれ故郷へ

 変態を終えたばかりのトノサマガエルはすごい食欲。空腹を満たしてやるのは難しいので、卵があった田んぼビオトープ(5月21日7月26日の当欄)に放しに行きました。1カ月も雨が降らずカンカン照りのお天気が続いているので、この田んぼビオトープもすっかり干上がって草地になっていました(写真左)。でもカエルになっているので移動もできるし、少々水がなくても大丈夫。草の中にはたくさんのバッタの幼虫がいて、食べることには困りません。カエルは飼育箱の中から元気に飛び出しました(写真右)。(Y)

2021年8月6日(金)
ジャコウアゲハ2齢幼虫

 チョウの越冬蛹が初夏に羽化した成虫が、そのシーズンの1化目。1化目が産卵した卵から育った成虫が2化目です。ジャコウアゲハはそろそろ2化目の産卵期のはずですが姿を見せません。他のアゲハチョウ科のチョウも連日の猛暑のせいかほとんど飛びません。でも今日はウマノスズクサ畑にジャコウアゲハのメスが来ていたので、産卵があったのではと卵を探しました。卵は見つからなかったのですが、意外にも2齢幼虫をたくさん見つけました(写真左。そばにあるのは脱皮殻)。いつの間に産卵したのでしょう。全然気が付きませんでした。今年はウマノスズクサをかなり刈り込んだので、柔らかい若い葉がたくさんあります。また畑が賑やかになりそうで楽しみ。右の写真はウマノスズクサの花(6月21日撮影)です。(Y)

2021年8月5日(木)
ワキグロサツマノミダマシ

 左の写真は、以前からよく見かける緑色の美しいクモ(8月4日撮影)。名前を知りたいと思ってもクモはハードルが高い。それでも図鑑を頻繁に見るようになると、「あっ、これはあの時のクモでは…」となることも。それで古い写真を見直して、名前がわかった時のうれしさ!今回の奇妙な名のクモもそうして分かったのですが、似た種類もあるのでちょっと自信がありません。間違っていたらご教示ください。右は同じクモで、7月10日に激しい雨が止んだ直後に、巻いた葉の中で見つけました。雨宿りをしていたのかな?(Y)

2021年8月4日(水)
トノサマガエルの尾の消失 その2

 左の写真は今日のトノサマガエルです。体長約3cm、オス。模様がくっきりとしてきました。8月1日の当欄で紹介した、尾が消失したばかりのカエル(多分メス)と違って活発です。オスとメスの違い?自然で育ったものと飼育したものとの違い?今回トノサマガエルをじっくりと観察して、興味深いことがたくさんありました。まだ2匹の幼生がいます(写真右)。この2匹も無事カエルになって放す日を楽しみに、もう少し飼育頑張ります。(Y)

2021年8月4日(水)
トノサマガエルの尾の消失 その1

 カエルの尾は切れるのではなく、体内に吸収されて短くなっていきます。8月3日午前10時前、約5cmあった尾が2cmほどに(写真左)。さらにおよそ7時間後、尾は完全に消失していました(写真右)。(Y)

2021年8月3日(火)
アキノタムラソウと昆虫たち

 アキノタムラソウ(シソ科)は小さくて地味な感じの花ですが、昆虫が蜜や花粉を集めにたくさん訪れます(「季節の1コマ」№386)。今年観察できた昆虫は、スジグロシロチョウベニシジミキタキチョウモンキチョウトラマルハナバチ(写真左)など。写真右はスキバホウジャクという昼間に活動するガだと思いますが、ちょっと自信はありません。アキノタムラソウは1株や2株だと目立ちませんが、今年は多数の株が群落を作ってすごくきれいです。もう盛りは過ぎましたが、来年もこの花に来る昆虫をじっくり観察したいと思いました。(Y)

2021年8月2日(月)
トノサマガエル幼生、カエルに

 今日、トノサマガエル幼生はさらに体が小さく引き締まり、まだ尾はありますがカエルになりました。幼生の時には青菜を煮たのやイリコ、かつお節などを与えていましたが、カエルになると生きた餌しか食べないのでアブラムシやグンバイムシなどを。今は手近にいるエノキワタアブラムシ(写真右)を与えています。野生のものはとっくに子ガエルになっているのですが、成長が遅くても必ず育つ…。飼育にちょっと自信がつきました。(Y)

2021年8月1日(日)
トノサマガエル幼生の成長

 3匹の幼生のうち、一番成長のいいものに前あしが生えてきました(写真左)。もうエラ呼吸から肺呼吸になっているので、溺れないように飼育容器の中に水から上がれる場所をこしらえてやりました。今はまだダイナミックに動いていますが、尾が消失し体も小さくなってカエルらしくなると、体内の大きな変化に耐えているかのように、しばらくじっとして動かなくなります。写真右はそんな時期です。(体長1.5~2cm。2015年6月25日撮影)。二番目に成長のいい幼生は後あしだけですが、3本の縦線が鮮明に。三番目も後あしは生えていますが縦線はまだ。同じ時期に生まれても成長に随分と差があります。それでも放流まであと少しです。(Y)

2021年7月31日(土)
クロアゲハの羽化

 レモンの木にいた2匹のクロアゲハ若齢幼虫を保護して飼育しました。7月17日と18日にそれぞれ蛹化。そして2週間近くたった昨日、2匹とも無事羽化しました(写真左。2匹のうちの1匹)。2匹は飛び立った後も家の周囲に長くいましたが、いつの間にかいなくなりました。カエルは孵化した場所に戻って産卵するそうですが、チョウも羽化した場所を覚えていて、そのあたりに産卵に来るのでしょうか。右の写真はこのチョウたちの終齢幼虫時代。食欲旺盛で何だか楽しそうにも見えて、眺めている私も明るい気持ちになったものでした。(Y)

2021年7月30日(金)
ナガコガネグモ その2

 ため池の堤防辺りで、随分前から腹側をこちらに向けて大きな網の真ん中に陣取っているクモがいます(写真左)。大きさや形からコガネグモだと思って毎日見ていました。でも何とか背側からの写真が撮れないかと、苦労してカメラを網の反対側に回して撮影(写真右)。すると、このクモはコガネグモではなく、ナガコガネグモでした。体長3cm以上あり、堂々とした体格です。お腹の膨らみは卵でしょうか。季節は生きものたちとともに移り変わって行きます。(Y)

2021年7月30日(金)
ナガコガネグモ その1

 6月、コガネグモが成体で存在感を発揮している時、ナガコガネグモやジョロウグモはまだ幼体です(写真左。ナガコガネグモの幼体)。最近になってナガコガネグモの成体がよく見つかるようになりました(写真右)。コガネグモはもうすぐ産卵を終えて姿を消し、代わってナガコガネグモが里山のクモの代表格に。そして晩秋にはジョロウグモと続きます。(Y)

2021年7月29日(木)
セミ

 今一番よく聞こえるセミの鳴き声は、「カナカナカナ…」と鳴くヒグラシです。でも羽化殻はまだ見つかりません。羽化殻がたくさん見つかるのはニイニイゼミ(写真左)とアブラゼミ(写真右)。鳴き声もよくします。ここ数年セミの数が減ったように感じていましたが、今年はうれしい復活です。梅雨の終わりごろは毎日のように激しい雷雨があって、梅雨が明けると連日カンカン照り。少しまとまった雨がほしいところですが、羽化時期の好天がセミにとってはよかったようです。ツクツクボウシも鳴き始めました。もうすぐミンミンゼミも鳴き始めます。秋には久しぶりにチッチゼミ、見られるといいな。(Y)

2021年7月28日(水)
ムカデ

 ムカデは家の中の害虫だと思っていましたが、本来は畑や草地の生きもの。好物のゴキブリなどが家の中に逃げ込むと、それを追ってムカデも(意に反して?)入ってくるそうです。家の中に入ってくると危険な害虫で、外にいれば害虫を食べてくれる益虫なのです。そう思えば、忌み嫌っていた私のムカデに対するイメージが変わってきます。それでも家の中には入れないようにしないと。一度家の中で嚙まれたことがあって、短時間で大きく腫れて急いで病院へ。大事には至らず一週間で回復しましたが、とても痛かったです。左の写真は体長10cm以上の成体。右は約3cmの幼体です。トビズムカデという種類だと思います。いずれも畑にいました。ムカデも生態系の中の大切な一員なのですね。(Y)

2021年7月27日(火)
キイトトンボのオスとメス

 左の写真はキイトトンボのオス、右はメスです。どちらも食事中。イトトンボ類で体が4cmほどと小さいので、獲物も小さくて何を食べているのかはわかりません。ところで、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、および西表島が世界自然遺産に登録されました。「やっと」の感はありますが、これらの地域の生物多様性が評価されて本当によかったです。遠い自然と近くの自然。各地の里山地域の生物多様性にも目が向けられるきっかけになればと思います。(Y)

2021年7月26日(月)
トノサマガエル幼生

 左の写真は、飼育している3匹のトノサマガエル幼生の今日の姿です。3匹のうちの一番成長のいい個体で、体長は約5~6cm。後あしも大きくなり、3本の縦線が現れて、体色もうっすらと緑色に。泳ぎもダイナミックになり、バシャッと大きな音を立てることもあります。この幼生たちは田んぼビオトープで産卵されたもの(5月21日の当欄)。卵塊から外れてしまった3個の卵を持ち帰って飼育を続けていたものです。田んぼビオトープの残ったたくさんの卵や幼生は結局すべて天敵に食べられたようなので、保護した3匹だけが生き残るという結果になりました。右の写真は少し前にたまたま撮った幼生の顔(7月20日撮影)。おちょぼ口があんまり可愛くて…。(Y)

2021年7月24日(土)
蝶が来る庭 その3

 左の写真はハナトラノオ(シソ科。カクトラノオとも)。これも蜜源となります。右の写真は水漏れ補修をしたビオトープ池。このところ雨が降らずカラカラのお天気ですが、何とか水がたまっています。ここにはチョウは来ないけど、カエルやイモリ、トンボ、水生昆虫など。小さいけれど里山の要素を取り入れようとしています。我が家の周辺が生き物たちにとっても、人にとっても居心地の良い空間になりますように…。(Y)

2021年7月24日(土)
蝶が来る庭 その2

 この2種もチョウが好む植物です。左の写真はヒャクニチソウ。右はキバナコスモス(どちらもキク科)。明るい色で、咲き始めると畑が一気に華やぎました。今はまだ蛹のクロアゲハやジャコウアゲハなど大型のチョウたちがもうすぐ飛び始めます。たくさん来たらどんな感じ?想像して、ちょっと楽しみです。(Y)

2021年7月24日(土)
蝶が来る庭 その1

 自宅そばの畑に作り始めた「蝶が来る庭」。春から育ててきた、昆虫の蜜源となる植物が花の時期を迎えました。左の写真はブッドレア(ゴマノハグサ科)。欧米ではバタフライブッシュと呼ばれるほどチョウが好む花です。右はリアトリス(キク科)。球根を8個植えたのに1株しか育ちませんでした。初めて植えた植物なので、期待通りにチョウが来てくれるでしょうか?(Y)

2021年7月23日(金)
コミスジとゴイシシジミ

 梅雨が明けたら、連日の猛暑で外の作業ができません。特に田んぼは日陰もなく、朝から夕方遅くまで強烈な日差しです。それで、暑さがましな早朝の30分間だけ草刈りをすることに。毎日やれば少しでも前へ進める、そんな思いで頑張ることにしました。とはいえ私は今日がまだ2日目。秋まで頑張れるかな? 田んぼに行く道で、昨日はコミスジ(写真左)、今日は久しぶりにゴイシシジミ(写真右)を見ることができました。また、ため池ではチョウトンボが飛び交い、田んぼではウスバキトンボが群れ飛んでいます。私たちが整備できなくなっても、このような命溢れる環境を残せないか…。最近よく考えます。(Y)

2021年7月22日(木)
狩り(クモとカマキリ)

 左の写真はドヨウオニグモ(コガネグモ科)。獲物はサシガメ(カメムシ目サシガメ科)の仲間です。右はオオカマキリ(カマキリ科)幼虫。オカトラノオの花穂の上でオオチャバネセセリ(セセリチョウ科)を大きな鎌で挟んで食べていました。「食う食われる」の世界を懸命に生きて子孫を残す…。生物は関わりあって生きているということ、そして命の重さということを生きものたちの日々の営みを見ていて実感します。(Y)

2021年7月21日(水)
擬態

 木に枯れ枝のようなものがついています(写真左)。気になって、写真を撮ってから軽く触ってみました。動いている!(写真右) 枯れ枝ではなくシャクガの幼虫でした。こういうのを擬態(ぎたい)というのだそうです。動物が身を守るために体の色や形などを周囲の物や植物・動物に似せること。私も騙されて、最初はガの幼虫とは思いませんでした。そういえば、7月4日のユリクビナガハムシの幼虫もそうですね。(Y)

2021年7月20日(火)
1杯の水の中には

 飼育しているトノサマガエル幼生の水を換えようと思って、ビオトープ池から飼育容器1杯の水を汲みました。すると水の中にはいろんな生き物が。ヤンマ系のヤゴ(写真左)、コミズムシマツモムシなどで、それらをビオトープ池に戻してからトノサマガエル幼生の引っ越し。それにしても、春にビオトープ池の補修が完了して、水が溜まるとすぐにいろんな生き物が現れたのには驚きました。右の写真は今日のトノサマガエル幼生。体長5~6cmになり、後あしも出てきました。顔つきもいかめしくなったような…。(Y)

2021年7月19日(月)
コガネグモ

 コガネグモは真夏に大きな網を張る美しいクモです(写真左。体長約3cm。クサヨシ群落にいた)。クモはすべて肉食。コガネグモが生息できるのは、餌となる昆虫が多くいて、網を張る足場の条件が整っているところ。つまり、コガネグモが多いところは自然環境が豊かな場所といえそうです。昔はどこにでもいたコガネグモも最近数が減っているといわれています。右の写真はコガネグモの仲間のチュウガタコガネグモ(写真右)。勝手口を開けたらバッタリ!迫力ありました。(Y)

2021年7月18日(日)
お母さんは一生懸命

 母鳥が若鳥を連れて、よく庭や畑にやってきます。シジュウカラ、エナガ、イカルなど。「季節の1コマ№385」でシジュウカラのお母さんが子どもに水浴びを教えるためにびしょぬれになった写真を紹介しましたが、その直前に子どもの前で懸命に水浴びをして見せていました(写真左)。エナガのお母さんも同じ(7月6日の当欄)。そして昨日、2羽の若鳥を連れて庭に来たイカルは自分より一回り大きい子どもに時々餌を与えながら採餌の仕方を教えているようでした(写真右)。ヒナが巣立ちして2週間~1か月は親が一緒に過ごすそうですが、その間に生きる術をすべて教えるのだと、ちょっと感動しました。今はシジュウカラもエナガも若鳥だけで上手に水浴びをしています。(Y)

2021年7月17日(土)
生物多様性

 2020年4月22日の山陽新聞のコラム「滴一滴」に生物多様性についてわかりやすく書いてあったので、一部を引用します。『バラエティーに富んだ生き物と、相互の複雑なつながり「生物多様性」を健全に保つことは、人が生きるためにも必要だ。その恩恵を日々の生活で実感するのは難しいが、例えば医薬品に使われる植物は5万~7万種にものぼるとか。土地開発などによって生態系の喪失はかつてない速さで進み、世界で100万種が絶滅の危機にある。動植物の発する赤信号に無頓着であってはならない。』 左の写真はベッコウハゴロモ終齢幼虫。尾端に細い針状のロウ物質を広げた特異な姿です(枝の下側にいるのはカメムシ)。右はウンモンスズメ(6月20日の当欄)の終齢幼虫。尾端に1本の大きな突起(尾角)がありますが、危険はありません。自然には実に様々な生き物がいるものです。(Y)

2021年7月16日(金)
クロアゲハ、前蛹に

 9日に終齢幼虫になったクロアゲハ。終齢になってからはすごい食欲で、わずか1週間で6~7cmに成長して今日前蛹になりました。驚くべき食欲と成長の速さです。左の写真は前蛹になり始め。糸を吐いて、体を支える帯糸を作っているところだと思います(午前8時頃)。所用で外出して夕方帰宅したら前蛹になっていました(写真右。午後6時頃)。前蛹になっても時々動くし、蛹になり始めの頃もピクッと動きます。1日遅れて終齢になった幼虫も、明日には前蛹になるでしょう。(Y)

2021年7月15日(木)
子ガエルとコオニユリ

 一昨日、幼生から子ガエルになった2匹のアカガエルを、田んぼビオトープの水路に放しました(写真左)。2匹はともにヤマアカガエル。体長1.5~2cmほどです。これで、飼育していたアカガエルはすべて放流。残っているのは3匹のトノサマガエルの幼生のみ。自然に育ったものと比べて餌不足なのか、なかなか大きくなりません。早く、縦線の入った大きな幼生まで育ってほしいです。アカガエルを放流した帰り道、コオニユリが咲き始めていました。(Y)

2021年7月14日(水)
クロアゲハとモンキアゲハ終齢幼虫

 左の写真はクロアゲハの、右はモンキアゲハの終齢幼虫です。7月12日の当欄で「モンキアゲハ幼虫の保護」とタイトルを付けましたが、12日の写真はモンキアゲハではなくクロアゲハ幼虫です。初夏のころにモンキアゲハの成虫をよく見たので、幼虫はモンキアゲハだと思い込んでいました。終齢幼虫になって、アレ?上の写真の通り、腹部の斜めの帯がつながっているのがクロアゲハ、中央で切れているのがモンキアゲハです(2020年7月20日撮影)。お詫びして訂正します。(Y)

2021年7月13日(火)
身近な爬虫類

 この辺りでよく見られる爬虫類はヘビ以外では、ニホンカナヘビ(写真左)、ニホンヤモリ(写真右)、クサガメ(2019年5月26日の当欄)がいます。ヤモリは夜、よく窓ガラスに張り付いているので、腹部にある2つの卵がよくわかります。2つはいつも腹部の離れた場所にあります。ヤモリの体の構造はどうなっているのでしょうか?ヘビは岡山県には8種類いるそうですが、当地ではその内7種を確認しています。シマヘビ、アオダイショウ、ジムグリ、ヒバカリ、シロマダラ(岡山県の絶滅危惧Ⅱ類)、ヤマカガシ、マムシです。あと1種、タカチホヘビはまだ確認できていません。これらの中で毒をもっているのはマムシとヤマカガシ。この2種の特徴をよく覚えておいて、出会ったら気を付けないといけません。(Y)

2021年7月12日(月)
モンキアゲハ幼虫の保護

 今日は朝から雷を伴った強い雨。先日には長雨のため国道沿いの崖が崩れて今も通行止めになっています。この時期、毎年どこかが崩れ、長期にわたって通行止めとなってしまいます。当地では家屋が破壊されるような大きな災害が発生していないのは救いですが。こんなに災害が多発する国なのに、リーダーたちの目はどこを向いているのでしょう。まず国民の生命を守ろうとするのが政治のはずなのに…。さて、気を取り直して生き物のこと。イヌザンショウの木に10数匹いたアゲハの幼虫が天敵に食べられたようで、すべていなくなりました。そんなこともあるので、レモンの木にいたモンキアゲハの幼虫2匹を保護。幼虫は7月9日に1匹が終齢になり、もう1匹も翌日終齢になりました。モリモリと葉を食べています。左の写真は終齢になったばかり、右は終齢直前の幼虫です。(Y)

2021年7月11日(日)
ダイミョウセセリの羽化

 家の中で保護していたダイミョウセセリの蛹(7月5日の当欄)が羽化しました(写真左)。朝、窓ガラスに何か付いている。初めはガかと思いましたが、近づいて見ればダイミョウセセリ。思いがけないうれしいことでした。同じ日に紹介したジャコウアゲハの蛹は、残念ながら何かに寄生されたようで死んでしまいました。先日大発生したヒオドシチョウの蛹もそうですが、自然の中では寄生されて羽化できないことがすごく多いです。右の写真は、枯れたヤマノイモの葉の中に残っていた羽化殻です。(Y)

2021年7月10日(土)
草刈り前と後

 今日も雨が降ったり止んだり。気温も湿度も高く蚊も多いしで、雨が止んでも外の作業をする気にならず…。最近は梅雨と言えば豪雨災害が当たり前になりました。命にかかわる豪雨、そして梅雨が明ければ命に危険な暑さ。急激な気候変動の対策を急いでと願わずにおれません。さて、少し前のことですが休耕田の草刈りをしました(写真は草刈り前と後です)。地道でも休耕田でも、草刈り直後の風景が好きです。この時期、すぐに草が伸びてきれいに保つのは大変ですが、コンクリートの地面やアスファルト道路にはない温かさ、居心地の良さを感じます。それに棚田の土の地面は災害にも強いです。(Y)

2021年7月9日(金)
トノサマバッタの幼虫と成虫

 今日も雨。いつまで降り続くのでしょう。熱海や山陰地方では大きな災害が起こっています。温暖化と盛り土などの過開発と。自然災害ではなく、人災の面が大きくなっていると感じます。自然を守ることは人間の命を守ることにもつながります。そのことにこだわって、里山の自然の素晴らしさ、面白さを発信していきたいと思います。さて、6月2日に畑でトノサマバッタ(以下トノサマ)の幼虫を見つけました(写真左)。そして6月末、同じ場所に成虫がたくさんいました(写真右。体長6~7cm)。でも幼虫の写真をよく見ると、本当にトノサマ、もしかしてクルマバッタ?分からなくなってきました。詳しいTさんに写真を送って識別点を教えていただき、トノサマと分かりました。(Y)

2021年7月8日(木)
シュレーゲルアオガエルの旅立ち

 水漏れ補修を終えた自宅そばのビオトープ池で、5月末にシュレーゲルアオガエルの小さな幼生を見つけました。成長過程が見たくて2匹捕まえてケースで飼育。自然に育ったものと比べて餌が少ないせいか成長が良くなかったのですが、ある時期から急に大きくなりました(写真左、6月14日撮影)。そして無事変態してカエルに(写真右、7月7日撮影)。体長約1.5cm。尾もなくなり、体も引き締まって、変態直前の幼生の時より随分と小さいです。体は少し緑色がかってきましたが、皮膚の黒い斑点はまだ残っています。前あしが出る頃に肺呼吸に変わるので、溺れないように水から上がれる場所を作り、餌も幼生時代に与えていた青菜を煮たものやかつお節からアブラムシに変えました。成長過程をしっかりと見せてもらったので、昨日飼育ケースから出して放してやりました。大きくなった姿は2018年8月14日の当欄をご覧ください。(Y)

2021年7月7日(水)
カワラマツバとヌマトラノオ

 いつもはあっさりと刈ってしまう、休耕田の法面に生えるカワラマツバ(アカネ科)。今年は例年になく花がきれいだったので写真撮影(写真左)。花が終わるまで刈らずにおくことにしました。右の写真は、白い小花を総状に咲かせるヌマトラノオ(サクラソウ科)。畔に群生していると、つい見とれてしまいます。(Y)

2021年7月6日(火)
今日の小鳥たち

 夕方、南向きの窓から次々とやって来る小鳥たちが見えます。その数、ざっと30羽。どこに行くのかなとバードバスを見たら、いるいる!エナガ、ヤマガラ、メジロ、シジュウカラ。順番を待ちながら、待ちきれなくて割り込みも。みんな気持ちよさそうに水浴びしていました。そしてバードバス組以外にも、畑付近にはいつもの常連にコゲラが加わった小群。早朝にはヤマザクラの実を食べにアオゲラも。蒸し暑い一日でしたが、賑やかで楽しい一日でもありました。写真はいずれも以前のものですが、左はエナガの水浴び(2019年6月1日)。ずぶぬれになっているのは、若鳥に水浴びを教えている母鳥だと思います。右はメジロの水浴び(2019年9月3日)。たくさん集まって、まさに「めじろ押し」。(Y)

2021年7月5日(月)
どこで蛹に?

 チョウの終齢幼虫は食草から移動して、どこで蛹になるのだろう。いつも疑問に思っています。去年の秋、ジャコウアゲハはガレージの梁やヒイラギの葉裏で蛹化しました。幼虫が食草のウマノスズクサから10m以上も移動したことに驚きました。そして今年春に産卵されたものは成長して、今はほとんどがウマノスズクサからいなくなっています。暖かい時期はどこで蛹に?探していると、ウマノスズクサの葉裏に見慣れた蛹が1つだけ付いていました(写真左)が他は見つかりません。もう少し探したいと思います。また、ダイミョウセセリがヤマノイモの葉を2枚重ねた巣の中で蛹になりました(写真右)。蛹は重なった上の葉に糸で留められています。ダイミョウセセリは移動せず、食草で蛹化するのです。では冬は?調べると、秋にヤマノイモの葉が落葉してもそのまま地面に落ちた巣の中で冬を越すそうです。ところで写真右のダイミョウセセリ蛹は、巣の糸を一部切ったので室内で羽化まで保護します。気が付けば家の中は一年中、幼虫や蛹でいっぱい!(Y)

2021年7月4日(日)
ユリクビナガハムシ その2

 さらにそのそばに、また変なものがありました(写真左)。下のほうに赤い色が見えて、脚もあります。虫が何かを被っているようです。調べてみたら、これはユリクビナガハムシという甲虫の幼虫だとわかりました。驚いたことに被っているのは自分のフン。赤い色の虫は、幼虫が土の中で蛹になるためにフンを脱いだ状態だったようです。ミノムシが葉や小枝を綴った袋に入って身を守るように、ユリクビナガハムシの幼虫は何と自分のフンを背中に背負うことによって身を守っていたのです。また新しい発見と驚き。手塚治虫や宮崎駿のアニメキャラクターの驚くような発想の源は、少年時代の自然体験の豊かさでは?改めてそう思いました。右の写真はユリクビナガハムシの成虫。ササユリの蕾にいました。成虫もユリを食べるようです(Y)

2021年7月4日(日)
ユリクビナガハムシ その1

 少し前のことです。蕾をつけたササユリの葉が虫に食べられてかなり傷んでいたので、切り花にしようとバケツに入れておきました。2~3日してササユリの葉に泥のようなものが(写真左)。てっきり蛾の幼虫のフンだと思って、幼虫を探しましたが見つかりません。おまけにフンが少し動いたような…。翌日、葉に赤い色をした虫がいました(写真右)。これは何?(その2へ)(Y)

2021年7月3日(土)
若鳥

 パソコンで作業している前に広がる雑木林。窓ガラス、網戸、ゴーヤの棚があって少し見にくいですが、この季節、若鳥たちの集団がよくやってきます。エナガ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラなど。みんな元気で、生きている喜びを体全体で現しているようです。若鳥は親鳥に似ているけど同じではなくて、時には別種かと思うほど印象が違うことも。右の写真はエナガの若鳥。目の周りから頬にかけて顔が黒く、まぶたが赤い。また背中のピンク色はまだありません。成鳥と若鳥の違いを見ることが今の楽しみの一つ。(Y)

2021年7月2日(金)
ダイミョウセセリ終齢幼虫

 6月14日の当欄で、ダイミョウセセリ幼虫が1枚のヤマノイモの葉に3つ巣を作ったことを紹介しました。てっきり3つ目の一番大きな巣で蛹になると思っていましたが、2~3日してさらに大きな巣が。一番大きな巣は2枚の葉を糸で留めてあります。昨日からは昼間に終齢幼虫(体長約4cm)がよく姿を見せます(写真左)。調べると、普段は巣の中に隠れていて、食事をする時は出てくるそうです。今日もまた姿を現しました。見ていると、ヤマノイモの蔓を伝って葉を2枚重ねた大きな巣(自宅?)に入っていきました(写真右)。その後も出たり入ったり。幼虫はこの中で蛹になります。面白くて興味深い昆虫の世界です。(Y)

2021年7月1日(木)
トンボ

 7月になりました。ニイニイゼミも鳴き始め、夜にはヘイケボタルの光の点滅が見られることもあります。さて、左の写真はハラビロトンボのメス(6月27日撮影)、右はショウジョウトンボのメス(6月14日撮影)。どちらも畑付近にいました。当地で今よく見られるトンボはこの2種のほかに、チョウトンボコシアキトンボキイトトンボシオカラトンボなど。昨日、今季初めてナツアカネを見ました。市街地の近くにもトンボが見られる里山のような環境があるといいな。大人も子どもも楽しめる場所。子どもと観察しながら、大人は草刈りなど環境保全にほんの少し参加する(そのうちのめりこむかも…)。夢で終わらせたくない夢です。(Y)

2021年6月30日(水)
ハンミョウとヒメカメノコテントウ

 庭でハンミョウを見つけたと思ったら、玄関前の散水栓ボックスの中にもいました(写真左)。体長約2cmの美しい昆虫で、山道でよく見かけます。近づくと少し前に飛んでまた同じ道に下りる、という行動を繰り返すので「ミチオシエ(道教え)」という愛称もあります。右の写真はヒメカメノコテントウという体長約4㎜の小さなテントウムシ。初見でした。日本の昆虫は、わかっているだけで約3万種いるそうです。これからどれだけ「はじめまして」ができるだろう…。ワクワクしながらカメラを持って歩こうと思います。(Y)

2021年6月29日(火)
子ガエル、生まれ故郷へ

 このあたりに生息するカエルの種ごとの成長過程を知りたくて、今年もオタマジャクシ(以下、幼生)を飼育しました。幼生は4種類いて、写真は時々撮っていたけれど、文章でも記録しておくべきだったと反省しています。また来年につなげたいと思います。変態したアカガエル類の子ガエル(写真左、体長2cmほど)5匹を、幼生の時にいた田んぼビオトープの水路(写真右)に放してやりました。飼育容器に残っているのは、アカガエル類、シュレーゲルアオガエル、トノサマガエルの幼生。トノサマガエルの成長が悪いのがちょっと気になります。(Y)

2021年6月28日(月)
ツマグロヒョウモン

 6月15日、ツマグロヒョウモンの終齢幼虫が蛹になる場所を求めて玄関の辺りを移動中でした(写真左)。先日のヒオドシチョウの時には、かなりの個体が食草のエノキから10m以上も移動して蛹化しました。ツマグロヒョウモンも同じだろうと思って広い範囲で蛹を探しましたが見つかりません。ところが、先日家の周辺の草刈りをしていてササを刈ったときにアレ?倒れたササの地上15cm位のところにツマグロヒョウモンの蛹がぶら下がっていました(写真右、6月25日撮影)。15日の終齢幼虫と同じ個体かどうかはわかりませんがその可能性が高いでしょう。蛹も終齢幼虫同様にトゲがいっぱいあって、下のほうのトゲには見事な「金メッキ」が。里山は今、次々と命あふれる季節です。(Y)

2021年6月27日(日)
ヤブキリの羽化

 今日は私たちが管理している休耕田の草刈りをしました。田の法面の草を刈っていると何やら大きなものが見えます。手を止めて近づいて見ると、羽化途中のメスのヤブキリ。約3㎝の産卵管を含めると、体長10㎝ほども。気付かずにいると刈り飛ばしているところでした。初めて見るヤブキリの羽化。やはり大型昆虫の羽化はダイナミックです。チョウの羽化は上向きに殻を脱いでいきますが、ヤブキリは下向き(写真左)。私が出くわしたのは長い産卵管を脱いでいるところで、すべて脱ぎ終わると体を上向きに(写真右)。そうして翅を伸ばして、翅が乾いたら羽化終了。ヤブキリ成虫の誕生です。里山環境には様々な生物がいて、それぞれの日常が見られます。このような自然環境を子どもたちにもと願っています。(Y)

2021年6月25日(金)
巣箱の中は

 昨日、シジュウカラが巣立ったあとの巣箱を開けました(写真左)。孵らなかった卵と昆虫の死骸が1つずつ。巣材が平らになっているのは、大きくなったヒナの重みのためでしょう。右の写真は、3年前卵を残して放棄されたシジュウカラの巣です(2018年4月22日撮影)。卵は9個あり、少し窪ませて作られている産座に収まっていました。巣材は主にコケですが、産座には獣毛や鳥の羽など柔らかい素材が使われています。ここ何年か自宅周辺の巣箱では繁殖がうまくいかないことが多かったので、今回の繁殖成功はすごくうれしいことでした。(Y)

2021年6月24日(木)
ブッポウソウのこと

 このところ、巣箱のブッポウソウの気配がなくなっていました。巣箱の近くを通ると見張りのオスに「ゲッ、ゲッ」と怒られていたのにそれもなくなって、今年は途中で巣を放棄したかと残念に思っていました。今日1週間ぶりに休耕田の草刈りに来て、作業の合間に巣箱を見ていたらブッポウソウが3回ほど静かに飛来しました。巣穴に首を入れて餌を渡すような動きも。ダメかと思っていたので、繁殖活動が続いているようなのは何ともうれしいことでした。例年通りなら、今頃はヒナが孵って親鳥は餌やりに忙しくなるころ。そして7月10日前後に巣立ちです。昨年はその大切な時期に雨ばかりで、そのせいか巣立ったヒナの数も少なかったようです。今年はそのようなことがないように祈りたいです。写真はブッポウソウではなく、作業中に見た昆虫。左は脱皮中のキリギリス、右はヤブキリの幼虫(たぶん終齢)です。(Y)

2021年6月22日(火)
シジュウカラの巣立ち

 5月12日に巣作りを確認して(5月13日の当欄)から40日。今日の早朝、シジュウカラのヒナが巣立ったようです。今日は朝から出かける予定。留守中に巣立ったら嫌だなと思っていたら、それより早く早朝に巣立ちを終えたようでした。今巣箱の周りは昨日までと違って、ひっそりしています。昨日まで親鳥がオス、メス交代で餌(昆虫)をヒナに与え、代わりにヒナのフンをくわえて出ていくことを繰り返していました(写真左、右)。それが日ごと頻繁になり、与える昆虫も大きくなりました。昨日にはヒナが巣箱の入り口から顔を出したりもしていました。2、3日したら巣箱を開けてみます。卵の殻は母鳥が食べてしまうので巣立ったヒナの数はわかりませんが、無事巣立ったことを確認したいです。(Y)

2021年6月21日(月)
田んぼに行く道で

 田んぼに行く途中、ため池の堤防に通じる小道にオカトラノオの花が咲き始めました(写真左)。すぐそばにはサカキの花も(写真右)。毎日のように通る道なのに、サカキの花には初めて気づきました。こんなにかわいい花が咲くとは知らなかった。最近、今までより気をつけて生きものを観察するようになりました。少しは生きものたちの変化に敏感になったかな?知識も少しは増えたかな?以前とはちょっと違うぞと自分では思っているのですが…。(Y)

2021年6月20日(日)
ウンモンスズメとヨツボシホソバ

 左の写真はウンモンスズメ(チョウ目スズメガ科)。緑色のグラデーションが美しく、しばし見とれました。右はヨツボシホソバ(チョウ目ヒトリガ科)。夕方、ゴーヤの葉上にいました。黄色っぽい翅が何とも美しい。これはメスで、オスは全く違う翅の色をしているそうです。両種とも初めて見ました。昆虫はわかっているだけでも世界で約100万種、日本で約3万種記録されているということです。(Y)

2021年6月17日(木)
カラスザンショウ

 今日は梅雨の合間の貴重な晴れ間。洗濯物を急いで外に出しました。一通り用事を終えて、大きなカラスザンショウの木の下へ。見上げると、いっぱいに広がった若葉の間から差し込む光が何とも心地よかった(写真左)。この木はスギやヒノキと違って、直接人間の役には立たないので雑木という言われ方もされます。でも、葉はミヤマカラスアゲハなどアゲハチョウ科の幼虫の食草ですし、秋に実る油分の多い実は鳥やタヌキなどの貴重な食料になります。生態系の中では大きな役割をしている木ではないかと思います(2019年11月8日「収穫の秋その3」)。右の写真は、昨年の秋に左の木のタネを蒔いて発芽させたもの。現在高さ4cmほどです。この苗木を庭で育てて、カラスザンショウに関わる生きものを調べてみたいと思っています。(Y)

2021年6月16日(水)
クリの花と庭のササユリ

 家の脇では例年のようにクリの花が満開になり(写真左。6月8日撮影)、居間から見える庭では今年初めてササユリが咲きました(写真右。6月14日撮影)。ところでこのクリの木は、10年以上前に生えてきた自生のもの。邪魔になった枝を何度切っても元気に花を咲かせ、毎年たくさんの実を実らせます。いわゆるシバグリですが、割合大きくて美味しい実です。去年大枝を切ったのに、花の様子を見ると今年もよく実りそうです。でも、生りすぎると拾っておかないとイノシシが来るし、食べるのも皮むきが大変で持て余すし…。ほどほどがちょうどいいのですが、さて?(Y)

2021年6月15日(火)
ウマノスズクサ畑とマムシ

 昨日、ウマノスズクサ畑でジャコウアゲハの終齢幼虫が前蛹になり始めていました。気になって今朝もまた見に行ったら、残念なことに何かに寄生されていたようで死んでいました。自然の中では寄生されたり、食べられたりで成虫まで無事育つのは少数です。分かっていても残念で、「うーん…」と思いつつ何気なく足元を見たら、すぐそばにマムシ!(写真左)。危ないところでした。優しい風景の中にも危険生物はたくさんいます。活動範囲の草刈りを怠らない。絶えず危険予知を心掛けながら行動する。そんなことを改めて肝に銘じました。右の写真はウマノスズクサ畑。今年は蔓の先を躊躇なく切っているので、枝がたくさん出て葉の量も今までになく多いです。(Y)

2021年6月14日(月)
続・ダイミョウセセリ

 6月10日に続いてダイミョウセセリの話題。ヤマノイモの葉で作った巣に大・中・小3つのサイズがあることに気づきました(写真左)。幼虫がいるのは一番大きな葉(一辺1cmほどの正方形に近い形)の中。残りの2つは使われなくなっていて糸が取れています。幼虫はこの大きな巣の中で蛹になるのでしょう。今日はノアザミで吸蜜している成虫を見ました(写真右)。翅がだいぶ傷んでいるようで、ダイミョウセセリも世代交代の時期です。(Y)

2021年6月12日(土)
鳥類調査の途中で

 調査コースの途中、北斜面にササユリの花が満開(写真左)。イノシシに球根を食べられてガックリしたことも何度かありましたが、見事復活。花か蕾をつけている株だけでも40本以上。辺りには上品な芳香が漂っています。こんなに数が増えて、美しく咲くササユリを見るのは初めてで、ちょっと感激しました。また、道路脇にはユニークな姿のウツボグサ(写真右)。多くの生きものとの出会いもそうですが、最高の状態の花に巡り合えるのも一期一会。鳥類調査は鳥だけではなく、他の生物との思いがけないうれしい出会いの時でもあります。(Y)

2021年6月11日(金)
鳥類調査

 環境省モニタリングサイト1000・里地、鳥類調査2021年繁殖期、5、6回目の調査をしました。今日は昨日までの真夏並みの暑さはなく、明るい曇り空で涼しい風も吹いて気持ちのいいお天気。確認できたのは、ホトトギス、キビタキ、ブッポウソウ、コゲラなど20種。これで今シーズンの繁殖期調査は終了です。ところでブッポウソウはそろそろ卵が孵化する頃。巣立ちは7月です。庭の巣箱で5月に巣作りを始めたシジュウカラは親鳥の出入りも頻繁になって、順調にいけばもうすぐ巣立ち。他の鳥では、若鳥だけの集団を見ることが多くなりました。鳥の良い写真は撮れなかったので、代わりに調査コースで見たトンボを。左はモノサシトンボのメス、右はモートンイトトンボのオスです。(Y)

2021年6月10日(木)
ダイミョウセセリ

 6月5日、ヤマノイモの葉表に毛でおおわれたダイミョウセセリの卵を見つけました(写真左)。母蝶は産卵した後、卵を隠すように腹部の先端にある毛を卵にこすりつけるそうです。6月8日には、孵化した幼虫がヤマノイモの葉を折りたたんで作った巣を見つけました(写真右。一辺約5mmの正方形に近い形。所々糸で留めてあります)。幼虫は成長するにつれて大きな巣に作り変え、その中で蛹になります。右の写真の右上、卵かと思って拡大して見ると、毛だけ残して卵の殻は食べてありました。殻を食べた主は、今はきっとこの安全な巣の中…!!。(Y)

2021年6月9日(水)
バードバス

 暑くなって、鳥たちがひっきりなしに水浴びにやってきます。ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、エナガ、ヒヨドリなど。今年生まれた若鳥たちが集団で行動し、途中でバードバスに立ち寄ります。おどおどしていたバードバス初心者も先輩のを見て、すぐに大きな水しぶき。コゲラの若鳥もよくエナガと一緒に行動しているのに、水浴びは見たことがありません。ちょっと不思議です。小鳥たちにとっては安心して飲んだり水浴びができる水がとても大切。良好な水がある環境の大切さを考えます。写真左はヤマガラとエナガ、右はエナガ。すべて若鳥のようです。(Y)

2021年6月8日(火)
いろいろあって

 自宅近くのため池は長く放置されていて所有者すらはっきりしなくなっています。雨が降らず水に困った農家の人が、このため池の水をホースで引こうと考えたようです。私たちの留守中に、ため池に通じる狭い地道に軽トラが入ったようです。私たちが保護管理している道端のホトトギス、キキョウ、オカトラノオ、ササユリが一部無残に刈り取られたり、タイヤで踏みつぶされたり…。自分の土地ではないので強くは言えませんが、少しは配慮してほしかったです。おそらく相手にすれば「ついでに周りの草刈りもしておいたよ」ぐらいのことなのでしょうが…。夕方、田んぼで作業をしての帰り道、ポンプが作動していて、穴の開いたホースから噴水のような水(写真左)でしばらく通れず呆然。いろいろあって良い日ばかりではありませんが、帰り道で生きものたちの元気な姿を見てちょっと気分が和みました。写真右は終齢を迎えて食欲旺盛なジャコウアゲハの幼虫です。(Y)

2021年6月7日(月)
ホソミドリウンカ成虫

 5月30日の当欄でホソミドリウンカの終齢幼虫を紹介しましたが、その数日後成虫がいるのを見つけました(写真左)。右の写真は終齢幼虫の集団です。このウンカは幼虫成虫ともにマコモから吸汁するとありました。マコモが生えている田んぼビオトープには子ガエルやトンボ、クモなどがたくさんいて、多分このウンカのほとんどは食べられてしまうのでしょう。ほかの多くの命を支える存在といえるかもしれません。(Y)

2021年6月6日(日)
ジャコウアゲハの羽化

 保護していたチョウの蛹の最後の一つ、ジャコウアゲハが羽化しました(写真左)。ここ数日黒くなってきて、昨夕一気に真っ黒になったので(写真右)、明日は羽化と確信。予想通り今朝7時50分頃に殻から脱出、11時半頃には飛び立ちました。およそ4時間かけて無事美しい蝶に。この蛹は昨年の11月に蛹化。長い冬を休眠状態で過ごして今日の羽化を迎えました。小さな蛹の殻の中で、姿形も生活様式もがらりと変わる。その不思議にいつもながら感動します。(Y)

2021年6月5日(土)
ハナウドとスイカズラ

 田んぼに行く途中、ため池の堤防でハナウド(写真左)とスイカズラ(写真右)が美しく咲いています。柿や栗などに「生り年」があるように、年によって花の数や美しさに違いがあります。今年のハナウドやスイカズラは例年になく花数が多く、一つ一つの花もとてもきれいです。(Y)

2021年6月4日(金)
命あふれる季節

 昨日ご近所のTさんが収穫したての玉ねぎをどっさりくださったので、早速マリネを作りました。それから切り干し大根の煮物も完成。この切り干し大根は、昨年畑で収穫した大根を少し太めの千切りにして天日に干したもの。都会では当たり前に買っていたものを自分で作ります。これが田舎暮らしの良さかな。とにかく今夜の夕食は珍しく余裕なのです。さてさて、5月16日に一斉に移動したヒオドシチョウの終齢幼虫は、その後「いかつい」前蛹から蛹に(5月17日の当欄)。そして昨日から羽化が始まりました(写真左)。今、家の周りはジャコウアゲハヒオドシチョウテングチョウサトキマダラヒカゲヒカゲチョウその他…。もう数え切れません。雑木林ではササユリが咲き始めました(写真右)。里山が一年で最も命あふれる季節を迎えています。(Y)

2021年6月3日(木)
寄り道

 今日は午前中、私たちの管理地であるTさんの休耕田の草刈りをしました。夫はいつも軽トラで草刈り機など荷物を積んで先に行き、私は家の用事を済ませてから歩いて作業地に向かいます。いつもあれこれ気になって、まっすぐ行ったためしがありません。今日は水路と田んぼビオトープで寄り道。水路ではセトウチサンショウウオが4~5cmに成長(写真左)。外鰓も縮んで、もうすぐ変態して陸に上がります。田んぼビオトープでは体長2cmほどになったニホンアカガエルの子ガエル(写真右)が元気一杯…。そんなわけで、今日もまた大遅刻です。(Y)

2021年6月2日(水)
田んぼに行く道で

 田んぼに行く途中、ため池に通じる小道にヒイラギの木があります。その枝にジャコウアゲハの越冬蛹が3つ。そのうちの2つはずっと以前から黒く変色してダメになっていたので、残りの1つの羽化を楽しみにしていました。でも昨日の夕方見たら、これも黒く変色。ヒイラギの蛹は全滅だとガッカリでした。ところが、今朝作業に行く途中ヒイラギのそばを通ったらアレ? 昨日ダメだと思ったジャコウアゲハが羽化を終えていました(写真左)。嬉しい気分で田んぼに行き、たまっていた枯れ草を焼いてホッと一息(写真右)。羽化直後のチョウはいつ見ても感動的な美しさ。とりわけ、自然下での羽化とあっては。(Y)

2021年6月1日(火)
ウマノスズクサとジャコウアゲハ

 幼虫の食草のウマノスズクサが育って、ジャコウアゲハが自宅周辺をひらひらと飛び回っています。気がつけばウマノスズクサの葉裏にたくさんの卵と幼虫が。写真左は孵化直後の幼虫と卵の殻です。幼虫は孵化したばかりの5mm位のものから3cm位まで、様々なステージのものがいます(写真右)。ウマノスズクサもあれよあれよと言う間に3mほどの高さに。この植物をうまく育てるには刈り込むことが大切ということですが、その時期や高さなど難しく悩ましいです。ジャコウアゲハを増やすにはウマノスズクサをうまく育てることに尽きます。産卵が多くても葉が不足しないようなウマノスズクサの育て方をマスターしたい。今年は記録を取りながら、いろいろ取り組んでみます。(Y)

2021年5月31日(月)
タンナサワフタギとシロシタホタルガの幼虫

 少し前のことですが…。タンナサワフタギにたくさんの蕾(写真左)。満開になるのを楽しみに毎日通いました。観察していると、いつも葉にカラフルな幼虫がいます(写真右)。名前を知りたくて調べましたがわかりません。それで、ふと思いついたのが幼虫の食草で調べること。すぐにシロシタホタルガの幼虫であることがわかりました。その後あいにくのお天気が続いて、数日後見に行ったら残念ながら花は終わっていました。次の楽しみはシロシタホタルガの成虫。早く見たいです。(Y)

2021年5月30日(日)
ホソミドリウンカの終齢幼虫

 10日ほど前の夕方、田んぼビオトープのマコモの葉に白い小さな虫がびっしり付いているのを見つけました(写真左)。写真を撮って調べたら、ホソミドリウンカの終齢幼虫だとわかりました。成虫は夏から秋にかけて出現し、成虫、幼虫ともにマコモから吸汁するということです。尾端から出ているひも状のものは白いロウ物質。それにしても不思議な姿・形。ひも状のロウ物質は何か役に立っているのでしょうか。ふとマコモを見たら、葉の縁に余分な水が水滴となって出ていました(写真右)。とても美しかったです。(Y)

2021年5月29日(土)
ホオノキの葉

 ホオノキの葉に料理を盛り付けました(写真左)。料理と言っても大したものではなく…。冷凍の穴子寿司と、蒸し野菜(ジャガイモ、ニンジン、ブロッコリー)にユズ味噌をかけたものです。ユズ味噌は自家製。ご近所のおばあちゃんからユズをどっさりいただくので、ユズ味噌とジャムは毎年作ります。ところでホオノキの花は今年は8輪咲きましたが、見上げるような高さ。来年はもっと低い所で咲いてくれないかな…。右の写真は枝先の葉の集まりです。今頃の葉は柔らかく、色もきれいでビロードのような手触り。料理の盛り付けにピッタリです。(Y)

2021年5月28日(金)
ビオトープ池

 ビオトープ池の水漏れ補修が終わり、水がいい具合に溜まっています(写真左)。早速、イモリやトノサマガエル、ニホンアカガエル、アマガエル、シュレーゲルアオガエルなどが集まってきました。また、クロスジギンヤンマシオヤトンボの産卵も。今日は1cmほどの小さなオタマジャクシを見つけました(写真右)。多分シュレーゲルアオガエルの幼生だと思いますが、飼育して確かめることにしました。どんな生きものでも、生きるためには水が必要。水の大切さを改めて考えさせてくれました(Y)

2021年5月27日(木)
コシアカツバメ

 自宅そばの福祉施設にコシアカツバメが集団営巣しています(写真右。2020年6月9日撮影)。そこからやって来るに違いありませんが、このところ我が家の雑木林の上を多数のコシアカツバメが飛び交っています(写真左)。多分、巣ではヒナが孵って餌となる昆虫がたくさん必要になったのでしょう。そして我が家の雑木林が育って、私たちには見えないけど、たくさんの小さな昆虫が飛んでいるのかもしれません。上空だったり、ケヤキの葉すれすれ、時には樹々の間をすり抜けていくものも。その数30羽以上。高速で飛ぶのでとても数え切れません。写真も4羽とらえるのがやっとでした。(Y)

2021年5月26日(水)
羽の散乱

 カラスの鳴き声がやけにうるさいと思っていたら、庭の外れの雑木林にオオタカが来ていたのでした。たまたま夫が目撃したのです。雑木林からオオタカが飛び出し、家の屋根をかすめるように高速で飛行。後ろから1羽のカラスが追いかけてあっという間に見えなくなったそうです。家の中にいた私は見ることができませんでした。残念…。庭に隣接する雑木林には野鳥がよく集まってきます。それを狙ってオオタカも来るのでしょう。今日のように姿を見ることはごく稀ですが、オオタカに襲われたと思われる小鳥の羽の散乱に出くわすことは時々あります。左の写真、犠牲になったのはイカル。右はヒヨドリです。犠牲になった小鳥は気の毒に思いますが、オオタカも生きていかなければなりません。食う食われるの厳しい世界です。(Y)

2021年5月25日(火)
オタマジャクシの卵黄

 写真は、カエルの孵化直後の幼生(ともに体長4~5mm)を横から撮影したものです。左の茶色いのはトノサマガエル。クリーム色で細長いのが卵黄です。右の黒いのはアカガエル。お腹が膨らんでいるのが卵黄です。孵化直後は何も食べず、体に蓄えられた卵黄を吸収して育ちます。幼生は小さいので肉眼では細部はわかりません。そこで写真を撮って拡大して観察します。すると、小さくて今まで知らなかった、気づかなかった世界が見えて来ます。改めて命の愛おしさを感じる瞬間です。(Y)

2021年5月24日(月)
鳥類調査の途中で(その2)

 調査コースの小道を歩いていると、割合大きな群落を作っているスゲ類を見つけました(写真左)。ジュズスゲ(カヤツリグサ科)のようです。さらに進むと、木に絡んで咲いていたテイカカズラ(キョウチクトウ科)の可憐な白い花(写真右)。これは初めて見ました。広いフィールドで限られた時期だけにひっそりと咲く花。タイミングが合わずに出会えないことも多いようです。鳥類調査の途中で、まだまだ知らないこと、魅力的なことに出会えそうで楽しみです.(Y)

2021年5月24日(月)
鳥類調査の途中で(その1)

 調査をしながら歩いていたら、ここの棚田でただ1枚米作りをされているMさんの田で田植えが始まっていました(写真左)。草むらには成虫越冬のツチイナゴ(写真右)がまだいました。でももう元気がありません。もうすぐ幼虫が現れて世代交代です。(Y)

2021年5月23日(日)
鳥類調査

 環境省の「モニタリングサイト1000・里地」鳥類調査の3、4回目をしました。晴れて暑いくらいのお天気。ホトトギス、ホオジロ(写真左)、キジ、コシアカツバメ(写真右。幼鳥)など21種を確認しました。幼鳥はコシアカツバメのほかにスズメ、セグロセキレイの3種。次回5、6回目にはもっとたくさんの幼鳥、若鳥を見ることができるでしょう。ヒナに与える昆虫を一生懸命探す親鳥、帰ってきた親鳥に全身で喜びを表すヒナ鳥。里山はまだまだ豊かです。(Y)

2021年5月22日(土)
オタマジャクシの外鰓

 左の写真はアカガエルの幼生(2月25日撮影)。右はトノサマガエルの幼生です(5月10日撮影)。どちらも孵化直後で、同じぐらいの成長段階だと思います。頭部の左右にあるのが外鰓(がいさい。外えらのことで、孵化後数日で消失)です。セトウチサンショウウオやアカハライモリは変態するまで外鰓がありますが、カエルにも短期間ながら外鰓があります。トノサマガエルの方は小さすぎてよくわからないかもしれません。(Y)

2021年5月21日(金)
トノサマガエルの卵塊

 5月3日に田んぼビオトープで2個のトノサマガエルの卵塊を見つけました。その後しばらく見に行くことができず、5月8日に見に行くと、卵塊が寒天質もろとも影も形もありません。でも少し離れた所に8個の新しい卵塊があったので(写真左)、そちらで観察を続けることができました。3日ほどたつと、孵化したばかりの幼生がたくさんいましたが、幼生を守ってくれる寒天質はすでに溶けてしまって全くありません。それで大丈夫マツモムシ(写真右。孵化したばかりの3~4mmの幼虫)などの天敵がたくさんいるのに…。案の定、その後間もなく幼生は1匹もいなくなってしまいました。天敵にすべて食べられたのだろうか?どこかにうまく隠れて生き延びている幼生がいたらいいのですが…。アカガエルは凍死という危険を冒してまでも天敵のいない早春に産卵します。アカガエルの戦略がよくわかるような気がします。(Y)

2021年5月20日(木)
フキバッタの幼虫

 バッタ科の幼虫を見たら名前がわかるようになりたいと思って、写真で記録を始めました。左の写真の幼虫が、以前からフキバッタの幼虫ではないかと思っていましたが、先日やっと証拠めいたものをつかみました。食べられた穴がいっぱいあるフキの葉(写真右)にこの幼虫がたくさんいたのです。夏になるとこのフキではフキバッタ(おそらくヤマトフキバッタ)をよく見ますから、多分その幼虫で間違いないでしょう。トノサマバッタツチイナゴそれにフキバッタ、やっと3種幼虫と成虫がつながりました。(Y)

2021年5月19日(水)
野菜の花

 左の写真は春菊の花。初冬に少し葉を食べた後は寒さで育たず、花を楽しむことにしました。右はコンニャクの花。以前何人かの方にコンニャク芋をいただいたのですが、植えっぱなし。毎年今の時期に写真のような奇妙な花が咲いて、その後株もよく育ちます。でもコンニャク作りは未だに挑戦したことなし。コンニャク作りは失敗がないと聞いています。今年は重い腰を上げて、ちょっと頑張って作ってみようかな。(Y)

2021年5月18日(火)
エゴノキとヤマガラ

 例年より3週間も早く梅雨に入りました。3、4日前に咲き始めた庭のエゴノキの花。高温であっという間に満開(写真左)。しばらく楽しめると思ったのに、一昨日、昨日の雨で早くも散り始めました。でも、今年は花がたくさん咲いて、雨でも花粉媒介者のコマルハナバチが来ていたので実もたくさんできるでしょう。エゴノキのタネはヤマガラの大好物。冬越しの食料としていろんなところに蓄えて、ちゃんとその場所を覚えているそうです。秋になって実が熟す頃、頻繁にやってくるヤマガラ(写真右。2018.09.01撮影)を見るのが今から楽しみです。梅雨、猛暑、台風…。大きな災害がありませんように。(Y)

2021年5月17日(月)
毛虫大発生(その2)

 ヒオドシチョウの幼虫は、その後エノキのそばのアキグミの葉裏やガレージの梁などいろんな所で、ぶら下がった状態の前蛹に(写真左)。今朝にはそのうち3つが蛹になっていました(写真右)。ヒオドシチョウの蛹は見たことがありますが幼虫や前蛹を見るのは初めてでした。エノキの葉はひどく食べられてしまいましたが、また新しい葉が出るでしょう。この蛹も寄生バチにやられたり鳥に食べられたりするので、すべてチョウになれるわけではありません。でも、ヒオドシチョウの羽化に立ち会えそうなので今から楽しみです。(Y)

2021年5月16日(日)
毛虫大発生(その1)

 一昨日、怖そうなトゲのある毛虫がたくさん玄関付近を歩いていました。発生源は近くのエノキで、まだ葉を食べているのもいました(写真左)。調べてみるとこの毛虫の正体はヒオドシチョウの終齢幼虫。一見怖そうでも毒針などはありません。歩いていたのは蛹になる場所を求めて移動中だったようです。右の写真は4月にアカマツで大発生していたマツノキハバチの幼虫。どちらも最初はガの幼虫だと思いましたが、そうではありませんでした。(Y)

2021年5月15日(土)
里山地域と太陽光パネル

 かつては美しい棚田が連なっていたこの地域でも、太陽光パネルが増えてきました。先日、私たちがボランティアで整備をしている放棄田に太陽光パネルが設置される予定があることを知りました。そこにはサクラタデ(岡山県の準絶滅危惧種)の大きな群落があり、カヤネズミ(岡山県の準絶滅危惧種)の生息地でもあります。それがあっという間に重機で破壊され無機質なパネルがずらりと並ぶ…。重い気持ちで草刈りの合間に観察していたら、コガネグモ(写真左)、カエル、バッタやキリギリスの幼虫、テントウムシなど(写真右)たくさんの生きものが元気に活動していました。里山地域は草刈りなど人手が必要なのに、マンパワーの不足は如何ともしがたい状況です。だから太陽光パネル?作物が作られなくなった田は役に立たない?私たちの暮らしは小さな生きものとは関係ない? 小さな虫を捕らえるクモやカエルや小鳥たち、花粉を運んで実りをもたらしてくれるチョウやハチやアブなど…。耕作されなくなっても、そんな生きものたちの生息場所として保全することは大切なことではないのでしょうか。耐用年数が20年というパネル。寿命が来たり収益が上がらなくなった時、事業者は責任をもって片づけて元通りにしてくれるのでしょうか。田の持ち主も迷いながらやむを得ず田を手放すのです。地域の住民のみならず、都会に住む人たちも里山の価値やその恩恵を理解し、将来に向けた手立てを考える時ではないかと考えます。(Y)

2021年5月14日(金)
アゲハの羽化

 保護しているアゲハの蛹が、一昨日あたりから少し黒くなってきました。今朝見たら、翅の模様まで透けて見えます(写真左。午前10時過ぎ)。羽化が近いので気になっていたのですが所用で外出。帰宅後ふと見ると羽化は終わっていて、あっという間に飛んでいきました。時計を見たら午後2時過ぎ。暖かくなると羽化も早く、見逃すことも多いです。これで、保護している蛹はジャコウアゲハのものがあと2つ。1つは明日にも羽化しそうです。右の写真は残されたアゲハの羽化殻。こんな小さな中にアゲハがコンパクト(?)に収まっていたなんて!(Y)

2021年5月13日(木)
巣箱

 昨日から雑木林に架けた巣箱(写真左、中央)でシジュウカラが巣作りを始めたようです。通常より遅い時期ですが、多分最初の繁殖に失敗したのでしょう。今回はうまくいくように、ヒナの巣立ちまで見守ってやりたいと思います。心配なのはこの巣箱にはヘビ除けを付けていないこと。支柱がすべすべなので大丈夫だとは思うのですが、念のためヘビが嫌うという木酢液を周囲に撒きました。もう一つのヘビ除けを付けた巣箱(写真右)はなぜか入居者なしのままです。(Y)

2021年5月12日(水)
狩り

 田んぼビオトープの水路を眺めていたら、オオコオイムシが何やら大きいものと一緒にこちらにやってきました。よく見たら大きいものはツチガエル。オオコオイムシが、自分の倍以上もあるツチガエルを捕まえて食べていました(写真左。2021年5月8日撮影)。右の写真は、軒下のジャコウアゲハの蛹をアシダカグモが襲っているところ(2020年7月5日撮影)。食う食われるの世界。その世界を生き延びたものだけが次の世代に命をつなぐことができるのです。(Y)

2021年5月11日(火)
キンランとタツナミソウ

 雑木林の半日陰ではキンラン(写真左)が、棚田ではタツナミソウ(写真右)が咲き始めました。Tさんの裏山では、ずっとフクロウが鳴いています。子育てをしているかもしれません。昨夜はあと2か所とで鳴き交わしていました。空を見上げれば、ブッポウソウ、ツバメ、コシアカツバメが飛び交っており、渡りの途中のコヨシキリも笹薮で賑やかに鳴いています。里山地域は多様な生きものの生息場所。その環境を守ることは生きものの命を守ること。そして人間の命を守ること。こだわって生きていこうと思います.(Y)

2021年5月10日(月)
ジャコウアゲハの産卵

 ウマノスズクサ(つる植物)を何気なく眺めていたら、一番下の葉裏に見慣れたジャコウアゲハのオレンジ色の卵が5つ(写真左)。その後次々と卵が見つかりました。まだ葉が展開していないのにも産卵しています(写真右)。オスはメスの蛹を見つけたら、羽化する前から蛹のそばにいて、羽化したらすぐに交尾するそうです。自分の子孫を残すことが大切なのです。昨年のように葉が不足することのないように、ウマノスズクサをうまく育てたいです。ジャコウアゲハは年4化で、今が1化目。秋までジャコウアゲハの不思議で魅力的な世界を紹介していきたいと思います。(Y)

2021年5月9日(日)
ジャコウアゲハとウマノスズクサ

 田んぼビオトープに向かう途中、スイバの茎に止まって翅を広げているジャコウアゲハのメス(写真左)を見つけました。羽化して間もない感じで、翅を乾かしているようにも、体を休めているようにも見えました。作業を終えて帰宅する途中、さっきと同じところにまだいたので、じっくりと観察。ジャコウアゲハ幼虫の食草ウマノスズクサもだいぶ育ってきて(写真右)、産卵が始まるのももう間もなくです。(Y)

2021年5月8日(土)
ケラ

 田んぼビオトープで作業をしていると、よくケラが出てきます。この時はお腹を上にしてもがいている様子(写真左)。水面では体勢をうまく変えられないのでしょう。ケラの腹側はじっくり見たことがないので折角の機会。写真を撮ってから体を戻してやったら、大急ぎで泥の中に潜っていきました(写真右)。翅が生えていない幼虫でした。周囲をよく見ればケラの穴がいっぱい。田んぼビオトープの水漏れはモグラのせいと思っていましたが、どうやらモグラのせいだけではなさそうです。(Y)

2021年5月7日(金)
葉祥明(ようしょうめい)展

 早春の田んぼビオトープには、アカガエルの卵塊や孵化した幼生がたくさん。このうち、食う食われるの世界を生き延びてカエルになるのはどれくらい?そんなことを考えていると、これらの卵や幼生が他の多くの命を支えていることを実感します。ところで、今日は笠岡市の「竹喬美術館」で開催されている「葉祥明展」に行ってきました。思わず心惹かれたパンフレットの葉祥明さんの詩。「無数の小さな生命が より大きな生命を支え それがもっと大きな生命を支えている 私たち人間もそのどこかで、何かから支えられ、また何かを支えている」。私も、ささやかでも他の生命を支える存在でありたいです。(Y)

2021年5月6日(木)
センサーカメラの設置

 5月3日、今シーズンの中・大型哺乳類調査のためのセンサーカメラの設置をしました。写真左は3か所設置したうちの1つです。暖かくなって草が伸び放題。それでもハハコグサの大きな群落がすごくきれいでした(写真右)。カメラを獣道(けものみち)に向けて取り付けて、撮影の邪魔になる草を刈って…。先月行った試行では、タヌキ、アナグマ、ノウサギ、イノシシが確認されました。ほかに、鳥類のコジュケイやシロハラが写っていて興味深いことでした。(Y)

2021年5月5日(水)
クロアゲハとヤブキリ幼虫

 今日は冷たい雨が降る肌寒いお天気。家事の合間に、以前に撮った写真の整理をしながら里山日記を書いています。お天気のいい昨日のこと。満開のヤマツツジで吸蜜中なのはクロアゲハです(写真左)。春菊の花には体長1.5cmほどに成長したヤブキリの幼虫(写真右)。口の周りを黄色に染めて花粉を食べていました。輝く命…。この季節になると、いつもそう思います.(Y)

2021年5月4日(火)
オオコオイムシ

 田んぼビオトープでは、卵を背負ったオスのオオコオイムシをよく見かけます(写真左)。でも、春の初め頃の産みたての卵(4月1日の当欄)と違って、卵の殻が割れて中が見えているもの、孵化した後の卵の殻がオスの背中から外れそうになっているものなど、そろそろ世代交代の時期が近いようです。右の写真は、孵化後間もない幼虫。体長約4~5mmです。(Y)

2021年5月3日(月)
クロアゲハの羽化とトノサマガエルの産卵

 今日は久しぶりに暖かく、穏やかなお天気。保護していたクロアゲハの蛹が無事羽化して飛んでいきました(写真左)。また、田んぼビオトープでは5年ぶりにトノサマガエルが産卵(2016年5月3日と10日の当欄)して、卵塊が2個ありました(写真右。2個のうちの1個)。前回はイモリなどの天敵に食べられて全滅。今回は無事育ってほしい。トノサマガエルの幼生のダイナミックな泳ぎをまた見たいです。(Y)

2021年5月2日(日)
「眠る山」と「笑う山」

 左の写真は「眠る山」(1月20日撮影)。右は「笑う山」(4月23日撮影)。春の山は刻々と変化して、すっかり緑色。毎日山を眺めていると、一口に緑色といっても様々な色があることに、今更ながら気づきました。今までは緑色と言えば、色鉛筆の緑、深緑、黄緑ぐらいしか知らなかったし、もっと違いがあることに興味も持ちませんでした。萌黄色・萌葱色(もえぎいろ)、若竹色、山葵色(わさびいろ)、若草色、松葉色…。きっと昔の人は身近にいろんな植物があって、それらの芽吹きから若葉へと変化していく様子を山の変化と照らし合わせて、いろんな「緑色」を表す言葉を考えたのだろうと思います。(Y)

2021年5月1日(土)
鳥類調査

 今日は「環境省モニタリングサイト1000・里地」の鳥類調査をしました。2021年繁殖期調査の1回目と2回目。朝、調査を始める前からブッポウソウの飛来を確認し、自宅そばの畑では久々にビンズイを見ることができました。今日はちょっといいことがありそう…。うれしい気分で調査スタート。今日の調査で確認できたのは、コチドリ、カワセミ、キビタキ、アオゲラ、ツグミなど28種。ヒクイナやコゲラを確認できなかったのは残念ですが、次回に期待したいと思います。左の写真は今年もやってきたブッポウソウ。右は毎年ブッポウソウがひと夏を過ごす森です。(Y)

2021年4月30日(金)
羽化不全

 一昨日・昨日と雨風の冷たい肌寒い日が続きました。その中で昨日、保護していたアオスジアゲハが羽化しました(写真左)が、残念ながら羽化不全で飛べません。砂糖水をティッシュに含ませてチョウのそばに置いています。今日は気温が上がったためか昨日よりは元気。あとはチョウの寿命に任せて見守ります。トンボの羽化不全は何度か見ましたが、チョウでは初めて。正常なら、蛹の殻が開いて翅が縮んだ状態の成虫が現れ、ゆっくりと翅や体が伸びて固まって飛べるようになります。昨日のアオスジアゲハは翅がうまく伸びないまま固まってしまったのです。身近で昆虫の脱皮や羽化を見ると、生きものたちの生と死は紙一重。そんなことを思い知らされます。右の写真はクロスジギンヤンマの羽化(2019年5月1日)です。(Y)

2021年4月29日(木)
ホオノキ

 左の写真はホオノキの新芽、右は若葉です(2021年4月23日撮影)。この木は20年ほど前、当地を見に来た時には新しい大きな切株でした。その木の「ひこばえ」が大きくなったので伐って、そのあと再び出た「ひこばえ」が育ったものです。今では10mほどにもなっています。一昨年から花が咲き始めましたが、高いところに2、3輪だけ。双眼鏡がないとよく見えません。今年は低い所で咲いて、大きくて美しく、香りも良い花を身近で楽しみたいものです。ところで、この木の若くて大きな葉に料理を盛り付けると、いつものご飯がちょっと豪華に見えます。今年もしてみようかな。(Y)

2021年4月28日(水)
ビオトープ池と生きものたち

 4月19日の当欄で紹介したビオトープ池。粘土張りの効果か、以前のように2、3日で干上がってしまうことはなくなりました。それでも晴天続きで水が減ったので、汲み置き水を補給したり追加の粘土張りをして、2週間ほど水が溜まっていました。すると早速生きものたちがやってきて、今はイモリ、アマガエル、トノサマガエル(2016年7月1日の当欄)、そしてマツモムシなどの昆虫がいます。水を求めて生きものたちは集まってくるのですね。左の写真は以前この池で生まれたトノサマガエルの亜成体。すでに背中に一筋の線(背中線)がはっきりしています。右はもう少し成長した段階ですが、まだ尾が残っています。この池でもう一度トノサマガエルの成長を見たいです。(Y)

2021年4月27日(火)
トチノキ

 2020年12月17日の当欄でトチノキの冬芽を紹介しましたが、暖かくなって新芽が出てきました(写真左。2021年4月14日撮影)。新芽は日に日に成長して、今は掌状の若葉が広がっています(写真左)。この木は高さ30cmほどの苗木を買って植えたものですが、木は植えて10年ほどたつと一気に大きくなります。もっと大きくならないと花は咲かないというけれど、早く咲かないかな。待ち遠しいです。(Y)

2021年4月26日(月)
チゴユリとヒメハギ

 林床の半日陰のような所で咲いているのはチゴユリ(写真左。イヌサフラン科)とヒメハギ(写真右。ヒメハギ科)。どちらも5cmほどの高さの小さな植物。チゴユリは小さな群落を作っています。当地にはハギと名がつく植物がいろいろあります。ヤマハギ、ヌスビトハギ、メドハギなど。でも、ヒメハギを始めて見たとき、名前も姿形もなんて可憐な花だろうと思いました。去年は1株見ただけですが、今年は株が増えて1つ1つの花も今までにも増してきれいに咲いています。(Y)

2021年4月25日(日)
ウワミズザクラとコバノガマズミ

 雑木林でウワミズザクラ(写真左)とコバノガマズミ(写真右)が満開です。サクラの季節は終わりましたが、今は同じバラ科のウワミズザクラが満開。一つ一つの花は小さいですが、それらが房状に咲くと何とも美しい。秋の紅葉も見事です。コバノガマズミも小さな花の集まり。秋になると花のあったところに赤い実がなり、それもまた美しい。どちらも自然に芽生え、いつの間にか大きくなって花を咲かせます。里山では四季折々、花が絶えません。(Y)

2021年4月24日(土)
マコモ

 左の写真は田んぼビオトープ。田植えをしたようにも見えますが、生えているのはマコモ(イネ科)です。マコモは成長が早く、あっという間に丈夫な葉が密に生えてきます(写真右。花が咲いています)。ここまで成長してしまうと抜き取りが大変になるので、今年はマコモが小さい時期に抜き取りをすることにしました。作業をしながら生物調査もします。こんな、しんどい思いをして何になるの?みたいな疑問が湧いてくることもあります。それでも、いつか里山の価値が理解されることを願って作業を続け、四季折々の美しい景観や生物多様性など、里山の魅力を発信し続けるつもりです。(Y)

2021年4月23日(金)
ミツバアケビ

 3枚葉のミツバアケビ。雌雄同株。左の写真は雌花。右は房状の雄花です。アケビの白い雄花もミツバアケビの濃紫色の雌花も、どちらも目立つ魅力的な花です。(Y)

2021年4月22日(木)
アケビ

 この辺りではアケビの仲間は、5枚葉のアケビと3枚葉のミツバアケビがあります。今日は5枚葉のアケビについて。雌雄同株で、左の写真は雌花。めしべが5つあり、秋には5つの実になります。右はおしべのある雄花。透き通るような白い花びらと甘い香り。大好きな花です。毎年秋にはアケビ蔓で小さな籠を編んでいましたが、今は忙しくてできないのがちょっと残念。(Y)

2021年4月21日(水)
アゲハとクロアゲハの羽化

 今日も暑いほどのお天気。保護ポケット(2021年4月14日の当欄)で蛹を保護していたアゲハ(写真左)とクロアゲハ(写真右)が羽化しました。田んぼビオトープではシオヤトンボを目撃。元農家のKさん宅の倉庫にはツバメの巣が5つ。ツバメがひっきりなしに出入りし、ヒナの声も聞こえます。近所の施設の壁で毎年巣を作るコシアカツバメが、例年より10日ほど早く飛来。生きものであふれる嬉しい季節の到来です。(Y)

2021年4月20日(火)
ホソミオツネントンボとジャコウアゲハ

 一昨日の寒さから一転。昨日今日は気温が上がって、今日は早くも夏日に。田んぼビオトープでは、ホソミオツネントンボの産卵が見られました(写真左)。家の周りではオスのジャコウアゲハ(写真右)が2匹、けん制しながら飛び回っていました。気がつけば、我が家で保護していた蛹の一つが羽化していました。これからメスを求めて探雌飛翔が見られるかと楽しみです。(Y)

2021年4月19日(月)
ビオトープ池の粘土張り・その後

 4月10日と12日に粘土張りをしました。13日と16日に雨が降り、しっかりと水が溜まってしまったので、やり残した粘土張りができなくなりました(写真左)。このまま水が減らないようなら、様子を見ながら必要に応じて補修していこうと思います。このビオトープ池に早速、アカハライモリのペアが繁殖にやってきました。この辺りでは、ため池と田んぼビオトープとここを除けば一年中水がある環境はありません。生物が生きるためには水が必要。頑張って水漏れ補修を完成させたいです(3月20日の当欄)。右の写真はトノサマガエルの卵塊(2015年5月15日撮影)。このビオトープ池に産卵したものです.(Y)

2021年4月18日(日)
タンポポとカワラヒワ

 タンポポ(写真左)がそろそろ満開を過ぎて実が熟してきています。この時期に毎年やって来るのがカワラヒワ。タンポポの実が大好物です(「季節の1コマ」№22)。観察していると、綿毛が開く前の複数の実をくわえて、うまく綿毛をはずして食べています(写真右。カワラヒワの食べ残し)。ハコベなどの小さな実も食べます(「季節の1コマ」№291)。自然には無駄なものは何もない。様々な植物の命がカワラヒワの命を支えている。生物は関わり合って生きているのだと実感します。(Y)

2021年4月17日(土)
コバノミツバツツジとカスミザクラ

 コバノミツバツツジが満開になり(写真左)、ヤマツツジが咲き始めました。またヤマザクラに続いて、庭のカスミザクラや八重桜(2020年4月25日の当欄)が満開。美しいサクラの季節も、そろそろ終わりに近づいてきました。それにしても生物の変化を過去の写真でたどると、季節の進みがやはり早くなっているようです。「地球温暖化」対策、待ったなしの段階ではないでしょうか。(Y)

2021年4月16日(金)
草焼きと春の山

 今朝は風がなかったので、春の山を背景に秋に刈ったままの草を焼きました(写真左)。1か所に草を集めて焼くと、運ぶのが大変だし火が大きくなってしまうこともあります。そこで最近は火の大きさをジョロの水でコントロールしつつ、移動しながら焼いています。それでこのように跡が帯状になります(写真右)。耕運機で耕したときに灰がまんべんなく土と混ざるのも利点です。2時間ほどで休耕田1枚の草焼き完了。草焼きを終えて見た春の山は、それは美しかったです。(Y)

2021年4月15日(木)
満開のオカオグルマ

 オカオグルマ(4月3日の当欄)が満開になりました(写真左)。名前は聞いたことがあっても、花を見るのは初めて。春に見る黄色の花は、光の具合もあってとりわけ美しいです。少し離れた湿地ではカサスゲが満開(写真右)。オカオグルマの花とは全く異なりますが、スゲ類の花はどれもさわやかな感じがして心惹かれます。(Y)

2021年4月14日(水)
アゲハの羽化

 今日午前中は暖かなお天気。外を観察しながら歩いていると、何匹かのアゲハ(ナミアゲハ)が飛んでいました。我が家でもアゲハの蛹をいくつか保護しているので、そろそろかなと思いながら帰宅。すぐに飼育箱を見ると中にアゲハの成虫がいるではありませんか。慌ててフタを取ると、外に出てゆっくり翅を乾かして(写真左)、飛んでいきました。飼育箱の中のもう一つの蛹は、帯糸が切れて宙ぶらりん。保護ポケットを作って入れてやりました(写真右)。こちらも明日には羽化するでしょう。(Y)

2021年4月13日(火)
ビオトープ池の粘土張り(その2)

 モグラが掘った穴で冬眠していたのでしょうか。シュレーゲルアオガエルのメス1匹(体長4~5cm、写真左)とアマガエル(写真右)が2匹出てきました。このカエルたちの産卵までにビオトープ池の修繕を終わらせたいです。(Y)

2021年4月13日(火)
ビオトープ池の粘土張り(その1)

 今日が雨予報だったので、昨日は漏水するビオトープ池(人工池)の修繕をしました。ベントナイト(粘土を粉にしたもの)と畑の土を水で練って耳たぶくらいの固さにしたもの(写真左)を張り付けていきます(写真右)。写っているパイプは、雨どいの水をためる雨水タンクとつながっていて、タンクが一杯になると雨水が池に入る仕組みです。昨日中にすべての作業を終わらせたかったけどできませんでした。今日は予報通り雨。今はいい感じに水が溜まっています。いつも2~3日で抜けていたのですが、今回はどうでしょう? 抜けたら最後の粘土張り。もう一息で作業終了です。(Y)

2021年4月12日(月)
セトウチサンショウウオ

 昨年、初めてセトウチサンショウウオ幼生の飼育をしました。外鰓(がいさい)や変態の様子などを観察したかったからです。わからないことばかりで、無事成長させるのが精一杯。継続的に記録することが十分にできていませんでした。成長の様子や飼育法をもう少しきちんとまとめておきたいので、今年も少数を飼育することにしました。飼育するのは卵のうから出たばかりの幼生4頭で、体長は約1.5cmです。左の写真は外鰓がよくわかるように上から撮影。右の写真は横から撮影したもの。横から見ると魚のようです。セトウチサンショウウオの不思議で魅力的な生態を、その成長とともに紹介したいと思っています。(Y)

2021年4月11日(日)
キビタキの死骸

 ご近所の方から、小鳥が死んでいるので見に来てという依頼がありました。行ってみると、夏鳥のキビタキ(オス)です(写真左)。窓ガラスに衝突したようです。夏の森で美しいさえずりは聞こえても、姿はなかなか見せてくれない鳥です。キビタキを当地で始めて見たときは感激しました。ずっと見たいと思っていた鳥だったので。でも今日、手の中のキビタキは、死んでしまっているのは残念だけど、双眼鏡で見たときとはまた違う格別の美しさでした。右の写真は、翼を広げたところ。せっかくの機会なので、風切り、雨覆い、肩羽などという翼各部の名称を確認したくて撮影しました。新鮮できれいな状態の死骸なので、博物館に連絡して標本用に引き取っていただくことになりました。(Y)

2021年4月10日(土)
新芽

 左の写真はクスノキの新芽。きれいな淡い赤色をしています。右はシロダモの新芽。葉の表面に柔らかい毛が密に生えていてビロードのようです。同じクスノキ科でも、こんなに新芽に違いがある! 驚きとともに、身近にある木さえ普段見過ごしていたことに気づかされました。春になって、山々の様相が日々刻々と変わります。それは今日見た木と同じように、山の木々もすべて新芽を出し、それが色や形を変化させながら成長しているから。想像すると何だか不思議な感動を覚えます。(Y)

2021年4月9日(金)
ユキワリイチゲ自生地へ

 ユキワリイチゲ(2020年3月14日の当欄)の自生地に行きました。例年3月中旬ごろに満開になるので、かなり遅くなってしまいました。少しだけでも残っていたらという願いも空しく、あったのは花の名残だけ。残念なことをしました。代わりにヤマルリソウ(写真左)やイチリンソウ、ムラサキケマン(写真右)、ヤマブキが満開。春の花の美しさに気持ちが少し和みました。(Y)

2021年4月8日(木)
カヤネズミ生息地の整備(その2)

 カサスゲに被さっていた枯草を取ったら、一部のカサスゲにはすでに穂が出ていました(写真左)。去年まではカサスゲの勢いが衰えていましたが、今年は分布を広げています。6年ほど前、農家の方に休耕田をお借りした時のような満開のカサスゲ群落(2018年12月7日の当欄)が期待できそうです。カヤネズミの写真も期待できるかな? 周りにツクシがいっぱい出ていたので(写真右)摘んで帰りました。晩ご飯の一品はツクシの卵とじ。年に一度の季節の味です。(Y)

2021年4月7日(水)
カヤネズミ生息地の整備(その1)
 秋に刈った草をそのままにしていたら、カサスゲの若い葉が伸びてきました(写真左)。このまま枯草を放置していたらカサスゲがうまく育たないので、熊手で取り除きました。枯草はカサスゲ、マコモ、ススキ、チガヤなど嵩の大きいものばかりで一苦労。改めて光合成のすごさに驚きました。右の写真は集めた枯草のほんの一部。これから風がなくて空気が湿った日に焼きますが、あまりの量の多さに作業前からちょっと気持ちが萎えそうです。(Y)
2021年4月6日(火)
ベニシジミとウマノアシガタ

 このところ、肌寒い日が続いています。ソメイヨシノは強い風と雨で、ほとんど散ってしまいました。でも桜は、ヤマザクラが今満開で、遅咲きのカスミザクラまで、あと1か月近く楽しめます。数日前の暖かい日には、ベニシジミが菜の花に吸蜜にやってきました(写真左)。ウマノアシガタも咲き始め(写真右)、季節は少しずつ移り変わっていきます。(Y)

2021年4月5日(月)
越冬蛹

 先日、冬の間に剪定した木の枝を焼くために軽トラで運びました。燃やす場所で全部降ろしたとき、荷台の上に緑色のものが転がっています。よく見たらアオスジアゲハの蛹。クスノキの枝もあったので、それについていたのでしょう。枝から落ちなかったら気付かずに焼いてしまうところでした。持ち帰って保護ポケットの中へ(写真左)。今、ジャコウアゲハモンキアゲハナミアゲハなどの越冬蛹をいくつか保護していますが、すでに半数以上は病気や寄生で死んでしまいました。秋に蛹になって半年。厳しい冬を越すのは難しいことだと、つくづく実感しています。右の写真はアオスジアゲハの終齢幼虫(2020年10月12日撮影)。この個体は蛹になる前に死んだので、保護ポケットの運の強い蛹は無事羽化してほしいです。(Y)

2021年4月4日(日)
満開の桜と田植えの準備

 今日は雨。こんな日は、家事と調査データのまとめ、そして撮りためた写真の整理です。左の写真は二日前の桜並木(ソメイヨシノ)。満開ですごくきれいでした。でも一昨日、昨日の風と今日の雨でもう散ってしまったでしょうか。すぐそばの田んぼでは田植えの準備が始まったようで、すでに水が張られていました。(Y)

2021年4月3日(土)
オカオグルマとヤブキリの幼虫

 オカオグルマというキク科の植物は、このあたりでは局地的にしか見られません。昨年近くの自生地からタネを少し持ち帰り、培地に蒔いたらわずかに2個が発芽しました。無事冬を越して成長したので畑に移植。その後順調に成長して開花直前です(写真左)。写真を撮っていると、葉に今年初めて見るヤブキリの幼虫(写真右)。これから次々とバッタ類が孵化してきます。幼虫を見て種類がわかるようになりたいので、今年はいろんなバッタの幼虫から成虫への過程をしっかり観察したいと思います。(Y)

2021年4月2日(金)
山笑う

 樹々が芽吹き始めると山々が萌黄色に染まり、日ごとに色濃くなっていきます。その中にパッチワークのように点々とヤマザクラのピンク色。今年も「山笑う」季節になりました。左の写真はコナラの新芽。右は近くに見える山です。以前はサクラといえば公園のソメイヨシノぐらいしか知らないでいました。当地に来て、山にはこんなにもたくさんの美しいサクラの木があるのだと感動しています。(Y)

2021年4月1日(木)
オオコオイムシとショウジョウバカマ

 今日から4月。一泊旅行から帰ると、季節は一歩も二歩も進んでいました。桜は満開。コバノミツバツツジも咲き始めました。田んぼビオトープでは卵を背負ったオオコオイムシのオス(写真左)。シュレーゲルアオガエルの鳴き声も聞こえてきます。雑木林ではシュンランが満開。ショウジョウバカマも咲き始め(写真右)、ため池には数年ぶりにカワセミがやってきました。里山の命あふれる美しい春。多様な生物と共生する幸せを感じる季節です。(Y)

2021年3月30日(火)
米子・境港一泊旅行 その2

 弓ヶ浜に沿って境港市方面へ。「弓ヶ浜展望PA」というところでしばらく海の眺めを楽しみました。きれいで広い弓なりの砂浜(写真左)。眺める海は美保湾。山陰の海は、水も砂浜もとてもきれいです。弓ヶ浜を後にして境港へ。JR境港駅付近(写真右)でふと空を見上げると多数のタカ!5~6羽の「タカ柱」も。春のタカの渡りです。初めて見るタカの渡り。今回は時間の都合で行けなかったけど、渡り鳥で有名な美保関(みほのせき)はすぐ近く。秋の渡りの時にはぜひ行きたい。そう思わせてくれた感動的な出来事でした。(Y)

2021年3月29日(月)
米子・境港一泊旅行 その1

 鳥取県米子市・境港市の弓ヶ浜に行ってきました。大山の桝水高原からよく見えて、いつか行きたいと思っていた場所です。泊りは皆生(かいけ)温泉。目の前はきれいで広い砂浜が広がっていて、素晴らしいところです(写真左)。右の写真は海浜植物のコウボウムギ。もう少し陸寄りにはハマダイコンが満開でした。イソヒヨドリの美しいさえずり、上空を舞う2羽のミサゴ、巣材運びをしているスズメやムクドリ。鳥たちも活発でした。(Y)

2021年3月28日(日)
雨の日

 今日は朝から雨。雨でもカワラヒワが2羽でやってきて、羽毛や犬の毛など巣材をいっぱいくわえて飛んでいきました。鳥たちも巣作りが始まったようです。生きものと共生する環境は人にとっても大切なもの。いつまでもこのままでと願っています。左の写真はナノハナに来たイタドリハムシ、右はヒメオドリコソウとナナホシテントウです。数日前の晴れた日に撮りました。(Y)

2021年3月27日(土)
ミソハギの移植

 自宅そばの畑のミソハギが増えすぎたので、間引きをした株を休耕田に植えに行きました。広々とした休耕田で、以前に移植した株は大きな群落になっていて、花をたくさん咲かせます(2019年7月6日2020年8月9日の当欄)。足元にはたくさんのミソハギの新芽(写真左)。株を移植していると、体長5cmほどのニホンアカガエルが出てきました(写真右)。体に土がついているので冬眠から目覚めたばかり? それにしては先日のアマガエル(2021年3月15日の当欄)と違いガッチリした体つき。暖かい日は穴から出て、しっかり食べていたようです。(Y)

2021年3月26日(金)
春の花たち その5

 昨日と今日の朝、セグロセキレイが2羽で庭にやってきました。こんなに近くに来るのは初めて。何をしているのだろうとよく見たら、くちばしにたくさんの犬の毛。飼い犬を昼間つないでいる場所で巣材集めをしていたようです。もう1羽は屋根の上で見張り。夫は写真を撮りたいのに見張りに見つかって撮れず。セキレイのほうが一枚上手でした。左の写真は当地で真っ先に咲くサクラ。右はヒメオドリコソウ。ヨーロッパ原産で明治時代に日本に渡ってきたそうです。(Y)

2021年3月25日(木)
春の花たち その4

 車で街まで買い物に。途中で今年初めてツバメを見ました。自宅周辺にやって来るのももうすぐ。今か今かと待っています。さて、左の写真はクロモジの花。枝は高級な爪楊枝になるし、葉とともに煮だすと熱くしても冷たくしてもおいしい和製ハーブティーです。右はヒサカキの花。気に留めなければ見過ごしてしまいそうな小さくて地味な花ですが、たくさん並んで咲いている様はとてもきれい。どちらも今満開です。シダ類やコケ類等を除けば、身近な植物はみんな花が咲く。ずっと都会にいたら、そんな当たり前のことにさえ気づかずにいたと思います。(Y)

2021年3月24日(水)
春の花たち その3

 田の畔でスミレ(写真左)やミツバツチグリ(写真右)が咲き始めました。一日2枚の写真で紹介するのがもどかしいほどの、たくさんの美しい花たち。小鳥たちがさえずり、近くの山では、しきりにフクロウの「ホッホー ゴロスケホッホッ」の鳴き声。カケスの「ギャーギャー」という声も。こんなに近い所から、こんなに長くフクロウやカケスの声を聞くのは初めて。命あふれる里山の春です。(Y)

2021年3月23日(火)
春の花たち その2

 左の写真はヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)。今、至る所で開花しているのが見られます。茎の先端部が雄花の集合で、黄白色のブラシのように見えるのは葯(やく)。雌花の集合は下の方にありますが、写真には写っていません。早春を告げる花の一つで、爽やかな感じがして大好きです。右の写真は畑の一角の花桃。娘の初節句に小指位の太さの苗木を買いました。あれからうん十年。引っ越しのたびに根を切り、幹を切り…。もうだめかと思いましたが、当地の環境が合ったのか再び元気に。花もたくさん咲かせるようになりました。今年の花は、今までにも増してきれいです。(Y)

2021年3月22日(月)
春の花たち その1

 ため池に続く小道のヤマウグイスカグラの花が咲き始めました(写真左)。小道の下の北斜面にはたくさんのシュンランの株があって、こちらも花が咲き始めました(写真右)。以前大阪にいた時に、服部緑地公園で自然観察インストラクター講座を受けたことがありました。その時にメンバーの一人がシュンランの株を1つ見つけ、みんな初めて見たので花の周りに集まってとても感動した、そんなことを思い出しました。当地には普通に見られますが、高齢の方は「ジジババ」と呼ばれます。ちょっと不思議な別名ですね。(Y)

2021年3月21日(日)
アカガエルの産卵終了

 昨日と今日雨が降ったので、アカガエルの産卵を期待して田んぼビオトープに見に行きました。でも新しい卵塊はありません。3月17日に見つけた8個の卵塊を最後に、今シーズンのアカガエルの産卵は終わったようです。卵塊数の合計は158個でした。卵塊を探している時、今期8個目となるセトウチサンショウウオの卵のうを見つけました(写真左)。また、サワガニ(写真右)、アメンボなど生きものの動きも活発になってきました。(Y)

2021年3月20日(土
ビオトープ池の補修と再生 その2

 昨年途中までは、渇水期には水道水を入れたりして何とか水を保っていました。しかし昨年夏、水道水を入れ過ぎてメダカが死んでしまい、水道水を入れるのをやめたら猛暑と少雨で水がどんどん減少。そうするとモグラが縦横に穴を掘って一気に水が全部抜けてしまいました(写真左)。以前にはミズスマシもいて、毎年クロスジギンヤンマが40頭ほど羽化していた池。残念でなりません。もうあきらめようとしましたが、小さくても自然豊かな貴重な環境だったとの思いが強く、再生をすることにしました。完成したらまた報告します。右の写真は2012年撮影の水がしっかりたまったビオトープ池です。(Y)

2021年3月19日(金)
ビオトープ池の補修と再生 その1

 自宅そばに作った小さな池(ビオトープ池と呼んでいます)が水漏れで干上がってしまいました。補修用の粘土粉末(ベントナイト)が近くでは手に入らないので、島根県出雲市にある会社まで買いに行きました。往復で330kmほども走行しましたが無事購入することができました。行き帰りに見た大山(標高1729m)の美しかったこと!左の写真は岡山県側からの大山南壁。右側の尖った山は烏ヶ山(からすがせん・標高1448m)です。右の写真は西側(鳥取県)から見た大山。見る方向によって随分姿が違います。私は西側から見る、富士山のように裾野の広い山容が大好きです。(Y)

2021年3月18日(木)
フキノトウの今

 フキノトウ(3月4日の当欄)は苞(ほう)をすべて開いて開花し始めました(写真左)。フキは雌雄異株。写真は雄の株です。雌雄同株のタンポポの花とは、同じキク科だから共通するところもあるけど、随分違うと感じる点も。タンポポと雌雄のフキの花をじっくり観察して違いを見比べてみたいと思いました。右の写真は、同じ地下茎から出てきた幅約5cmのフキの若い葉。これから成長して30cmほどの大きさになります。観察することは楽しい。その魅力にどっぷりとはまっています。(Y)

2021年3月17日(水)
羽根の散乱

 昨日は寒かったのに、今日は晴れて暖かい一日。コロコロ変わるお天気に体がついていきません。雑木林のシュンランがどうなっているか見に行きました。少し蕾が開きかけていて、明日には開花するでしょう(写真左)。すぐそばを見ると、散乱した鳥の羽根(写真右)。白い模様がある風切り羽根、金属光沢の青い羽根、グレイの体羽…。襲われたのはイカルです。襲ったのは最近よく見かけるハイタカだと思われます。タカも生きていかなければならないので必死だったでしょう。命の激しいやり取りにしばし思いを馳せました。(Y)

2021年3月16日(火)
生物と季節の移り変わり

 今日は雨が降る肌寒い一日。畑をなわばりにしていた冬鳥のジョウビタキは、昨日までいたのに今日は一日気配なし。旅立ったようです。カシラダカやミヤマホオジロは渡りを前にして、羽の色がくっきりときれいになりました。カシラダカの主要な繫殖地はカムチャッカ半島だそうです。この時期はいつも一抹の寂しさを覚えます。無事に渡りを終えて、北の国で繁殖に成功して、また秋には戻ってきてほしい…。写真は天気が良かった昨日、自宅周辺で撮ったもの。左がホトケノザ、右がオオイヌノフグリ、どちらも今満開です。里山では、生きものとともに季節が移り変わっていきます。(Y)

2021年3月15日(月)
里山の春、到来

 今日は春本番を思わせる暖かく心地よいお天気。自宅そばの畑で「オーレリアンの庭」(2020年7月26日の当欄)づくりの準備を始めました。雑草を抜いたり、枯枝や枯草を整理していたら、足元に冬眠から目覚めたばかりの痩せたアマガエル(写真左)。そして菜の花にはハナアブが(写真右)。メジロがさえずり、アカタテハテングチョウが飛び始めました。待ちに待った里山の春です。(Y)

2021年3月13日(土)
アカガエルの卵塊調査

 昨夜は雷を伴った激しく冷たい雨。今朝、卵塊調査に行くと新しい卵塊は11個でした。2月2日に最初の卵塊1個を確認してからトータルで150個、昨年の半分ほどです。暖かかった昨年と違い、朝晩冷え込むせいでしょうか。カエルたちはあまり鳴きませんし、蛙合戦も見ていません。このままシーズン終了となるのでしょうか…。産卵数が去年ほど多くなくても、田んぼビオトープは今、卵から孵ったオタマジャクシがいっぱいです(写真左)。右の写真は今朝見つけた卵塊。激しい雨で一時的にできた水たまりに産卵したようです。すぐに水の中に入れてやりました。(Y)

2021年3月12日(金)
キャベツとモンシロチョウ

 モンシロチョウの幼虫にひどく食い荒らされたキャベツ(2020年12月24日の当欄)。幼虫がいなくなってから少しずつ成長を始めて、9株のうち2株を収穫しました。直径10cmほどの可愛いサイズ(写真左)。残りはそのまま花を咲かせて昆虫の蜜源としてやります。右の写真は耕運機のカバーにあったモンシロチョウの蛹。途中でダメになったものもありますが、これは無事のよう。羽化が近そうです。(Y)

2021年3月11日(木)
もう一息

 アカガエルの卵塊は現在140個ほど。ほとんどの卵が孵化して、体長1.5~2cmほどの幼生になっています(写真左)。例年がおよそ300卵塊ですから、今年は今のところ随分少ない数。でも明日は雨が降りそうなので、もう少し産卵があることを期待したいです。雑木林ではシュンランに今にも咲きそうな大きなつぼみ(写真右)。当地ではまだまだ朝晩の冷え込みがありますが、日差しの明るさはやはり3月です。春本番までもう一息。(Y)

2021年3月11日(木)
1年ぶりの旅(その2)日野町~庄原市

 鳥取県日野町のオシドリ観察のあと、広島県庄原市へ。まずはミチノクフクジュソウを見に行きました。ミチノクフクジュソウは準絶滅危惧種の貴重な植物。大切に保護されている自生地では山裾の斜面で輝くような黄色の花が満開(写真左)。ゆっくり花を楽しんだあと帝釈峡方面へ。今日の宿は「休暇村帝釈峡」。周辺はカルスト地形の雄大な風景が広がり(写真右)、早春の日差しがとても心地よかった。翌日、近くの帝釈峡へ。帝釈峡は中国山地の中央に位置する全長約18kmの渓谷。でも今はまだちょっと寂しい風景。緑濃い季節に、有名な雄橋を見にまた来たいです。(Y)

2021年3月10日(水)
1年ぶりの旅(その1)奥大山~日野町

 1年ぶりで、近場への旅を楽しみました。初日は鳥取県の奥大山鏡ヶ成へ。自宅を出るときは暖かかったのに、奥大山は雪景色(写真左)。スノーボードやそり遊びを楽しむ人の姿も見えて、ここはまだまだ冬でした。翌日は山を降りて日野町へ。日野町はオシドリで町おこしをしています。私たちのお目当てももちろんオシドリ。観察小屋近くには「おしどり駐車場」そして「おしどりうどん」の看板(写真右)。残念ながら、ご本尊のオシドリは川の対岸に数羽がいただけで、遠くて写真も撮れません。でも、観察小屋の近くにはマンサクの花が咲き始めていて、今頃では珍しいスズメの大群も見ることができました。「おしどりうどん」はどんな味だったのでしょう。食べてみたかったです。(Y)

2021年3月6日(土)
畑の花

 ニホンズイセンが数年ぶりに花を咲かせました(写真左)。6枚ある花びらのうち、外側3枚は萼(がく)で、内側3枚のみが花弁。また中心にある筒状の部分は副花冠というそうで、その中におしべとめしべがあります。右の写真は菜の花。今日は北風が吹いてとびきり寒い一日でしたが、暖かくなったらチョウなどの昆虫が吸蜜に来るのが楽しみです。それまでに「オーレリアンの庭」(2020年7月26日の当欄)の今年のプランを完成させて、夏~秋に咲く花の種を蒔く準備をしなければ!気持ちが急ぎます。(Y)

2021年3月5日(金)
啓蟄

 今日は二十四節気の啓蟄。啓蟄とは、冬ごもりの虫が暖かくなって活動を始める頃という意味です。そういえば昨日は、早くも羽化したモンシロチョウが現れました。田んぼビオトープでは、日がたってモロモロになったアカガエル卵塊の寒天質からアカハライモリが(写真左)。孵化したばかりのアカガエルの幼生を食べていたようです。自宅そばの畑では梅が満開(写真右)。今年はどんな生きもの達との出会いがあるだろう。楽しみです。(Y)

2021年3月4日(木)
「フキノトウ」って何?

 左の写真は2月21日の当欄に載せたフキノトウ(2月7日撮影)。外側を包んでいるものは何?調べたら苞(ほう)というもので花(つぼみ)を包む葉のこと。また「フキノトウ」はフキの若い花茎のことだそうです。フキノトウはわかっても、それが何なのか今までは説明できなかったし、深く興味を持つこともありませんでした。フキとフキノトウは地下茎でつながっていることも知らなかった。ただ何となく見るのではなく、知ることで深まる生物の世界…。2月後半頃からフキノトウの苞が次々に開いてきました(写真右。2月27日撮影)。私は右の写真の方が好きですが、食べるには左のような苞の開いていないものが最高だそうです。(Y)

2021年3月3日(水)
セトウチサンショウウオの卵のう

 今日も田んぼビオトープにアカガエルの産卵状況を見に行きました。新しい卵塊は28個。産卵が始まった2月2日から合計すると130個になりました。また、水路でセトウチサンショウウオのバナナ状の卵のうを2対見つけました(写真左)。見つけにくい場所なので発見が遅れたようで、かなり発生が進んでいました。右の写真は、今日確認した新しいニホンアカガエルの卵塊。セトウチもアカガエルも水が切れて干からびてしまうことのないように。水の管理に気を遣う季節です.(Y)

2021年3月2日(火)
産みたての卵塊

 昨夜から雨が降ったので、田んぼビオトープへアカガエルの産卵を確かめに行きました。23個の新しい卵塊。産卵して間がない卵塊は、水の中で球体をしていてキラキラ光っています。ヤマアカガエルの卵塊だと思いましたが、念のため掬ってみるとおにぎりのようにコロンと手の中に収まりました(写真左)。これはニホンアカガエルのもの(2020年2月16日の当欄)。わかるようになったつもりでもまだまだ。いろんな方法で確かめることが大切だと改めて思いました。右の写真は、メスを待つオスのニホンアカガエルです。(Y)

2021年3月1日(月)
棚田の今

 左の写真は、自宅と反対方向のKさんのお宅から棚田を撮ったもの。今は他のグループが管理するブドウ畑になっています。きちんと草刈りなどの管理がされているので、棚田の跡がきれいに残っています。以前はKさんの水田があって、たくさんの人が下の田から順に手植えで田植えをしていたそうです。Kさんからお話を聞くたびに、賑やかで活気があった頃の様子が目に浮かびます。右の写真は自宅側から見た棚田。私たちが管理している所です。手が行き届かないせいもありますが、かなりワイルドな感じ。ため池、湿地、草原、雑木林など環境は変化に富んでいて生きものが豊かです。(Y)

2021年2月28日(日)
ピンチ脱出!

 田んぼビオトープが干上がっていないか心配で見に行きました。うれしいことに干上がり始めていたのが一転、満水になっています(写真左)。アカガエルの幼生たちも元気です。水路もほかのビオトープもすべて満水。昨日夫が水路の泥上げをしてくれたのが功を奏したようです。2月16日の当欄で紹介したヤマアカガエルの幼生は、さらに成長して体長1.5cmほどに(写真右)。孵化して数日はある外鰓はもうありません。すっかりオタマジャクシらしくなりました。(Y)

2021年2月27日(土)
アカガエルの外鰓

 アカガエルの卵が次々と孵化、成長しています。左の写真の幼生は外鰓(がいさい・体の外に出ている呼吸用のえら)がはっきりしています。これが見られるのは今だけで、オタマジャクシが成長すると消えてしまいます。右の写真はべたっと広がった卵塊の中にまだとどまっているたくさんの幼生。よく見ると、写真の右下の方は水がなくなって底の泥が見えています。これはピンチ!干上がってしまうと幼生は死んでしまいます。昨日の朝は弱い雨が降りましたが、水量はほとんど増えませんでした。田んぼビオトープは雨水とため池から地下を通って浸みてくる水だけが頼り。適度にまとまった雨が欲しいです。(Y)

2021年2月25日(木)
冬の仕事

 今日は風もなく穏やかな天気だったので、コナラの木の伐採をしました。シイタケのほだ木や薪にするのにちょうどいい直径15~20cmほどの太さ。木は樹種にもよりますが、植えて10年以上たつと驚くほど大きくなって、自分たちでは手に負えなくなります。だからあまり大きくならないうちに伐採して利用する。里山ではそのようにして、多様な生きものが育つ明るい雑木林が保全されてきました。(Y)

2021年2月24日(水)
アカガエルの卵

 田んぼで春一番に動き出すアカガエル。アカガエルの産卵の季節です。メスがそのシーズンに産む卵塊は1個だけ。だから卵塊の数でその付近にメスが何頭ぐらいいるのかが推定できます。寒天質で包まれた卵塊の中には800~2000個の卵があります。左の写真はその卵を数個アップで撮影したもの、右は卵塊の中のたくさんの卵です。卵は細胞分裂を繰り返し、複雑な過程を経てオタマジャクシになります(2月16日の当欄)。これだけたくさんの卵があってもカエルに成長し、産卵までできるのはごくわずか。ほとんどが里山に棲む生きものたちの餌となり、その命を支えます。(Y)

2021年2月22日(月)
アセビとイヌノフグリ

 昨年末の冷え込みがきつかったので、この冬は厳しい寒さになると思っていました。確かに大変寒い日もありましたが、このところの20℃前後の暖かさは4月下旬~5月上旬並み。平均すると、この冬も暖冬だそうです。あまり暖かいと「地球温暖化」という言葉が頭に浮かんで、気になって仕方ありません。さて、家の周辺ではアセビの花が咲き始めました(写真左)。畑周辺ではイヌノフグリも(写真右)。イヌノフグリは在来の植物で、岡山県で準絶滅危惧、環境省では絶滅危惧Ⅱ類。よく似たオオイヌノフグリはヨーロッパ原産の帰化植物です。(Y)

2021年2月21日(日)
フキノトウの天ぷら

 フキノトウが顔を出しました(写真左)。先日はフキノトウ味噌を作ったので、今夜はフキノトウの天ぷら(写真右)。フキノトウを見ると、どうしても作りたくなる季節の味です。タラの芽、コシアブラ、ワラビなど身近にある木の芽や野草を摘んで料理して食べる。田舎に住んでいるからこその幸せです。(Y)

2021年2月20日(土)
ため池の堤防で

 今日は近くに2つあるため池のうち、上の方(写真左)の近くの放棄田の草刈りをしました。この田はうちの管理地ではありませんが、カヤネズミの生息地保全のため許可を得て、年に一度は草刈りをして整備しています。作業中、ため池の堤防で毛並みのきれいなタヌキの死骸を見つけました(写真右)。ケガもないのに死因は…? 数が減っているタヌキの若い個体の死。残念でなりません。(Y)

2021年2月19日(金)
ジャノヒゲ

 一昨日・昨日とは打って変わって、今日の昼間は暖かいお天気。予報では、しばらくは暖かいお天気で、気温20℃にもなるそうです。真冬の寒さだったり4月並みの暖かさだったり、お天気の変化に体がついていきません。さて、今日は久しぶりに外の作業。防獣柵の際(写真左)を手で刈っていたら、足元にジャノヒゲの青い実(写真右)が目につきました。ここにもあそこにも。冬枯れの中で、ひときわ輝いて見えました。(Y)

2021年2月17日(水)
ヨツボシテントウダマシとクビグロアカサシガメ

 日中暖かい日が続いていたのに、今日は真冬の寒さに逆戻り。ほとんど一日中氷点下の気温で、時折雪が風に舞います。こんな日は外で作業ができないので、以前に撮った写真の整理をします。左の写真はヨツボシテントウダマシ(コウチュウ目テントウムシダマシ科)。体長4~5mm。キノコなどの菌類を食べます。クロボシツツハムシ(2020年4月28日の当欄)と同じように、ナナホシテントウに擬態しているそうです。擬態の腕前はクロボシツツハムシの方が上? 右の写真はクビグロアカサシガメ。体長8~10㎜。ヤスデなどを捕らえて体液を吸います。希少なサシガメということです。(どちらも田んぼビオトープ整備中に見つけました。1月31日撮影)(Y)

2021年2月16日(火)
孵化

 昨夕もアカガエルの声がしていたので、今日の昼間に田んぼビオトープを見に行きました。昨夜は寒くて雨も降らなかったせいか、新たな卵塊は8個だけでした。途中で、2月3日に見つけたヤマアカガエルの卵塊(写真左)が目にとまりました。よく見ると、寒天質の膜が破れて中から幼生(オタマジャクシ。体長4~5mm)が出ていました(写真右)。産卵後2週間で孵化したことになります。写真が小さくて見えませんが、孵化直後の幼生には外鰓(がいさい)があります。不思議で魅力的な生きものの世界。今年もまた忙しくなりそうです。(Y)

2021年2月15日(月)
アカガエルの産卵

 このところ日中は暖かくても朝晩は冷え込み、雨はまったく降らないという日が続いていました。そのせいか、2月2日に1卵塊から始まったアカガエルの産卵は、昨日までで3卵塊のみ。心配していたら、昨夕から降り始めた暖かい雨は、今日の午前中まで降り続き、久しぶりのまとまった恵みの雨になりました。田んぼビオトープからアカガエルの声が聞こえます。ワクワクしながら田んぼに行くと、ニホンアカ41個、ヤマアカ18個、合計59個の新しい卵塊がありました。夕方からまたアカガエルの声。明日の朝も楽しみです。左の写真はニホンアカの卵塊3個とヤマアカのが1個(右上)。右は直径5cmほどの小さな卵塊。小さいカエルは小さい卵塊を産みます。(Y)

2021年2月14日(日)
鳥類調査

 2月10日に5回目、6回目の鳥類調査を終え、2020年12月27日から始めた今シーズン越冬期の調査を終えました。1~6回すべての調査で24種を確認しました。6回目の調査では7種しか確認できずがっかり。普段よく見るノスリ、オオタカ、アオサギ、カルガモなどは調査中には現れませんでした。でも調査を終えて帰りの車の中からアオジを確認し、直後に車のすぐ前をオスのキジが横切りました。もちろん調査時間外として確認種に加えておきました。写真左はアオジのメス、右はキジのオス。どちらも以前の写真です。(Y) 

2021年2月13日(土)
南斜面で

 今日も暖かな良い天気。南斜面のササを鎌で刈っていたら、キタキチョウを見つけました(写真左)。越冬中に出てきて、日向ぼっこでもしていたのでしょう。翅を閉じると枯葉の色に溶け込んで、目を離すとすぐに見失ってしまいます。すぐ近くには、冬枯れの中に鮮やかな赤い葉が。よく見ると紅葉したナンテンです。葉っぱ4枚しかない小さな株。南斜面にも春を待つ小さな命がありました。(Y)

2021年2月12日(金)
カヤネズミの越冬巣

 以前に刈ったままにしていた草を焼こうと集めていたら(写真左)、草の下にカヤネズミの越冬巣(写真右)。チゴザサ群落の枯れた株の中にありました。古かったのでもう使われていないと思いましたが、念のため巣の上にたくさんの枯草を被せておきました。カヤネズミは良好な草地環境の指標種。彼らの棲む環境をいつまでも保全してやらねばと思います。良好な草地はとても美しいです。(Y)

2021年2月11日(木)
道も藪に!

 左の写真は、棚田の一本道(2020年11月12日2021年2月1日の当欄)の先にある高い杉の木のさらに向こう。以前は自由に往来できたのに、今は途中を防獣柵が横切っていて、その先に行くには柵を開け閉めしなければなりません。それが面倒で半年の間、向こう側は放置。先日久しぶりに柵を開けて行ってみたら、背の高い草がたくさん生えて、もう少しで藪になるところでした。急いで草刈りをして、何とか道が復活(写真右)。せっかく作った道も人が手をかけなければなくなってしまう。当然ですが改めて実感しました。(Y)

2021年2月10日(水)
春を探しに その3

 「春を探しに」最終回。昨日だけは最高気温が4℃と真冬の寒さでしたが、それ以外の日は暖かく穏やかで、ここ数日で「春」をたくさん見つけることができました。フキノトウがもう顔を出しています。野生の植物ではありませんが、早咲きの紅梅が満開間近(写真左)でフクジュソウも見頃です(写真右)。このところ、朝晩は氷が張り、霜柱が立つ寒さでも、日中の明るく暖かい日差しは春到来を感じさせてくれます。本格的な里山の賑わいが待ち遠しいこの頃です。(Y)

2021年2月9日(火)
春を探しに その2

 オオジシバリを見つけたのと同じ日に、休耕田の畑ではタネツケバナ(写真左)とオオイヌノフグリ(写真右)が咲いていました。これから次々といろんな花が咲いて、里山では晩秋まで花が絶えることはありません。(Y)

2021年2月8日(月)
春を探しに その1

 少し前には全く見つからなかった「春」(1月29日の当欄)。このところ暖かい日が続いていたので、今日はたくさん見つけることができました。左の写真はオオジシバリ、右はカンサイタンポポです。どちらもキク科。棚田の隣の施設の敷地にありました。ところで、気象庁が昭和28年から行ってきた「生物季節観測」を今年から9割廃止するそうです。都市化で身近だった生きものがいなくなってしまったのが理由です。生物によって季節の移り変わりを知ることのできる幸せ。この幸せを、大人は子どもたちから奪っていいものでしょうか。(Y)

2021年2月7日(日)
草焼き

 今日は曇りで朝のうちは風もなく、絶好の草焼き日和。休耕田にたまっていた刈草を焼きました(写真左)。いつもは草を何か所かに集めて焼くのですが、それでは炎が大きくなりすぎるし、草を運ぶのが大変です。それで、今日は少しずつ草を焼きながら前に移動する方法を試してみました。火が左右に広がらないように注意しながら前に進んで行きます。この方法では炎があまり大きくならないし、草を運ぶのも近いので楽です。おまけに刈り残しの草も焼けて、田んぼ1枚ほぼ全面焼くことができました(写真右)。時期になれば耕してヒマワリかコスモスの種を蒔きます。灰が肥料になってくれます。(Y)

2021年2月6日(土)
ケラとヒシバッタ

 昨日は暖かく、春のような明るい日差し。田んぼビオトープ4での作業中、たくさんの生きものたちが出てきました。左の写真はケラ(バッタ目ケラ科)。右は体長2cmほどのトゲヒシバッタ(バッタ目ヒシバッタ科)。ケラはモグラのように穴を掘るのに適した前脚をしていて、何とも愛らしい、愛嬌のある昆虫です。春の日差しを受けて、楽しい今季最後のビオトープ整備作業になりました。(Y)

2021年2月5日(金)
田んぼビオトープ

 今日で4つの田んぼビオトープ(以下ビオトープ)の整備を終えました。これからはお天気の状況をみて干上がらないように、水草が増えすぎないように、少しずつ手を加えていきます。左の写真は満水のビオトープ1。右の写真は、中央がビオトープ1、奥中央がビオトープ3、その右がビオトープ4です。一番手前はビオトープ2の一部。ビオトープ2は3つの大きな水たまりがあり、それらは水路でつながっています。2月3日に始まったアカガエルの産卵は、まだ卵塊3個。ビオトープ整備は何とか間に合いました。(Y)

2021年2月3日(水)
2種のアカガエル卵塊

 今日は立春。このところ暖かい穏やかな日が続いていたのに、とびきり寒い一日になりました。さて、当地ではニホンアカガエルとヤマアカガエル、2種のアカガエルがいます。田んぼビオトープ2(写真左)ではヤマアカの新しい卵塊が1つ(写真右)。昨日のニホンアカのと合わせて2個になりました。ニホンアカの新しい卵塊はコロンとしていて手で掬うことができますが、ヤマアカのは薄く広がって、掬うことができません。また産卵後数日してもキラキラしているので、ニホンアカの卵塊と簡単に区別することができます。(Y)

2021年2月2日(火)
節分とアカガエルの産卵

 例年なら2月3日ですが、今年は今日が節分。コロナウイルスを追い払って、早く当たり前の日常が戻るように祈りたいと思います。で、晩ご飯はイワシと生協の冷凍巻きずし。子どもが小さい時は、節分には巻きずしを作って豆まきをして…。鬼はお父さん!そんな頃がすごく懐かしいです。さて、今年もアカガエルの産卵が始まりました。田んぼビオトープ3(写真左)にニホンアカガエルの卵塊が1つ(写真右)。また卵塊を数えに田んぼビオトープに通う、忙しくて、ちょっとうれしい?毎日が始まります。(Y)

2021年2月1日(月)
棚田の一本道・冬

 1月30日、放棄田の草刈りに行った時のこと。その日は軽トラで。一本道は細くて方向転換できないのでバックで入ります。作業場所到着。左の写真は軽トラの荷台から撮った風景です。右側が放棄田、左が畑を作っているところ。その日は私が草刈り、夫は畑の耕うんをしました。作業を終えて耕運機にカバーを掛けようとした時、小さなモンシロチョウの蛹が1つ付いているのに気づきました。裏側を見るとなんと6個も。キャベツにたくさんいた幼虫(2020年12月24日の当欄)はどこに行った?と思っていたら、こんなところに…。(Y)

2021年1月31日(日)
田んぼビオトープの整備

 昨日までに田んぼビオトープ1~3の冬の整備を終えました。今日も暖かく穏やかお天気だったので、最後に残った田んぼビオトープ4の整備をしました。写真左が作業前で、手前側にマコモの株がたくさん残っています。これを抜き取り、たまった泥も上げるのです。作業中出てきたのは、アカガエル、アカハライモリ(写真右)、ガムシオオコオイムシ、サシガメの仲間など。暖かかったので、みんな結構活発でした。ビオトープの整備もあと少し。もう間もなくのアカガエルやセトウチサンショウウオの産卵が楽しみです。(Y)

2021年1月30日(土)
放棄田とサクラタデ

 今日は放棄田(写真左)の草刈りをしました。この場所には岡山県の準絶滅危惧種サクラタデの大きな群落(写真右)があり、それを保護するため私たちで整備をするようになりました。整備といっても、年に1~2回の草刈りと刈草を焼くので精一杯。それでもサクラタデは年々増えて、棚田のいろんな場所で見られるようになりました。近所のおばあちゃんは、サクラタデを「タデ」、イヌタデは「ネコマンマ」と言われます。サクラタデは昔から普通にあったそうです。私は当地に来て初めてこの花を見て、その美しさにいたく感動した記憶があります。(Y)

2021年1月29日(金)
南側の小道 冬と初夏

 寒波襲来。雪はそれほど降りませんでしたが風が強く、地吹雪というのを始めて見ました。この辺りでこんなですから、北海道や東北の大雪や地吹雪はどんなに大変でしょうか。左の写真は今日の自宅南側の小道。「春」を探しに行ったのですが、この寒さではどこにも見当たらず諦めて帰宅。春はまだまだ…。右の写真は同じ小道を初夏に撮ったもの(2013年5月11日撮影)。今年は、緑の温かさ、美しさ、そしてありがたさを改めて噛みしめたいと思いました。(Y)

2021年1月28日(木)
セトウチサンショウウオ

 今日は晴れて風も弱く、穏やかなお天気。田んぼビオトープ3で作業の続きをしました。水草を抜いて、泥を上げて…。作業中出てきたのは2頭のセトウチサンショウウオ(写真左、2頭のうちの1頭です)。体長約10cm。オスが先に来て、メスが来るのを待っているのです。アカガエルもセトウチサンショウウオも産卵間近。もうすぐ田んぼビオトープの賑やかな季節が始まります。右の写真は、今日で作業終了の田んぼビオトープ3です。(Y)

2021年1月25日(月)
ニホンアカガエル

 昨日まで3日間雨が降り続きました。すっかり干上がっていた田んぼビオトープ3も少し水が溜まっています。今日は昨日までと打って変わって暖かくいいお天気。絶好の水草取り・泥上げ日和です。水草を取っていたら、ニホンアカガエルが出てきました(写真左)。アカガエルは、秋になると雑木林などから水辺に移動して産卵までを過ごします。もう産卵間近です。アカガエルを見て余計に気持ちが急ぎます。早く安定した水量になるように、開放水面が広がるように…。右の写真は田んぼビオトープ3。やっと三分の一ほど作業を終え、少し水が湧いてきました。(Y)

2021年1月24日(日)
キンヒバリ

 1月20日のことです。水が少したまった田んぼビオトープ4(写真右)で、刈った草を取り除く作業をしていました。その時、体長5mmほどの小さなコオロギのような形の昆虫が出てきました(写真左)。この寒い時期にコオロギ類がいるはずありません。驚きながら写真だけは撮ることができました。家であれこれ調べて、今日やっと名前がわかりました。コオロギではなく、ヒバリモドキ科というグループの「キンヒバリ」の幼虫ということで間違いなさそうです。幼虫で越冬するバッタ目昆虫がいるというのは初めて知りました。ヒバリモドキ科はこの辺りでは、クサヒバリマダラスズは普通にいますが、キンヒバリもいることがわかりました。今まで知らなかった生きものに出会い、名前がわかる…。今日はちょっとうれしい気分です。(Y)

2021年1月23日(土)
以前の棚田風景

 昨日今日と、前線や低気圧の影響で雨が降り続いています。仕方がないので今日は古い写真の整理をしました。この2枚は今から11年ほど前の棚田の写真です。その頃はほとんどの田でお米が作られていて、きれいな風景が広がっていました。左の写真は稲刈り前、右は稲刈り後です。左の写真の一番手前の田1枚だけは今でも農家の方がお米を作っておられますが、他はすべて休耕田となってしまいました。そこは今、私たちが希少生物を保護したり、景観植物を育てたり、環境保全の田として管理しています。2014年9月11日の当欄で、私たちが田を管理するようになった頃の状況を紹介しています。(Y)

2021年1月21日(木)
晴れた日の作業

 昨日、今日と朝晩の冷え込みはきついですが、日中は暖かく過ごしやすいお天気でした。そこで2日とも水草取りと、たまっていた刈草を焼く作業をしました。とは言え家事諸々でなかなかまとまった時間が取れません。外の作業は一日2~3時間がやっとです。今日は田んぼビオトープ2で草焼き(写真左)。作業を終えて水路の水の具合を見に行ったら、陽だまりにキタキチョウがいました(写真右)。陽気に誘われて日向ぼっこ?冬枯れの中、生きものの姿が見えるとうれしくなります。(Y)

2021年1月18日(月)
山眠る

 「山眠る」は俳句の冬の季語。落葉樹が葉を落とし、冬の山の静まり返った様子をいいます(写真左)。同じように「山笑う」(春)、「山滴る」(夏)、「山粧う」(秋)があります。右の写真は山滴る新緑5月。眠る山も滴る山もほぼ同じ場所から撮ったものです。当然とは言え全く違った印象。昔からある言葉は美しく豊かです。(Y)

2021年1月16日(土)
来ているのは?

 このところ毎朝、田んぼビオトープ1の水が濁っています。原因は夜にカモが採餌のために群れでやってくるから。羽根が落ちているのでわかります(写真左)。毎年冬になるとカモの飛来で水が濁りますが、昨年12月に濁りに気付いてから1か月、ずっと続いています。こんなに長くカモが来るのは初めて。夜しか来ないので、今のところカモの種類はわかりません。今までに確認しているのはコガモ(写真右)、マガモ、カルガモです。今来ているのは何でしょう。確かめたいです。右のコガモの写真は2017年3月2日撮影のもの。当時は周辺に薮があったので昼間でも来ていました。(Y)

2021年1月15日(金)
鳥類調査

 今日もいいお天気。鳥類調査の3回目、4回目をしました。確認できたのは、アオジ、イカル、コゲラ、アオゲラなど21種でした。調査コースから見えるTさんのお宅の柿の木(写真左)。この1本だけ柿の実がいつまでも全く食べられずに残っているので、どうしてだろうと気になっていました。今日はツグミとヒヨドリがそれぞれ20羽以上、入れ代わり立ち代わり食べに来ていました。明日か明後日には柿はすべて食べつくされるでしょう。食べるものが少なくなったこの時期、Tさんの柿は鳥たちの飛び切りのご馳走だったに違いありません。右の写真は調査の折り返し地点から見た風景。棚田のブドウ畑です。(Y)

2021年1月14日(木)
水草取りと泥上げ

 今日は暖かく気持ちのいいお天気。田んぼビオトープ2の水草取りをしました。全く手を付けていなかったので干上がってぬかるみのようです。少しずつ水草を抜いて、たまった泥を上げて堤防を築く(写真左)。安定した水量にするためです。あと1か月もすればアカガエルやセトウチサンショウウオの産卵が始まります。右の写真はニホンアカガエル。産卵を控えてお腹が卵でパンパンです(2012年3月4日撮影)。あと2つの田んぼビオトープもほぼぬかるみ状態。安定した水量をと、ちょっと気が急くこの頃です。(Y)

2021年1月12日(火)
冬越し(クモとウラギンシジミ)

 北風が吹く寒い日、成体越冬のクモがヒイラギの南に面した葉表で体を縮めていました(写真左)。翌日も同じ場所にいました。ヒイラギの葉がクモを北風から守り、クモの体に密に生えた毛も寒さを凌ぐのに役立っているのでしょう。右の写真は以前のものですが、常緑樹の葉裏にいる成虫越冬のウラギンシジミ。この小さな写真ではわからないですが、中央左寄りにいます。北風が当たらない場所を選んでいて、しかも閉じた銀色の翅は葉に紛れて見事に姿を消しています。様々なやり方で巧みに冬越しする生きものたちです。(Y)

2021年1月11日(月)
草刈りとカヤネズミの巣

 今日は最低気温が-4℃、最高気温が+4℃。寒さが少しだけ緩みました。風も弱くて外に出るのが苦ではなかったので、カヤネズミの生息地として保全している田の草刈りをしました。写真は草刈り前と後。草の種類は、カサスゲ、マコモ、ススキなど。大量の刈草は、これからお天気と相談しながら焼きます。作業中に見つけたカヤネズミの巣は17個。半数以上が秋の繁殖巣と思われる頑丈で密な作りでした。カヤネズミの巣は2020年7月4日の当欄を参照してください。(Y)

2021年1月10日(日)
雑木林・夏と冬

 棚田のほぼ同じ場所から、夏と冬に自宅方向を撮影しました。左の写真は夏、こんもり見えているのが自宅北斜面の雑木林。カラスザンショウ、ウワミズザクラ、エノキ、ヤマハゼ、アオキ、サカキ、ヒサカキなどの樹木が生えていて、林床にはシュンランやショウジョウバカマの小さな群落があります。右は最近撮影したもの。落葉樹がすべて葉を落とし、全然違う雰囲気です。(Y)

2021年1月9日(土)
今朝の気温は-8.5℃

 日本全国厳しい寒波で、特に日本海側は事故も多発して大変なようです。それを思えば大したことはありませんが、当地もこの冬の寒波は厳しく、今朝の気温は昨日よりさらに下がって-8.5℃。凍結した給湯器は回復するはずもなく、今日もお湯が出ません。こうなると、いつも当たり前に出ていたお湯の有難さが身に染みます。左の写真は近くのため池。水面が凍ってその上に雪が積もっています。鳥たちも餌を探してか、動きが活発。今日はトラツグミが10年ぶりに雑木林に続く庭にやってきました(写真右)。これは嬉しいニュース。(Y)

2021年1月8日(金)
ロゼット葉(カモミール)

 昨日、七草粥の材料を探しに自宅そばの畑に行ったら、カモミールのロゼット葉を見つけました(写真左)。以前カモミールの苗を買ってきて植えましたが、枯らしてしまうばかり。何年目かにようやく定着して、今は毎年雑草のように生えてきます。暖かくなると茎が伸びて、その先にリンゴの香りがする花をたくさんつけます(写真右)。ところで、今日は昨日よりさらに寒く、最低気温は-7.5℃、最高気温は0℃でした。給湯器が凍結したようでお湯が出ません。花咲く春が待ち遠しいです。(Y)

2021年1月7日(木)
七草粥

 今日は七草の日。七草を入れた粥を食べて無病息災を祈る日で、室町時代には庶民の間に広がっていたそうです。春の七草は、セリ・ナズナ・ゴギョウ(ハハコグサ)・ハコベラ(ハコベ)・ホトケノザ(コオニタビラコ)・スズナ(カブ)・スズシロ(ダイコン)を指します。今日のお昼ご飯は七草粥(写真右)を作りました。七草のうち4種が入っています。セリ、ハコベ(写真左)は外で摘んできたもの。カブとダイコンの葉は栽培品。スーパーでは7種類揃いますが、当地ですべて揃うのは暖かくなってから。今日はこの冬一番の寒さで、朝は-4℃、昼は+1℃、夕方5時には-6℃まで下がりました。明日の朝は積雪が心配です。(Y)

2021年1月5日(火)
今年初めての…

 夫婦二人のお正月。まず断捨離をしよう、そしてあれもこれもと思っていたのに、結局何もできずにお正月は終わりました。今週後半から寒くなるというので、今日は今年初めての水草取りをしました。作業中に出てきたのは、ヤンマ系のヤゴ(写真左。体長4~5cm)、オオコオイムシ(写真右)、マツモムシの3種のみ。アカガエルやセトウチサンショウウオの産卵までには田んぼビオトープの開放水面を広げること、そして水が無くなってしまわないようにすること。今年もまた始まりました。(Y)

2021年1月2日(土)
鳥類調査の途中で その3(ウメノキゴケとエナガの巣)

 広い道路の脇に10本ほどのサクラ(ソメイヨシノ)の並木があります。冬枯れの中で幹に張り付いたウメノキゴケがよく目立ちます(写真左)。それを眺めていると、春に見つけたエナガの巣を思い出しました(2020年4月21日の当欄)。その巣はカラスに襲われたようで、ひどく壊れて道路に落ちていました。巣の表面にはウメノキゴケが張り付けられています(写真右)。その翌日、エナガが作り始めた新しい巣。木の股に作られた巣は幹に溶け込んで、よく見ないと巣だとわかりません(「季節の一コマ」№328)。それでもまたカラスに襲われました。広い道路脇は目立ちすぎるのかな。今年はヒナが無事育ったエナガの巣を見たいです。(Y)

2020年12月31日(木)
雪の大晦日

 2020年も今日で終わり。コロナ禍の1年。科学が進歩しても人間が太刀打ちできないものがいっぱいある、謙虚な気持ちを忘れてはいけないと思わされた日々でした。今日は東京で1,300人超の感染者ということです。感染者は増加の一途。病床のひっ迫や医療従事者の心身の負担が心配でなりません。来年はコロナが終息して、いい年になりますように…。写真は今朝のもの。左は雑木林、右は棚田の雪景色です。(Y)

2020年12月29日(火)
鳥類調査の途中で その2(ヤブコウジとセミの羽化殻)

 鳥類調査のコースに北斜面の小道(12月2日の当欄)が入っています。調査中、その小道を歩いている時に紅葉したヤブコウジを見つけました(写真左)。また、ヒイラギの葉裏にはセミ(ツクツクボウシのようです)の羽化殻も(写真右)。普段あまり行かない北斜面の小道。いろんな面白いものが見つかりそうです。時々は行ってみようと思いました。(Y)

2020年12月28日(月)
鳥類調査の途中で その1(柿)

 調査で歩いていると、いろんなものが目に留まります。まずは10月31日の当欄で紹介した柿。色づいてきていますが、まだ熟していないのでまったく食べられていません。昨日見ると、濃い柿色になって皺もよっています(写真左)。これは熟した証拠。左上のは食べられてヘタだけになっています。食べるものが少なくなった冬の、鳥たちの大切な栄養源です。右の写真は同じ柿の木。シロハラがご執着でした(12月26日撮影)。(Y)

2020年12月27日(日)
鳥類調査

 今日は朝のうちお天気が良かったので鳥類調査をすることに。越冬期の第1回目と、少し時間をおいて第2回目の調査をしました。今シーズンの越冬期調査はあと4回、合計6回行います。今日確認したのは、ツグミ、シロハラ、イカル、キジ、ミヤマホオジロ、トラツグミ、ジョウビタキなど16種でした。左の写真はイカル、太くて黄色いくちばしが印象的です。右はシロハラ、ツグミの仲間の冬鳥です。柿を食べていました。(Y)

2020年12月25日(金)
田んぼビオトープ1

 左の写真は、田のオーナーさんに休耕田をお借りした当時のもの(2013年3月17日撮影)。植物の「イ」がたくさん生えていて、田に入ると膝まである長靴の中まで泥が入ってしまう、ぬかるみのようなところでした。そこを水がたまったビオトープにしたい。でもイなどの水草をいくら取り除いても水がたまらない。悩みつつ作業を続けていたら、9月に5日間降り続いた雨で一気に満水になりました。うれしかった! 今ではビオトープは4つ。ここは最初に作ったので「田んぼビオトープ1」。4つのうちで一番水量が安定しています。右の写真は今日の作業の後、左の写真とほぼ同じ場所から撮影しました。田をお借りしてから、もうすぐ8年です。(Y)

2020年12月24日(木)
冬の畑

 早いもので、今日はクリスマス・イブ。子どもが寝たのを確かめてそっと枕元にプレゼントを置いてやる。そんなことにあれこれ頭を悩ませていた頃が懐かしいです。さて、休耕田に作った畑のハクサイ(写真左)とキャベツ(写真右)。今年のハクサイは今までで一番いい出来。反対にキャベツはモンシロチョウの幼虫に食べられてほとんど育っていません。生きものたちと共生の畑。幼虫たちが食べ終えていなくなったら、少しは育って私たちも食べられるかな?(Y) 

2020年12月23日(水)
チゴザサ取りとガムシ

 今日は出かける用事がなかったし、暖かかったので田んぼビオトープのチゴザサ取りをしました(写真左)。12月12日の当欄より、さらに開放水面が広がりました。右の写真は作業中に出てきた体長3~4cmのガムシ。写真を撮ってすぐに水に放したら、急いで泥の中に潜っていきました。(Y)

2020年12月21日(月)
バッタの幼虫

 初夏の頃からバッタの幼虫をたくさん見ました(写真左・右)。完全変態のチョウやトンボのように幼虫と成虫で食性や生活スタイルが大きく変わるというようなことはありません。でも、不完全変態のバッタも幼虫と成虫で姿形がかなり変わります。今の私には幼虫を見ただけでは名前がほとんどわかりません。来年は飼育して、幼虫から名前がわかるようになりたい。食う・食われるの世界を懸命に生きている、その命がすごく愛おしいです。(Y)

2020年12月20日(日)
季節の仕事

 柚子仕事でこのところしばらくユズとの格闘。調べたら、梅干しを作る梅仕事、干し柿を作る柿仕事、スダチ仕事という言葉もありました。昔の女の人は、自然からの恵みで忙しく働きながら季節を感じていたのでしょう。私の今年の柚子仕事もようやく終わりました。左の写真は整備の進んだ最近の田んぼビオトープ。右は夏に網戸にいた甲虫。名前がわからないままに放置していて、最近たまたま名前がわかりました。フタモンウバタマコメツキというコメツキムシのようです。体長3cmほどもありました。(Y)

2020年12月19日(土)
冬芽(ゴンズイとヤマウグイスカグラ)

 左の写真はゴンズイの冬芽と葉痕。葉痕が顔で、まるで帽子を被っているように見えます。右はヤマウグイスカグラ。冬芽の下に複数の葉痕が見られます。冬芽も葉痕も植物によって様々です。子どもが小さい時、よく写真絵本の「ふゆめがっしょうだん」(福音館書店)を読みました。当時は大阪にいて、本を見て「へぇー」と思うだけで冬芽をじっくりと観察する機会がありませんでした。今はいろんな植物の冬芽が身近にあるので、これから折々に紹介したいと思います。(Y)

2020年12月18日(金)
植物の冬越し その2(タネツケバナとノアザミ)

 今の時期よく見られる、地面から直接葉が放射状に出ている形をロゼットといいます。バラ模様(ローズ)からきた語だそうです。秋に発芽して春に咲く多年草や越年草が、ロゼットの状態で冬越しをします(写真左はタネツケバナ、右はノアザミ)。地面に張り付いて低温に耐え、光を十分受けられるように葉を広げて厳しい冬を乗り越えるのです。(Y)

2020年12月17日(木)
植物の冬越し その1(トチノキ)

 ここ2、3日急に寒くなり、雪も降りました。外の作業はお休みにして、今日は植物の冬越しについて調べました。左の写真はトチノキの冬芽。右の写真で、冬芽の下に顔のように見えているのは葉痕(葉がついていた痕)です。冬芽は晩夏から秋にかけて生じ、この状態で冬を越します。冬芽の中には翌年、葉や花や枝になる芽が小さくまとまっています。それらを寒さや冬の乾燥から守るために、冬芽には硬い芽鱗(がりん)や粘液で覆われたもの、毛が密生したものがあります。ちなみに、トチノキの冬芽はベタベタした粘液で覆われています。すっかり葉を落とした雑木林ですが、春への準備は万端です。(Y)

2020年12月13日(日)
カマキリの卵鞘

 草刈りをしていると、よくカマキリの卵鞘を見つけます。左の写真はすべてオオカマキリのもの、右の写真はコカマキリ(左)とチョウセンカマキリ(右)のものです。産卵した植物を切り倒してしまうことが多いので、持ち帰って保護し、5月頃に見つけたあたりに分散して戻します。二十四節気のそれぞれをさらに三分割したものが七十二候ですが、二十四節気「芒種」(6月5日頃)の最初の5日は七十二候で「蟷螂生(かまきりしょうず)」と言うそうです。まさにこの時期にカマキリの孵化が多いような気がします。(Y)

2020年12月12日(土)
ビフォーアフター

 来週の火曜日あたりから寒くなるというので、時間があれば水草取りをしています。今日はマコモではなく、チゴザサ。すごくはびこりますが、マコモより抜き取りが簡単です。左の写真は抜き取り前、右は抜き取り後。チゴザサはこんもりと茂り、そのまま枯れるので、中はふんわりと暖かいのでしょう。水のない所ではカヤネズミの越冬巣がよく見つかります。水のある所では細かい根が泥の中に密に張っていて、水生生物の冬越しの場になっているようです。だからすべて抜き取らずに、適度に残してやります。今日はチゴザサを抜いていると、大型のガムシや小型のヒメガムシが出てきました。(Y)

2020年12月10日(木)
草刈りしながら考えた

 今日は草刈りをしました(写真左、右)。高齢化と人口減少で放棄田は増えるばかり。日本全国、中山間地はどこも同じ状況でしょう。当地でも今、中心になって農業をしているのは60代後半から70代前半だと思います。その人たちにかかる負担はすごく重いものです。あと5~10年したらどうなっているのでしょうか。災害の多い国なのに、食糧自給に関心のない為政者たち。先人たちが山を切り開いて営々と築いてきた棚田ですが、食糧を供給しない田はいずれ山に戻るのでしょう。どうせ山に戻るなら、せめてきれいに戻してやりたい。草を刈ってホッとして上を見たら、まだまだ繁茂するススキ。植物の光合成のすごさに圧倒されそうです。(Y)

2020年12月9日(水)
初冬の田んぼの1コマ

 今日は町の集団健診がありました。7月の予定がコロナの影響で延びていたのです。3密を避けるとか、距離をあけるとかで例年より時間がかかり、朝9時に行って、終わったのが12時少し前。朝食抜きだったのでお腹はペコペコ、ぐったりです。コロナ、早く終息してほしい。まず人の命を守ることが経済を守ることになると思うのだけど…。さて、法面の草を刈ったら赤い実をつけたヤブコウジの小さな群落が現れました(写真左)。コバネイナゴはまだまだ元気(写真右)。初冬の田んぼでの1コマです。(Y)

2020年12月8日(火)
ブッポウソウ巣箱掃除

 今日は、3か所に架けたブッポウソウの巣箱掃除をしました。1か所は自宅そばの休耕田の畔に、あとの2か所は隣のE地区に架けたものです。左の写真は自宅そばの巣箱に残っていたもの。緑色のものはタマムシの翅。あと、カタツムリの殻が多数。例年なら雛の糞や食べ残しが固まりになっていますが、今年はしっかりと固まっていなくて厚さ2~3cm。推定で2~3羽の巣立ちです。右の写真はE地区の巣箱の中身。先にスズメが巣作りを始めていたようで、藁がいっぱいです。ブッポウソウの残留物はやはり2~3cmほどで固まっていません。その量から推定して、どの巣箱も雛の数が少なかったようです。子育ての時期に雨が非常に多かった影響かもしれません。それでもアブラゼミ、タマムシ、トンボなど餌は実に多彩です。(Y)

2020年12月6日(日)
マコモ抜きと生きものたち

 今日も日中暖かかったのでマコモ抜きの続きをしました。昨日と今日、田んぼビオトープで出会った生きものは、コバネイナゴ、オオコオイムシ、ミズムシ、キトンボ、ナツアカネ(写真左)、ドジョウ、メダカ、マツモムシ、ミズカマキリ、ツチガエル、イモリ、ハマベアワフキ(写真右)、タニシ、たくさんの小さなクモたち…。暖かい日中は、いろんな生きものに出会うことができます。初めて見たのはハマベアワフキ。ナツアカネは翅がボロボロです。様々な生きものとの出会いに日々感動し、活動の励みとなっています。(Y) 

2020年12月5日(土)
マコモの抜き取り

 割合暖かい日が続いているので、田んぼビオトープのマコモ除去を頑張っています。マコモは根や地下茎が硬く、また深く張っているので一番抜き取りがしにくい水草です。ここ数年、抜き取りを諦めて刈り取りだけにしていたら、えらくはびこってしまいました。このままでは来年早々にも田んぼビオトープが干上がりそうなので、重い腰を上げてマコモの抜き取りを始めました。左の写真は作業を始めたばかり(11月26日)。右は今日の写真です。だいぶ抜き取りが進み、開放水面が広くなりました。もう一息です。(Y)

2020年12月4日(金)
キッチンのリフォーム

 これからの10年を考えてキッチンのリフォームをしました。まず、ご近所の方に教えていただいた、美咲町の木製オーダーキッチンの会社「KitoBito」さんに相談に行きました。最初に聞かれたのは「どこが困っているのか」ということです。いろいろお話をする中で、どんどん自分たちの希望が形になっていきました。それは今まで感じたことのない不思議な感覚でした。その後、現場も見てもらって適切な提案をいっぱいしてもらいました。左の写真は調理のための主だった部分です。たくさんの引き出しで、鍋などがすべて収まりました。一番斬新だと思い気に入っているのが、流しの右側側面の引き出し(写真右)。テーブルから、取り皿などが取り出しやすくなってとても使い勝手が良いのです。このキッチンのそばにいると木のぬくもりで気持ちが落ち着きます。思い切ってリフォームしてよかった。(Y)

2020年12月3日(木)
柚子仕事

 先月、ご近所のTさんが「ユズを採りにおいで」と言ってくださったので行ってきました。5年ほど前まではTさんが収穫されたのをいただいていましたが、ユズには鋭いトゲがあって収穫するのが大変だと知ってからは高枝切鋏を持って採りに行きます。今年は「なり年」でたくさん収穫しました(写真左)。Tさんのお宅の分をお渡しし、ご近所におすそ分けしてもまだ大量にあります。さてさてどうしましょう。まずはユズみそ、生のユズジャム、ユズ大根、今日はユズ茶を仕込みました(写真右)。「梅仕事」という言葉は知っていましたが、調べたら「柚子仕事」もありました。今、柚子仕事の真っ最中です。(Y)

2020年12月2日(水)
北斜面の小道

 左の写真は、11月29日の当欄のが気に入らなくて再度撮りに行った北斜面の小道です。画面左側に防獣柵、その奥に施設の建物。どちらも20年前にはなかったものです。この道で、向こうから歩いてくるアナグマの親子と出会ったのです。夫も3年ほど前、このあたりででタヌキと出会ったそうです。小道の少し上を若いタヌキが歩いていました。こちらに気付いていない様子で通り過ぎようとするので、小声で「おい、おい」と声をかけました。すると好奇心旺盛なタヌキは立ち止まって少しの間、夫の方を見ていたそうです。おかげで、藪の中で見にくいですが、右の写真を撮ることができました。私もアナグマとの思いがけない出会いの時、カメラを持っていたら撮らせてくれたかな…。今思い出しても残念な気持ちになります。(Y)

2020年12月1日(火)
ジャコウアゲハ蛹のレスキュー

 ウマノスズクサの畑のそばに桜の木があります。その木の細い枝でジャコウアゲハの蛹を10個も見つけました。これから強い北風が吹き、雪も降るのにどうしてこんな場所で蛹になったのだろうと不思議に思いました(11月15日の当欄)。よく見ると、ウマノスズクサの蔓がこの木に絡みついています。幼虫は蔓を伝っていってそのままそこで蛹になったのでしょう。しかし、すでに3個は何かに襲われたようで壊れていたし、帯糸が切れて逆さまになったもの(写真左)、お尻が外れ帯糸の片方が切れて宙ぶらりんになったものも。これでは冬は越せないので保護することにしました。右の写真は宙ぶらりんになったものを保護ポケットでレスキュー。この桜の木を含めて、今生きている蛹は19個。来年の羽化が楽しみです。(Y)

2020年11月30日(月)
フユイチゴとヤブコウジ

 昨日紹介した、ニホンアナグマと出会った北斜面の小道。写真が良くなかったので、もう一度写真を撮って紹介し直そうと思って行ってみました。そこにはフユイチゴとヤブコウジの赤い実がたくさん。あんまりきれいだったので予定変更。左の写真がフユイチゴ、右がヤブコウジです。ともに株が増えていたので驚いて、そしてうれしかったです。小道は次の機会に。(Y)

2020年11月29日(日)
夢のような出来事

 自宅の周辺に、私の好きな4本の小道があります。棚田の一本道(11月12日の当欄)、雑木林の中の道(10月31日の当欄)、ため池に通じる道(写真左)、そして自宅北斜面の道(写真右)。ずっと前、この北斜面の道でササを刈っていたら、向こうからニホンアナグマの親1頭と子ども2頭がこちらに歩いてきます。「どうしよう、怖い」と思っていたら、私の5mほど手前で立ち止まり、穏やかにこちらを見ています。ところが、これなら大丈夫と不意に発した私の声で、3頭はくるりと向きを変えてもと来た道を戻っていきました。一度私の方を静かに振り向いて…。20年ほども前の夢のような出来事です。(Y)

2020年11月28日(土)
マコモの抜き取りとカヤネズミの巣

 水草の中で抜き取りが一番厄介なのがマコモです(写真左)。地下茎を張り巡らせてはびこるし、根っこも硬い。伸びた草を刈ってから、鎌で根茎を切りながら抜いていきます。作業をしていると見つかるのがカヤネズミの巣(写真右)。当地では巣材はマコモ、ススキ、トダシバ、チガヤ、チゴザサ、カサスゲなどですが、マコモやトダシバが多いです。ところで、私よりネズミの方がずっと敏感なので、成獣をちゃんと見ることも写真を撮ることもまだできていません(2017年1月6日の当欄)。成獣との出会いが待ち遠しいです。(Y)

2020年11月27日(金)
ヤゴ

 水草取りをしていると、トンボの幼虫「ヤゴ」に出会いました。ヤンマ系、シオカラ系、イトトンボ系など。左の写真はヤンマ系。体長5cmほどの大きなヤゴです。右はシオカラ系で体長約2cm。この仲間で春、一番初めに姿を現すのがシオヤトンボです。田んぼビオトープで冬を越して、伸びてきたマコモやミクリにつかまって羽化。来年はどんなトンボとの出会いがあるだろう。田の整備をしながら楽しみにしています。(Y)

2020年11月26日(木)
草刈りと草焼き

 左の写真は草焼き中(10月31日)。正面の雑木林は美しく紅葉していますが、右側の法面は草刈りをしていないのでセイタカアワダチソウなどが繁茂しています。右の写真は法面の草を刈って、熊手で掻き下ろして焼いた後のもの(11月22日。雑木林はほとんど葉を落としました)。草刈りをするだけではなく、刈草を集めて焼くと見違えるようにきれいになります。草を刈って焼く。時間はかかりますがきれいになるのは気持ちがいい。お天気と相談しながら、ゆっくりゆっくりです。(Y)

2020年11月25日(水)
長靴の前蛹が蛹に

 11月19日に長靴で前蛹になったジャコウアゲハの幼虫(写真左)が、11月24日に蛹になりました(写真右)。それにしても、11月9日には最後までいた3頭の幼虫がいなくなり、ウマノスズクサもすべて枯れてしまいました。朝晩の冷え込みがきつかったのによく生きていたものです。でも気温は低いし、今までの前蛹より少し小さいので蛹化は無理かもしれないと思っていました。しかし5日後に最後の脱皮をして無事蛹に。それぞれの生物が、それぞれのやり方で懸命に生きている。すごいなと思いました。(Y)

2020年11月24日(火)
ショウリョウバッタモドキ

 中山間地保全事業でブドウ畑を中心に、みんなで草刈りをしました(写真左)。草刈りの最中、足元に見慣れないバッタ(写真右)。いつか見たいと思っていたショウリョウバッタモドキに初めて会うことができました。暖かかったせいか、ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、ツチイナゴ、コバネイナゴ、クビキリギス等々、たくさん出てきて草刈りに気を遣いました。ショウリョウバッタモドキについては、いつもお世話になるYさんに教えていただきました。(Y)

2020年11月23日(月)
ニホンアカガエルとドジョウ

 この頃の日課は、寒い日は草刈り、暖かい日は田んぼビオトープの水草取りです。寒い日は生きものたちは地面の中など暖かい所に隠れるので、草刈り機での殺傷を少なくできるし、暖かい日は田んぼビオトープの中に入って作業をしても生きものたちは素早く逃げられます。水草取りは開放水面を広げて水を溜めるため。アカガエルやセトウチサンショウウオの産卵への備えです。写真は作業中に見つけた生きものたち。左はニホンアカガエル。お腹が卵でパンパンに膨らんでいます。右はドジョウ。ヒゲのようなものは、あごの下に隠れているそうです(岡山県自然保護推進員のYさんに教えていただきました)。(Y)

2020年11月22日(日)
楽しい幼虫時代

 左の写真はイヌザンショウの枝に並んでいる、飼育中のアゲハの幼虫2頭(10月2日撮影)。大きいほうの幼虫の腹部の先端にあるのはフンです。右の写真は、ウマノスズクサの1枚の葉にいるジャコウアゲハの幼虫たち(9月23日撮影)。見にくいですが7頭います。母蝶は1枚のウマノスズクサの葉裏にいくつも産卵するので、若齢幼虫の間はいつも集まっていて同じように成長します。ひたすら食べているチョウの幼虫を見ていると、人間の感情で考えるのは良くないですが、私には幼虫がいつも楽しそうに見えてしまいます。(Y)

2020年11月21日(土)
頭部の脱皮殻

 11月3日、前蛹になったクロアゲハの幼虫が最後の脱皮をして蛹になりました(写真左)。右はその時の脱皮殻。ヘルメットのような部分が頭部の、その左側が胸部、腹部の脱皮殻です。頭部の脱皮殻は形が崩れずに残るというのを初めて知りました。里山地域の当地に来て、そんな「初めて」がたくさんあります。(Y)

2020年11月19日(木)
ジャコウアゲハの幼虫と長靴

 夫が長靴をはこうとして、ふと見たらジャコウアゲハの幼虫が前蛹の状態で付いていたそうです(写真左)。食草のウマノスズクサはとっくに枯れてしまったのに、どこで生き延びていたのでしょう。これから最後の脱皮をして蛹になります。冬を越して、来年の初夏に無事羽化するまでこの長靴は使用停止です。右の写真は9月20日、まだ暑かった頃の賑やかなジャコウアゲハ幼虫の世界です。(Y)

2020年11月18日(水)
コロナ禍の中で

 今日は東京のコロナ感染者が493人で過去最多になりました。本来なら過ごしやすいいい季節。家族で外出が楽しい時期なのに、今年はこのいい季節を楽しむことができません。子育て、就職、学業等々、コロナで困っている人がたくさんいます。税金で休業手当を手厚くして人の動きを抑えない限り、コロナの終息は望めないような気がします。左の写真はリンドウ。初秋から咲き始めるけど、晩秋に咲くリンドウが好きです。右はフユノハナワラビ(シダ類)。花ではないけれど花の少なくなったこの時期にちょっとした華やかさを感じさせてくれます。(Y)

2020年11月17日(火)
コバネイナゴ

 左の写真は交尾中のコバネイナゴ。畔を歩いていた私の気配に気づいて、慌てて水に飛び込みました(10月27日撮影)。右は11月10日。今、田や畑で動くものがいたら、ほとんどがコバネイナゴです。朝晩の冷え込みにもかかわらず、暖かい日中は元気に活動しています。卵から幼虫、成虫へと成長して、次の世代に命を繋いで一生を終える。ここは里山地域。イナゴのふるさとです。(Y)

2020年11月16日(月)
ウマノスズクサとジャコウアゲハ

 今年はジャコウアゲハがたくさん産卵して幼虫が育ったので、畑のウマノスズクサの葉がなくなってしまいました。それで、3度自生地に葉を採りに行きました(9月20日の当欄)。自生地では頻繁に刈り取りが行われているようで、若い葉が生えているのに幼虫は全くいません。卵と幼虫ごと刈り取られたようです。ところでよく見ると、若い葉は低く刈り取られた茎からたくさん出ていました(写真左)。調べたら、ウマノスズクサの葉を増やすには地上0~5cmの低い位置で刈り取ることが大切とありました。母蝶はそんな若い葉に産卵します。来シーズンは刈り方、刈る時期を考えて、途中で葉が無くなることのないようにしたいです。右の写真はウマノスズクサの茎を食べる幼虫。茎もよく食べます。(Y)

2020年11月15日(日)
ジャコウアゲハの越冬蛹(その2)

 越冬蛹は人工物の高いところが多いと本で読みました。その通り、初めて見つけたのはガレージの梁で高さ2.5mほどのところでした(写真左、右の蛹もその付近)。でも、たくさん蛹があったのは人工物ではなくて落葉樹のサクラの枝です。どうして幹ではなく、雪や風の影響を受けやすい枝なのか。ヒイラギのような常緑樹ならともかく…。幼虫が蛹化する場所を選ぶ基準のようなものがあるのでしょうか。不思議がいっぱいです。来年の初夏にはオスが探雌飛翔にやってきます。そして、羽化直後のメスを見つけたらすぐに交尾するそうです。自分の子孫を残すために。そんな光景が見られるのを楽しみにしています。探雌飛翔については、竹入隆弘さんの著書「生態写真集 おかやまのジャコウアゲハ」を参考にさせていただきました。(Y)

2020年11月14日(土)
ジャコウアゲハの越冬蛹(その1)

 ジャコウアゲハの幼虫がすべていなくなりました。よく見ると、いろんなところで蛹になっています。ガレージの梁などで4つ、シイタケのほだ木とその支柱で1つずつ(写真左。高さ約20cm。雨がかからないように木の下側で)、ヒイラギの小枝で3つ、サクラの枝で8つ(写真右はその1つ)。シイタケの場所以外はすべて地上2~3mのところです。合計17個ですが、サクラの枝の蛹3つが何者かに襲われたようで壊れているので、残りは14個。無事越冬して羽化するのはどれくらいだろう…。(Y)

2020年11月13日(金)
山粧う

 立冬(11月7日)は過ぎましたが、このあたりでは今が一番山の紅葉(黄葉)が美しいです。「山粧う(よそおう)」秋です。朝夕の寒暖差が大きいせいか、今年はとりわけ美しい(写真左)。田の周辺ではあちこちで満開のチャノキ(茶の木)。うつむいて咲くので、今まであまり気に留めることがありませんでした。今年は花つきがよく、一つ一つの花もすごくきれいです(写真右)。「山眠る」冬はもうすぐ。「山笑う」春、「山滴る」夏、そして「山粧う」秋。古くからの日本語の表現の豊かさが大好きです。(Y)

2020年11月12日(木)
棚田の一本道

 昨年6月に遊びに来てくれた、ワイルドライフアート作家でカメラマンのTさん。後日、自身のブログで私たちのフィールドを紹介してくれました。その最初の写真が、棚田の中の軽トラがやっと通れるくらいの小さな地道。いつもよく利用する道ですが、ブログの写真を見て改めてこの道が好きになり、いろんな季節にカメラに収めています。Tさんはどうしてこの道を気に入ったのか。尋ねてみると、それは「昔は子どもたちがここを歩いて学校へ通っていた」という話がとても印象的だったから、ということでした。かつて、この道は2つの地区を繋ぐ近道で、人々の往来、小中学生の通学、周辺での大勢の農作業、秋には7段のはざ架け…。近所のおばあちゃんたちに聞いた話です。ここを通るたびに賑やかだった頃が思い浮かびます。(Y)

2020年11月11日(水)
幼虫脱皮

 レモンの木で11月1日に見つけたアゲハチョウ科の1齢幼虫(写真左。体長約2mm)。やわらかい葉はないし、朝晩の冷え込みがきついこの頃。育たないと思っていたのに、わずかずつ大きくなっています。そして今日見たら幼虫は脱皮直後でした。体長3mmの2齢幼虫です(写真右)。いつもは腹部の先端にある脱皮殻が頭部のそばに(食べるために移動した?)。黒く光っているのは頭部の脱皮殻です。(Y)

2020年11月10日(火)
ヒイラギの花とジャコウアゲハの蛹

 田んぼビオトープからの帰り道、小道の脇でヒイラギの花が咲いていました(写真左)。小さいけれど純白できれいな花を撮影しながら、ふと上を見たら、地上2mほどの枝でジャコウアゲハの真新しい蛹を見つけました(写真右)。一時はウマノスズクサにたくさんの幼虫がいましたが、昨日までいた最後の3匹もいなくなりました。この蛹はそのうちの1匹かもしれません。季節の移ろいを生きものが教えてくれます。(Y)

2020年11月9日(月)
クビキリギスの成虫と幼虫

 以前に撮った写真を整理していたら、クビキリギスの写真が見つかりました。クビキリギスの成虫の口(大あご)はすごく赤いです。ほとんどは背側から撮影や観察をしますが、今回見つかった写真は腹側から撮ったもの。背側から見ていたのでは気づかない、驚くような大あごの赤さ(写真左。10月19日撮影)。そんな成虫に対して、幼虫の大あごは黄色です(写真右。9月26日撮影)。これもまた初めて知ったこと。自然観察の面白さに気付き始めたところです。(Y)

2020年11月8日(日)
青空と紅葉とアカタテハ

 昨日は小雨が降り続く一日でしたが、今日は暖かい穏やかな天気になりました。雑木林の樹々がさらに色づいてきました。左の写真には4種類の樹があります。左からまだ緑色のキリ、赤いウワミズザクラ、黄色く色づき始めたエノキ、そして右端が濃赤色のゴンズイ。青空に映えてきれいです。陽気に誘われて、アカタテハもやってきました(写真右)。翅を広げたり閉じたり。アカタテハの美しさにも、しばらく浸っていました。(Y)

2020年11月7日(土)
クモの網

 先日、ガレージの隙間を覗いたら、クモの網に付けられていた卵のうから子グモが出ていました。子グモたちは団居中(写真左、奥にぼんやり写っているのが母グモです10月31日撮影)。同じ網にかかっていた獲物は体長約4cmの子どものニホンヤモリ(写真右)。母グモは体長1cmほど。そんな小さなクモが作った網にヤモリが掛かるなんて…。網はよっぽど強いのでしょうか。今日見たら、子グモたちは脱皮殻と空になった卵のうを残して、みんな旅立っていました。団居(まどい)については6月7日の当欄をご覧ください。(Y)

2020年11月6日(金)
樹々の紅葉(その2)

 左の写真はケヤキ、右はゴンズイです。ゴンズイの花にはチョウやカミキリなど、たくさんの昆虫がやってきます。また、実も紅葉も美しい。大好きな樹の一つです。青空と紅葉と…。気持ちのいい季節は足早に過ぎていきます。(Y)

2020年11月5日(木)
樹々の紅葉(その1)

 樹々の色付きが深みを増してきました。日中は暖かくなっても夕方になると急速に気温が下がるので、10月中頃からはストーブが欠かせません。先月末から一昨日まで、キッチンの部分的リフォームをしました。たった5日キッチンを使えなかっただけですが早々に根をあげました。でも職人さんの技と私の苦労(?)の甲斐あって、使い勝手のよい素敵なキッチンになりました。今、食器など少しづつ整理しながら納めています。断捨離のいい機会にもなりました。左の写真は色づいてきた雑木林の中の小道。右はウワミズザクラの紅葉。今年は秋の冷え込みが早いせいかとても美しいです。手前はまだ緑色のエノキです。(Y)

2020年11月3日(火)
クロアゲハの蛹化

 今日、飼育しているクロアゲハの最後に残っていた幼虫が蛹になりました。脱皮を始めて2時間ほどで蛹化(写真左)。それからおよそ2時間後には、見慣れたクロアゲハの蛹の形になりました(写真右)。脱皮終盤には体を激しくくねらせますが、体が後ろに傾いていくときはゆっくり静かに進行。脱皮直後と時間がたってからでは蛹の形が変わるのが不思議でしたが、今日やっと経過を観察することができました。(Y)

2020年11月2日(月)
トノサマガエル

 少し前のことですが…。9月27日、やっと少し涼しくなったので、7月の長雨で崩れた田んぼビオトープの堤防を直していました。その時、すぐそばに体長10cmほどのメスのトノサマガエルが現れました(写真左)。さらに近くの塩ビパイプの上にオス(写真右)。オスが移動したあとに、先ほどのとは違う個体で同じくらいの大きなメス。田んぼビオトープにトノサマガエルが増えました。来春には、ここ2~3年見ていない産卵が見られるかな。ちょっと期待しています。(Y)

2020年11月1日(日)
コロナの流行

 早いもので11月です。東京にいる娘が4月末に出産。コロナの流行で会えないうちに孫は6か月になりました。夫婦で協力しながら、子育て何とか頑張っているようです。長引くコロナ禍で失業、倒産等々大きな影響を受けている人がたくさんいます。こんな時こそ、失業・休業手当、子育て環境の充実など国民のために税金を有効に使ってほしいと切に願います。さて、左の写真はリンドウ、右は草焼き中の写真で、煙の向こうに見えているのが自宅北斜面の雑木林。紅葉の美しい季節になりました。(Y)

2020年10月31日(土)
小さな秋、見つけた

 左の写真は自宅近くにある自生の柿。毎年少しだけ小さな実がなるのですが、今年は豊作。大きさも例年より一回り大きくて5~6cmほどあります。これが熟すといろんな鳥たちが来て、すぐに食べつくすのだろうな。この柿の木から少し行くと雑木林の中の小道に出ます(写真右)。大きな葉はホオノキの落ち葉。落ち葉の上を歩くと、カサカサという音が耳に心地よいです。(Y)

2020年10月30日(金)
コカマキリとジャコウアゲハ幼虫

 左の写真は、ウマノスズクサの葉を夢中で食べている体長約4cmのジャコウアゲハ幼虫と、幼虫を狙うようにじっと見ているコカマキリ。果たしてこのあとどうなるか…。でも、あまりの大きさの違い。無駄な戦いはやめさせようとコカマキリを離れた場所に移動させました。地面に目をやれば、体長2cmほどのジャコウアゲハ幼虫が移動中(写真右)。5対の腹脚で意外なほどのスピードに驚きました。以前なら気持ち悪いだけの存在が今ではいとおしい。ともに生きる仲間です。(Y)

2020年10月29日(木)
蛹化、真っ最中

 3日ほど前にガレージの梁、地上およそ3mの所で前蛹になったジャコウアゲハの幼虫を見つけました。毎日時間を見つけては観察していましたが、今日いつもと様子が違うのに気づきました。黒い皮の一部が割れていて、脱皮が始まったばかりのようです(写真左。慌ててフラッシュもたかず上を見上げて撮ったのでピンボケ)。その後、脚立に上って近い距離から撮影(写真右。黒い脱皮殻が落下した直後)。左の写真を撮った時から右の写真まで7分ほど。脱皮の速さにびっくりです。貴重な瞬間に立ち会えて幸運でした。(Y)

2020年10月28日(水)
前蛹のレスキュー法(その2)-保護ポケット-

 10月13日の当欄で、クロアゲハの幼虫が蛹になるためのレスキュー法を紹介。幼虫は15日に無事蛹になりました。次はその蛹を羽化させるための保護ポケットを紙で作りました。何度か試してみましたが、ポケットに入れようとすると蛹の腹部が動くので中止。今日も動きましたが思い切って入れました。(写真左・右)。蛹になったらもう動かないと思っていましたが、腹部は動くのでしょうか。寒いので成熟が遅い? もう少し時間がたてば動かなくなる? 不思議は募りますが、今はとにかく来年の春に無事羽化することを楽しみにしています。(Y)

2020年10月26日(月)
ヒシバッタの脱皮殻

 田んぼビオトープ周辺でよく見る小さなヒシバッタ(ヒシバッタ科)。体長1cmほど。先日、畔道を歩いていたらヒシバッタを見つけました。そばには脱皮殻(写真左)。脱皮直後のようです。初めて見たヒシバッタの脱皮殻はすごくきれいでした。右の写真も同じヒシバッタの仲間。ヒシバッタ類は可愛いバッタですが、小さくて似たものが多いので種類はよくわかりません。(Y)

2020年10月25日(日)
センブリとヤマハッカ

 雑木林の小道でセンブリが満開になりました(写真左)。田んぼではシソ科のヤマハッカが盛りを少し過ぎたところ(写真右。10月13日撮影)。この花が群生していると、青い花が輝くように美しいです。ハッカと名前がついていますが、ほとんど匂いません。(Y)

2020年10月24日(土)
眼状紋

 アオスジアゲハ(以下アオスジ)幼虫の眼状紋は、クロアゲハ(以下クロ)など他のアゲハ類のものと比べるとかなり小さいです。アオスジの眼状紋をちゃんと見たくて、アオスジとクロの終齢幼虫を正面からアップで撮影しました。左がアオスジ、右がクロです。アオスジは黒っぽい角のような部分が眼状紋です。ところで眼状紋は眼のようですが実際には胸部にある「紋」であって眼ではありません。実際の眼は、頭部にごく小さなもの(明暗しかわからない)があるだけです。頭部はそれぞれの幼虫の一番下の部分、アオスジでは葉に接している緑色の部分、クロでは白っぽい色の部分です。アゲハ類の幼虫を上から見ると頭部は隠れて見えないことが多いので、眼状紋を眼だと思ってしまいますね。(Y)

2020年10月23日(金)
サワガニとケラ

 昨日からの雨が止んで日中暖かくなったので、先日から始めた水路の泥上げと水草抜きの続きをしました。泥の中で越冬する生きものが多いので作業は寒くなる前に終わらせたいのですが、いつも年を越してアカガエルの産卵期直前までかかってしまいます。今シーズンは何としても暖かいうちに終わらせたい…。作業中に出会った生きものたち。サワガニ(写真左)とケラ(写真右)。ほかに、アカハライモリ、アカガエル、カナヘビ、コバネイナゴ等々。生きものの賑わいが作業の励みです。(Y)

2020年10月21日(水)
アオスジアゲハの幼虫

 9月14日にシロダモの葉で見つけた、体長約2mmのアオスジアゲハ幼虫(9月28日の当欄)が終齢になりました(写真右)。体長は約2.5cm。寒くなったせいか、あまり食べないので大きくなりません。それでも、もうすぐ蛹になりそうです。左の写真は終齢になる前(10月5日撮影)。青い角のようなものが3対あります。右の終齢幼虫では角は小さくなり、黄色い帯が目立ちます。そして帯の両端には眼状紋が。アオスジアゲハの眼状紋は、他のアゲハ類と比べてとても小さく、この写真ではほとんどわかりません。(Y)

2020年10月20日(火)
再びウマノスズクサ自生地へ

 ジャコウアゲハの幼虫が育ってよく食べるので、ウマノスズクサの葉がまた不足気味です。そこで9月に行った自生地(9月20日の当欄)に再び採りに行きました。ところが、前回の場所はきれいに草刈りされて全く残っていません。困ってしまったけれど諦めず周辺を探すことに。すると少し離れた場所に、草刈り後に再び伸びたと思われる若い葉の群生を発見。よかった、やれやれ。早速株を持ち帰って植木鉢に植え、葉が少なくなった場所(写真左)にくっつけて置いてやりました。しばらくすると幼虫が移動してきました(写真右)。今、体長1.5cm~4cmのものが20頭ほどいます。カマキリに食べられることはあっても、餓死だけは避けたい。早く蛹になってよ、と祈るような気持ちです。(Y)

2020年10月19日(月)
水路の泥上げ

 アカガエルが水のある田んぼビオトープに集まってきました(写真左。ニホンアカガエル)。晩秋になると、アカガエルはそれまでいた雑木林や畑などから水辺に集まります。産卵期は2月~3月。寒い時期の移動を避けるためでもあるでしょう。田んぼビオトープ4つのうち、満水なのは1つだけ。あとの3つは水がほとんどありません。産卵期までに水を溜めるために、水路の泥上げは大切な作業です。作業中に見つけたクビキリギス。赤い口(大あご)を初めて見ることができました(写真右)。想像していた以上に赤かったです。(Y)

2020年10月18日(日)
ピンク色のツチイナゴ幼虫

 ツチイナゴの成虫がたくさん見られるようになりましたが、まだ幼虫のものも少しいます。ツチイナゴは成虫で越冬し、初夏に産卵するので夏から幼虫が見られるようになります。今年は初めて、ピンク色のツチイナゴの幼虫を4頭も見つけました。1頭目は薄いピンク(9月19日の当欄)、あとの3頭は濃いピンク色(写真はそのうちの2頭)。最初は、幼虫が畑の赤シソをよく食べていたのでそのせいかなと思いました。でも、こういう色が現れるのは食べ物と関係なく、バッタの仲間ではよくあることだそうです。(Y)

2020年10月17日(土)
ヤクシソウとアキノキリンソウ

 「ヒッ、ヒッ、カッ、カッ」という特徴ある鳴き声とともに、ジョウビタキが飛来しました(10月15日)。自宅から少し離れた田の様子を見ようとカメラを持って歩いていたら、電線に10羽ほどの小鳥たち。私のカメラではゴマ粒ほどにしか撮れなかったけれど、何とかアトリと確認できました。ヤクシソウ(写真左)とアキノキリンソウ(写真右)が満開。秋は急速に深まっていきます。(Y)

2020年10月16日(金)
アゲハの羽化 その2

 コードから外した蛹は黒ずんで、殻の一部が線状に破れています。これはダメ、蛹は何か訳があって壊れて死んでしまったみたい。残念だけど後で観察してから捨てようとそのまま台の上に載せておきました。そしてしばらくたって…。えっ!部屋の壁にアゲハが(写真左)。そして台の上には脱皮殻(写真右)。生きていたのです。蛹が破れてしまったと思ったのは、羽化が始まって割れたのです。なんと羽化が始まった、そのタイミングで外してしまったようです。蛹が黒ずんでいたのは翅の色が透けて見えていたのです。蛹のまま冬越しするのだとばかり思っていたので、今頃羽化するのがいるのだとちょっと驚きでした。ともかく無事羽化できてよかった。(Y)

2020年10月15日(木)
アゲハの羽化 その1

 瓶に挿したイヌザンショウの葉を食べて大きくなったアゲハの終齢幼虫。そろそろ移動を始めるので飼育容器に入れなければ、と思っていた矢先に行方不明に。探していると床から3mほどの高さにあるコードで蛹になっていました。(写真左。9月27日撮影)。近々ストーブも焚き始めるので部屋の中ではよくない。それで、蛹を外して飼育容器に入れ、室外に出すことにしました。右は外す直前の蛹。10月12日撮影です。(Y)

2020年10月14日(水)
里山の秋

 休耕田に作っている畑で、サツマイモ3畝のうち1畝の収穫をしました。昨年までは「紅あずま」でしたが、今年は「鳴門金時」を植えました。去年はイモが大きくなりすぎてあまり良い出来ではありませんでした(2019年11月8日の当欄)。今年は店に出ているようなスマートなものではありませんが、ちょうどいい大きさです(写真左)。すぐそばには満開のコスモスの花(写真右)。晩御飯は蒸し野菜。サツマイモが美味しかったこと! (Y)

2020年10月13日(火)
前蛹のレスキュー法(その1)

 クロアゲハの幼虫(前蛹?)が腹部の先端を飼育箱の壁につけたまま逆さまにぶら下がっていました。体を支える帯糸をうまく張れなかったようです。このままでは蛹になれないでしょう。どうしようか? そう、以前に伊丹市昆虫館のYouTubeで見た、このような幼虫を助ける方法を思い出しました。ティッシュペーパーをアイスクリームのコーンの形に巻いてフィルムケースに入れ、その中に幼虫を入れるのです(写真左。幼虫は驚いて赤紫色の臭角を出しています)。2日後、無事に蛹になりました(写真右)。このあとのことは後日に。(Y)

2020年10月12日(月)
ハラビロカマキリとスジボソヤマキチョウ

 大阪にいるTさんのブログに「カマキリが我が家からいなくなりつつある」とありました。それで、ちょっと気になって畑周辺を見に行きました。いたいた! シオンの花の上にお腹の膨らんだハラビロカマキリ(写真左)。すぐ近くにはスジボソヤマキチョウ(写真右)。間近で見るのは初めて。吸蜜に一生懸命で、おかげでじっくりと美しさを堪能することができました。カマキリも多くのチョウも、都市化するとすぐにいなくなります。都市部にコリドー(回廊)のように広がる里山環境があれば野生生物も、そして人も今よりずっと生きやすくなるのに…。(Y)

2020年10月11日(日)
ノコンギクとスイカズラ

ノコンギクが盛りを迎えました(写真左)。株が増えて、田の畔や法面などで素朴できれいな花を咲かせています。また、一か所だけなのですが、初夏の花スイカズラが再び咲き始めました(写真右)。二度咲きの株なのか、ここでは毎年秋にも咲くのです。つる植物で、はびこると厄介なので根元から切ってしまうことが多いけど、ここのは伸びすぎたつるを軽く切るだけにしています。花は気品があって美しいので大好きです。(Y)

2020年10月10日(土)
クロアゲハとモンキアゲハの幼虫

 クロアゲハ(以下クロ)とモンキアゲハ(以下モンキ)の終齢幼虫の写真をを見比べました。左は前回と同じ写真でクロ、右はモンキです。色の違いは撮影条件の違いでできたもので、実物は同じような色です。見分けるポイントは、やはり腹部の斜めの帯。クロはつながっていますが、モンキでは背の部分で途切れています。色もモンキの方が濃い。やっと、この3種の違いが確認できました。それにしてもよく似ています。意識して見ないと区別できないものですね。(Y)

2020年10月9日(金)
アゲハとクロアゲハの幼虫

 アゲハチョウ科を幼虫時代からわかるようになりたいと思いつつ、つい日が過ぎてしましました。今日は思い立って2種の終齢幼虫の写真を並べてみました。左がアゲハ、右がクロアゲハです。特に違いがわかりやすいのは、腹部の斜めの帯。アゲハは青緑色ですが、クロアゲハは淡茶褐色の網目模様です。これを覚えておけばもう大丈夫。次回は、クロアゲハとモンキアゲハの終齢幼虫を見比べてみたいと思います。(Y)

2020年10月7日(水)
棚田のコスモス2020

 今年も棚田にコスモスを植えました。例年タネを直接ばらまいていましたが、どうしても密なところと疎なところができてしまいます。それで今年は半分は直播で、半分はポットで苗を育ててから移植しました。8月に雨がほとんど降らなかった時は、毎日軽トラで水運び。苦労の甲斐あってか今年のコスモスは、今までで一番きれいです。田の近くのおばあちゃんたちが喜んでくれてよかった。ちなみに直播も移植もあまり変わらないようです。(Y)

2020年10月6日(火)
方向転換

 イヌザンショウの細い枝の上で右を向いていたアゲハの幼虫が、急に頭部を左に向けました(写真左)。何をしているのかと見ていたら右向きから左向きへと方向転換(写真右)。幼虫には胸部に3対と腹部に5対の脚があります(写真右。前方の尖った3対が本来の脚で後方のイボのような5対が幼虫時代だけの脚)。8対の脚で、細い枝の上での危なげない巧みな方向転換でした。(Y)

2020年10月5日(月)
シバグリとヒガンバナ

 シバグリの季節になりました(写真左)。拾うのが楽しくて、後のこと(皮むき)を考えずつい拾ってしまいます。そのままにしておくとイノシシが来るという心配も。イノシシはクリが大好物なのです。さてさて、明日は栗ご飯にしようかな…。右の写真はヒガンバナ(9月24日の当欄に咲き始めを取り上げました)。今年は草刈りを頑張ったせいか、例年になくたくさん咲いて一つ一つの花もすごくきれいです。(Y)

2020年10月4日(日)
サワガニの稚ガニとキタテハ

 夕方4時を過ぎてから、田んぼビオトープの水草抜きに行きました。他の田んぼビオトープが干上がっても、ここだけは一年中水がなくならない場所。わずかに水が湧いているようです。そのせいか水がきれいでサワガニが棲んでいます。作業中に甲羅の幅5mmほどの稚ガニを見つけました(写真左)。サワガニのメスはお腹で卵や幼生を抱えて稚ガニにまで育てるそうで、今は稚ガニがお腹から離れて独り立ちする時期。毎年この季節に稚ガニがよく見つかります。すぐ近くではキタテハが眠りに就いていました(写真右)。起こさないように、そーっと移動。おやすみなさい、キタテハ。(Y)

2020年10月3日(土)
ノビタキと秋の空

 ノビタキが立ち寄ってくれました(写真左。9月28日撮影)。ノビタキは、春は北にある繫殖地へ、秋は南の越冬地に向かう途中で当地にも立ち寄ります。今まではノビタキらしいのがいると思っても、すぐ逃げるので確認できずにいました。今回やっとカメラに。見上げれば秋の空(写真右)。気持ちのいい一日でした。(Y)

2020年10月2日(金)
クサキリ

 左の写真はキリギリス科のクサキリ。右は同じ個体のお腹側。背中側から見たのとお腹側からとでは、随分とイメージが変わります。今年はバッタ科とキリギリス科の昆虫を幼虫から飼育したかったのですが、チョウの幼虫やセトウチサンショウウオ幼生の飼育に追われてできませんでした。来年こそバッタ・キリギリスの仲間の飼育をして、じっくりと観察したい。幼虫時代から名前がわかるようになりたいです。(Y)

2020年10月1日(木)
コミスジとアサマイチモンジ

 左の写真はコミスジ、右はアサマイチモンジです。どちらも翅がボロボロ。危険に遭遇するたびに、何とか生き延びてきたのでしょう。後ろ脚がとれたバッタ類もそうですが、このような昆虫を見ると、妙な感情移入は良くないとわかってはいても、つい胸が熱くなるような感覚になります。(Y)

2020年9月30日(水)
ベニシジミ

 ベニシジミというとすぐ頭に浮かぶのは、春型の鮮やかな赤褐色のチョウです(写真左、4月17日撮影)。実際には翅の色は季節とともに深みを増していきます。このことを知って、秋にもベニシジミの写真を撮りました(写真右、9月22日撮影)。春と秋では随分と色が変化しています。身近にたくさんいるチョウですが、ちゃんと見ていなかったことに気づかされました。(Y)

2020年9月29日(火)
脱皮殻

 畑の防鳥ネットに大きな脱皮殻があるのに気づきました(写真左)。すぐ上を見たら、羽化直後と思われる体長5~6cmの大きなツチイナゴの成虫(写真右)。脱皮殻はこのツチイナゴの羽化殻に違いありません。このように脱皮殻のそばに殻の主がいることが多いので、脱皮殻を見て種類が少しだけわかるようになりました。(Y)

2020年9月28日(月)
アオスジアゲハの幼虫

 9月14日にシロダモ(クスノキ科)の葉で、体長2mmもないアオスジアゲハの幼虫を見つけました(写真左)。ちゃんと見なければゴミと間違えそうです。飼育して2週間たち、体長は約2cmになりました(写真右)。これからの変化が楽しみです。同じアゲハチョウ科でも、幼虫の姿形も食草も様々。不思議ですごく面白いです。(Y)

2020年9月27日(日)
秋の風情

 今日は一日爽やかなお天気。久しぶりに田んぼビオトープで堤防や排水口を直したり、はびこった水草取りをしました。9月も雨があまり降らないので、4つの田んぼビオトープのほとんどが干上がったままです。アカガエルやセトウチサンショウウオの産卵までに、こらからうーんと頑張ります! 畑の電柵線には真っ赤なナツアカネが休憩中。休耕田ではススキが満開。猛暑の夏が終わりました。(Y)

2020年9月25日(金)
変身

 左の写真は、緑色が透けて見えてきたアゲハチョウの4齢幼虫です。明日くらいに脱皮だろうと思っていたのに、3時間後にはすでに脱皮を終えて緑色の終齢幼虫になっていました(写真右)。幼虫を野外で自然のまま観察していると、いつの間にかいなくなってしまうことが多いです。天敵が多いのでしょう。それでごく一部の幼虫を家の中で保護しながら観察することにしました。今はアゲハアオスジアゲハの幼虫と同居中。チョウたちは脱皮も羽化も静かに、気づかないうちに終えてしまうので、身近にいても大きな変化の瞬間に立ち会えることはほとんどありません。(Y)

2020年9月24日(木)
やっと、秋!

 ヒガンバナが咲き始め、コバノガマズミの実が赤く色づいてきました。まだまだ日中の日差しはきついですが、朝晩は寒いくらい。ようやく秋本番です。(Y)

2020年9月23日(水)
オオカマキリ

 草刈りの時に見つけたオオカマキリです。安全な場所に移動させてやろうとしたら、手袋をした私の手の上で「鎌」(前脚)と後脚の手入れを始めました(写真左・右)。後ろ脚を簡単に口に持っていくのにビックリ! カマキリの後ろ脚がすごく長いことに今頃気づきました。カマキリもまた魅力的な生きものです。(Y) 

2020年9月21日(月)
ウマノスズクサ自生地へ(その2)

 自生地の近くに棚田百選で有名なところがあり、帰り道に見に行きました。稲刈りはほとんど終わっています(写真左)。帰宅して、採ってきた株を畑に植えました。右の写真は、畑のウマノスズクサ葉裏に集まっているジャコウアゲハの若齢幼虫(体長約8mm)です。幼虫は赤・白・黒の3色で肉質突起があります。毎日見ていると愛嬌のようなものを感じ、妙なたとえですがオムツをした幼子のようです。だから幼虫がたくさんいる畑は、まるで保育園! 自生地のウマノスズクサのおかげで餓死させず何とかなりそうです。(Y)

2020年9月20日(日)
ウマノスズクサ自生地へ(その1)

 畑のウマノスズクサに終齢幼虫が10頭ほど、卵と若齢幼虫が40以上。これらを餓死させないために、ウマノスズクサの自生地に株を探しに行きました。5年位前に見つけた場所で、今はもう生えていないだろうとあまり期待していませんでした。でもありました! ただ、最近草刈りが行われてその後にまた出てきたもののようで、若い葉ばかりです(写真左)。葉には卵もなければ幼虫も全くいません。きっと、草刈りの時に卵や幼虫が葉についたまま刈り取られたのでしょう。ジャコウアゲハを保護するためには草刈りの時期が重要だということが理解できました。右の写真は農道沿いの自生地。舗装に近い部分にウマノスズクサが出てきています。少しだけ株を採らせてもらいました。(Y)

2020年9月19日(土)
あー、勘違い

 畑で青しそを熱心に食べていた、少しピンク色がかったツチイナゴ幼虫(写真左)。そのすぐそばでじっとしていたフキバッタ。次の瞬間、フキバッタはツチイナゴに飛びつきました(写真右)。フキバッタは交尾の相手を間違えたようで、地面に落ちたツチイナゴは必至で抵抗。ようやく両者が離れたのは1~2分後。カエルではよくありますが、昆虫でも間違えることがあるのですね。(Y)

2020年9月18日(金)
畑で

 自宅そばの畑で作業をしていた時に出会った生きものたち。左の写真はオクラの葉にいたアマガエル。右はエンマコオロギ(メス)です。エンマコオロギはこの時期どこにでもたくさんいますが、すばしっこくてなかなかうまく撮れません。初めて撮れた、私としては自慢?の一枚です。(Y)

2020年9月17日(木)
ジャコウアゲハの孵化

 2012年にウマノスズクサを植え、2017年初夏に初めてジャコウアゲハの産卵がありました。その後産卵がなく残念に思っていたら、今年は初夏からひっきりなしの産卵。今は今シーズン最後の産卵のピークが終わったところです。この卵は無事育つと蛹の状態で越冬し、来年初夏に羽化します。昨日、卵が付いている葉をそーっと裏返すと、ちょうど孵化が始まったばかり(写真左)。卵の殻から幼虫の黒い頭部がのぞいています。右の写真は卵から出たばかりの幼虫(体長約2mm)が卵の殻を食べているところ。心配はウマノスズクサの葉がほとんど無くなってきたこと。これだけの幼虫を餓死させないため自生地に採りに行くつもりですが、今でも生えているだろうか? 来年に向けて畑の株を根分けなどで増やすことも考え中です.(Y)

2020年9月16日(水)
ホームセンターの楽しみ方

 昨日、ユズの苗木を買いにホームセンターに行きました。ユズの木もほしかったのですが、今回はそれよりアゲハチョウ幼虫の食草確保が目的です。家のレモンやカラタチの木に今までになくアゲハ類がたくさん卵を産んだので、幼虫に食べられて葉がほとんどなくなってしまったのです。ホームセンター屋外の苗木コーナーでは、柑橘類の苗木でアオマツムシが翅を震わせて鳴いているし、アゲハも産卵しようと飛び回っています。カメラを忘れたことを後悔しました。ユズの苗木の1本にアゲハの卵が2個付いていたのでやはりその木を選んでしまいました。ホームセンターの苗木売り場もいろいろ楽しめます。写真はともに我が家のカラタチの葉にいたアゲハ類の幼虫。名前はこれから調べます.(Y)

2020年9月15日(火)
ヤクシソウとシオン

 朝晩涼しく、しのぎやすくなりました。日中はまだ日差しが強いですが、吹く風は爽やかです。自宅周辺ではヤクシソウ(写真左)が、畑ではシオン(写真右)が咲き始めました。どちらも昆虫がたくさん吸蜜に集まります。毎年シオンの花に来るスジボソヤマキチョウも間もなく姿を見せるでしょう。楽しみです。(Y)

2020年9月13日(日)
ツチイナゴ

 今日、今シーズン初めてツチイナゴの成虫を見つけました。体長約6cmです(写真左)。越冬した成虫が春に産卵し、その卵が孵化して何度も脱皮を繰り返して成虫になったのです。まさに「命は巡る」。人と野生生物ではもちろん違いますが、生活サイクルの短い昆虫などを見ていると、「死」は終わりではなく始まりであると考えるようになりました。畑には今、若齢から終齢までたくさんのツチイナゴの幼虫がいます(写真右)。(Y)

2020年9月12日(土)
シュレーゲルアオガエル

 ジャコウアゲハを家の周りでよく見かけるようになりました。メスは産卵に、オスは羽化したばかりのメスといち早く交尾するために蛹を探しています。自分の子孫を残そうと一生懸命です。今日はチョウの蛹がよく見つかる敷地北斜面に行ってみました。蛹は見つからなかったけど、シュレーゲルアオガエルを見つけました。カメラを向けると次々といろんなポーズ。写真は特に気に入った2枚です。(Y)

2020年9月11日(金)
コバネイナゴとハネナガイナゴ

 イナゴの季節になりました。休耕田にも自宅周辺や畑にもたくさんいます。大阪の友人のブログに、庭にハネナガイナゴが来たとありました。タイトルは「珍客」。友人の住んでいる辺りにはイナゴが発生するような場所はないということです。当地の里山のような所がイナゴの発生する場所で、都市化が進むとすぐにいなくなってしまうのでしょう。コバネイナゴでも翅の長いのがいるそうで、私には2種の区別がつきません。左の写真は翅が短いのでコバネイナゴ、右は長いのでハネナガイナゴだと思うのですが。間違いであれば、ご教示いただけるとありがたいです。(Y)

2020年9月10日(木)
ダイミョウセセリの羽化

 今朝ダイミョウセセリの蛹(写真左)を見たらすごく黒くなっていたので、今日にも羽化するだろうと思いました。蛹化した時(9月4日の当欄)は上になっていた頭部が下になっていますが、これは葉を綴り合せていた糸を撮影のため切ったためだと思います。さて、朝から用事で出かけていて夕方帰宅してみると、やはり飼育箱の中で羽化していました。写真を撮ろうと飼育箱のフタを開けたら、あっという間に飛んでいきました。右の写真はフタを開ける前に撮ったもの。プラスチックの窓越しですが、羽化したての美しいダイミョウセセリです。(Y)

2020年9月8日(火)
コナギとオモダカ

 朝晩涼しくなったので、外の作業が少し楽になりました。草の勢いがすごいので、今日は何とかしようと草刈りをしました。ススキやセイタカアワダチソウなど背の高い草がはびこって、草刈り機で力ずくで倒すような感じで刈っていきます。今のところ疲れる割に成果は見えませんが、毎日少しずつ刈ればそのうち成果も見えてくるだろうと…。作業に向かう途中、田んぼビオトープで見た青色のコナギ(写真左。白い花はミズオオバコです)とオモダカ(写真右)の美しさに、しばし心が和みました。(Y)

2020年9月7日(月)
トノサマバッタ

 トノサマバッタは年2化性。越冬した卵が春に孵化して幼虫が現れます。その後何度か脱皮をして終齢幼虫(写真左)になります。ロボットのような姿をした終齢幼虫を初めて見たとき、「かわいい」と思いました。大阪にいたときも成虫(写真右)は見たことがあります。でも、幼虫が何度も脱皮を繰り返して成長し、成虫になるのを見た人はほとんどいないと思います。卵は土の中に泡に包まれた状態であるそうです。卵も見てみたい。生きものの一生を見られることの幸せ。このような環境を大切に保全しなければと強く思います.(Y)

2020年9月6日(日)
キリギリス

 朝晩涼しくなりました。このまま涼しくなってほしいし、まとまった雨もほしい。超大型台風10号はやや勢力を弱めたようで少しホッとしています。大きな被害が出ないことを祈るばかりです。さて、左の写真は昨日紹介したヤブキリの幼虫と同じころに現れるキリギリスの幼虫です(5月2日撮影。体長約1cm)。背の2本のラインでヤブキリの幼虫と区別することができます。右はバッタを食べているキリギリスの成虫(2017年8月5日撮影)。キリギリスもヤブキリと同じように産卵したあと一生を終えます。(Y)

2020年9月5日(土)
ヤブキリ

 昨日、畑で作業をしていたら、盛りを過ぎたケイトウの花で久しぶりにヤブキリを見つけました(写真左)。ヤブキリはメス。これから産卵し、卵に命を託して一生を終えます。そして来年の春、卵が孵化して幼虫が誕生(写真右は今年の4月に撮影した体長約1cmの幼虫)。毎年繰り返される命の営みです。(Y)

2020年9月4日(金)
ダイミョウセセリの蛹化

 ヤマノイモの2枚重なった葉を糸で留めた「巣」(写真左)の中で、ダイミョウセセリの幼虫が蛹化していました(写真右)。初めて見たダイミョウセセリの蛹。大きさは1.5cmほどです。なんて美しいのだろうと思いました。右の写真の左下にあるのは前蛹の脱皮殻。黒いのは幼虫のトレードマークだった黒い頭部です。羽化する時は、チョウが「巣」から出て翅を広げるのでしょう。無事羽化して飛び立つまで見逃すことのないようにしたい。今からすごく楽しみです。(Y)

2020年9月1日(火)
サワヒヨドリ

 9月になりました。日中はまだまだ厳しい猛暑ですが、朝夕は少し過ごしやすくなったと感じます。朝の早い時間に短時間の草刈りなどを始めました。田んぼに作業に行くときは、軽トラで行くか畦道を歩くかを選んで。今日は歩いて行くことにしました。途中、満開のサワヒヨドリがとても美しかったです(写真左)。花にいたのはコアオハナムグリ(写真右)。どんなに暑くても、自然は季節の移ろいを教えてくれます。(Y)

2020年8月31日(月)
ダイミョウセセリ終齢幼虫

 昨夜、ビンに挿したヤマノイモのツルにいるはずのダイミョウセセリ幼虫がいません。探していたら、高さ3mほどのところのケーブルの上にいるのを発見!(写真左)。ヤマノイモの葉の交換を忘れていたので、餌を求めて移動してしまったようです。新鮮な葉に移して(写真右)、念のため飼育容器に入れました。今は2枚重なった葉を糸で留めた「巣」の中にいます。調べたら、「巣」の中で蛹になるそうです。無事羽化してチョウになるまでの変化をじっくりと見たい。なんて魅力的な生きものたち!(Y)

2020年8月30日(日)
草刈り

 7月は雨続き、8月は連日35℃前後の猛暑。おかげで草刈りなど外の作業がほとんどできませんでした。それでも放っておくわけにもいかず、4、5日前から朝のうちの短時間だけ草刈りを始めました。ススキやセイタカアワダチソウが伸び放題で刈るのにも力が必要。終わるころには汗だくですが、吹く風と飛び交うツバメの姿にほっとします。写真は草刈り前と後。右の写真の奥に黄色く見えているのは、この棚田で唯一農家の方がお米を作られている田。もうすぐ稲刈りです。(Y)

2020年8月29日(土)
雨を待ちわびて

 7月は毎日のように雨が降ったのに、8月はまとまった雨は何と1日だけ。それも割合短時間でやんでしまった。気温はいまだに連日34℃以上。強い日射にあぶられているようです。それで、毎日の水やりが大変。自宅そばの小さな畑は水道が近いのでまだ楽ですが、休耕田の畑やコスモス畑には軽トラで自宅から水を運ぶしかありません。でも全く足りないし、すぐに乾いてしまう。田んぼビオトープも一部を除いてカラカラです。若い頃には当たり前に夕立があって、暑さも一刻和らいだものだけど…。人も人以外の生きものも、みんなまとまった雨が欲しい! 左の写真は休耕田の畑の小玉スイカ。収穫後の株でまた膨らんできた。漬物材料ぐらいにはなるかな。右は休耕田のコスモスの苗。雨が降らないのでなかなか大きくなりません。(Y)

2020年8月28日(金)
ジャコウアゲハの羽化

 今朝、保護していた2頭のジャコウアゲハの蛹の1つが羽化しました。今年の第4世代(第4化)です(写真左)。残りの1頭は無事蛹化したものの羽化直前に死にました。原因は不明です。保護していてもすべてが羽化まで行くわけではありません。ところで昨夕のこと。畑のミョウガが密生している中のササの茎でジャコウアゲハの蛹を見つけました(写真右)。地上からの高さは15cmほど。この個体は、畑のウマノスズクサで育ったものでしょう。安全な場所を選んでしたたかに生きていると思いました。それでも卵からの保護・飼育は確実に羽化の成功率を上げます。これからも卵の一部を保護して育てることは続けたいです。大変だけど楽しいことでもありますから。(Y)

2020年8月27日(木)
ダイミョウセセリと寄生バチ

 どちらも庭のヤマノイモで見つけたものです。左の写真は、折り曲げた葉に糸が掛けられて葉が開かないようにしてあります。ダイミョウセセリの「巣」のようです。中には蛹がいるのでしょうか。ちょっと覗いてみたいけど、羽化するまでの我慢。右の写真は別の場所にあったもの。白っぽい小さな繭がいくつか見えます。おそらくダイミョウセセリの幼虫に寄生したハチの繭でしょう。垣間見た、生きるための厳しい戦いです。(Y)

2020年8月25日(火)
ゴミグモ

 左の写真の中央部を拡大したものが右の写真(5月撮影)。ごみと一緒にイカのような形をしたクモがいるのがわかりますか。このクモはゴミグモ(コガネグモ科)といいます。家の周辺などのそれほど高くない場所に垂直円網を張り、中央にごみを縦に並べます。ごみは食べかす、脱皮殻、枯葉などを糸でまとめたもので、産卵時には卵のうもその中に置きます。クモはごみの中に作ったくぼみの中に隠れ、獲物がかかると出てきて糸でぐるぐる巻きに。ごみに隠れるのは獲物の昆虫をだますためではなく、捕食者に見つからないためのようです。生き残るための見事な仕組み。それぞれの生物が持つ能力に驚嘆するばかりです。(Y)

2020年8月24日(月)
ダイミョウセセリの幼虫

 ダイミョウセセリの幼虫を家の中で保護しています。孵化したばかりの頃は長さ約1cmの葉を折り曲げた隙間(巣)の中にいました(8月16日の当欄)。その後折り曲げる葉の長さは大きくなっていき、今は4cmの葉の中にいます(写真左)。今日、「巣」の中から出てヤマノイモの葉をすごい勢いで食べていたので、初めて全身を見ることができました(写真右)。体長約2cm。「巣」の中で蛹になるそうです。蛹はどんなだろう。興味津々です。(Y)

2020年8月22日(土)
羽化殻と帯糸

 写真は同じモンキアゲハの羽化殻です。左の写真は前から見たもの。面白い形です。バイクに乗ったカッコイイお兄さんに見えませんか? 風になびくマフラー、左下にはヘルメットも(前蛹の脱皮殻です)。右の写真は後ろから見たもの。蛹が割れてチョウが出てきた跡がよくわかります。下の方の2本のごく細い糸がわかりますか。帯糸(たいし)と呼ばれるもので、蛹になる前の段階で吐糸して自分の体を支えます。試しに少し引っ張ってみましたが、伸びるだけで切れない丈夫な糸でした。帯糸については7月16日、17日の当欄も見てください。(Y)

2020年8月21日(金)
バードバス

 毎日猛暑の日が続いているせいか、鳥たちがひっきりなしに水浴びにやってきます。ほとんどが今年生まれの若鳥たち。常連はメジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、キジバト、ヒヨドリなど。スズメ、モズ、カワラヒワも時々やってきます。今日はカラスがバードバス・デビュー。カラスが縁に止まったらバードバスがすごく小さく見えました。カラスは敏感で少し水を飲んだだけで逃げてしまったけど。写真はバードバスで水浴びする鳥たち。鳥たちの幸せ感が伝わってきて、暑さが少し和らいだ気持ちになります。(Y)

2020年8月20日(木)
共食い?

 先日の夜、飼育しているジャコウアゲハの幼虫を見たら、左の写真のような状態で全く動きません。ジャコウアゲハ幼虫は食草が少ないと共食いすることもあるそうです。それでてっきり腹部をほかの個体に食いちぎられて死んだと思い、1匹ずつに分けてやるべきだったと悔やみました。そして翌日の朝…。死んだと思ったのに動いている! 幼虫は共食いで食われたのではなく、脱皮の最中だったのです。写真でちぎれたように見える部分は脱皮殻でした。とんだ早とちり。でも、その日のうちに、蛹(写真右)になった2頭以外の3頭の幼虫を畑のウマノスズクサに放してやりました。(Y) 

2020年8月18日(火)
猛暑

 雨が降らず、毎日猛暑が続いています。自宅の温度計では一昨日は36.5℃、昨日は36.0℃まで上がりました。でも、昨日の静岡県浜松市では41.1℃で国内最高気温タイだったとか。40℃も当たり前になりそうです。大阪に住んでいた、まだ子どもが幼かった頃の記憶です。座っているだけで噴き出す汗に温度計を見たら34℃。「うわっ!」とびっくり。でも今はそれどころではない。都市部だけでなく田舎でもエアコンなしでは夏を越せなくなりました。気候変動や環境保全にみんなが関心を持たなければと強く思います。左の写真はキタキチョウ、右はキタテハ。どちらも眠りについているようです。(Y)

2020年8月16日(日)
ダイミョウセセリの孵化

 ヤマノイモの葉に産み付けられたダイミョウセセリの卵(8月10日の当欄)が孵化しました。母蝶の毛に守られた小さな卵。だから孵化したばかりの幼虫もすごく小さい。おまけに幼虫は葉を折り曲げて作った隙間にいます(写真左。白く見えているのが折り曲げた葉で幼虫はその下にいます)。右の写真はその隙間の部分のアップ。黒いのが幼虫の頭部です。母蝶の産卵現場を偶然目撃し、卵から見守っていたから気付くことができた小さな世界。幼虫の成長が楽しみです.(Y)

2020年8月15日(土)
キキョウとフシグロセンノウ

 フシグロセンノウが咲き始め(写真左)、キキョウが満開になりました(写真右)。どちらも当地より自然度の高い隣の地区に住んでおられるTさんから株をいただいたもの。フシグロセンノウは2か月ほど前、キキョウは3年前です。キキョウはそのまま育てると背が高くなって倒れ、花もきれいに咲きません。困ってTさんに相談したら低く仕立てる方法を教えてくれました。おかげで今年は倒れないし、花も一斉に咲いてとても美しいです。おまけに株も増えました。同じように毎年倒れてしまうワレモコウやサイヨウシャジンにも応用できそうなので、来年チャレンジです。(Y)

2020年8月13日(木)
ツチイナゴ

 今年もプランターのコブナグサに、ツチイナゴの若齢幼虫が現れました(写真左)。去年と同じように羽化までじっくりと観察するのが楽しみです(2019年10月2日の当欄)。右の写真はツチイナゴの成虫(2020年5月18日撮影)。ツチイナゴは、バッタの仲間では珍しく、成虫で越冬して初夏に産卵します。この幼虫は初夏に産卵された卵が孵ったもの。「命のリレー」、ふとそんな言葉が脳裏に浮かびました.(Y)

2020年8月12日(水)
豊かな自然を子どもたちに

 毎週日曜日の山陽新聞に、写真家で切り絵作家でもある今森光彦さんのコラム「光の田園だより」が掲載されます(今森さんのことは3月27日7月26日にも)。8月9日のタイトルは「私の夢」。要約して紹介すると、「子どもの頃、夏休みになると毎日暗いうちから友達と待ち合わせて雑木林でクワガタムシやカブトムシを捕まえていた。雑木林を一巡りすると数十匹が捕れた。本当にぜいたくな時間を味わっていたと思う。その頃の自然は存分に遊ばせてくれるだけの包容力があった。子どもたちが遠慮することなく遊べる里山をつくってみたい。果たしてこの夢はかなうでしょうか」。大阪市内で育った私には、そのような子ども時代の自然体験はありませんが、今の思いは今森さんと同じ。少しでも今森さんに近づきたいと思います。左の写真はオミナエシ、右はクルマバナ。季節とともに花も移り変わっていきます。(Y)

2020年8月10日(月)
ダイミョウセセリの産卵

 ダイミョウセセリが、幼虫の食草のヤマノイモの葉に産卵しました(写真左)。初めて見るダイミョウセセリの卵です。卵の表面がツルッとしていないのは、母蝶が産卵後、腹部の先端の毛を卵に被せてカモフラージュしているのだそうです。また一つ、子孫を残すためのチョウの巧みな術を知りました。ところで、飼育していたモンキアゲハが先日すべて羽化したと思ったら、レモンの木でまた卵7個と1齢幼虫1頭を見つけました。(写真右。卵の一部が黒くなっているので孵化間近です)。どのチョウもこの季節、子孫を残すのに懸命です.(Y)

2020年8月9日(日)
サイヨウシャジンとミソハギ

 毎日暑いので、外の作業は朝の早い時間しかできません。今日はちょっと頑張って、早朝から棚田にコスモスを植える準備と草刈りをしました。田んぼに行く途中、ため池の堤防で見たサイヨウシャジンの花が青空に映えてすごく美しかったです(写真左)。田の畔を歩いているとミソハギがもうすぐ満開。一帯が濃いピンク色に染まっていました(写真右)。手前の白い花はサワヒヨドリ。こちらはすでに満開です。(Y)

2020年8月7日(金)
羽化の瞬間

 飼育していたモンキアゲハの蛹、最後の1頭が羽化しました。蛹が黒くなっていたので、いよいよ今日。生憎午前中用事があったのですが大急ぎで帰宅。間に合った…。殻が割れて羽化が始まったのは午後0時45分(写真左)。体がすべて殻の外に出るまでわずか1分20秒ほど。それから飛び立つまでおよそ1時間半(写真右は飛び立つ直前)。バッタやトンボと違って、体が完全に殻の外に出るまでの時間の短いこと! やっと見ることのできた「羽化の瞬間」ですが、あまりの速さにカメラのピントがずれまくり。次の機会には肉眼でじっくり見たいと思いました。(Y)

2020年8月6日(木)
イワタバコ

 前に行った時には小さな蕾だったイワタバコの花(7月18日の当欄)。昨日見に行ったら、満開間近で、膨らんだ蕾もたくさんついていてとてもきれいでした(写真左)。葉がタバコの葉に似ていて岩場に生えるからイワタバコ。急な崖の、土もほとんどないようなところに張り付くように大きな群落を作っていました。右の写真はそばを流れる川。カジカガエルがいます。(Y)

2020年8月4日(火)
ジャコウアゲハ卵の孵化

 昨日、モンキアゲハが羽化したのと同じ日に、ジャコウアゲハの卵4個が孵化しました(写真左)。幼虫は小さくて体長4mmほど。この卵は7月30日に産卵されたもののようです(8月1日「季節の1コマ」)。この卵もまた保護することにして、卵のついたウマノスズクサを家に持ち帰りました。その時は卵が8個と1齢幼虫2頭が葉についていました。昨日孵化したのは8卵のうちの4つで、左の写真の右端の卵は孵化直前、その左の幼虫は卵の殻を食べているようです。孵化直後に卵の殻を食べる習性があるようで、孵化後は卵の殻は残っていません。右の写真は最初の日に1齢幼虫だったもの。1cmほどになり、横幅も大きくなってガッチリ体型になりました。(Y)

2020年8月3日(月)
モンキアゲハ羽化

 7月20日に蛹化したモンキアゲハの緑色の蛹(7月24日の当欄)が一昨日あたりから少しずつ黒くなってきて、今朝はほとんど真っ黒に(写真左)。羽化が近いと思って、蛹を目の前に置いて朝ご飯を食べました。蛹の殻が透けて中の変化が感じられるのですが、羽化は始まりません。用事で出かける時間になったので仕方なく外出。4時間ほどして帰宅したら羽化は終わっていました(写真右)。飼育個体今シーズン3頭目の羽化です。またもや羽化の瞬間を見逃しましたが、羽化したばかりの美しい姿をたっぷりと見ることができました。羽化の瞬間は残っているもう1頭の蛹に期待します。(Y)

2020年8月2日(日)
ミソハギとミズオオバコ

 8月に入りました。長かった雨の季節が終わり、一気に猛暑。田んぼビオトープではコオニユリが盛りを過ぎ、入れ替わってミソハギ(写真左)とミズオオバコ(写真右)が咲き始めました。ぎっしり生えた水草を抜いていると、大きなミズカマキリが2頭現れました。季節は次々と入れ替わっていきます。(Y)

2020年8月1日(土)
ハラビロカマキリ

 7月30日の朝、エノキの樹冠部を見ようと物干し台に上りました。驚いたことに、アマガエルが10匹ほどエノキの葉の上で休息したり、獲物を探したりしています。よく見れば葉に多数のエノキワタアブラムシ(写真左)が付いていて、その分泌物目当てか小さなハエの仲間もたくさん来ています。アマガエルは食べ放題というところです。そしてポーズが可愛いハラビロカマキリ幼虫(写真右)。7月13日に書いたカマキリの幼虫が大きく成長したものでしょう。コカマキリかハラビロカマキリか、はっきりしなかったけど決着がついたと考えてよさそうです。(Y)

2020年7月30日(木)
モンキアゲハ羽化

 今日のお昼ごろ、飼育していたモンキアゲハ2頭が羽化しました(写真左・右)。またもやその瞬間には立ち会えず。今朝蛹を見たらかなり黒くなっていたので、羽化は明日の朝だと思っていたのに…。ジャコウアゲハの時は朝6時半に見に行ったらすでに羽化を終えていたので、チョウの羽化は早朝と思い込んでいました。でも、とりあえずは無事羽化してよかった。2頭のうち1頭は7月16日に、もう1頭は翌17日に蛹化して、今日2頭同時の羽化でした。蛹化から羽化までおよそ2週間。先に羽化したジャコウアゲハは18日かかりました。モンキアゲハの蛹はあと、7月20日と24日に蛹化したものが残っています。今度こそ羽化の瞬間が見られるかな? そんなことを考えていると、ジャコウアゲハがウマノスズクサに産卵に来ました。里山はこの季節、次々と命溢れる場所。また忙しくなりそうです。(Y)

2020年7月29日(水)
トホシテントウ

 テントウムシといえばお馴染みのナナホシテントウ(写真左)やナミテントウ、そしてニジュウヤホシテントウぐらいしか知りませんでした。でも最近初めてトホシテントウ(写真右)を見つけました。草食性でカラスウリ類の葉を食べるそうです。そう珍しいものではないようですが、今まで気づきませんでした。どの世界もそうですが、生きものの世界も奥が深くて知らないことばかり。もっともっと知りたい。そして多様な生きものがいることの大切さや生きものの魅力を発信していきたいと思います。(Y)

2020年7月28日(火)
優しい眼

 この辺りにはバッタの仲間がたくさんいます。バッタたちに会うたびにカメラを向けていると、ある時ふと、優しい眼…と思うようになりました。バッタたちは気配を感じると、草の茎を抱くようにくるりと回ってこちらを向きます。警戒しているのでしょうが、その眼がとても優しく愛らしいと感じるのです(写真左、ツチイナゴの幼虫)。先日羽化直後のアブラゼミを見たときも、同じように優しいと感じてしまう目をしていました(写真右)。以前はバッタやセミをじっくり見る機会もなかったし、そんなことは思いもしなかった。じっくり見ることで広がる魅力的な新しい世界です。(Y)

2020年7月27日(月)
生きているってすばらしい

 昨日の夕方、田んぼからの帰り道、羽化直後のアブラゼミを見つけました(写真左)。夜の間に体や翅が固くなり、今朝には無事飛び立ったことでしょう。また、今朝は7月22日に続いて、飼育していたジャコウアゲハの羽化がありました(写真右)。この蛹は自宅北斜面のササを鎌で刈った時に葉裏についていたものです。食草のウマノスズクサは近くに2か所あり、どちらにも幼虫がいたので、そこから移動して蛹になったのでしょう。どちらからでも約10mの距離。蛹化直前の終齢幼虫は、障害物も多い場所を通り抜けてそこまで歩いて行ったのです。本能とはいえ凄いと思いました。ササを刈ってしまったので、保護して室内で見守ってきました。今日無事にきれいなチョウになって飛び立ったのでほっとしました。梅雨明けが遅く雨続きですが、新しい命があふれる季節です。(Y)

2020年7月26日(日)
オーレリアンの庭

 借りている休耕田に割合広い畑を作ったので、家のそばの小さな畑はネギ、シソなどすぐそばにあると便利な野菜だけを作ることにしました。そして春、余った場所に花の種をまきました。ケイトウ(写真左)やヒャクニチソウ(写真右)、キバナコスモスがもうすぐ満開。色とりどりの花を見ながら密かに「オーレリアンの庭」作りの構想を練っています。「オーレリアンの庭」は写真家今森光彦さんの造語で、「オーレリアン」とは蝶を愛する人のことだそうです。今森さんが30年かけて作られたのは、蝶などの多くの昆虫や鳥、その他たくさんの生き物が集まる命溢れる庭。里山の要素が凝縮された自然豊かな庭です。我が家のそばの畑は小さいですが、近くにはため池や雑木林、棚田や草はらもあります。それらを生かしながら美しい、自然と共生する空間を作っていきたい。是非とも実現したい夢です。(Y)

2020年7月25日(土)
カサブランカとコオニユリ

 玄関わきに置いた植木鉢のカサブランカの花が咲きました(写真左)。大きくて美しい花、そして甘い香り。ずっと眺めていたくなります。さて、今日は久しぶりのいいお天気。気になっていた田んぼビオトープの様子を見に行きました。まあ、草の勢いのすごいこと! 明日からしばらくは草刈りに追われそう…。ちょっとガックリしながらの帰り道、畔に咲くコオニユリの花が緑を背景にとても美しかったです(写真右)。(Y)

2020年7月24日(金)
モンキアゲハ終齢幼虫から蛹へ(その3)

 昨日前蛹になったものが今朝には褐色の蛹になっていました(写真左)。右の緑色のは7月20日に蛹化したものです。同じモンキアゲハの蛹でも体色に違いがあります。蛹になる場所の環境によるものだと書いてあるものもありましたが、同じ場所で蛹になったものでも体色に違いがあるのは何故でしょう?(Y)

2020年7月24日(金)
モンキアゲハ終齢幼虫から蛹へ(その2)

 最後の終齢幼虫が昨日、前蛹になりました(写真左・右)。終齢幼虫の時には体長約6cmもあったのに、前蛹では約3cmに縮んでいました。右の写真は左の状態から約5時間経ったものです。糸かけも終わって体中央が枝から離れています。(Y)

2020年7月24日(金)
モンキアゲハ終齢幼虫から蛹へ(その1)

 飼育していた5頭のモンキアゲハの幼虫。2頭はすでに蛹で(7月17日の当欄)まもなく羽化を迎えます。残りの3頭の内、一番小さかった幼虫は終齢にはなりましたが、その後死んでしまいました。あとの2頭は無事成長し、今日最後の1頭が蛹になりました。左の写真の中央付近、サンショウの枝に終齢幼虫と緑色の蛹がいるのですがほとんどわからないと思います。見事に周囲の環境に溶け込んでいます。右は前蛹になる前に体内に残っていたフンや未消化の葉をすべて出したもの。蛹になる前に消化器官の中は空になります。(Y)

2020年7月22日(水)
ジャコウアゲハの羽化(その2)

 羽化の瞬間を見たいと食卓に置いていた蛹なのに…。朝食を食べ終わってふと目をやるとすでに羽化を終えた後でした(写真左・右)。何で食事中気づかなかったのだろう? 食卓の上はご覧の通りごちゃごちゃしているので、外で写真を撮ろうとそっと移動させていたら、あっという間に飛び立って開いていた窓から大空へ…。残念ながら羽化の瞬間は見ることができませんでしたが、1頭のジャコウアゲハを親チョウの産卵から無事チョウになるまで見届けることができました。うれしい経験になりました。(Y)

2020年7月22日(水)
ジャコウアゲハの羽化(その1)

 7月4日に蛹化したジャコウアゲハを、天敵に襲われないように家の中で保護していました。7月21日、その蛹が黒っぽい色になっているのに気づきました(写真左・右)。チョウになるのも近いと思っていたら今朝(7月22日)羽化してチョウになりました。(Y)

2020年7月21日(火)
生きる闘い

 昨日、刈った草を焼きに田んぼに行きました。棚田にコスモスを植える準備です。刈った草をそのままにしておくと耕うん機に絡んで面倒なのです。それに、草を焼いた灰はコスモスの良い肥料になります。さて、田んぼに行こうと畔を歩いていると、クモの網にかかったナツアカネを見つけました。クモは体長1cmほど(写真左)。激しい闘いのあと、ナツアカネは動かなくなりました(写真右)。野生生物は「食う・食われる」の世界を生き延びるために懸命なのだ、そして失われた命は別の命に引き継がれるのだと改めて思わせてくれました。(Y)

2020年7月20日(月)
キキョウとコオニユリ

 田んぼに行く道沿いにキキョウの花が咲き始めました(写真左)。田んぼの法面ではコオニユリも(写真右)。コオニユリは一昨年1株が生えてきて複数の花が咲きました。でも昨年は蕾を虫に食べられて、全く咲きませんでした。そして今年。株は10株以上に増え、蕾が20ほどあります。全部咲いたらきれいだろうな…。暑いけど、田んぼに行くのが楽しみになりそうです。(Y)

2020年7月19日(日)
トンボの寝床

 夕方、田んぼビオトープに行くとチョウトンボがマコモの葉で眠りについていました(写真左)。家に帰るとササの茎でナツアカネも(写真右)。いつもは敏感なのに眠りについてしまうと近づいても逃げません。起こしてしまわないように気を遣いましたが、ゆっくりと写真を撮らせてくれました。夏の夕暮れの静かなひとときです。(Y)

2020年7月18日(土)
イワタバコの花を見に

 久しぶりに天気が良かったので、イワタバコの花を見ようと車で15分ほどの場所に行きました。花にはまだ早かったようで、葉に隠れて小さな蕾(写真左)がありました。そばの川からはカジカガエルの澄んだ声。岩の上にはちょこんと座っている姿も。双眼鏡を持ってこなかったことを悔やみました。途中の道路沿いに数か所あったカワラナデシコの小さな群落や、周辺の棚田の緑(写真右)がとてもきれいでした。10日後くらいかな。イワタバコの花を見に、双眼鏡を持ってまた行こうと思います。(Y)

2020年7月17日(金)
終齢幼虫から蛹へ(その2)

 7月16日、蛹になりました(写真左は正面から、右は横から撮影)。蛹の左下にあるのは脱皮殻です。こんなにじっくりと蛹を見たのは初めて。正面から見ると正装した西洋の人のように見えませんか。横から見ると蛹の真ん中から90度近く曲がっているのも驚き。さらに、写真を撮ろうと飼育箱を動かしたとき、蛹が大きく動いたのです! 蛹になったら動かないと思っていましたから、びっくりしました。それにしても、前蛹がどのようにして姿形の全く違う蛹に変化していくのか。次の機会にはそのあたりをじっくり観察しようと思います.(Y)

2020年7月17日(金)
終齢幼虫から蛹へ(その1)

 左の写真はモンキアゲハ終齢幼虫(7月12日撮影)。幼虫は前蛹になる前にお腹の中のものをすべて出してしまうそうです。その後は何も食べません。右の写真は翌日、前蛹になって静止しているところ。蛹化直前です。(Y)

2020年7月16日(木)
モンキアゲハ幼虫の糸張り

 7月13日、蛹化目前のモンキアゲハ幼虫を見ていたら、頭部を左右にゆっくりと振るような動作を始めました(写真左・右)。蛹になったときに体を支える糸を張っていたのです。初めて見たので感動しましたが、あらためて疑問に思ったのは、脱皮して蛹になるときにこの糸は邪魔になるのでは? ということです。残念ながら今まで脱皮の瞬間には立ち会えていません。でも、今はネット上にどんな情報でもある時代なのですね。アゲハ類の幼虫が蛹になる様子をYOU TUBEの動画で見ることができました。糸の内側で、糸にかかることもなくスルスルと脱皮していくのです。驚きながら納得!!でした。 我が家では、この写真の個体を含め2頭が蛹になり、残り3頭も終齢になりました。小さな蛹を見ながら、動画では見られない、体内で起こっている大きな変化にあれこれ想像を巡らせています。(Y)

2020年7月14日(火)
ジョロウグモ子グモの団居、その後

 6月7日の当欄にジョロウグモの子グモ(幼体)の団居(まどい)について書きました。日がたってしまいましたが、その後について報告します。6月9日には少し場所を移動して2度目の団居。最初の団居の場所には脱皮殻が残されていました(写真左)。子グモは卵のうの中で2度脱皮をしてから外に出て、最初の団居をします。その時に3度目の脱皮をすることがわかりました。右の写真は2度目の団居です。脱皮殻は全くありません。そのあと、メンバーを減らしながら少しずつ移動して、4度目の団居の後、みんなそれぞれの場所に散っていったようです。成体になるまで生き残るのはどれぐらいでしょう。秋にはまた、大きな網を張ったジョロウグモに会いたいです。(Y)

2020年7月13日(月)
エノキの樹冠部で

 物干し台に上がると、地上3~4mほどのエノキの樹冠部が見えます。何気なく見ていたら不思議な取り合わせに気づきました(写真左)。ナミテントウナナホシテントウ? いや、ナナホシテントウとはちょっと違う…。調べてみたら、ナミテントウには体色や斑紋にいろいろなタイプがあることがわかりました。同じナミテントウ同士の交尾だったのです。他にテングチョウやアリなど、いろんな昆虫が樹冠部を利用していました。中でも目に付いたのがカマキリの若齢幼虫(写真右)。腹部の先がピンと上がってキリッとして見えます。こんなに高いところにいるのはハラビロカマキリの幼虫かな? コカマキリの幼虫のような気もするし…。私にははっきりと区別できません。里山地域にいるからこそ見える、興味深い生物の世界です。写真はどちらも6月20日に撮影しました。(Y) 

2020年7月12日(日)
モンキアゲハ幼虫、終齢へ(その2)

 左の写真は、終齢になったばかりの幼虫を少し横から撮影したものです。シワシワで一見弱っているような印象でした。でも心配は無用でした。その後すさまじい食欲を見せ、2日後にはポチャポチャ、ツルツルになりました(写真右)。(Y)

2020年7月12日(日)
モンキアゲハ幼虫、終齢へ(その1)

 8日にも書きましたが、モンキアゲハの幼虫をリビングで飼育しています。天敵から保護しつつ身近で観察するためです。全部で5頭、そのうち2頭はすでに大きな終齢幼虫になっています。7月9日、残っていた4齢幼虫のうちの1頭がサンショウの葉の上で動かなくなりました(写真左)。体表面がテカテカと光って、背の真ん中あたりが少し緑色になっています。翌日の朝に見たときにはすでに脱皮を終えて終齢になっていました(写真右)。体長は約4cm。体のすぐ下には黒っぽい脱皮殻が残っていました。(Y)

2020年7月11日(土)
情報過多

 ある会社から、申し込んでないのにスマホのLINEに通知メッセージが入りました。次々に入るので鬱陶しくなって、メッセージを止めたいとあれこれ試みましたができません。仕方がないので会社に電話しました。結局長い時間を費やしてメッセージを止めることができましたが、これって何? 暮らしが便利になった? 情報過多、その結果大切な時間を無駄にしてしまう…。そんな気がしてなりません。当地では天候不順にもかかわらず、例年と同じようにネジバナ(写真左)もヤブカンゾウ(写真右)も満開。情報に振り回されるのではなく、自然を見つめ、自然とともに生きていくことの大切さを思います。(Y)

2020年7月10日(金)
セトウチサンショウウオ、山へ

 2月23日に水路で見つけたセトウチサンショウウオの卵のうを保護して飼育を始めました。幸い水槽の中でうまく育って、20頭ほどの幼生が少しずつ成長していきました(写真左は6月9日の幼生)。幼生が大きくなって変態が近づいた頃に元の環境に戻してやります。それを何回か繰り返し、最後に残った4頭は、変態前後の様子も観察したかったので飼育を続けていました。そして7月5日。体長約5cm、変態を終え小さくても成体と同じ姿になった4頭を、水路よりも少しだけ山に近いところに放してやりました(写真右)。セトウチサンショウウオは成熟するまでの2~3年を山や雑木林で過ごすそうです。そして成熟すると産卵のために水がある場所に降りてきます。そういう生活を支えてやるために、雑木林や田んぼビオトープの環境整備を続けて頑張っていきたいです。セトウチサンショウウオについては2月21日2月24日3月21日4月18日5月6日(以後もありますが省略)の本欄にも書いています。そのうち観察記録まとめます。(Y)

2020年7月9日(木)
お菊虫

 「お菊虫」とはジャコウアゲハの蛹のこと。蛹の姿が、後ろ手に縛られた女性のようだとして、各地に残る怪談「皿屋敷」の「お菊」になぞらえてつけられた名前だそうです。この蛹は地上70cmほどの高さのレモンの木の枝にあります(7月6日の当欄。その日の写真は前蛹)。おかげで見やすくて、正面からも後ろからもじっくり観察できます(写真左・右)。前蛹からたった1~2日で不思議で複雑な形の蛹への変化。見れば見るほど自然の造形の妙に驚きと感動でいっぱいになりました。(Y)

2020年7月8日(水)
一つ屋根の下

 普段は夫婦と飼い犬、2人と1匹の暮らしです。でも今はもっと大家族? モンキアゲハの幼虫5頭がリビングで育っています。3齢と4齢が3頭、終齢が2頭です(写真左は4齢幼虫、右は終齢幼虫です)。終齢幼虫は体長6cmほどになり、蛹になるのも間近。蛹になる前にかなりの距離を移動するので、今日飼育箱に入れました。飼育箱の中で蛹になり、無事羽化する日が楽しみ。ところで昨夜は大雨の音が怖かったのか、飼い犬のウリが急な階段を私たちのいる2階に上がってきました。ウリは交通事故で右の前脚がありません。よくぞ落ちなかったこと! 犬も幼虫も命の重さは同じ。間近で暮らすとより愛おしさが増してきます。(Y)

2020年7月7日(火)
温暖化と自然破壊と新型コロナウイルス

 6月28日の「サンデーモーニング」で、シベリアのベルホヤンスクという町で38℃という観測史上最高の気温を記録したことを知りました。開発によって凍土が融けだしていることは知っていました。でも最近の温暖化で凍土の融解が加速し、そのことによってさらに温暖化が加速するという悪循環。また、凍土に閉じ込められていた未知の細菌やウイルスが地上に解き放たれ、様々な感染症を引き起こす可能性。新型コロナウイルスも開発や温暖化と大きな関係があるそうです。番組の中で、霊長類学者の山極寿一さんの言葉が心に残りました。「近年のウイルス性の感染症は、自然破壊によって野生動物との接触を加速したことが原因である。さらに自然資源の開発が続けば、深海や氷河の下に眠っている未知の微生物やウイルスを引きずり出してしまうかもしれない。今私たちに必要なのは、グローバルな地球や国の動きと、私たち自身の身近な暮らしの双方で、人間にとって大切なことは何か、ということをじっくり考えることである。コロナ後にそれが決定的な効果を生むだろうと思う」。自然や野生生物の命に畏敬の念をもって接することの大切さを強く思います。左の写真は咲き始めたカワラナデシコ、右は少しピークを過ぎたウツボグサです。(Y)

2020年7月6日(月)
ジャコウアゲハ幼虫の蛹化 その2

 ジャコウアゲハは、幼虫の時に毒草のウマノスズクサを食べることによって毒を身につけるるそうです。では、その毒はどの程度のもの? ジャコウアゲハには天敵がいない? 何となく疑問に思っていました。そんな時のことです。瓶に挿したウマノスズクサにいた3頭のジャコウアゲハ終齢幼虫。最初に旅立った1頭は行方不明に。2頭目は軒下で無事蛹化(7月2日の当欄)。そして3頭目は一時行方不明になたものの、一昨日レモンの木の枝でじっとしているのを再発見(写真左。今日は淡黄色のきれいな蛹になりました)。喜んだ次の瞬間、軒下の蛹を見上げると大きな黒いクモが覆いかぶさっているではありませんか(写真右)。アシダカグモです。その後この状態が7時間ほど続いて、アシダカグモは姿を消し後には蛹の無残な姿。ウーン何で? 蛹も毒をもっているはず…。クモは動くものしか食べないはず…。わからないことが多いです。(Y)

2020年7月4日(土)
クサヨシ群落の住人たち(その2)

 カヤネズミの巣を眺めていると、いろんな生きものの姿が見えてきました。左の写真はコガネグモ(メス)。私が去年初めて見たクモです。その時も大きいのに驚きましたが、今目の前にいるものはもっと大きい。体長3cm近くありました。コガネグモは前年の秋に孵化、6月頃に成熟し、8月には産卵して死んでしまうそうです。そしてコガネグモのすぐそばにいたのはツマグロバッタの終齢幼虫。ここには、生きものたちに食べ物や棲み処、隠れ場所を提供している、小規模な植物群落がたくさんあります。(Y)

2020年7月4日(土)
クサヨシ群落の住人たち(その1)

 定期的に草刈りをしていると、マコモやチガヤなどのイネ科植物のまとまった美しい群落ができてきます。今日はクサヨシ(イネ科)の群落(写真左)でカヤネズミの巣を3つ見つけました(写真右。そのうちの1つです)。カヤネズミはつる植物やセイタカアワダチソウなどが侵入していない、きれいなイネ科植物やカヤツリグサ科植物群落を好んで巣を作るようです。(Y)

2020年7月3日(金)
カマキリ幼虫の脱皮

 草刈り中、何か不思議なものが目にとまりました(写真左)。バッタの脱皮かな? いや、そうではないような…。しばらく眺めていて閃きました。目の前のものは初めて見るカマキリの脱皮です。草刈りは後にして、じっくり見せてもらうことに。まず頭部が現れ、触覚、鎌状の前脚、さらにすらりとした中脚、後脚。次々と慎重に脱いでいきます。新しくなった中脚、後脚はコバルトブルーですごくきれいでした(写真右)。最後まで見届けて写真も撮りたかったのですが、残念ながらここで電池切れ。最後は私の説明でご勘弁ください。しばらくこの状態でぶら下がっていましたが、脚がしっかり固まったのでしょう。くるっと回って頭部を上にしました。腹部先端からなかなか外れなかった古い殻は脚を使って外しました。脱皮完了。体長約5cmのオオカマキリ終齢幼虫誕生です。(Y)

2020年7月2日(木)
ジャコウアゲハ幼虫の蛹化

 6月29日、ジャコウアゲハの終齢幼虫が建物の板壁を登り始めました(写真左)。いよいよ蛹化に向けての旅立ちです。幼虫が上がっていくのを見ていると、実にリズミカルに腹部を上下させています。感情移入は良くないですが、なんだか幼虫が楽しそうに見えてしまいます。やがて幼虫が行き着いた先は高さ2,5mほどの軒下。そこで前蛹になり、昨日見たら脱皮して蛹になっていました(写真右)。蛹のそばの黒い塊が脱皮殻です。親チョウの産卵、卵の孵化、脱皮、蛹化、そして羽化。生きものの節目節目に立ち会える幸せ…。(Y)

2020年7月1日(水)
モノサシトンボとニホンアカガエル

 生きもので溢れる季節になりました。自宅の周辺で作業していると、いろんな生きものに出会います。今日紹介するのは、モノサシトンボ(写真左)とニホンアカガエルの子ガエル(写真右)。モノサシトンボは色彩の美しさとともに、その名の通り等間隔に記されたような腹部の模様が不思議で大好きなトンボです。ニホンアカガエルの子ガエルは、今年田んぼビオトープで生まれたものでしょう。田んぼビオトープから自宅までは200mほどありますが、急斜面をものともせず次々とやってきます。体長約3cm。食べるものがいっぱいあるのか、お腹はしっかり膨らんでいます。(Y)

2020年6月30日(火)
オカトラノオ

 オカトラノオ(サクラソウ科)が今満開です(写真左・右)。当地に定住して12年になりますが、来て間がない頃に半日陰の道端で数本咲いているオカトラノオを見ました。「なんてきれいな!」というのが最初の印象です。刈り取られるのか、当時からたくさん見られる植物ではありませんでしたが、どうしても残したくて敷地内に数株移植しました。元々は半日陰ではなく日当たりのいいところが好きな植物。移植した場所が合っていたのか、年々株も増えてきれいな花が見られるようになりました。(Y)

2020年6月27日(土)
クロアゲハとジャコウアゲハの幼虫

 クロアゲハの幼虫は、レモンやサンショウ葉を食べて、大きいもので約3cmになりました(写真左)。体色がいろいろに変化していく様子が面白くて、毎朝一番に見に行きます。ジャコウアゲハの幼虫(写真右)は大変な食欲で、ひたすら食べている感じです。すでに終齢に達しているようで、体長は4~5cmあります。飼育しているのが3頭、外のウマノスズクサにいるのが8頭ほど。こんなにたくさんの幼虫が身近で育つのは初めてで、ジャコウアゲハが悠然と華麗に舞う姿が普通に見られるようになったらと楽しみにしています。それにしても、ジャコウアゲハ幼虫の体のトゲトゲや黒・白・赤のコントラストに魅力を感じるのは私だけかな~。(Y)

2020年6月26日(金)
ヒナ誕生

 5月1日にやってきたブッポウソウ。親鳥の行動から、6月20日頃にヒナが誕生したようです。ここの巣箱で繁殖するようになって3年目。最初の年は巣箱の取り合いでしょうか、独特の鳴き声で騒いで何とも賑やかでしたが、今年はすんなりと主が決まったようで割合静かです。でも元気に巣箱周りを飛び回っていたのですが、今月半ばの大雨のあと2、3日、姿も見えず鳴き声も聞こえないという日が続きました。大雨の影響で巣が放棄され、今年の繁殖は失敗したのだとほとんど諦めていました。でも、お天気が回復して、電線に2羽の姿を見たときは本当にうれしかったです。巣箱への出入りも、巣箱の見守りも見られるようになりました。7月10日前後にはヒナの巣立ちとなるでしょう。みんな無事巣立ってほしい。今からすごく待ち遠しいです。写真は巣箱から飛び立つ親鳥です。(Y)

2020年6月23日(水)
クロアゲハ幼虫の脱皮

 レモンの木のクロアゲハ幼虫が脱皮をしました。写真左の右側、大きいほうです。すぐ下に黒い脱皮殻があるので、脱皮直後のようです。2匹は同じ時に産卵されたはずなのに、大きさに違いができてしまいました。右の写真は大きい方の翌日の様子。鳥の糞のような色になっています。これからさらに脱皮・成長して緑色の終齢幼虫になり、前蛹を経て蛹化、そして羽化して立派な蝶に。そんな変化を身近でつぶさに観察できることに幸せを感じます。(Y)
PS:私のパソコンが故障して今修理中です。この欄は別のパソコンで継続できますが、メールが受け取れません。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

2020年6月21日(日)
ウマノスズクサの花

 ウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)の花が咲き始めました(写真左)。この花を初めて見た時に、花=きれいという私の中の花のイメージが崩れ、花にもいろいろあると驚いたことを覚えています。さて、このウマノスズクサはジャコウアゲハが産卵した植物(6月4日の当欄)。その時の卵が孵化して1齢幼虫になり(6月11日の当欄)、今は体長1~1.5cmに成長しました(写真右)。小さくてわかりにくいですが、最上部の黄色い突起は、アゲハチョウ類の幼虫に共通の特徴で、刺激すると異臭を発する「臭角(しゅうかく)」と呼ばれるもの。写真を撮るのに夢中になって幼虫を刺激してしまったようです。(Y)

2020年6月19日(金)
クロアゲハとモンキアゲハ幼虫

 鉢植えのレモンの木に産み付けられたクロアゲハモンキアゲハの卵(6月11日の当欄)。その卵が孵化して幼虫になりました。左の写真はクロアゲハの、右がモンキアゲハの幼虫です。それぞれ体長約7mmと5mm。小さすぎてうまくピントが合わなくて苦戦。それでも写真を見ると卵の時にはわからなかった2種の違いがよくわかります。ところが、1週間たって昨日見たらモンキアゲハの幼虫が見つかりません。レモンの木にはクモがたくさんいるし、アシナガバチも狩りにやってきます。天敵をうまくかわして、1~2頭だけでも育ってほしいのですが…。(Y)

2020年6月18日(木)
ホタルブクロ

 中国地方は6月10日に梅雨入りしました。今日は朝から雨で、明日にかけて200mmの大雨の恐れとニュースが伝えています。大きな災害が起こらないようにと祈るばかりです。さて、雨の季節に似合う花がホタルブクロ(写真左・右)。畑の片隅で、赤紫と白の2色の花がすごく美しいです。地元の老婦人が、この花の口を閉じて手のひらで叩いたらパチンと音がして破裂するので「パチンコ」と呼んでいたと教えてくれました。また、この花の中にホタルを入れてその光を楽しんだりと、昔は自然の中にたくさんの魅力的な遊びがあったのでしょう。そういえば先日の夜、この花が咲いている近くで、今年初めてヘイケボタルが点滅。とても風情がありました。(Y)

2020年6月16日(火)
セトウチサンショウウオの変態

 6月14日、飼育中のセトウチサンショウウオのうち、2匹の外エラ(正しくは外鰓[がいさい]というそうです)が無くなり、変態したことを確認しました。まずは小さなケースに入れて撮影(写真左)。体長は5~6cmあります。そのあと、ミズゴケなどを入れた成体用のケースに移して記念撮影(写真右)。この2匹はもう少し飼育・観察してから生息地に放す予定。餌はワラジムシやコオロギの幼虫など、身近で手に入るものを与えるつもりです。この日は他の個体で変態直前になっているものを4匹、田んぼビオトープに放流しました。それでも、まだ小さい個体が数匹残っています。同じ時に産卵されたものでも、食べる量の違いで成長にすごくバラツキがあるのです。また、変態が近くなると外鰓が小さくなってくること、餌をほとんど食べなくなること、泥に潜って身を隠していることが多いこと、などがわかりました。(Y)

2020年6月15日(月)
2種のカエルの見分け方(その2)

 今日はヤマアカガエルについて(写真左は幼体、右は成熟個体)。ヤマアカガエル(以下ヤマアカ)はニホンアカガエル(以下ニホンアカ)と違って、背と体側の境の線が目の後ろで下に曲がっています。他にも違いがありますが、背と体側の境の線を注意して見れば2種を見分けることができます。これから子ガエルがもう少し成長したら、水辺から離れて、ヤマアカは林縁部や林の中に、ニホンアカは草はらや畑に移動して生活します。このカエルたちが命をつなぐためには、繁殖期の水辺と非繁殖期の林や草はら、両方の環境が必要です。(Y)

2020年6月13日(土)
2種のアカガエルの見分け方(その1)

 当地にはニホンアカガエルとヤマアカガエル、2種類のよく似たアカガエルがいます。1月23日に今シーズン最初の産卵を確認。最終的に約300卵塊の産卵がありました。その卵が今、次々と子ガエルになって元気に跳ね回っています。体長は1.5~2cmほど。畔を歩くと踏みそうで歩きにくいこと! 草刈りにも気を遣います。今日は2種類のうちのニホンアカガエルの体の特徴について(写真左・右)。背と体側の境の線がほぼ直線であることがわかります。次回紹介するヤマアカガエルとの大きな違いです。(Y)

2020年6月12日(金)
オタマジャクシ以上、カエル未満

 アカガエルのオタマジャクシを今年も飼育しました。順調に育って間もなく成体になります(写真左・右、ニホンアカガエルの同じ個体)。セトウチサンショウウオとは逆に、後あしが先に出て少しずつ大きくなります。後あしが立派になった頃、しっかりした前あしが突然出てきます。色々調べると、これは前あしが出る前に皮膚の下で十分育っているからだそうです。不思議に思っていたオタマジャクシの前あしの謎が解けました。私は、4本のあしが生えてきた頃の「オタマジャクシ以上、カエル未満」(?)の時に一番魅力を感じるのですが、この頃体内では大きな変化が起こっています。尾の消失、消化器の構造変化、エラ呼吸から肺呼吸への変化等々。想像できないような生物の不思議な世界です。(Y)

2020年6月11日(木)
命の輝き

 鉢植えのレモンの木に今年もクロアゲハが産卵しました。また今年初めてモンキアゲハが何度か産卵にきて、今現在、合計20個以上の卵が産みつけられています。2種の卵は区別できません。どちらも直径1mmほどで、真珠のような輝きをもっています(写真左)。また、堤防のウマノスズクサでは、ジャコウアゲハの卵が孵化して幼虫が出てきました(写真右)。体長約4mmで卵と同じく赤っぽい色をしています。表面の毛で水滴が輝いていました(Y)

2020年6月10日(水)
鳥類調査

 昨日、モニタリングサイトの鳥類調査をしました。今季繁殖期の最後の調査です。繁殖期1回目の調査は5月1日。繁殖期に入ったばかりで、鳥たちの囀りがよく聞こえました。今回は巣立ちの時期を迎えていて、若鳥の姿をたくさん見ることができました。確認できた鳥は19種。調査コースを歩いていてふと見ると、5mほど先の電線に3羽のコシアカツバメの幼鳥。警戒心が全くなく羽繕いに余念がありません(写真左)。おかげでじっくりと観察できました。また、観察コースから見える自宅敷地北斜面のピンク色のササユリがとてもきれいでした(写真右)。(Y)

2020年6月9日(火)
ササユリ

 ササユリの花が咲き始めました(写真左)。環境整備はなかなか行き届きませんが、それでも少しずつ続けている手入れが功を奏してか、株が増えてきました。今年、花や蕾をつけているものだけで40株ほどあります。ササユリは発芽した年は1枚の葉のみで(写真右)、ここから開花まで数年かかります。そんな小さな株も含めて数えると全部で100株以上になりました。そばを通ると漂ってくる上品な甘い香り。昔の里山の美しい風景を少しずつでも復活させたい。ササユリを眺めながら募る思いです。(Y)

2020年6月7日(日)
子グモの団居(まどい)

 春に孵化したジョロウグモの子グモが卵のうを出て(写真左。子グモが出たあとの卵のう)、団居(まどい)と呼ばれる集団生活を送っています(写真右)。団居に気づいたのは6月3日ですから、今日で5日目。まだ団居は続いています。この子グモたちの親は、去年の秋に勝手口のそばに大きな網を張った個体。近くにいたので、その日常や産卵、そして死までずっと観察していたものです(当欄2019.10.182019.10.282020.01.29)。だから余計に興味がわきます。子グモたちは集団生活を送ったあと、糸を使って空を飛んでいくバルーニングで散らばっていき、独立します。ここでもまた、それぞれの生物の持つ不思議な世界や能力に驚き、感動するばかりです.(Y)

2020年6月4日(木)
ジャコウアゲハの産卵

 3年前、自宅付近に植えたウマノスズクサにジャコウアゲハが初めて産卵しました。たくさんの卵があったのに終齢幼虫まで確認できたのはわずか1頭だけ。卵寄生蜂の寄生が多いようでした。その時に、ジャコウアゲハを殖やすには、卵を早めに保護して幼虫をある程度の大きさまで育ててから元に戻すのがよいと思いました(2017.6.23の当欄)。そして今年、久しぶりの産卵です(写真左。6月1日撮影)。卵は今日までで20個。半分程度を飼育して、幼虫が大きく育ったら元の所に放すつもりです。独特の色、形をした幼虫(写真右。3年前の写真です)がまた見られると思うと今から楽しみ。(Y)

2020年6月3日(水)
セトウチサンショウウオの放流

 セトウチサンショウウオの幼生が大きいもので体長約4.5cmになりました(写真左)。同時に産まれた卵から育った幼生でも、餌を食べる量に違いがあるのか成長に大きな差があります。小さなものはまだ2.5cmくらい。これでは共食いの心配もあるし、餌やりなどの世話も大変になってきたので、大きく育ったものを中心に2度目の放流をしました(写真右)。自然界には天敵も多くいることでしょう。無事成体まで育って山に帰り、また繁殖のために田んぼビオトープに戻ってきてほしい。そんな想いで見送りました。(Y)

2020年6月1日(月)
久しぶりの遠征(その3)

 軽トラドライブも終盤。以前から目を付けていたスポットで車を止めました。シライトソウ(写真左)、ハンショウヅル(写真右)、フタリシズカ、カノコソウなど。ハナイカダは実が膨らんでいました。また、葉の上にはカワトンボ、カメノコハムシの仲間など。ハンショウヅルの花は初めて見ました。楽しい観察ドライブでした。たまには遠征もいいものですね。(Y)

2020年6月1日(月)
久しぶりの遠征(その2)

 左の写真は途中の風景です。道路脇には、クサノオウ(ケシ科。写真右)、ジャケツイバラ(マメ科)、キツネアザミ(キク科)、コガクウツギ(アジサイ科)などが満開。道路で吸水するクロアゲハや最近めっきり少なくなったオナガアゲハも見ることができました。(Y)

2020年6月1日(月)
久しぶりの遠征(その1)

 5月29日、自宅から少し北の川沿いを自然を観察しながらドライブしてきました。と言っても道が狭いので軽トラなんですが…。いつもは自分たちのフィールドで活動していることが多いので、久しぶりの遠征?です。道の途中に小さな渓谷があります。その入り口付近にあったユキノシタの大きな群落(写真左)が素晴らしくて感激。ユキノシタの花(写真右)をじっくり見たのは初めてです。何とも美しい、魅力的な花でした。(Y)

2020年5月31日(日)
ハナウドとササユリ

 今、ハナウド(セリ科)が道路際など至る所で満開。左の写真は自宅近くに群生しているもので、同じセリ科のニンジンの花によく似ています。雑木林ではササユリの蕾が膨らんできました(写真右)。元々この辺りではたくさん自生していたそうですが、いまは激減しています。過度な草刈りか放棄かの両極端な土地管理、イノシシによる球根の食害、人による盗掘などが原因のようです。でもここでは時期を選んで適度な草刈りをすることで、株が年々増加してきました。間近になった花の季節が楽しみです。(Y)

2020年5月30日(土)
クロスジギンヤンマの羽化

 今年も自宅そばのビオトープ池(人工池)でクロスジギンヤンマの羽化が始まりました。昨年の羽化の始まりは4月23日(2019年4月26日の当欄)でしたから、3週間遅い始まりでした。最近は池の水が抜けたり、水草が繁茂し過ぎたりと池の環境が悪化していたので、今年は羽化はないものと諦めていました。そんな時、羽化殻(写真左)を見つけたのです。羽化殻は少しづつ増えて、今日までに20個ほどに。羽化も見ることができました(写真右)。こんな環境でも20匹のクロスジギンヤンマが飛び立ったのですから、私も池の環境改善に向けて少しずつでも頑張らなければ…。トンボに励まされたような気がします。(Y)

2020年5月28日(木)
フタリシズカとマムシグサ

 左の写真はフタリシズカ(センリョウ科)、右はマムシグサ(サトイモ科)。どちらも雑木林に生えています。フタリシズカは、刈り取られて絶えそうな場所から3年前に数株移植したもの。今年も清楚で可憐な花を咲かせてくれました。花言葉は「いつまでも一緒に」。マムシグサは以前から敷地内に自生しています。毒草だそうですが、姿かたちの面白さが気に入っています。どちらも大好きな花です。(Y)

2020年5月27日(水)
オタマジャクシの飼育

 昨日、田の畔でニホンアカガエルの子ガエルを見つけました(写真左)。気づかないうちに成長していたのです。暖かくなって、アマガエル、シュレーゲルアオガエル、ツチガエル、トノサマガエルが繁殖期を迎えました。少し前にはカエルの声が毎晩賑やかだったこと!それも今は落ち着いて、代わりに田んぼビオトープでは多彩なオタマジャクシが見られるようになりました。この黒いオタマジャクシ(写真右)はどんなカエルになるのだろう。それが知りたくて飼育することにしました。アカガエルの飼育については2018年4月17日6月16日の当欄をご覧ください。(Y)

2020年5月26日(火)
チゴユリとヒメハギ

 左の写真はチゴユリ(イヌサフラン科)、右はヒメハギ(ヒメハギ科)、どちらも地面近くで花が咲く小さな植物です。チゴユリは雑木林のやや暗い場所に、ヒメハギはもう少し開けた明るい場所に生えています。チゴユリの花はもう終わりましたが、ヒメハギは4月~7月が花期となっているので、もうしばらく楽しめるかな。チゴユリは、自宅近くで初めてこの花の群生を見た時、清楚な美しさにとても心惹かれました。それからは気にかけて、株を覆っている落ち葉を取り除くなどの世話をしています。でも株は増えても花数は減るばかり。何が原因だろう…。チゴユリは木陰のやや湿った、腐植質の積もった場所に生育するということです。そこのところを注意して、以前のような美しい群落を育てたいです。(Y)

2020年5月25日(月)
タツナミソウとニワゼキショウ

 左の写真はシソ科のタツナミソウ、右はアヤメ科のニワゼキショウです。タツナミソウは田の畔や法面に多く咲いています。ニワゼキショウは地道や庭など乾燥した場所に群生。白色の花もあります。この花は北アメリカ原産で、日本には明治時代に入ってきて野生化した帰化植物だそうです。どちらの植物も、草刈りで大型の草を抑えている場所に年々増えてきました。タツナミソウはその名の通り、立ち上がった波のような形の青い花がとても魅力的。群生しているニワゼキショウも美しく、どちらも大好きな花です。(Y)

2020年5月24日(日)
外エラと趾(あしゆび)

 左の写真はセトウチサンショウウオ幼生の外エラ、右は後あしの趾(あしゆび)を拡大して撮影したものです。外エラは魚類のエラとよく似ています。前あしの趾は4本ですが後あしのは5本あるのがわかるでしょうか。この幼生の体長は約4cmで1週間前とほとんど変わりませんが、食欲旺盛で体色も濃くなり、随分しっかりした体格になってきました。幼生特有の外エラは目立ちますが、水中をあしで歩いて移動する姿は成体のようです。エラ呼吸から肺呼吸への変化も近いと思われますが、どのように進むのでしょう。じっくり観察して紹介したいと思います。お楽しみに!(Y)

2020年5月23日(土)
道路脇の草花 その3

 ナルコユリの様子が気になって、昨日また見に行きました。ナルコユリはまだ蕾のままでしたが、前回カノコソウとともに満開だったホウチャクソウ(写真左。5月14日撮影)は花が終わっていました。右の写真は、その場所の現在の様子です。イタドリなど背の高い植物が伸び放題。背の低い植物はもう生育できません。ここは秋に年1回だけ草刈りが行われますが、この草刈りによって春の草花の美しい景観が保たれています。(Y)

2020年5月22日(金)
アヤモクメキリガ幼虫

 サイヨウシャジン(ツリガネニンジンの仲間)の葉の上に俵型の大きなフン(写真左)がありました。長さ約1.5cm、直径7mmほどもあります。何かいるぞと思って探したら…いました!大きな青虫(写真右)。特徴のある模様をしていたので、すぐに名前がわかると思って図鑑を見ましたがわかりません。数日たって昨日、ネットでやっと見つけました。「アヤモクメキリガ」というガの幼虫でした。昆虫初心者の私にとって、自分で名前に行きついたのはとてもうれしいことでした。(Y)

2020年5月21日(木)
道路脇の草花(その2)

 昨日はモニタリングサイトの鳥類調査(繁殖期)を行い、20種を確認しました。6月中旬ごろに次回の調査をする予定で、その時には可愛い若鳥たちの姿が見られるでしょう。さて、「道路脇の草花」の続きです。今回、5月中旬に行くとカノコソウが満開でした。たくさん集まった小さな花の一つ一つがきれいだったし、群生している様子が爽やかで美しい眺めでした(写真左、右)。(Y)

2020年5月20日(水)
道路脇の草花(その1)

 標高300mの自宅から山を下ると、市街地に通じる国道に出ます。その途中の道路脇に様々な草花が花を咲かせる所があります。4月末に行った時には、オドリコソウ(写真左)とムラサキケマン(写真右)が満開。ナルコユリが蕾を付けていました。オドリコソウの花は派手さはないけれど、やさしいピンク色が大好きです。(Y) 

2020年5月19日(火)
成虫越冬

 左の写真はバッタ科のツチイナゴ、右はキリギリス科のクビキリギス。どちらも成虫越冬の昆虫です。無事越冬を終えて会うことができました。ツチイナゴは昨年、プランターの雑草畑で幼虫から脱皮・羽化を経て成虫になるまでを間近で観察したので、見つけた時は、なおさらうれしく感じました。写真を撮ったのは少し前なので、ツチイナゴもクビキリギスももう産卵を終えたころかな。卵は真夏の少し前に孵化して幼虫が現れ、秋に成虫になってそのまま越冬します。越冬したものは繁殖活動のあと、7月ごろまで生きるそうです。(Y)

2020年5月18日(月)
カマキリの孵化幼虫から思うこと

 オオカマキリの卵が孵化してたくさんの幼虫が出てきました(写真左)。冬の草刈りの時に刈った草に付いていた卵鞘を、とりあえずバーベキューコンロに入れていたのです。孵化直後の幼虫は体長1cmほどでまるで糸くずのよう。こんな小さなものたちがこれから「食う・食われる」の世界を生きていきます。生き延びて次世代を残すところまでこぎつけられるのはどれぐらいの割合? 野生のどんな生き物にも共通することですが、成長の段階で多くの個体が食べられて他の生き物の命を支え、生き残ったものだけが次代に命を繋ぐのです。生物はお互いに支え合って生きているのですね。人間も他の生物の命に支えられて生きています。彼らとの共生はすごく大切なこと。そのためにも開発一辺倒ではなく、彼らの生息環境を保全することは人間の使命ではないでしょうか。右の写真は別の場所で見つけた幼虫。孵化から少し時間が経っています。(Y)

2020年5月17日(日)
セトウチサンショウウオはこんな顔
 セトウチサンショウウオの写真、いつも上から撮ったものばかりです。いったいどんな顔をしているのだろう…。そこで先日、体長約4cmのものを観察用のケースに入れて前からと横から撮影しました(写真左、右)。体の色が随分と濃くなって、「あし」で歩くように水の中を移動します。また、オタマジャクシの外エラは孵化後間もなく消えてしまいますが、セトウチのものは変態するまで残っているようです。これから変態して成体になるまでに、外エラがどのように変化していくのでしょう。興味の対象が次々出てきます。(Y)
2020年5月16日(土)
エナガの若鳥

 昨日の午前中、バードバスにエナガの10羽以上の群れが来て、順繰りに水浴びをしていました。ほとんどが若鳥ですが親鳥も一緒です。若鳥は巣立ちから日がたっているようで、体の大きさは親鳥と変わりませんが、顔の模様が違うので区別がつきます。最近二度立て続けに破壊されたエナガの巣を見た後だけに、無事育った若鳥を見てホッとして、うれしい気持ちになりました。若鳥たちは、これから親鳥から独立して集団を作って行動します。時にはシジュウカラ、ヤマガラ、メジロなどの若鳥たちとも仲良く一緒に水浴びにやってきます。これからバードバスはもっと賑やかになるだろうな。楽しみです。(写真はどちらも昨年5~6月のものです)(Y)

2020年5月15日(金)
赤外線センサーカメラの設置

 4月30日、中・大型哺乳類の調査のために赤外線センサー付き自動撮影カメラを設置しました(写真左)。環境省のモニタリングサイト1000・里地調査の一環です。一つのサイトあたり3か所で調査しますが、林野内の林道や獣道、水路沿いなど中・大型哺乳類がよく通過していると思われる場所を探してセンサーカメラを設置します。その一つが、自宅から1kmほど離れた林道。山野草の多い場所でもあります。3月にユキワリイチゲ(3月14日の当欄)、4月上旬にはヤマルリソウ(4月8日)が美しい花を咲かせます。今回カメラを取り付けに行った時にはイチリンソウ(写真右)が満開でした。センサーカメラは1か月で一旦回収して、画像の確認と機器メンテナンスの後再設置します。今月末に初めての回収です。その結果はもちろん楽しみですが、その時にどんな花が見られるか、こちらも楽しみです。(Y)

2020年5月14日(木)
ヘイケボタル幼虫

 田んぼビオトープの一つでモノアラガイの幼貝を見つけました(写真左)。モノアラガイはヘイケボタルの幼虫の餌になる小さな巻貝です。そういえば、この田は元々湿田で水溜りにはモノアラガイがたくさんいました。でもいつしか乾田化してしまい、モノアラガイも全滅したと思っていました。昨年の秋からマコモ(湿地に生える大型の草)を取り除くなどの手入れを始めると、水も溜まって再び湿田の環境が戻ってきました。そして、わずかに生き残ったモノアラガイが復活してきたようです。その数日後にはヘイケボタル幼虫もたくさん見つけました(写真右)。ヘイケボタルも滅多に見なくなっていたのですが、今年の夏の夜には、その風情ある点滅がまた見られるかな。(Y)

2020年5月12日(火)
壊されたエナガの巣

 4月21日の当欄で、エナガの巣を拾ったこと、そして4月25日の「季節の1コマ(№328)」でエナガの巣作り(写真左)を紹介しました。ひょっとしたら2つのことは繋がっていて、巣を破壊されたペアが新たな巣を作り始めたのかもしれません。楽しみにそっと見守っていました。ところが5月1日に、その巣がひどく破壊されているのを見つけました(写真右)。コチドリの卵と同じようにおそらくはカラスの仕業。もう5月ですから、エナガが新しい巣を作ることはないでしょう。都会だけでなく、田舎にもカラスがとても多いです。生と死がいつも隣り合わせ…が野生の命とはいえ、親鳥たちの懸命な子育てを何度も見ているので悲しいです。カラスから小さな命を守ってやる手立てはないものでしょうか。(Y)

2020年5月10日(日)
コチドリの産卵

 今年も近くのグラウンドでコチドリ(写真左)が卵を産みました。本来河原や海岸の砂地で産卵する夏鳥ですが、あまり人が来ないこのグラウンドでも毎年のように産卵します(写真右)。今年も5月初旬に産卵したようです。運よくヒナが誕生した年もあったのですが、スポーツイベントのために車両による整地が行われ、卵が潰されてしまった年もありました。今年は新型コロナウイルス対策でイベントはすべて中止。それでも念のため整備事業所の窓口に確認に行ったら、整備予定はあるが、ヒナが巣立った後にしようという理解ある返事をいただきました。これで安心と思った矢先…。悲しいことに、今日は卵がすっかり無くなっていたのです。おそらくカラスに見つかってしまったのでしょう。がっかりしました。親鳥はもっと辛い思いをしたことでしょう。難しいものです。(Y)

2020年5月9日(土)
「あし」が出た!

 いつ「あし」が出てくるのだろう?と飼育容器の中のセトウチサンショウウオを見ていました。「えーっ!」、前あし・後あし、すべてあるような気が…。急いで写真を撮って拡大してみました(写真左)。やはり4本の「あし」が出ていました。同じ両生類でもカエルは後あしから出ますが、セトウチサンショウウオは前あしが先に出るそうです。ウェブ上に次のような記述がありました。『孵化直後は魚のよう。やがて体前部にヒレが生え、それが趾(あしゆび)のある「あし」に変化する。前あしが完成するころ、体後部にもヒレが出ていて、前あしより遅れて「あし」へと変化する。趾は前あしが4本、後あしが5本。』 右の写真は前あしの部分を拡大して撮影したもの。外えらのすぐ後ろから「あし」が出ているのがわかります。この分では変態も間近だと思います。なお、私は専門家ではないので、間違いがあればご指摘いただけるとありがたいです。(Y)

2020年5月8日(金)
モートンイトトンボ

 田んぼビオトープを眺めていたら、目の前の水草にスッと何かが止まりました。モートンイトトンボ(以下モートン)、うれしい今年の初見です。きれいなイトトンボで左の写真はメス、右はオスです(どちらもまだ未熟な個体)。例年ここでは多数が見られますが、去年はなぜか少産で今年が気になるところです。先日、セトウチサンショウウオ幼生の餌にプランクトンを集めようと、小さな網で藻の表面を撫でるようにしていました。そこに入ってきたのはたくさんのイトトンボのヤゴ! 今年はモートン、期待できそう。畔を歩くとき、行く手を阻むようにビオトープと草むらを行き交うモートンがまた見られそうです。(Y)

2020年5月7日(木)
ヤマツツジとラン

 コバノミツバツツジの花が終わり、ヤマツツジの花が今満開です(写真左)。その近くでランの仲間が葉を広げています(写真右)。キンランかなトンボソウかな? どちらが咲いてもうれしい。大好きな花たちです。(Y)

2020年5月6日(水)
セトウチサンショウウオの飼育

 飼育容器の中で、セトウチサンショウウオの幼生が卵のうから出てきた時の体長は1.5cmほどでした(3月21日の当欄)。あれから1か月半経って、体長は2倍の約3cmに。横幅も出て、しっかりした体格になりました(写真左)。飼育を始めたときは、プランクトンがいそうな田んぼビオトープの水や水草を入れ、泥の中から採集したアカムシ(ユスリカ類の幼虫)も与えていました。でも、プランクトンは十分いるのかよくわからず、アカムシはごく小さなものしか食べないし食いつきもよくありません。餌が十分でないのか成長もイマイチ。そこで思いついて、ブラインシュリンプの幼生を与えてみました。熱帯魚やクラゲ類などの餌として乾燥卵が市販されているものです。乾燥卵を塩水でふ化させ、塩分を除いてから水槽に入れてみました(写真右)。セトウチの幼生は小さく突っつくような動作でよく食べます。十分食べると腹部が膨らみ赤っぽい色が皮膚を透けて見えます。何度か与えるうちセトウチ幼生の成長が良くなり、アカムシも積極的に食べるようになりました。ようやく育てられる気がしてきました。今後まだまだ難関はあるでしょうが、うまくいって放流できる日が楽しみです。(Y)

2020年5月5日(火)
買い出し

 今日は買い出しに市街地へ行きました。ちょっと買い物に行くのにも車しかありません。それで、まとめ買いをしたり、いくつもの用事をまとめて済まそうとするので、いつも半日仕事以上になってしまいます。だから、たいていお昼ご飯は外食となり、それはちょっとした楽しみ。今日は時節柄、マクドのドライブスルーでハンバーガーとアイスコーヒーを買って、ドラッグストアの広い駐車場で車中食。ハンバーガーを少し張り込んだので一人690円。新型コロナウイルスで気が滅入る中のささやかな贅沢…。行き帰り、周りの山々は新緑が美しく、フジの花が満開でした。左の写真は帰宅して撮った敷地内のフジの花。足元には初めて見るバッタの幼虫(写真右。名前はこれから調べます)。季節とともに植物も動物も移り変わっていきます。(Y)

2020年5月4日(月)
青葉の季節

 青葉の美しい季節になりました。左の写真は自宅から見た雑木林。右下にあるのがバードバスです。暑くなって、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、ヤマガラ、キジバト、スズメ等々、お客さんが絶えません。右の写真は田んぼで作業中、自宅周辺の雑木林があんまり美しかったので思わずシャッターを押しました。左端の樹々の後ろに我が家があります。(Y)

2020年5月3日(日)
次女の出産

 先日、東京に住む次女が無事男の子を出産しました。新型コロナウイルスの蔓延で、私たちはもちろん次女の夫も病院での赤ちゃんとの面会はできませんでした。私も産後の手伝いに行くつもりでしたが、それも叶いません。ウイルスの流行で、いつもと変わらない日常の大切さ、ありがたさに改めて気付かされました。ところで、当地では今、新しい命が次々と生まれています。左の写真はヤブキリの幼虫、右はキリギリスの幼虫です。どちらも体長5~6㎜。これから、そんなバッタやキリギリスの仲間の幼虫の成長過程に注目して観察、紹介したいと思います。(Y)

2020年5月1日(金)
幸せな一日

 モニタリングサイトの鳥類調査をしました。今日は良いお天気。先週までは北風が吹いて寒い日が多かったのに、昨日今日は一気に初夏の日差しです。そのせいか鳥や昆虫の動きも活発で、楽しい調査になりました。調査中、遠くの樹の梢にいた鳥は、青い羽に赤い脚。今年も来てくれました、ブッポウソウ!(写真左)。キビタキやウグイス、ホオジロ(写真右)の美しい囀り。上空にはツバメやコシアカツバメの飛翔。その中にいると気分が高揚してきます。今日確認できた鳥は26種。里山の豊かな自然に改めて触れることができた幸せな一日でした。(Y) 

2020年4月29日(水)
オタマジャクシが減ったのは

 2週間ほど前から、アカガエルの幼生(オタマジャクシ)が減っていくのに気づきました。幼生の天敵はミズカマキリタイコウチなどたくさんいますが、それらではこれほど急激に減ることは考えられません。一番の原因はすぐにわかりました。大型の鳥、サギ類です。左の写真は田んぼビオトープで獲物を狙うダイサギ、右の写真はアオサギとダイサギがお揃いで。人の気配が無いとみると一日に何回もやって来て食べ放題。あれほどいたオタマジャクシが一挙に減ってしまい、ビオトープによっては数えられるほどの数しか残っていません。周辺の田んぼは今は田植えを控えて水が入っていますが、アカガエルの産卵期の2~3月には乾田になっているのでオタマジャクシはいません。サギが田んぼビオトープに集中する要因でしょう。カエルが生態系で果たしている役割は大きいです。カエルを絶滅させないために、休耕田に周年水を張った場所が各所にあることが必要だと強く思います。(Y)

2020年4月28日(火)
クロボシツツハムシ

 畑で花や昆虫の写真を撮っていて、アレ?と思いました。ナナホシテントウのようだけどちょっと違う?(写真左)。調べてみると、クロボシツツハムシでした。テントウムシは苦くて鳥も食べないので、テントウムシに似せることで鳥などの捕食者から狙われないようにしている(擬態)そうです。右の写真は本物のナナホシテントウ。よく似ていると思いませんか。生き物の世界を知れば知るほど、それぞれの種が生き残るための様々な工夫を持っていることに驚嘆するばかりです。(Y)

2020年4月27日(月)
旅立ちと飛来の季節

 3月下旬にジョウビタキ(写真左)、4月中旬にミヤマホオジロ(写真右)、そして3日ほど前にカシラダカ、アオジ、シメがいなくなりました。みんな繫殖地へ旅立ったのでしょう。入れ替わりにコシアカツバメを昨日確認して、今日は雑木林でキビタキの声を聞きました。近くのグラウンドではコチドリが卵を産んでいました。まだツグミやシロハラは少し残っていますが、もう間もなく旅立つでしょう。そして、去年は4月28日にブッポウソウが飛来したので、今年もそろそろ来る頃と楽しみです。鳥たちの旅立ちと飛来の季節。毎年繰り返される営みがいつまでも続くよう、里山保全頑張っていきたいです。(Y)

2020年4月26日(日)
セトウチサンショウウオの新しい卵のう

昨日、水路でセトウチサンショウウオの卵のうを見つけました(写真左。白いのが卵)。今までに卵のうを見つけたのは2月15日と23日ですから、今回のは随分と遅い産卵です。卵のうは一対のらせん状で1つの長さが10cm以上ある大きなものでした(写真右)。卵は少し発生が進み、産卵後およそ7~8日ほど経過しているようです。うまくいけばこれから90日前後で成体になって上陸します。水切れ、天敵など前途は多難ですが、少しでも多く成体になれるように見守っていきたいと思います。(Y)

2020年4月25日(土)
カスミザクラとヤエザクラ

 左の写真はカスミザクラ。新緑の中で白い花が咲いて、名の通り霞のような風情です。右はカンザンという品種のヤエザクラ。どちらも遅咲きのサクラで今満開です。3月下旬から始まったサクラの季節も終わりに近づいてきました。バトンはサクラから他の樹々の花へ。コバノガマズミやつる植物のムベアケビの花が咲き始めました。これから晩秋まで、美しい花の移ろいを折に触れて紹介したいと思います。(Y)

2020年4月24日(金)
シオヤトンボの羽化

 田んぼの作業から帰る途中、先日サワガニのいた水たまりでシオヤトンボを見つけました。水面から3cmほどのところで小さなスギナにつかまってじっとしています(写真左)。今日の活動を終えて眠りについたのだと思って通り過ぎたのですが、もしかしてと戻ってみると、やっぱり! トンボのすぐそばに脱皮殻を発見(トンボの左手前)。トンボは羽化直後だったのです。夕方になって急に冷え込んできたので、羽化したものの飛び立つことはできなかったようです。明日は暖かくなって無事飛び立ちますように…。顔を上げると水路にきれいな水の流れ(写真右)。「春の小川」のメロディーが浮かびました。(Y)

2020年4月22日(水)
サワガニ

 田んぼビオトープで作業していると、畦際の草が大きく動いて、甲幅およそ3cmの大きなサワガニが出てきました(写真左。4月19日撮影)。「サワガニはきれいな水の指標生物の代表種。どこかに湧き水が染み出るきれいな水源があるのではないか」、といつもお世話になっているYさんに教えていただきました。そういえば、他の田んぼビオトープが干上がっても、ここだけは水がなくなることはありません。水が湧いている場所を探してみようと思います。右の写真は、昨年の11月に同じ場所で見つけた甲幅5mmほどのサワガニの稚ガニ。こんな小さな場所で命を繋いでいる…。何だか感動し、無性に嬉しくなりました。(Y)

2020年4月21日(火)
エナガの巣

 エナガの巣が道路に落ちていました。エナガの巣は、コケと羽毛とクモの糸でできた長さ12cm前後の袋状ということです。でも、持ち帰った巣は破れてボロボロ。多分、カラスに襲われたのでしょう。じっくりと観察しました。左の写真は巣の外側、右は内側です。外層は主にコケで、補強にシュロの繊維も使われています。表面にはウメノキゴケも貼り付けられています。それらが巧みにまとめられていますが、意外と簡単に裂くことができました。内層はアオバトなど、たくさんの羽毛が敷き詰められていました。タカなどに襲われた鳥の羽毛を集めてきたのでしょう。巧妙に作られていて、とても暖かそうな巣です。自然の摂理とはいえ、一生懸命に巣作りをするエナガを思い浮かべて、切ない気持ちになりました。(Y)

2020年4月20日(月)
タニシとノミノフスマ

 田んぼで作業をしていると、いろんな生きものに出会います。今日は水の中ではタニシ(写真左)。タニシの後ろに筋がついているのは餌を求めて移動した跡です。畔ではノミノフスマの白い花(写真右)。地味だけど清楚な花がいま満開。「ノミノフスマ」を漢字で書くと「蚤の衾」。衾とは夜具、布団のこと。小さな葉が向き合ってついている様をノミの布団に例えた名ということです。由来を知ると忘れられない名ですね。里山地域に住んでいると、紹介したい魅力的な動植物が一杯。まだまだ里やま日記のネタは尽きません。(Y)

2020年4月19日(日)
里山の春

 左の写真は、4月5日に棚田の休耕田に作った畑から我が家方面を撮ったもの。今から2週間前なのでサクラがすごくきれいでした。右の写真は、一昨日玄関から撮りました。コバノミツバツツジが満開です。里山の春。こんな風景をいつまでも残したいです。(Y)

2020年4月18日(土)
サンショウウオ幼生その後

 3月21日の当欄で紹介したセトウチサンショウウオの幼生。あれから1ヵ月、幼生は大きく成長しました。左の写真は田んぼビオトープで自然に育ったもの。2月15日に見つけた卵から生まれた個体でしょう。体長約4cmありました。右の写真は孵化する前から水槽で飼育しているもの。体長約2cm。餌は田んぼビオトープにいるアカムシなどを与えています。セトウチサンショウウオは5月頃、体長5cmくらいで変態します。外えらがなくなり、四肢が出てきて成体になるのです。そして6月頃に陸に上がって近くの林に移動。そこで繁殖できるようになるまで生活します。これから変態するまでの体の変化が楽しみです。ところで今日、卵が確認できなかった場所で5匹の幼生を見つけました。体長約2.5cm。産卵していたのに気付かなかったようです。嬉しい発見でした。(Y)

2020年4月17日(金)
好物はキャベツ!

 4つの田んぼビオトープにアカガエル類がおよそ300卵塊産卵しました。1卵塊には多数の卵が入っていますから、それらがすべてオタマジャクシになったとしたら概算で450000匹ほどの数になります(3月15日の本欄)。実際、一時は田んぼビオトープ一面にオタマジャクシという感じに。これではエサ不足になると思い、試しに畑に放置してあったキャベツの外側の葉を入れてやりました(写真左)。続いて柔らかく煮た葉も(写真右)。どちらも食いつきがすごいこと! でも暖かくなって藻類や水草が育ってきたのでキャベツの差し入れは終了です。これからはシュレーゲルアオガエル、トノサマガエル、アマガエル、ツチガエルの産卵期。田んぼビオトープは様々なオタマジャクシで賑わいます。(Y)

2020年4月16日(木)
排水口その後

 4月11日に応急で設置した塩ビパイプの排水口。翌日、翌々日とこの時期にしては珍しい激しい雨と風でした。雨が上がった14日、排水口がどうなっているか心配で見に行きました。左の写真がその時のもの。手前側の直線状の部分が「堤防」で、左端の灰色が塩ビパイプの排水口です。右の写真は4月6日の状態。比べると、雨のあと排水口から大量の水が流れ出て堤防の向こう側も満水になっているのがわかります。水が貯まることによって、ただの水たまりではなく浅い所、深い所、植物が生えている所、と多様性のある水環境ができました。なかなかいい感じです。この環境を維持するために奥にも堤防を作りました。ここにも今後いろんな生き物が棲みつくでしょう。新しい出会いが楽しみです。(Y)

2020年4月13日(月)
ホトケノザ
 「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、春の七草」。春の七草たちの花がいま盛りです。ゴギョウとはハハコグサ、ハコベラはハコベ、スズナはカブ、スズシロはダイコンのことです。では、ホトケノザは? 写真左はシソ科のホトケノザ。畑や道端にごく普通です。でも春の七草のホトケノザはこれではなく、キク科のタビラコ(コオニタビラコ)(写真右)のことだそうです。こちらは最近すっかり見なくなってしまいましたが、確かにこちらの葉の方が食べやすそうです。「里やま日記」を書くようになって、知らないことが多くて一生懸命調べるようになりました。知識も大切、五感で感じることも大切ですね。里山では初春から晩秋まで花が絶えることはありません。(Y)
2020年4月11日(土)
排水口の設置

 3月17日と4月6日の本欄で、一番下の田んぼビオトープの堤防を水が越えてアカガエルの幼生(オタマジャクシ)が外に流されたことを書きました。泥上げの甲斐あって堤防の外の水たまりは水がしっかり溜まり、流れ出た幼生も元気に泳いでいます。明日は雨予報ですが、また水が溢れて幼生が外に出てももう大丈夫。でも水を被ると堤防が弱ります。そこで、余っていた塩ビパイプで排水口を作りました(写真左)。これでうまくいくかな? 右の写真は、作業中に出てきた体長4cmほどのケラです。動きが速いのでぶれてしまいました。(Y)

2020年4月10日(金)
命溢れる季節だけど

 田んぼに行く途中の小道の土手に、今年もショウジョウバカマが咲きました(写真左)。毎年大きくてきれいな花を咲かせます。ため池の堤防ではワレモコウの葉が伸びてきました。田んぼではウマノアシガタが咲き始め(写真右)、足元にはアマガエル。水辺からはシュレーゲルアオガエルの声も響いてきます。里山はこれから命溢れる季節。でも、今年はウイルスのことが気になって、あまり喜ぶ気持ちにはなりません。それでも生きものの棲み処を守りたい。都市暮らしではなくても外出は気が重い今、この場所で自分のできることを大切にこなしていきたいと思います。(Y)

2020年4月9日(木)
カエルの重量挙げ

 地元のTモータースにタイヤ履き替えに行きました。社長のTさんは手先の器用な方で、今までにも絵や木彫りのクマなどいただいています。今回はカエルが重量挙げをしている木製の置物(写真左)をいただきました。よく見るとバーベルは栗の形で、これも木製。何とも素敵でユーモラスで、眺めていると幸せな気持ちになります。右の写真は、10年以上前に同じTさんから頂いた郵便受け。取っ手が木彫りのカエルで、小さいけどこちらも素晴らしい作品。改めてTさんの才能に感じ入るとともに、温もりがあって作り手によって様々個性的な作品に姿を変える素材としての木の魅力に触れることができました。(Y)

2020年4月8日(水)
ヤマルリソウ

 3月14日の当欄で紹介したユキワリイチゲの群生地。その後どうなっているか気になって見に行きました。ユキワリイチゲの花は終わっていましたが、代わりにヤマルリソウ(写真左)が群生。タチツボスミレ類(写真右)やアオキの花とともに満開でした。よく見るとカンゾウの仲間の葉が成長しています。ノカンゾウかヤブカンゾウか。今まではユキワリイチゲしか関心が向かなかったけど、この場所の花の移り変わりが楽しみになってきました。(Y)

2020年4月7日(火)
新芽

 山々がうっすらと色づいてきました。春になって草木が芽吹き始めたようです。自宅の周辺でも、樹々の新芽が美しい季節になりました。左の写真はリョウブ、右はコバノガマズミの新芽です。何があっても自然は淡々と季節の移ろいを教えてくれる。自然を守ることは人間の命を守ること。コロナウイルスで大変な状況ですが、ささやかでも里山地域の自然を守り、その美しさを情報発信していこうと思っています。(Y)

2020年4月6日(月)
春真っ盛り

 3月は雨が多くて、一番下の田んぼビオトープに築いた堤防(3月17日の当欄)を水が越えてしまいました。アカガエルのオタマジャクシも一部が流されて下の水たまりを泳いでいます。水たまりは晴天が続くとすぐに干上がってしまうので、オタマジャクシを放っておくわけにはいきません。でも網で掬って元に戻すには数が多すぎる。それで、泥上げをして水たまりを大きくし、そこで成長してもらうことにしました(写真左)。作業を終えて帰り道、ふと上のビオトープの水面を見ると、卵を背負ったオスのオオコオイムシ(写真右)。冬らしい冬ではなかったけど、いつの間にか春真っ盛りです。(Y)

2020年4月3日(金)
シジュウカラ

 シジュウカラやヤマガラがヘビに襲われて繁殖に失敗しないように、今年は巣箱の下にヘビ除けを取り付けました(2月12日の本欄)。きっと気に入ってくれると思ったのに、この巣箱は利用してくれません。目立ちすぎるのが嫌なのでしょうか。ところが先日気付いたのですが、シジュウカラが放置してあった古い巣箱にコケや羽毛を運び込んでいます。この巣箱は材木に掛けたブルーシートの上に置いてあり、地上からの高さは30cmほどしかありません(写真左、奥の茶色の巣箱)。ヘビから巣箱を如何にして守ってやるか、頭の痛いことになりました。右の写真は以前に撮影した、巣箱から顔を出している巣立ち間際のシジュウカラのヒナ(2014年5月)。何とかここまで守ってやりたいです。(Y)

2020年4月1日(水)
マスク

 マスク、どこに行っても手に入りません。仕方がないので自分で作りました。左はキッチンペーパーで、右は古いガーゼハンカチで作ったものです。どちらも作り方は新聞に掲載されていました。それから少しだけ残っている「使い捨てマスク」は洗って再使用しています。今まで「使い捨てマスク」は少し使っただけでも捨てていました。ウイルスが終息したら、「使い捨て」に対する人の意識が少しでも変化していたらいいなと思います。それにしても感染者の急増が心配です。3つの「密」(密閉・密集・密接)が全て揃っているパチンコ店が営業していて、行列ができているのをテレビで見ました。このままでは感染爆発がいつ起きてもおかしくない。パチンコ店の営業自粛、何とかならないでしょうか。(Y)

2020年3月30日(月)
サクラ

 左の写真のサクラ、今年もいち早く咲きました。今、満開です。この木の親木は、ご近所の方の敷地内にある大きな樹で、毎年どのサクラよりも早く濃いピンク色の花を咲かせます。それが気に入って、小枝を何本かいただいて挿し木をしたものが大きくなりました。雑種のサクラではないかということです。このサクラの花が終わった後も5月まで次々とサクラが咲き、白~ピンクの濃淡が点々と萌黄色の山々を彩ります。右の写真は咲き始めたコバノミツバツツジです。(Y)

2020年3月29日(日)
いつもと変わらない1日は特別な1日

 朝ドラ「スカーレット」が終わりました。このドラマには、たくさんの心に残る言葉がありました。「いつもと変わらない1日は特別な1日」もその一つです。どんなことがあっても生きている限り日常は続く。先に旅立った人の思い出は、最期の日ではなく何気ない日常にある。日常の小さな幸せがとてつもなく幸せなのだ。昨今の頻発する大きな災害、そして終息の目途が立たない新型コロナウイルス。こんな時期だからこそ余計に、「何気ない日常」を慈しんで生きていくことの大切さを思わせてくれました。左の写真はヤマウグイスカグラ、右はクロモジの花。どちらも今、雑木林で咲いています。(Y)

2020年3月28日(土)
水路

 最上段の田んぼビオトープにある水路を広げました。そうしたら今までカラカラに乾いていた所にも水の流れができ、小川のように水が流れ出しました(写真左)。そのせいか、例年なら今頃から干上がってくる4つの田んぼビオトープが今年はすべて満水です。ゆっくりと水が流れる水路や、満水の田んぼビオトープを眺めていると何だか心が浮き立ってきます。今年はどんな生きものとの出会いがあるのかな…楽しみです。右の写真は作業中に現れた体長約20cmのカナヘビ(ニホンカナヘビ)。名にヘビが付くけどトカゲの仲間です。(Y)

2020年3月27日(金)
人がつくる風景

 3月15日の山陽新聞に写真家今森光彦さんの「光の田園だより」というコラムが掲載されていました。その中で次のような趣旨を書いておられます。春の訪れを感じさせる菜の花畑やレンゲ畑は、人が健全に働いているからこそ現れる風景です、と…。里山の美しい風景は、放っておいてできるものではなく、人々が営々と働いて築いてきたものなのですね。今森さんの言われることがとてもよくわかり心に残りました。私たちも、里山の美しさを未来にのこすため、生き物の棲み処を守るために、ささやかでも活動を続けたいと思っています。左の写真は棚田のミツバツチグリ、右は雑木林のシュンラン。どちらも今満開です。(Y)

2020年3月24日(火)
春、来たる

 サクラの花が咲き始めました(写真左)。モモの花は今が満開です(写真右)。サクラはこれから、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、カスミザクラ、カンザン(関山・八重桜)と次々咲いて5月まで花を楽しむことができます。ソメイヨシノの開花は例年より数日早くなりそうです。そして猛暑の長い夏、駆け足で過ぎ去る秋、暖かい冬…。自分の若かった頃と気候は随分と変わってきました。そして今年は新型コロナウイルスの蔓延も心配です。それでもサクラやモモの花を見ていると心が弾みます。この1年、どうか大きな災害がありませんように。(Y)

2020年3月21日(土)
セトウチサンショウウオ

 セトウチサンショウウオの産卵は2月15日と2月23日にそれぞれ1個ずつ、合計2個の卵のうを見つけてシーズンが終わったようです。ただ、水草などの中に産卵されて気づかなかった可能性もあるので、これからも幼生の発見に期待したいと思います。例年幼生は3~4cmまでは育ちますが、水が干上がって死んでしまったり、水があっても行方不明になってしまったりして、変態して成体になったのはまだ見ていません。それで今年は飼育することにしました。先日、孵化した幼生が卵のうから出てきました(写真左)。体長は1.5cmほどです。同じ頃に生まれたアカガエルの幼生は体長2~3cmほどに成長しています(写真右)。お腹の白い渦巻は腸です。(Y)

2020年3月20日(金)
今日は春分の日

 3月5日の当欄で、啓蟄とは二十四節気の一つで、意味は「冬ごもりの虫が這い出る頃」と紹介しました。今年の啓蟄は3月5日でした。加えて二十四節気は期間を示す言葉でもあり、春分の日の前日の3月19日までの期間も啓蟄といいます。それも過ぎて、今日は春分の日。一昨日には渡ってきたツバメを見ましたし、昆虫などの生物の姿も増えてきました。左の写真は体長3mmほどのコガシラミズムシ、右はニホンアカガエル。田んぼビオトープで作業中に出会った生き物たち。暖かくなったので、みんなとても元気でした。(Y)

2020年3月18日(水)
太陽光パネル

 2018年9月22日の当欄に「里山の現状」として、太陽光パネルの設置とそのための木の伐採(写真左)について取り上げました。今、その場所に太陽光パネルの設置工事が進んでいます(写真右)。パネルの耐用年数は20年とか。20年後ここはどうなるのでしょうか。そのまま放置され廃墟となってしまうことはないでしょうか。あのバブルの頃に次々と作られて廃墟となっていった施設のように…。パネルに蚕食された里山で、将来の食糧事情や豊かな自然がどうなっていくのか。心配でなりません。(Y)

2020年3月17日(火)
オタマジャクシの救出

 モグラが畦に大きな穴を開けたり、地下に排水用のパイプが通っていたりして、田んぼ1枚の全面に水を溜めるのは不可能に近いです。でも、カエルの産卵期やオタマジャクシ(以下、幼生)の時期には水を切らすわけにはいきません。そこで、確実に水を溜めるために泥で堤防を築きました(写真左)。堤防の手前側には確実に水が溜まります。しかし、今年の3月は雨が多く、何度も幼生が堤防の外に流されてしまいました。そこで今回は卵塊ではなく幼生(写真右、ヤマアカガエルの幼生)の救出。網で掬っては元に戻してやります。その後、写真のように堤防を高くしました。これで大丈夫…かな?(Y)

2020年3月16日(月)
羽根の散乱

 庭に羽根が散乱していました(写真左、右)。犠牲になったのはキジバト、仕留めたのはおそらくオオタカ。早朝の庭でキジバトとオオタカの生きるための壮絶な戦いがあったのでしょう。食べるために、また、食べられないために。そのシーンを思い浮かべて、「しっかり生きよ!」と喝を入れられた気持ちになりました。(Y)

2020年3月15日(日)
オタマジャクシがいっぱい!

 今、田んぼビオトープはニホンアカガエルとヤマアカガエルのオタマジャクシだらけです(写真左)。今シーズンは2種合わせておよそ300卵塊の産卵がありました。1卵塊当たりの卵の数は、ニホンアカガエルで500~3000個、ヤマアカガエルで1000~1900個ということですから、1卵塊の卵数を平均1500個としてそれがすべてオタマジャクシになったとしたら単純計算では450000匹ということになります。数が大きすぎてちょっとピンとこないですが…。昼間暖かいせいか、3cmほどに成長したのもいるし、遅く産卵されてまだ孵化していないのもいます。右の写真は枯れたマコモの株元に集まっているオタマジャクシ。体長1.5~3cmのいろんなサイズ。生まれた喜びを発散させているようで、見ている私もうれしくなります。(Y)

2020年3月14日(土)
気が付けば、春

 この冬は今まで経験したことのない暖かさ。そのせいか、例年大きな群れでやって来る冬鳥のアトリは全く姿を見せませんでした。渡りの途中に食糧となるタネや実がたくさんあって、当地まで南下するのをやめたのでしょうか。オオカワラヒワも数羽見ただけ。ヒヨドリも年々少なくなっているように感じます。一方、ミヤマホオジロやアオジはほぼ例年通り。カシラダカは30羽ほどの群れを見ることができました。アトリなどの減少が一過性のものであり、絶滅が心配されるほどの減少でないことを祈るばかりです。酷暑の長い夏、駆け足で過ぎ去った秋と冬。気が付けば春です(左はウメ、右は群生地のユキワリイチゲ。ともに満開)。(Y)

2020年3月13日(金)
アカガエル卵塊の救出

 左の写真は、私たちが管理している棚田で1枚だけ農家の方がお米を作っておられる田です。この時期には雨が降るとたくさんの水たまりができますが、晴天が続くと日当たりが良いのであっという間に干上がります。そんな水たまりにもアカガエルは産卵します。今年も気になって見に行くと、なんと40個ほどの卵塊が!(写真右) 間もなく春の田起こしも始まるので急いで田んぼビオトープに移動しました。この40個と田んぼビオトープの分と合わせておよそ300個の卵塊を記録して、今年のアカガエルの産卵シーズンは終わったようです。(Y) 

2020年3月11日(水)
ハリガネムシ

 ハリガネムシを3年ぶりに見つけました(写真左)。ハリガネムシはカマキリ(主にハラビロカマキリ)やバッタ、カマドウマ(写真右)、ゲンゴロウなど昆虫類の寄生虫として知られています。ハリガネムシのようなあまり人に知られていない寄生虫が、森林と河川の生態系に大きな影響を与えていることを知って、生物はお互いにつながりあってこそ生きていけるのだと実感することができました。(生態系とは、植物、動物、微生物と土壌、水、空気などが相互に関係をもって成り立っている一定のまとまりをもった空間のこと。例えば森林、河川、草はら、湿地、サンゴ礁、砂漠などです)。ハリガネムシが森林と河川の生態系に与える大きな影響については、2017年4月11日の当欄に書いています。

2020年3月8日(日)
アオサギとノスリ

 田んぼに行く途中、アオサギ(写真左)とノスリ(写真右)に出会いました。アオサギは一年中ため池のあたりでよく見かけますが、ノスリは冬になるとやって来ます。2種ともいつもは敏感ですぐ逃げてしまうのに、この時は逃げません。しょっちゅう会っていると鳥も人間の個体識別をするようです。いつも見かける安全な奴、というところでしょうか。おかげでじっくりと写真を撮ることができました。タカの仲間のノスリが狙うのはネズミ類、モグラ類が主ですが、鳥類、カエル類も食べます。冬鳥なのでもうすぐいなくなります。一方、アオサギは大きくなったアカガエルのオタマジャクシやオオコオイムシを食べに、これから田んぼビオトープに居座るようになります。(Y)

2020年3月7日(土)
シイタケの原木栽培

 シイタケの原木栽培に必要なものは、「ホダ場」と「ホダ木(原木)」と「菌(種駒)」。ホダ場に適しているのは、クヌギの雑木林のような直射日光が当たらない日陰。そこに駒打ち(植菌)したホダ木を並べて、シイタケ菌が原木に蔓延してシイタケが出てくるのを待ちます。我が家でも自家用にシイタケを栽培しています。ホダ木によく利用されるのは、ナラ、クヌギ、シデ類、クリ、カシですが、我が家では主にコナラを使っています。左の写真はコナラの木にドリルで穴をあけて、ハンマーで駒打ちをしているところ。この冬は例年にない暖冬で、冬の間中新しいシイタケを食べることができました(写真右)。こんなことは初めてです。(Y)

2020年3月5日(木)
スズメバチの巣

 今日は啓蟄。啓蟄とは季節を表す言葉で、二十四節気の一つ。「冬ごもりの虫が這い出る頃」という意味があります。とはいえ、今日は雪の降る寒い一日になりました。ところで、少し前の2月20日のこと。残していたカヤネズミ生息地(写真左)の草刈りをしていました。巣を探しながらも夢中で草刈りをしていたら、目の前に長径50cm以上はあろうかという大きなスズメバチの巣が!(写真右) 休耕田の法面にできた大きな窪みの中です。昨年の夏はすごく暑くて、秋になっても草刈りができず困っていました。でも、もし夏や秋に草刈りをしていたら巣に気づかないで刺されたかもしれません。今はもうハチはいないとわかっていても、血の気が引いてしまいました。自然は美しくもあり、危険がいっぱいでもあります。見えない所の草刈りは危険予知を意識しながら慎重に。また一つ覚えた危険な生物との付き合い方です。(Y)

2020年3月4日(水)
瀬戸内の旅 その2

 次の日は愛媛県今治市の桜井海岸(写真左)へ。ここも美しい砂浜です。手で砂をすくってじっと眺めていると(写真右)、ふと「砂」って何だろう…? 見たらわかるのだけど説明できない。調べたら、あるホームページに「砂とは岩石が風雨にさらされて壊れた『かけら』からできている」とありました。砂粒は多くの場合、鉱物結晶1個からできているそうです。岩石のかけら(礫・れき)が河川の上流から下流に運ばれる途中で、さらに細かく砕かれて砂へと変化していく。1粒の砂からスケールの大きな繋がりが見えてきます。(Y)

2020年3月4日(水)
瀬戸内の旅 その1

 3月1日~4日の日程で兵庫県の淡路島、愛媛県東予の海岸、しまなみ海道の島々、広島県尾道市などを巡る旅をしてきました。愛犬ウリも連れて、ゆっくりと。左の写真は淡路島最南端に近い阿万海岸。海の水が澄んですごくきれいです。ゴミもほとんどなく、白い砂浜が長く続いていました。こんなにきれいな砂浜は、私の少ない見聞ですが、山口県萩市の菊ヶ浜以来です。ところで、淡路島といえばタマネギ。至る所にタマネギ畑がありました(写真右)。(Y)

2020年2月27日(木)
失くした手袋

 田んぼでの作業中に置いてきたのか、帰宅してゴム手袋が無いのに気づきました。数日後ゴム手袋を見つけましたが、誰が齧ったのかボロボロです(写真左)。ところで、私の好きな絵本に「てぶくろ」(ウクライナ民話。福音館書店)があります。その内容は、「おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいます。雪の上に落ちていた手袋にネズミ、カエル、ウサギ、キツネ、オオカミ、イノシシが次々と住み込み、最後には大きなクマまで。手袋の中はもう満員! そこにおじいさんが手袋がないのに気づいて戻ってきます…」 さて、手袋は? 動物たちは? 私の手袋ではそんな素敵なことは起こらなかったけど…。齧ったのはタヌキかな? すぐ近くの山でタヌキの新しい「ためフン」も見つけたし(写真右)。ボロボロの手袋は残念だけど、最近とんと見なくなったタヌキが元気でいると思うとちょっとうれしい気持ちにもなりました。(Y)

2020年2月26日(水)
アカガエルの新たな産卵

 昨夜は暖かい雨が降り、今日は昼に田んぼビオトープの方でアカガエルの鳴き声が続いていたそうです。夕方になってしまったのですが、確認に行くとたくさんの新しい卵塊があってびっくり(写真左・右)。2月15日と17日に産卵のピークがあり、卵塊の数は175個になっていました。もうこれで今シーズンの産卵は終わったと思っていましたが、また多数の卵塊です。今日の新しい卵塊は56個。合計で230個ほどになりました。記録を始めて5年。今までの最高記録はおよそ400卵塊ですが、今年は今日現在で2番目の多さ。田んぼビオトープの整備がうまくいっているのかなと嬉しくなりました。(Y)

2020年2月24日(月)
サンショウウオがつないでくれた縁

 前回、従来のカスミサンショウウオが9種に再分類されて、当地のはセトウチサンショウウオ(以下セトウチ)と呼ばれることになったと報告しました。先日、県内外の野生生物を調査されているYさんから、当地のセトウチの卵をほんの少しサンプルとして提供してもらえないかとのお話がありました。某大学に送ってDNAを調べ、より詳細なデータを得るということです。もちろん異存はありません。後日採取に来られ、ある程度発生が進んだ卵を5粒ほど持ち帰られました。犠牲は最小限にしたいとのことでした。結果が出る時が楽しみです。私たちにとっては、保全に力を注いできたセトウチを通じて専門家とつながったということが大きな喜びであり、励みにもなりました。Yさんに感謝です。左の写真は2月15日に見つけたセトウチの卵のう。右は2月23日に見つけたものです。(Y)

2020年2月21日(金)
セトウチサンショウウオ

 2019年に発表された論文で、「カスミサンショウウオ」は9種に再分類され、真のカスミサンショウウオは九州(対馬、壱岐島、福江島を含む)に分布するものだけになりました。当地に生息するのは「セトウチサンショウウオ」と呼ばれることになります。左の写真は今年2月15日に見つけた卵のう。右はお腹が膨らんだメスの成体です(体長約10cm、2019年2月撮影)。ブログ「湿地帯中毒」の中で筆者は、「これらカスミサンショウウオはじめ8種は日本列島の地史の生き証人たちです。絶滅させることの無いよう、現代に生きる我々は、責任をもってこれらのサンショウウオたちを守り、存続させていかなくてはなりません。」と書いておられます。昨年の論文発表が、開発や乱獲からサンショウウオ類を守るきっかけになればと願わずにはおれません。(Y)

2020年2月20日(木)
命の輝き

 1月に産卵された卵が孵化して寒天質の膜から出てきました(写真左)。体長1cmほどのヤマアカガエルの幼生です(2019年3月18日の当欄にカエル幼生の外エラや卵の栄養分について詳しく紹介しています)。幼生は成長して5月頃カエルに。幼生の成長につれて田んぼビオトープは賑わいを増していきます。右の写真は最近産卵されたばかりの卵塊。ほぼ球形で透明。キラキラ光って、とてもきれいです。(Y)

2020年2月17日(月)
寒い日に

 今日は北風が冷たく、時折雪の舞う寒い一日でした。例年の真冬の寒さです。こんな日は溜まっている家の用事をするのですが、やっぱりアカガエルとセトウチサンショウウオの産卵が気になって、夕方田んぼビオトープに行きました。手袋を忘れたのでカウンターのボタンを押す手が震えてあまり正確ではありませんが、70個近くの新しい卵塊がありました(写真左)。昨日が一日暖かい雨だったので、またたくさん産んだのでしょう。それにしてもこの寒い時期にと、毎年のことながらとても感動します。セトウチサンショウウオの産卵はありませんでしたが、次回に期待です。右の写真は、現在の田んぼビオトープ。今年は今までで一番整備ができました。(Y)

2020年2月16日(日)
卵塊の見分け方 その2

 2月11日に目で見てわかるアカガエル類の卵塊の見分け方について取り上げましたが、今日は手で掬ってわかる見分け方について紹介します。左の写真はニホンアカガエルの卵塊。持ち上げた時、形を保っていてプルンと弾力があります。右はヤマアカガエルの卵塊。掬いあげようとすると、手から垂れそうになってうまく掬えません。目で見てわかりにくいときはこうして手で判断します。1個の卵塊に卵がニホンアカガエルで500~3000個、ヤマアカガエルで1000~1900個あるそうです。田んぼビオトープでは、1月に産卵された卵が孵化して小さな幼生(オタマジャクシ)になりました。(Y)

2020年2月15日(土)
蛙合戦

 昨夜から降り続いた暖かい雨。気温も4月並みだとか。朝、アカガエル類の鳴き声が聞こえたので急いで田んぼビオトープに。驚くほどたくさんの卵塊がありました。水中で抱接しているカエルも。また、蛙合戦(かわずがっせん)も初めて見ることができました。(写真左。蛙合戦とは産卵のために集まったカエルがメスを巡って争う様子を言います)。新しい卵塊の数は90以上。これまでの分を合わせると100個を超えます。ニホンアカガエルとヤマアカガエルが半々ぐらい。また、セトウチサンショウウオ(最近までカスミサンショウウオと呼ばれていたものです)の卵のうが1つ見つかりました(写真右)。それに、争いで死んだとみられるカエルの死骸が6個体。せっかく産んだ卵を日干しにしないよう、ビオトープをしっかり管理しようと心に誓いました。(Y)

2020年2月12日(水)
巣箱とヘビ除け

 先日、シジュウカラの囀りを聞いて、急いで小鳥用の巣箱架けをしました。自宅周辺には雑木林が広がっています。そんな環境がいいのか、小鳥たちは毎年巣箱にやって来ます。以前はよくヒナが育ちました。でも、樹が育って環境も多様になってくるとヘビも来るようになり、卵やヒナが食べられたり、危険を感じた親鳥が卵を残して巣を放棄したり。昨年はアオダイショウが巣箱を見つけて、ヤマガラのヒナを食べてしまいました。なんとか繁殖を成功させてやりたい。それで今年は巣箱の下にヘビ除けを付けることにしました。表面がツルツルした養生マットを巻き付けたのです(写真左)。効果を期待しています。右の写真は、以前ヤマガラが途中で放棄した巣箱内の様子です。卵が孵らないまま残されていました。(Y)

2020年2月11日(火)
卵塊の見分け方

 3日間いつもの冬らしい寒さが続いたあと、今日の日中は春のような暖かさになりました。そこで、もう少し水草取りをしようと田んぼビオトープに急ぎました。作業の前に見て回ると、ニホンアカガエルの新しい卵塊が1つありました(左の写真の右側のもの。左側は1月30日に見つけたものです)。右の写真は以前からある7個の卵塊(2月11日撮影)。右上の白く曇ったようなものが、1月23日に今シーズン初めて見つけたニホンアカガエルの卵塊。あとの6個は1月30日に見つけたヤマアカガエルの卵塊。ヤマアカガエルの方は10日以上も経つのにまだ透明感があります。ようやく卵塊を見ただけで、2種のアカガエルを区別できるようになりました。(Y)

2020年2月9日(日)
雪の朝

 今朝は今シーズン初の積雪らしい積雪(2~3cm)でした。左の写真は自宅から見た雑木林。右の写真は私たちのフィールドである棚田の風景です。降りすぎると困るけど待っていた積雪。そして冬らしい冬。雪の風景もなかなかいいものです。でも、昼には明るい陽射しで、雪はあっという間に消えてしまいました。(Y)

2020年2月7日(金)
チガヤ群落とカヤネズミの巣

 一昨日、昨日といつもの冬らしい寒さになりました。今朝も冷え込みが厳しかったのですが、昼間は明るい日射が眩しく、暖かく感じる良いお天気。水草取りに絶好の日和ですが、刈り残した草がまだたくさんあるので、今日は草刈りを優先することにしました。左の写真はこれから草刈りをする場所。カヤネズミの巣材となるチガヤが群落を作っています。秋に刈ったのですが、暖かかったのでまたかなり成長しています。こういうところはカヤネズミの巣がよく見つかるところですが、いつまでも放っておくわけにはいかず、思い切って刈りました。やはりカヤネズミの巣が次々と見つかります。ここだけで7個も! でも、今はこの巣にカヤネズミはいません。多くは晩秋の出産と子育てに使ったと思われる大きな巣です(写真右)。カヤネズミのことが気になって、逡巡しながらのスローペースな草刈り。カヤネズミにとっては居心地がいいのかもしれません。(Y)

2020年2月6日(木)
水草の根

 昨日、今日とようやく冬らしい寒さになりました。今日は最低気温が-3℃、最高気温が+3℃でこの冬一番の寒さ。それでも、落ち葉掻きをしたり、柴を集めたりしていると、体がホカホカしてきます。ところで田んぼビオトープですが、1月23日にアカガエルの今シーズン初めての産卵(1個の卵塊)があり、数日後に7個の卵塊を見つけて合計8個になりました。その後は産卵がないので、先日暖かい日に水草取りをしました。写真左は水草の根です。無数の根が泥に食い込んでいて取るのに難儀します。でも、水草は地下茎を四方八方に伸ばし、次々と芽を出して広がるので、たまには一株を抜くとつながった地下茎とともに簡単に数株が抜けることも。そんな時はちょっと得した気分です。右の写真は根に絡みついたミミズ。1mmほどの細いもので、長さは10cmほど。水生のミミズがいることを初めて知りました。(Y)

2020年2月5日(水)
暖冬

 この冬は、3月並みの陽気という日が多かったです。ほとんど雪も降らず、積雪はありません。今日は珍しく北風の強い寒い一日になりました。でも、この寒さも長くは続かないようです。昨年は酷暑で長い夏。そして秋も冬も駆け足で通り過ぎて、周囲を見渡せば早くも春の気配濃厚です。フキノトウが顔を出し(写真左)、フクジュソウの花が咲き始め(写真右)、シュンランが蕾をつけています。例年なら待ちに待った春とすごくうれしくなるところですが、どれも早すぎるのではないかとちょっと複雑な思いです。(Y)

2020年2月2日(日)
鳥類調査

 今日は暖かくていいお天気だったので、モニタリングサイト1000・里地(環境省/日本自然保護協会)の鳥類調査をしました。12月に1、2回目をしたので今回は3、4回目です。あらかじめ決めたコースを往復して、行きが3回目、帰りが4回目となります。鳥の越冬期に6回、繁殖期に6回の調査をします。左の写真は調査コースの一部。左側に雑木林、右側奥に休耕田が広がっています。今回確認できたのは、カケス、ツグミ(写真右)、シロハラ、ノスリ、アオジ、カシラダカ、シジュウカラなど19種でした。毎年群れでやって来るアトリを全く見ないので、ちょっと心配。5、6回目の調査に期待したいです。(Y)

2020年2月1日(土)
ササユリのタネ

 熟して枯れたササユリの実(写真左)の中に何かが入っているのを見つけました。取り出そうとしたら、フワフワと風に乗ってたくさんの薄片が周辺に落ちていきました。拾い集めてみると周囲に薄い翼の付いたタネ(写真右)でした。毎年ササユリが咲くのにタネを見るのは初めてです。ササユリのタネは、モミジやマツと同じように風に乗って運ばれるものだったんだ! 私にとっては新しい発見です。他のはどうだろう? もうすぐ咲くシュンランのタネも見たくなりました。(Y)

2020年1月30日(木)
きたけ

 晴れていると思ったら急に雨が降ってくる。当地ではこの季節、天候がくるくる変わることがしばしばあって、洗濯物を出したり入れたりが大変です。このようなお天気のことを、県北のごく一部の地域だけらしいですが、「きたけ」と呼びます。当地でもこの言葉が使われています。鳥取との県境のあるピークは「きたけ峰」という名がついています。初め不思議な名だと思っていましたが、おそらく冬のこの天候に由来するのでしょう。昨日も「きたけ」。晴れていたのに突然の雨。洗濯物!と慌てて外に出たら、大きくてきれいな2本の虹(写真左)。洗濯物のことは忘れてしばし見とれました。雨はすぐに止んだので、田んぼビオトープに行ったら、新しいアカガエルの卵塊が7個ありました。(写真右)(Y)

2020年1月29日(水)
ジョロウグモの死

 昨日からジョロウグモの姿が見えなくなりました。勝手口のすぐ外に大きな網を架けて、いつも中心にいたジョロウグモ(写真左。1月23日)。わかってはいても突然いなくなるとやはり寂しいような気がします。昨年の10月26日に産卵(10月28日の本欄)してから3か月、暖冬とはいえ冷え込みの厳しい朝晩を生きのびました。毎日ほぼ同じ場所で動かなかったのが、1週間ほど前には、2、3日間ボロボロになった網の端から端まで結構活発に移動し、その後また元の場所に戻っていました。鳥に食べられたのでなければ、どこかの隙間で見つかるかもしれませんが、生きてはいないでしょう。ところでジョロウグモはきれい好きだそうです。そういえば、自分の脱皮殻や昆虫の翅などの食べかすは粗い網に集めて(写真右)、自分はきれいに編んだ網にいつもいました。観察を続けてきて、ジョロウグモという生物の不思議さに触れることができました。(Y)

2020年1月26日(日)
マコモの根茎切り

 今日も暖かい良い天気になりました。1月23日にアカガエルの卵塊を1個見つけましたが、その後の産卵はありません。でも今年は産卵が早いようなので、今までできていなかった田んぼビオトープ4の水草取りを始めました。ここはアカガエルも産卵しますが、マコモが小さな群落を作っていてカヤネズミの巣がたくさん見つかる所です。夏の猛暑もあって全く手をつけずにいたら、左の写真のようにほとんど水がなくなって陸地化していました。これではカエルは産卵できません。覚悟を決めて、増えすぎたマコモの根茎を切って取り除くことを始めると、少しずつ水が湧いてきました。そうしたら私も元気が出て、周囲の生きものたちの姿や行動を見る余裕も出てきます。産卵のため冬眠を中断して枯草の隙間に隠れているアカガエル、冬眠中のヤゴやウシガエル幼体、オオコオイムシ、そしてミズムシ(写真右)など。冬眠を妨げたのは悪かったけど、暖かかったので放してやると急いで泥の中に潜っていきました。(Y)

2020年1月25日(土)
薪作り

 今、来シーズンの薪ストーブ用の薪を作っています(写真左)。数年前までは樹を伐採したという情報をもらうと、遠くまで軽トラで貰いに行っていました。太い木を玉切りしていてチェーンソーが動かなくなったり、足場が悪くてどうしようもない、ということも度々。なんとか家に持ち帰っても斧で割るのがまた一苦労でした。今では敷地や周辺の樹も大きくなって比較的楽に薪を調達できるようになりました。木を伐採して太い幹は玉切り、枝は太さに応じて薪や焚き付け用に切り分けて有効活用(写真右)。コナラクヌギの木ならシイタケのほだ木にもします。着火には杉の枯葉を使います。雑木林は明るくきれいになるし、薪の火は芯から体を暖めてくれる。薪作りは大変だけど、心浮き立つ作業でもあります。(Y)

2020年1月23日(木)
アカガエルの産卵

 今日は季節外れの暖かい雨。夕方、アカガエルの鳴く声を聞いたので急いで田んぼビオトープへ。田んぼビオトープ1に数匹のアカガエルの姿が見えたけど、すぐに逃げてしまいました。そのあたりを探すとニホンアカガエルと思われる卵塊を1個発見(写真左)。今日はその1個だけでした。今夜も暖かいので明日の朝が楽しみです。ところでアカガエル産卵の初日は、昨年が2月15日(2019.02.15の日記に記録)、一昨年が2月28日(2018.03.02の日記に記録)でした。今年の冬は例年よりずいぶん暖かく雪も降らず、産卵が早まるだろうとは思っていましたが、およそ1ヵ月も早い産卵になりました。この分ではカスミサンショウウオの産卵も近いでしょう。右の写真は、きれいになった水路に設置したカスミサンショウウオの産卵床。この下に産卵してくれることを楽しみに待っています。(Y)

2020年1月21日(火)
今日も水草取り

 今日は暖かい日。明後日からしばらく雨が続くという予報なので水草取りをしました。田んぼビオトープは4つあって、作った順番に1~4の番号を付けています。1と2は水草取りを終えて、今は田んぼビオトープ3と格闘中。水草取りをしていた時に出てきた生き物たちは、たくさんの小さなクモ類(写真左)やオオコオイムシ、ケラ(写真右)など。小さなクモがたくさんいるということは、餌となる小さな生き物がたくさんいるという証拠。もうすぐアカガエルとカスミサンショウウオの産卵も始まります。できれば1月末までに草取り作業をすべて終わらせたい。今年こそ水が干上がる心配のない、命溢れるビオトープになるように。もうあとひと踏ん張りです。(Y)

2020年1月17日(金)
落ち葉掻き

 冬は雑木林の中は落葉落枝でいっぱいです。落ち葉掻きは欠かせません。熊手で掻いても掻いても葉は落ちてきますが、お正月頃には樹々はすっかり葉を落とし、見上げると気持ちの良い青空が広がっています。集めた葉は畑の堆肥にしたり、獣に荒らされない場所に積み上げてカブトムシの幼虫が育つ場所に。また、落ち葉掻きをすることでシュンランやキンラン、トンボソウ、チゴユリなどが増えてきます。落枝は「おじいさんは山へ柴刈りに」の柴として活用されてきました。私たちも堆肥に混ぜたり、薪ストーブの焚き付けとして重宝しています。左の写真は自宅近くの小道、右は落ち葉の中のシュンラン。落ち葉の上を歩くとカサッ、カサッと音がして何とも気持ちがいい。雑木林がきれいになるように、いろんな花が咲くように、これからまた落ち葉掻きの続きをします。(Y)

2020年1月15日(水)
クサギカメムシ

 三連休に次女夫婦が来て、ちょっと遅れて正月祝い。我が家は薪ストーブを焚いているので、薪に張り付いて越冬していたクサギカメムシも家の中に持ち込んでしまいます。カメムシは暖かい家の中で目覚めて家中を飛び回ります。でも、代謝が活発になるのに食べ物はないし、すぐに死んでしまいます。ちょっと気の毒なので、捕まえて小さなネットに入れて家の中の冷たい場所で一時保護。娘たちも手伝ってくれて、ネットの中のカメムシは12匹にも(写真左)。今日、暖かい昼間に、来シーズン用の薪を積んだ場所で放してやると、急いで奥に入っていきました(写真右)。カメムシ救出作戦は暖かくなるまで続きます。(Y)

2020年1月13日(月)
鳥情報

 ちょっと日が経ってしまいましたが…。1月7日の夕方のこと、ふと庭に目をやると20羽ほどのツグミ(写真左、今回のものではありません)が地面に降りて落ち葉を掘り返しています。みんな警戒は怠らないものの餌探しに夢中という感じでした。昨年一昨年と姿を見る機会が少なく、ツグミが減ったなと思っていました。一方、ここ数年シロハラ(写真右、これも以前のもの)が増えたようでした。でも今シーズンはまだ2回しか見ていません。減っていなければいいのですが…。ところで、ツグミは地面で餌を探すようになると縄張りを作るようで、例年なら庭に降りるのは1羽だけ。今回のように群れで地面に降りて、しかもバードバスで水浴びまでするのは初めて見たので驚きました。シメも昨年は一度も見なかったのに、今シーズンは群れで来ました。他に、この冬庭に来た鳥は、アカゲラ、ミヤマホオジロ、カシラダカ、ジョウビタキ、モズ、コゲラ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、イカル、ヒヨドリ、キジバト。酷暑の夏に暖かすぎる冬。これからの鳥たちの動向を、温暖化問題とともに見ていこうと思います。(Y)

2020年1月6日(月)
小寒

 今日は寒の入りの「小寒」。今朝の山陽新聞のコラム「滴一滴」に心に残る文章が載っていたので一部を紹介します。「嫌がられる冬ではあるが、ただ厳しい寒さがなければ春の生命の躍動もない。桜が夏に花芽を作って休眠し、冬の寒さで目覚める『休眠打破』はよく知られる。同様に、秋にサナギとなったアゲハチョウが羽化するには、休眠して冬の寒さを経験する必要があるという。地面に葉が放射状にはりつく『ロゼット』状態で北風をやりすごすタンポポなども、震えているように見えて実はせっせと内部に養分を蓄えて春を待つ」(引用終わり)。筆者の思いは別の所にあるかもしれませんが、私はこの文章から、多様な命を育むためには春夏秋冬、どの季節も必要で無駄なものは何一つない、と理解しました。左の写真はノアザミのロゼット、右は棚田の今日の風景。眠っているように見えても、春への準備は着実に進んでいます。(Y)

2020年1月2日(木)
水鳥を見に

 お天気が良かったので、自宅から車で20分ほどの所にあるため池(写真左)に水鳥を見に行きました。小さな池ですが、鳥たちは対岸にいて双眼鏡ではちょっと見づらかったです。それでも少し前に、米子水鳥公園でカモ類をたくさん、じっくりと見たせいか識別力が少しは付いたようで、ちょっとうれしい気持ちに。確認できたのは、キンクロハジロ(写真右)、ヒドリガモ、カルガモ、ホシハジロ、マガモ、カワウ、カイツブリの計7種。メスはみんなよく似ていて、見分けるのはまだまだ。山野にいる鳥と同じように、カモなどの水鳥の魅力にもはまりそうです。(Y)

2020年1月1日(水)
明けましておめでとうございます

 今年もよろしくお願いします。昨日が去年で、今日が今年。見る風景も何も変わってはいないのだけど。大晦日から元旦、年の変わり目というのはいくつになっても不思議な感じがします。左の写真は初めて作った小さな門松。右は「おせち」。黒豆、数の子、蒲鉾と田作り。ただし田作りは今から(^_^;)。特筆すべきは自分たちで育てて収穫した黒大豆の黒豆で、これはおいしかった! 年末は田んぼの整備に入れ込みすぎて、年賀状も今から書きます。思い返せば、若い頃はお正月に20人ほど集まるので数日間半徹夜のおせち作り。今は夫婦2人の静かでささやかなお正月です。(Y)

2019年12月31日(火)
犬の歯磨き

 暑くない時期に車で遠出をする時は、いつも飼い犬のウリも一緒です。お利口にしているのですが、あくびをするたびに口臭が車中に広がるのが困りものでした。そこで毎晩歯磨きをすることに(写真左)。かなり慣れてはきましたが、あんまり好きじゃなくすごい顔になります。でも続けているうちに口臭が気にならなくなって良かったです。右の写真は服を着ています。2人の娘が幼い頃に着たベスト。リフォームして先代の犬にも着せたので、ウリは4代目。ウリももうすぐ10歳。寒くても外が好きなので先日から着せています。歯磨きの時はすごい形相ですが、本当は美人です。それでは皆様、来る年が災害のない穏やかな年になりますように。来年もよろしくお願いいたします。(Y)

2019年12月29日(日)
バッタの仲間 その6(最終回)

 今まで紹介したバッタはオンブバッタ以外はすべてバッタ目(もく)バッタ科に分類されます。オンブバッタはバッタ目オンブバッタ科とされています。キリギリスやコオロギは同じバッタ目ですが、それぞれキリギリス科、コオロギ科に分類されていてバッタと呼ぶのはふさわしくありません。来年はキリギリスやコオロギの仲間も紹介したいと思います。写真は共にバッタの幼虫(種名はわかりません)。暖かい季節に畦を歩くと、小さな幼虫たちがたくさん足元で跳ねています。踏まないように注意はしてもそれほど興味は持ちませんでした。これからはじっくり観察して、飼育もして何の幼虫かわかるようになりたいと思います。(Y)

2019年12月28日(土)
バッタの仲間 その5

 左の写真はヒナバッタのオスとメス(10月7日撮影)。左側、大きくて背中の「X(エックス)」の模様がはっきりしている方がメスです。体長2~3cmの小型のバッタ。メスは地味だけど、よく見ると体に複雑な模様があって魅力を感じます。「田んぼで観察会」の準備で置いていた板に、日向ぼっこでしょうか、たくさん集まってきた時の写真です。右の写真はオンブバッタ(10月10日撮影)。上に乗っているのがオスです。なんでいつもおんぶしているのだろうと不思議に思います。おんぶしているからオンブバッタという名前が付いたのだけど…。(Y)

2019年12月27日(金)
バッタの仲間 その4

 11月20日~22日の「バッタの仲間 その1~3」で、ツマグロバッタ、トノサマバッタ、ショウリョウバッタを取り上げました。バッタの季節は終わりましたが、久々のバッタ・シリーズ。今回はその4としてコバネイナゴを紹介します(写真左・右とも)。コバネイナゴはイネの害虫ですが雑草もよく食べるそうで、この辺りではごく普通にいるバッタです。成虫は7月から12月頃まで見られるとのことで、改めて自分の記録を調べてみると8月19日初認、12月1日終認でした。右は交尾中のもので、上に乗っているのがオスです。(Y)

2019年12月26日(木)
水路の整備とカスミサンショウウオ

 12月24日、水路の水草取りと泥上げをしました(写真左)。水の流れが随分と良くなりました。2月頃、カスミサンショウウオがこの水路の水の流れに乗って、田んぼビオトープに産卵にやってきます。そして3週間ほどで卵が孵って幼生が誕生します。しかし、毎年4~5月頃になると強い日射と少雨で田んぼビオトープが干上がり、せっかく4cmほどに育った幼生(写真右)の多くが干からびて死んでしまいます。でも今回水路の幅を広げて、底に溜まった泥もかなり上げたので、干上がる心配はまずないはず。産卵に来てくれるのが楽しみです。(Y)

2019年12月23日(月)
カモの飛来

 雨が降った後は水が澄んできれいになるのですが、昨夜の雨にもかかわらず田んぼビオトープの水が濁っています(写真左)。よく見ると水面に鳥の羽根が(写真右)。しばらく来ていなかったカモが、また採餌に来ているようです。脚で泥をかき回すので水が濁るのです。多分以前にもよく来ていたコガモでしょう。コガモはガマの穂を食べると何かで読んだことがあるので、刈りっぱなしのガマやススキの穂を水に入れてやりました。もし食べてくれたら、増えすぎるガマの勢いを抑えることができるかもしれません。カモ、食べてくれるかな?(Y)

2019年12月22日(日)
冬、生き物たちの営みに触れて

 今、用事がなくて暖かい日は、アカガエル類やカスミサンショウウオの産卵に備えて開放水面を広げるための水草取り、寒い日は草刈りや樹の伐採・剪定などをしています。左の写真は水草を取っている時によく出てくるガムシ。放してやると急いで泥に潜っていきました。右は樹の剪定をしている時に見つけたモズの「はやにえ」。コバノミツバツツジの枝に突き刺されていました。犠牲になったのはミミズです。暖かい季節のような生き物の気配は感じられなくなりましたが、彼らはそれぞれのやり方で懸命に生きています。(Y)

2019年12月18日(水)
田んぼビオトープの整備

 暖かい日は泥の中に潜んでいる生きものも逃げられるので水草取り。寒い日はカエルなどを殺傷する心配がないので周辺の草刈り、というのが作業の基準です。この時期は暖かい日が少ないので水草取りはなかなかはかどりません。それでも少しづつ開放水面が増えてきました(写真左)。先日水草取りの作業中に出てきたのは体長5cmほどのウシガエルの幼体、子ガエルです(写真右)。北アメリカ原産の特定外来生物ですが、幼体は目がパッチリとしてすごくかわいい。子どものころ薬局でもらったカエルのマスコットは、ウシガエルの子ガエルがモデルでは?と思っています。(Y)

2019年12月16日(月)
シュウメイギク

 シュウメイギク(秋明菊)という名前に魅かれて、いつか見たいと思っていました。その花が田のオーナーのTさんのお宅にあると聞いて、花の時期に見に行こうと思いつつ何年か過ぎてしまいました。今年の秋、Tさん宅を裏の田の方から訪ねた時、扉の脇にきれいな花が咲いているのに気づきました(写真左)。もしかしてこれがシュウメイギク? Tさんに尋ねるとその通りでした。やっと憧れの花に出会うことができました。シュウメイギクは菊の仲間ではなくキンポウゲ科の植物。花びらのように見えるものは顎(がく)で花びらはありません。中心の黄色い球状のものは雌しべの集合体、周りの濃い黄色が雄しべです。古く中国から伝わった栽培品が野生化したものと言われています。開花期は9~10月頃です。右の写真は花のあと。今月撮影したものです。花の中心部が大きく膨らんで、割れると中から真っ白な綿毛が出てきます。(Y)

2019年12月14日(土)
草寄せ

 13日、私たちが管理者になっている休耕田に、刈ったままにしていた草を集めに行きました。1㎥ほどのカゴに山盛り5杯分(写真左)。これが田の半分から出た刈草の量です。イノシシ柵が張り巡らされて作業が面倒になりました。カゴ1杯分ずつ上がったり下がったりして、安全に草が焼ける場所まで運びます。棚田でも1枚の田はとっても広い。今日は疲れてちょっとブルーな気分。それでも暖かい昼間、成虫越冬の昆虫が出て来ると心が和みます。「お前も頑張ってるよね!」。(写真右:ツチイナゴ)(Y)

2019年12月12日(木)
草刈りとカエル

 数日前、田んぼビオトープに近い休耕田の草刈り(写真左)をしていた時に、ニホンアカガエルを傷つけてしまいました。カエルにも人間と同じ赤い血が流れています。ヘビやサギに食べられるのは自然の摂理と納得できますが、自分の不注意で傷つけたり死なせてしまったりするとすごく後悔します。ニホンアカガエルは暖かい時期には雑木林や畑で過ごしますが、初冬に水辺に近い場所で土に潜って冬眠に入り、翌年早春に水中で産卵します。冬眠中でも、今頃の暖かい日には出てきて餌を探したりします。昨日、刈草を集める作業をしていた時のことです。先日傷つけたカエルを見つけたのです(写真右)。「わっ、生きていた!」。傷はまだ完治していませんでしたが、生きて活動していてくれたのがうれしかったです。無事に冬越しできるように祈る気持ちでいっぱいになりました。(Y)

2019年12月11日(水)
オオカマキリの産卵

 10日、積み上げた薪に産卵中のオオカマキリを見つけました(写真左)。一般にカマキリの産卵は1か所だけでなく数か所で行われるそうです。このカマキリは、お腹がほとんど膨らんでおらず卵鞘も小さいことから最後の産卵だったと思われます。卵鞘を少しづつ泡立てながら産卵していました(写真右)。産みたての卵鞘は真っ白。時間がたつと本来の色に変わるのか、そしてこの2cmもない小さな卵鞘の中の卵が無事に孵化するのか。この薪を残しておいて観察しようと思います。それにしても12月10日にオオカマキリがまだ生きていて産卵とは! 昼間の暖かさを考えると、温暖化が進んでいることを考えずにはおれません。(Y)

2019年12月8日(日)
鳥取・島根の旅 その3

 7日。いつか行きたいと思っていた出雲大社へ。今日は暖かくてまずまずのお天気。鬱蒼とした樹々に囲まれて本殿(写真左。奥)がありました。ここは日本中の神々が集う所。大国主命、日本武尊、素戔嗚尊。八百万の神々が泊まるとされる建物もあって、ゆったりと神話の世界に浸りながら歩きました。本殿裏には可愛い7体のうさぎの石像が(写真右はその1つ)。今日もまた出雲そばを食べて帰宅の途に。高速道路は使わずに、宍道湖南岸沿いの国道9号をゆっくりと。宍道湖でもスズガモ、ホシハジロなどたくさんの水鳥を見ることができ、また思いがけずも、田んぼで稲の二番穂を食べるコハクチョウの小群をいくつか見ることができました。鳥取も島根も自然や文化の豊かなところ。何度も訪ねたい大好きな場所になりました。(宍道湖と中海は世界的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されています)。(Y)

2019年12月8日(日)
鳥取・島根の旅 その2

 松江城と小泉八雲記念館へ。記念館では八雲とその子どもたちの波乱万丈の生涯に思いを馳せました。今日も時折冷たい雨。お昼ごはんに出雲そばを食べて、その日の宿がある出雲市へ。(Y)

2019年12月8日(日)
鳥取・島根の旅 その1

 12月5~7日、鳥取県と島根県を旅してきました。まず5日は、以前から行きたかった「米子水鳥センター」(写真左)へ。冷たい雨が降る天候でしたが、館内の展望スペースには大きなガラス窓があり、たくさんのフィールドスコープと望遠カメラ連動の大きなモニターが。目の前に中海とつながる大きな水域が広がって、今まで見たことがなかったたくさんの水鳥が集まっています。指導員の方もおられて、暖かい所からじっくりと観察することができました。私が識別できたものは、クロツラヘラサギ(写真右、トキ科、環境省絶滅危惧ⅠB類)、トモエガモ(絶滅危惧Ⅱ類)、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリなど15種以上でした。(Y)

2019年12月3日(火)
フユイチゴ

 早いもので今年も師走を迎えました。秋は足早に過ぎ去り季節は初冬。昼間は暖かい日もありますが、朝晩の冷え込みは相当なものです。庭の木々の落葉もこのところ急ピッチ(写真左)。日々冬枯れが進む中で、フユイチゴの鮮やかな赤い実(写真右)を見つけると心の中がホッと暖かくなります。(Y)

2019年11月30日(土)
水草取り

 今日は暖かかったので、田んぼビオトープの水草取りをしました。4つある田んぼビオトープの水草取り、ようやく1つ目があと少しで終わりそうです(写真左)。次はカスミサンショウウオが産卵するビオトープの水草取りにかかります。近くの山々もまだまだ美しい季節。スギやヒノキの緑と広葉樹の黄葉、コントラストが鮮やかです(写真右)。(Y)

2019年11月28日(木)
出てきた生き物たち

 大根掘りをしていた時にいろんな生き物たちが出てきました。コバネイナゴオンブバッタのメス(写真左)、ヒメツチハンミョウのオスとメス(写真右。これはメスです)、スジグロシロチョウの幼虫、ナナホシテントウ、そしてアマガエル。寒くなって動きは鈍いですが、精一杯生きている姿が愛おしいです。(Y)

2019年11月28日(木)
大根掘り

 暖かかった昨日と打って変わって、北風が冷たく今シーズン一番の寒さ。でも予定通り休耕田の畑で育てた大根の収穫をしました。去年までの自宅そばの小さな畑と違って、日当たりが良いためか大きく立派なのがたくさん育ちました。サツマイモと同じく如何にして食べきるか、豊作なのはうれしくもあり悩ましくもあります。左は掘り上げた直後、右は水洗い後です。ぱっくりと割れてしまっているのが何本も。このあたりはまだまだ素人です。(Y)

2019年11月27日(水)
ユズ

 毎年この時期になると、田のオーナーのTさんが「ユズを採りにおいで」と言ってくれます。今年は生り年。いつもより大きく、傷もほとんどなく、たくさん実をつけていました(写真左)。ユズの木には鋭くて長いトゲがあります。去年懲りたので今年は厚い手袋をはめて、トゲの間をかき分けてたくさん収穫させてもらいました。ユズ酢、ユズの生ジャム、ユズ茶、そしてユズ風呂。近所の方にもおすそ分け。今年もふんだんにユズを楽しむことができそう。Tさんに感謝です。作業を終えてふと足元を見ればお腹の大きなアマガエル(写真右)。11月末というのに暖かい日が続いて、アマガエルもなかなか冬眠に入れないようです。(Y)

2019年11月26日(火)
草刈りをしていると

 休耕田の草刈りをしていたら、ひょっこりツチイナゴが顔を出しました(写真左)。この昆虫は成虫越冬ですが、完全には冬眠しないので暖かい日には外に出て活動します。自宅そばの雑草畑はすべて草を抜いて裸地になっているせいかツチイナゴの姿をまったく見なくなったけど、休耕田ではまだたくさん見ることができます。右の写真はツマグロヒョウモン。時計を見れば午後4時過ぎ。すでに眠りに就いています。眠りの邪魔をしないように、少し離れた所で草刈り再開。小さな生き物たちの何気ない普段の生活を見られるのが何よりうれしく、日々の活動の励みになっています。(Y)

2019年11月25日(月)
コカマキリとハラビロカマキリ

 11月18日の本欄で、ジョロウグモの網に絡んで死んでしまったと書いたコカマキリ(写真左)。23日にそのコカマキリが動いているのに気づきました。今年は暖かいとはいえ朝晩はかなりの冷え込みです。網に絡んだままで何も食べず、よくぞ生きていたと思います。クモはガを捕まえて食べるばかりでコカマキリを食べる気配はありません。それで早速網から外して安全そうな場所に放してやりました。その直後、足元に前翅がボロボロになったハラビロカマキリが(写真右)。ケヤキの幹に止まらせるとスルスルと上がっていきました。どちらもお腹の大きなメス。無事に産卵することを祈りました。この2匹が今年最後に見るカマキリでしょう。(Y)

2019年11月23日(土)
サワガニの稚ガニ

 暖かかったので田んぼビオトープの水草取りをしました(それで、今日はバッタ・シリーズお休みです)。場所は4つある田んぼビオトープの内の1つ。ここは少ないながら水が湧いている所で、他が干上がっても常に水があります(写真左)。ヤマアカガエルの産卵場所であり、サワガニがよく見られる場所でもあります。カエルは水草がたくさん生えている所での産卵を嫌うようで、水草を抜いて開放水面を広げておくことが欠かせません。水草取りをしていると、たくさんの生きものに出会いました。シオカラ系のヤゴ、オオコオイムシ、ミミズ、ゲンゴロウ類の幼虫などなど。とっておきは甲幅5mmほどのサワガニの稚ガニ(写真右)。今まで見たのは親ガニばかりだったので、初めて繁殖を確認することができました。(Y)

2019年11月22日(金)
バッタの仲間 その3

 ショウリョウバッタの幼虫と成虫の紹介です。このバッタは自宅や田んぼ周辺でたくさん見られます。成虫になってからでもそうですが幼虫(写真左、7月21日撮影)の時は特に動きがゆっくりで、草刈りの時に殺傷しないかとすごく気を遣います。右は交尾中のもの(9月4日撮影)。小さい方がオス(体長4~5cmで細身)。メスは大きくて体長7~8cmあります。どちらも頭部が斜め上に鋭く尖っています。(Y) オスは飛ぶときに「チキチキチキ…」という音を出すので、子どもの頃は「チキチキバッタ」と言っていました。またメスはあまり飛ばないので子どもでも捕えやすく、後脚を揃えて持つと体を縦に振るので「コメツキ(米搗き)バッタ」と言っていました。今はこんな呼び方も聞かなくなりましたね。(T)

2019年11月21日(木)
バッタの仲間 その2

 今回はトノサマバッタの幼虫と成虫です。左が幼虫。初めて見た時、ロボットみたいですごくかわいいと思いました。成虫は前にいた大阪でも何度か見たことがありますが、幼虫は今年当地で初めて見ました。それも何回も。ということは昨年も一昨年もたくさんいたはず。興味を持って見ようとしなければ見えない、ということかもしれません。右はメスの成虫です。体長は6cmほどもありました。(Y)

2019年11月20日(水)
バッタの仲間 その1

 バッタの仲間を今年はたくさん観察することができました。というか、今まではあまり関心がなくて、たくさんいたのに見えなかっただけでしょう。知れば知るほどバッタの魅力にはまりました。今回は、春から晩秋に出会ったバッタの仲間を紹介します。まずはツマグロバッタ。左がオスで右がメスです。オスとメスでこんなに色が違うなんて! バッタ初心者としては大きな驚きでした。(Y)

2019年11月19日(火)
ツルリンドウ

 左の写真はツルリンドウの花(9月7日撮影)。地味だけど心惹かれる大好きな花の一つです。右はツルリンドウの実(11月8日撮影)。落ち葉掻きをしていて見つけました。この実を見ると、何だか心が明るく浮き立つような感じ。枯葉の中で鮮やかな赤がひときわ輝いて見えます。(Y)

2019年11月18日(月)
ジョロウグモのその後

 10月26日に産卵したジョロウグモ(10月28日の本欄)。今日で産卵後23日目です。産卵後しばらくは夜になると冷え込んで獲物もいない日々。大丈夫かなと思っていたらまた暖かい日が続いて、15日と16日にガのような獲物を捕らえて食べていました(写真左)。体も大きくなったような気がします。今日は網の補修をしていました(網の補修はクモの負担が大きいそうです)。網の上方にはお腹の大きなコカマキリのメスが死んでいました(写真右)。網にからんで身動きできなくなったのでしょうか。クモはどうして獲物にしなかったのでしょう? 身近で日々繰り返される生と死のドラマです。(Y)

2019年11月17日(日)
草焼き

 11月15日に一番下の田の草刈りをしましたが、今日は風が無かったので朝から刈草を焼きました。きれいになった田ではリンドウの花がひときわきれいに見えました(左の写真の奥の方がリンドウの自生地です)。新しい場所で小さなリンドウの株を見つけました(写真右)。先日見つけたのと合わせると20株! リンドウ畑ときれいな草はら。夢に少し近づいたような気がします。(Y)

2019年11月16日(土)
白菜を食べたのは

 畑の白菜が穴だらけのレース状になってしまいました(写真左)。犯人の一つは右の写真、スジグロシロチョウの幼虫です。モンシロチョウの幼虫もそっくりで、普通は区別せず「青虫」と呼ばれています。大体は外側の捨ててしまう葉を食べているし、もうすぐ蛹になるので大目に見ています。厄介なのは、写真はありませんが、「菜の黒虫」と呼ばれるカブラハバチ類の幼虫です。小さくて目立たないけどこれがレースを作った主犯です。薬剤は使いたくないので、見つけたら指でつまんでやっつけています。それでは生ぬるいのだけど、結球部分はそれほどやられていないし、虫食いは安全の証でもあります。(Y、T

2019年11月15日(金)
満開のリンドウ

 私たちが管理している休耕田の一番下にある田の草刈りをしました。春からずっと手をつけていなかったので、すごい草です(写真左)。でも、その中で大小19株のリンドウが満開の花を咲かせていました(写真右)。今までは1~2株だけでしたが、今年は一気に増えました。ここは細長い田。この田の水がたまる部分はカエルの産卵場所に、乾燥している所はリンドウの群生地として、またカヤネズミやスズムシの生息する草はらとして保全できないか…。満開のリンドウを見ながらちょっとうれしくて、あれこれ思いを巡らせています.(Y)

2019年11月13日(水)
水草取り その2

 左の写真は水草取り作業の様子。右は作業中に現れたミズカマキリです。暖かかったせいか、マツモムシやメダカ、ヒル、ヤゴなどたくさん見ることができました。(Y)

2019年11月13日(水)
水草取り その1

 昼間暖かかったので田んぼビオトープの水草取りをしました。来年早春のアカガエル類とカスミサンショウウオの産卵のために、増えすぎた水草を取り除いて開放水面を広げておかなければなりません。でも、作業中カヤネズミの巣がマコモ群落で2個、チゴザサ群落で1個見つかったので、作業場所を変更。そんなわけで作業はなかなかはかどりませんでした。左の写真は、マコモ群落中のカヤネズミの巣、右はチゴザサ群落中のものです。(Y) 

2019年11月12日(火)
ご馳走に夢中!

体の大きさといい、皮膚の乾き具合いといい、いつになく「かわいい」と思える(あくまでも私の主観です)ヤマナメクジを見つけました。体長4~5cm。シイタケを夢中で食べています(写真左)。右は前日に撮影したもの。多分同じ個体です。体長7~8cm。伸びるとこんなに伸びるんだとちょっと感動しました。ナメクジは殻はないけどカタツムリの仲間です。(Y)

2019年11月11日(月)
ブッポウソウの巣箱掃除 その2

 次の巣箱は、フンの厚さ3cm、その下にコケの層が2cm。フンを取り出したら下から小鳥の卵が2個出てきました。シジュウカラかヤマガラの卵です(写真左)。巣作りをしていた小鳥を追い出してブッポウソウが繁殖を始めたと考えられます。ちょっと複雑な気持ち。他にはカタツムリの殻が1個と二枚貝の殻が多数。右の写真は自宅近くの巣箱の様子です。フンの厚さ5cmでその下に4cmのコケの層。やはり先客のシジュウカラかヤマガラが追い出されたようです。カタツムリの殻が何と19個! 今日点検した3個の巣箱のフンを比較すると、自宅近くのものが圧倒的に昆虫の残骸が多彩で量も多かったです。この地域には様々な昆虫が多数いると言えるのかもしれません。また、フンの層1cmで1羽のヒナが巣立ったと推定されるので、E地区の巣箱では各3羽、自宅近くのものは昨年同様5羽が巣立ったようです。(Y)

2019年11月11日(月)
ブッポウソウの巣箱掃除 その1

 11月10日、ブッポウソウの巣箱掃除と点検を行いました。隣のE地区で2個と自宅そばの1個、合わせて3個です。まず、木登り器(写真左)で高さ4~5mの所にある巣箱へ。内部の写真を撮り、フンの層の厚さを測ってからフンを取り出します。この巣箱ではフンの厚さは3cmでその下に8cmの枯草の層(写真右)。スズメが巣作りをしていた所にブッポウソウが巣を作ったようです。カタツムリの殻が1個ありました。(Y)

2019年11月10日(日)
ミソハギの草紅葉

 田の一部が濃いピンク色に見えます(写真左中央)。確かあそこはミソハギが生えていた場所。まさか今頃花なんてと思いつつ近づいたら、ミソハギの葉や茎が赤く染まっていたのです(写真右)。ミソハギが紅葉することをすっかり忘れていました。ミソハギは花もきれいで紅葉も美しい。春に芽を出した時の力強さや若葉の頃の凛とした佇まいも好き。大好きな植物の一つです。(ミソハギについては7月6日、草紅葉については2018年11月9日の本欄で紹介しました)。(Y)

2019年11月8日(金)
収穫の秋 その4

 左の写真はヒマワリのタネ。来年の種まき用ですが、鳥たちの冬越し用にも少し分けてやれるかな。右は現在の大根の状況。もうすぐ収穫できそうです。自分で野菜を作るようになって、それぞれの野菜の旬がわかるようになりました.(Y)

2019年11月8日(金)
収穫の秋 その3

 カラスザンショウの実です。この時期たくさんの実がなり、地面にも落ちています。実の大きさは直径5mmほど。油分が多いせいか黒光りしています。この実は野鳥が大好き。アカゲラも食べに来ます。鳥にとっても、柿などとともに収穫の秋です。(Y)

2019年11月8日(金)
収穫の秋 その2

 左の写真は西条柿の干し柿づくり。今年は我が家の柿の木に200個以上実がなったので、半分は近所の人にあげて、残りの100個ほどを干し柿にしました。今は出来上がって冷凍保存しています。右は落花生。他にショウガも収穫しました。(Y)

2019年11月8日(金)
収穫の秋 その1

 天候が不順ながらも、今年も収穫の秋を迎えました。まずはサツマイモ。今年は日当たりの良い休耕田の畑で、イノシシの被害もなく、たくさん収穫出来ました。例年になく大きいのが多くてビックリです。一番大きかったのは、長さ30cm、重さ2.5kg(写真右)。これでは家庭用のまな板や包丁は使えません。手ごろなサイズのものが少なくて、人にあげるのにもちょっと悩みます。(Y)

2019年11月4日(月)
トチノキの紅葉

 今日は北風が冷たく、今年一番の冷え込みでした。10月下旬に長女と2人の子どもが来た時にはまだ緑色をしていたトチノキが、ここ2、3日で一気に紅葉しました。ジョウビタキやシメなどの冬鳥も来て、秋は急ピッチで深まっていきます(Y)

2019年11月3日(日)
食べる

 左の写真は産卵を控えて腹部がパンパンに膨れているハラビロカマキリ。右は産卵を終えたばかりのジョロウグモ。ともに何かを食べています。よく見ると獲物はどちらもクサギカメムシ。ジョロウグモは産卵前のまだ暑いくらいの時期には、いつ見ても網に掛かった獲物を食べていました。網の下にカマキリの翅が落ちていたことも。さすがに寒くなって網に掛かる獲物が少なくなりました。ますます厳しくなる季節に向けて、エネルギー消費を最小限に抑えて、すぐそばの卵のうを見守りつつ生を全うするのかなと思います。ここしばらくジョロウグモから目が離せません。(Y)

2019年10月30日(水)
ヤクシソウと昆虫

 今、満開のヤクシソウに昆虫がたくさんやってきます。左の写真は植物食のセスジツユムシ。ヤクシソウの花や葉を食べるのでしょうか。右はトラマルハナバチ。一生懸命蜜や花粉を集めています。他にもハナバチやハナアブの仲間が何種類か見られ、キタキチョウ、ホウジャクの仲間なども蜜を求めてやってきます。晩秋の花が少なくなってくる時期、虫たちにとっては貴重な植物なのでしょう。(Y)

2019年10月28日(月)
ジョロウグモの産卵

 10月18日の里やま日記でジョロウグモのオスとメスを紹介しました。メスは食欲旺盛でお腹が日ごとに大きくなっていき、産卵の現場を見たくて毎日観察していました。10月26日、いつものように見に行ったらジョロウグモがいません。でも探すと近くにいました。すでに産卵を終えて、卵を守るためか卵のうにさらに網を重ねているところでした(写真左)。その後、卵のうに覆いかぶさるようにして守っているようでしたが、翌日見ると元の網に戻っていました(写真右)。お腹はすっかり小さくスリムになっていましたが、相変わらず食欲旺盛のようです。このクモは卵のうを見守りながら死んでいくと思っていましたが、そうでもないような…。これからのこのクモの行動を興味を持って観察したいと思います。(Y)

2019年10月27日(日)
孫が来た!

 長女が4歳の娘と10か月の息子を連れて2泊3日で来てくれました。10か月の孫はハイハイで動き回り、手にしたものは何でも口に入れるというので、迎える私たちは戦々恐々。いつもいい加減に置いているクリップ、鉛筆、ハサミなどをすべて手の届かない所に片付け、また久しぶりに床も拭いてきれいにしました(年末の掃除が楽になりそうです)。幼子のエネルギーに押されっぱなしの私たちでしたが、生きる喜びを発散させている孫たちにパワーをもらった3日間でもありました。写真はサツマイモ掘りをして、そのサツマイモで焼き芋を作ろうと落ち葉掻きを頑張っている孫娘です。(Y)

2019年10月20日(日)
セトウチマイマイ

 先日、訪れた香川県高松市の「ドングリランド」で見つけたカタツムリの殻(写真左・右)。我が家周辺に多いコベソマイマイとも違います。図鑑で調べてセトウチマイマイの幼貝だとわかりました(いつもお世話になる県の自然保護推進員のYさんにも確認していただきました)。カタツムリは日本に約800種いるそうです。蓋を持つもの、持たないもの、殻に毛の生えたものやキセル型のもの。殻を持たないナメクジの仲間もいます。種名がわかるようになったのは、その内のやっと5種類ほどに過ぎません。今まではカタツムリといえば写真のような殻を持つマイマイの仲間しか思い浮かびませんでしたが、実にさまざまなものがいるようです。多様な生物がいる環境で暮らしていると、たくさんの生物が関わり合って生態系のバランスが保たれていることを実感します。(Y)

2019年10月18日(金)
ジョロウグモ

 里やま日記の7月31日にナガコガネグモを、8月12日にオニグモ、8月27日にコガネグモを紹介しました。しばらくしてコガネグモがいなくなり、オニグモの姿も見えなくなりました。今、ジョロウグモが軒下に大きくて複雑な形をした網を張っています。左の写真はジョロウグモのオスとメス。右後脚先端付近のごく小さいのがオスです。右はメスが獲物を食べているところ。産卵を控えてお腹が日々大きくなっています。ジョロウグモの卵のうは赤味がかった色でイチゴのようだとか。産卵後しばらくは卵のうのそばにいて見守るそうなので(その後死にます)見つけたいと思います。図鑑によるとコガネグモ、ナガコガネグモ、オニグモはコガネグモ科、ジョロウグモはジョロウグモ科となっています。(Y)

2019年10月16日(水)
夕焼けがあんまり美しかったので

 10月11日、午後3時頃まで用事があったので、夕方畑に行ってヒマワリの花がらを集めました(写真左)。家に持ち帰って種を採るためです。秋の日は釣瓶落とし。あっという間に日が暮れてしまいました。今日はここまでと顔を上げたら、きれいな夕焼け。カメラに収めて、しばらく見入ってしまいました。遠くにこんもりと見えているのはブッポウソウがひと夏を過ごした山です。(Y)

2019年10月14日(月)
赤外線カメラの講習会

 9月29日に香川県高松市の「ドングリランド」で行われた、哺乳類調査に使う赤外線カメラの講習会に行ってきました。これで「モニタリングサイト1000里地」(2018年6月10日分を見てください)の一サイトとして取り組んでいる鳥類やチョウ類、アカガエル類などの調査に加えて哺乳類調査もできるようになりました。ほとんどの哺乳類は夜行性で滅多に見ることはありません。赤外線カメラにどんな動物が写し出されるのか楽しみです。左の写真はドングリランドで出迎えてくれた大きなトトロ。松ぼっくりで作られています。右は久々に見つけたトカゲ(尻尾が青いので幼体です)。自宅周辺にはカナヘビはたくさんいますがトカゲは見たことがありません。だから、ちょっとうれしい気分になりました。(Y)

2019年10月13日(日)
自然災害の増加

 昨年は西日本豪雨や台風21号が岡山県や広島県、大阪府など西日本を中心に甚大な被害をもたらしました。今年も台風19号が最強の台風ということで、各地で大きな被害がありました。特に千葉県南部の方には、台風15号の被害が癒えぬ間に再び19号。おまけに地震もあって胸が痛みました。台風の大型化やゲリラ豪雨の増加。このままでは今後自然災害のたびに「今まで経験したことのない」という言葉を聞くことになるでしょう。私たち大人には、未来を生きる人たちに、原発のような負の遺産ではなく、正の遺産をのこすことが責務ではないでしょうか。どんなに夏が長く猛暑でも、自然はほぼ例年通りに花を咲かせ(写真左:ヒガンバナ)、実を実らせて(写真右:コバノガマズミ)秋の到来を教えてくれます。そういう営みがいつまでも続くように、ささやかでも環境保全や温暖化防止のための行動を頑張ろうと思います。(Y)

2019年10月11日(金)
芋煮会

 10月8日に「旭の自然を守る会」で「田んぼビオトープ周辺の自然観察と芋煮を楽しむ会」を行いました。私の作った山形風の芋煮は何度も試作したにも拘わらず、当日のは甘すぎてイマイチでした。それでも、他の会員さんが持ってきてくれたおいしいおにぎり、棚田に植えた満開のコスモス、サクラタデやノコンギクなど今が盛りの花々、そして楽しいおしゃべり。涼しい風に吹かれていい時間を過ごすことができました。(Y)

2019年10月9日(水)
マムシ

 先日、ため池の堤防(写真左)を歩いていて何気なく前方を見たら、2mほど先にヘビがいました。太短くて銭形模様。堤防の真ん中で、ゆるくとぐろを巻いて鎌首を持ち上げ、尻尾を細かく震わせて威嚇しています。初めて見るマムシ!(正式和名はニホンマムシ)(写真右)。圧倒的な威圧感です。気付かずに歩いていたら噛みつかれるところでした。草むらを歩く時は長靴を着用して、前方を常に注意しながら歩くこと。初めてのマムシとの遭遇で深く心に刻み込んだ次第です。(Y)

2019年10月5日(土)
原木シイタケ

 雨のあと、シイタケがたくさん出ているのに気がついたのに、その日は採るのを忘れてしまいました。翌日行ったら、すでに先客がたくさん! 体長7cmほどのヤマナメクジ(写真右)とコベソマイマイなど。無傷のシイタケはほとんどありません(写真左)。仕方がないので大きく食べられたのは彼らに、少しマシなものは私たちでいただきました。収穫できたのは出てきたシイタケの半分くらいかな。穴あきでも採りたての原木シイタケはとてもおいしかったです。(Y)

2019年10月2日(水)
ツチイナゴの羽化 その4

 左は羽化完了直後、右は同じ個体を羽化の翌日に撮ったものです。バッタの仲間であるツチイナゴの幼虫や脱皮、羽化を間近に見て、今まであまり興味がなかったバッタ類が大好きになりました。(Y)

2019年10月2日(水)
ツチイナゴの羽化 その3

 脱皮を終えると下向きだった体を上向きにして翅を伸ばします(写真左、右)。レースのような後翅が広がっていく様子は息をのむほど美しかったです。(Y)

2019年10月2日(水)
ツチイナゴの羽化 その2

 左の写真は脱皮が始まったばかりです。体は下向きになっています。顔の辺りから脱皮が始まり、触角、前脚、中脚、後脚と慎重に脱ぎ、最後に腹部をすべて脱いで脱皮終了(写真右)。殻は腹部が抜けた瞬間、ふわりと落下しました。(Y)

2019年10月2日(水)
ツチイナゴの羽化 その1

 今日はツチイナゴの羽化(終齢幼虫が脱皮して成虫になること)について紹介します。9月12日の里やま日記はツチイナゴが体半分脱皮しているのを見つけて、ひと回り大きな終齢幼虫になるまでの観察記録です。昨日は終齢幼虫の脱皮の初めから成虫になるまでを観察することができました。左の写真は若齢の幼虫、右は羽化直前の終齢幼虫です。すでに成虫の模様が現れています。この2時間後に脱皮が始まりました。(Y)

2019年10月1日(火)
ハラビロカマキリの産卵

 今日、ハラビロカマキリの産卵とツチイナゴの脱皮を見ることができました。今日と明日の2回に分けて紹介します。まずはハラビロカマキリの産卵。カマキリは腹端から出した粘液を泡立てながら、中に卵を産み付けていきます。この塊を卵鞘(らんしょう)といいます。今朝、自宅の板壁に産卵中のハラビロカマキリを見つけました。すでに終盤にさしかかった状態です(写真左)。2時間後、腹端を卵鞘から放して産卵を終えました(写真右)。大きな卵鞘を見ていると産卵を始めてから終えるまでどれくらいの時間がかかったのだろうと思います。(Y)

2019年9月26日(木)
コシアカツバメ

 自宅近くにはツバメとコシアカツバメの2種類のツバメがいます。コシアカツバメはツバメより1か月ほど遅く渡ってきて、近くの福祉施設で集団で営巣します。6、7月には2種類のツバメとブッポウソウが棚田の上空を低く高く飛び交って壮観でした。コシアカツバメは子育した巣をメンテナンスしながら利用するそうです。そしてお盆過ぎになると電線に集まるようになります。9月中旬には150羽以上!のコシアカツバメが電線に(写真左)。また、8月下旬以降の午前中には砂地に降りてじっとしているのを何度か見ました。体を温めていたのでしょうか? ツバメは一足先に渡り、コシアカツバメも旅立ったようです。静かになった空に広がる今日の雲の美しかったこと!(写真右)。(Y)

2019年9月24日(火)
蛹に

 今朝起きてすぐに、昨日前蛹になったクロアゲハを見に行ったら、すでに蛹になっていました(写真左・右)。8月中旬頃に孵化した幼虫が脱皮を繰り返しながら大きくなり、およそ40日をかけて蛹になりました。蛹はこのまま越冬して来年の春に羽化するのでしょう。およそ半年もの間じっと動きませんが、体の内部ではチョウになるための大きな変化が起きています。オタマジャクシがカエルになる時も、ヤゴがトンボになる時もですが、生命の神秘を感じずにはおられません。それにしても、この幼虫が蛹になったのは屋根のすぐ下で地面から2.5mほどの高さ。ここなら雨や寒さをしのげて天敵の鳥にも見つかりにくい。いい場所を見つけたものです。(Y)

2019年9月23日(月)
前蛹に

 9月17日に紹介したクロアゲハの幼虫。左の写真は体長6cm以上もある緑色の終齢幼虫です(9月20日撮影)。9月22日にはそのうちの1匹がレモンの木から6mほど離れた平屋の屋根のすぐ下を歩いているのを発見。23日には前蛹(ぜんよう・蛹になる直前の静止した状態)になりました(写真右)。もう1匹の幼虫も木からいなくなり、今のところ行方不明です。9月19日に取り上げたイオウイロハシリグモでもそうですが、名前を知り、その生きざまに日々接していると愛着が湧いてきます。それぞれの環境に適応した能力に驚嘆させられることばかり。このような小さな命を守ること、さらに多様な生物と人間との共生の必要性を強く思うようになりました。(Y)

2019年9月19日(木)
イオウイロハシリグモ

 クモの団居(まどい)を見つけました(写真左)。卵のうから出たクモが集団でかたまっている状態をクモの団居というそうです。団居から少し離れた所に大きなクモがいました。調べたら、イオウイロハシリグモというクモのようです(写真右)。母グモが子グモたちの団居を守っていることが多いそうですから、このクモは母グモだと思います。子グモは2週間ほどの団居のあと分散して幼体で越冬します。(Y)

2019年9月18日(水)
棚田のヒマワリの今

 8月18日に棚田に咲く満開のヒマワリを紹介しました。今、ヒマワリはすっかり枯れて無残な状態です(写真左)。でも、表面の花がらを取り除くとタネがぎっしり(写真右)。10月初旬にはタネ取りをします。良いタネが取れそうです。(Y)

2019年9月17日(火)
クロアゲハ幼虫

 クロアゲハが毎年初夏と初秋にレモンの木に産卵します。卵から孵った幼虫は脱皮のたびに体が大きくなり、体の模様も大きく変化します。それが面白くて、ほぼ毎日写真を撮って記録しています。左の写真は孵化して間もない体長約4mmの幼虫(8月23日撮影)。2週間ほど経って、体長約3cmに成長しました(写真右、9月8日撮影)。今は終齢幼虫になって体長6cm以上になっています。食欲もすごく、移動距離も大きくなりました。前蛹になって最後の脱皮をして蛹になる日も近いです。(Y)

2019年9月15日(日)
ブッポウソウがいた山

 8月下旬までは時折聞こえていたブッポウソウ(写真左)の鳴き声がしなくなりました。越冬地に向けて旅立ったようです。右の写真中央の電柱に巣箱があります。その向こうにある山で、ブッポウソウは巣箱を見守ったり、餌を捕ったり、休息したりしていました。そして、巣立った若鳥たちが親鳥から餌の捕り方や飛行を学ぶ場でもありました。ここでブッポウソウが繁殖に成功して今年で3年目。今頃は無事越冬地に着いているでしょうか。来年の春、「ゲゲッ」の鳴き声とともにまた飛来するのを楽しみに、巣箱掃除や環境整備を進めようと思います。(Y)

2019年9月12日(木)
ツチイナゴの脱皮

 今朝、いつものように玄関脇にあるプランター(今はコブナグサ主体の雑草畑になり果てています)を見に行ったら、ちょうどツチイナゴの幼虫が脱皮中(写真左)。ツチイナゴを含めてバッタの仲間の脱皮殻はよく見ますが、脱皮の瞬間を見るのは初めてです。長い後ろ脚が出て、腹部がすべて出ると同時に殻が飛びました。脱皮完了。このまましばらく動かないだろうと思い、カメラのモニターを確認していて、目を戻すと下向きだったツチイナゴの体が上向きに(写真右)。あれ? いつの間に? 思い込みは禁物です。(Y)

2019年9月10日(水)
木谷沢渓流へ その2

 木谷沢渓流到着。車を降りて渓流への道を歩いて行く途中でたくさんの野鳥に出会いました。コゲラ、ゴジュウカラ、ヤマガラなど。双眼鏡を持ってこなかったことを後悔。足元にはツリフネソウ(写真左)やゲンノショウコ、ミズヒキなどの草花が美しかったです。一年を通じて9℃という渓流の水は冷たかったけど、標高800~900mの場所なのに期待したほど涼しくなかったのはちょっと残念でした。今度はいい季節に双眼鏡を持って訪ねたいと思います。右の写真は木谷沢渓流です。(Y)

2019年9月10日(水)
木谷沢渓流へ その1

 暑くて湿度が高い日が続いて外の作業がままなりません。それで今日は休養日に。涼しい所へ行こうと、奥大山の木谷沢渓流(鳥取県)に初めて行ってきました。木谷沢渓流はサントリー天然水のCM撮影に使われた場所だそうです。左の写真は、途中立ち寄った米子自動車道蒜山SAで。飼い犬のウリも久々のドライブでご機嫌です。右は蒜山高原の道の駅から見た風景。白い蕎麦の花が満開でした。(Y)

2019年9月9日(月)
コベソマイマイ

 8月24日の里やま日記で、よく似たカタツムリの同定について取り上げました。コベソマイマイかサンインコベソマイマイか。先日、雨が降ったあと成貝を見つけて(写真左)調べると、臍孔(さいこう)が閉じているのがわかりました(写真右の中央、三日月型のわずかな隙間が臍孔)。サンインコベソマイマイは臍孔がもっと大きく開いています。この個体はコベソマイマイだと判断しました。これからも似たカタツムリを見つけたら裏返して確認したいと思います。そして後日、キセル型のカタツムリを発見。カタツムリ類も面白くなってきました。(Y)

2019年9月6日(金)
畑へ その5

 左の写真はサツマイモ畑。葉の上にはコバネイナゴ(写真右)。サツマイモは例年になくよく茂っているので10月の収穫が楽しみ。作業しながらいろいろ観察できました。やっぱり田んぼはいいなぁ。(Y)

2019年9月6日(金)
畑へ その4

 左の写真は小豆畑です。小豆を作るのは初めて。小豆の花が黄色いことを知りました(写真右)。野生植物にノアズキやヤブツルアズキがありますが、同じような花です。なるほど!(Y)

2019年9月6日(金)
畑へ その3

 左の写真は枝豆。先日、来年のタネ用に2株残してすべて収穫しました。写真はその時に残した株です。鞘がさらに膨らんでおいしそう。収穫、もう少し後でもよかったかも。右は黒大豆。鞘が少し膨らんできました。(Y)

2019年9月6日(金)
畑へ その2

 まずはオクラの収穫(写真左)。採り終えてやれやれとオクラの畝を眺めていると、葉の上に成虫になったばかりのきれいなオオカマキリを見つけました(写真右)。(Y)

2019年9月6日(金)
畑へ その1

 久しぶりに休耕田に作った畑で作業をしました。畑に行く途中、家を出て少し歩いた所でボテッと動くものが。体長10cm近くある立派なオスのトノサマガエルでした(写真左)。田の畦を歩いていくと満開のサワヒヨドリ(写真右)。時折心地よい風が吹いてきます。少し元気が出て、畑に到着。(Y)

2019年9月5日(木)
自然との共生を!

 各地で毎日のように起こる豪雨被害。昨年は真備町など岡山県南部にも甚大な被害をもたらした「西日本豪雨」がありました。今年も佐賀県や一昨日の岡山県新見市など、多くの地域で被害が発生しています。海外ではアマゾン大火災のことも気になります。少し前までは人間は自然と共生しながら自然の恵みを受けて生きていました。今はさまざまな警鐘を無視して自然を破壊することばかり。昨今の異常気象は自然からの「しっぺ返し」、警告のような気がしてなりません。温暖化防止のために急いで行動する時ではないでしょうか。そんな異常気象の中にあっても身の回りの自然はちゃんと秋の気配を感じさせてくれます。イネの花が咲き(写真左)、ススキの穂が出てきました(写真右)。(Y)
(お詫び)9月2日の「ツチイナゴ」の写真が両方とも違っていましたので差し換えました。また本文も少し変更しました。ご指摘いただいたTさんに御礼申し上げます。

2019年9月2日(月)
ツチイナゴ

 左の写真はツチイナゴの幼虫、右は成虫です(どちらも以前の写真で、幼虫は8月、成虫は10月撮影)。幼虫はきれいな薄緑色。ロボットのような姿で何ともかわいらしい感じがします。ツチイナゴの幼虫を教えてもらった時、幼虫と成虫でこんなにも姿、形が違うものかと驚きました。今は幼虫がたくさんいます。見つける度にその美しさに見惚れ、カメラを向けてしまいます。ツチイナゴは夏少し前に孵化し、成長して秋に成虫になります。クズやコブナグサの葉が好きなようです。バッタの仲間では珍しく成虫で越冬し、翌年5、6月頃に産卵して一生を終えます。(Y)

2019年9月1日(日)
大阪へ

 8月30~31日、友人に会うために大阪へ行ってきました。馴染みだった梅田の阪急百貨店周辺はすっかり変わっていて、若い頃通勤に使っていた地下鉄御堂筋線の梅田駅から阪急梅田駅への道のりもすごく遠く感じて…。年齢を重ねるってこういうことなんだと納得しながら、迷いながら、人混みの中を待ち合わせ場所へ。それにしても、どこにもベンチがない! 大きな荷物を持った人や高齢者は大変です。JR大阪駅ではたくさんの人がカメラを。被写体は停車中の「トワイライトエクスプレス瑞風」。私はカメラを忘れてしまって…残念! 都会でもこんな楽しみもある。カメラはどこに行くにも持っていこうと強く思った次第です。そんなわけで写真は大阪に行く前に撮ったもの。左は町道沿いに群生するキツネノカミソリ、右はキツネノマゴで吸蜜中のヤマトシジミです。(Y)

2019年8月27日(火)
コガネグモのオス

 左の写真は、7月3日の里やま日記でも紹介したコガネグモのメスです。よく見ると、メスから離れた円網の端っこに小さなクモがいました(写真右)。コガネグモのオスです。メスは体長約20mmですが、オスはその5分の1の4mm程度(いずれも脚は含まず)しかありません。産卵や寿命については8月12日紹介ののオニグモとほぼ同じです。オスは交接中にメスに食べられることが多いそうです。写真は7月20日に撮影したもの。産卵して一生を終えたのでしょうか、今はもうコガネグモの姿を見ることはありません。(Y)

2019年8月24日(土)
雨のあとで

 台風10号の雨のあと、1日おいてまた雨が降りました。雨が止んだあと、バードバスに何かいるようなので行ってみると、カタツムリの幼貝でした(写真左)。種類はコベソマイマイかサンインコベソマイマイのどちらか。幼貝での区別は難しいということで、成貝で調べてみようと思います。また、コンクリートの上にいたのはヤマタニシ(写真右)。初めて見るカタツムリの仲間です。大阪から当地に来て、初めて出会った生物がたくさんいます。ヤマタニシもその一つ。これからどんな生物と「初めまして」ができるか楽しみです。カタツムリの同定は、県の自然保護推進員のYさんにしていただきました。(Y)

2019年8月22日(木)
キキョウ

 数年前までは、わずかながらこの近辺にも自生があったのに、いつしか見られなくなって…。去年そのことを隣の地区のTさんに話すと、うちの辺りにはたくさんあるよと、数株持ってきてくれました。うまく定着したようで、きれいな花が咲きました。難点は背が高くなって倒れてしまうこと。来年は大きくなる前に茎を一度切ってみようと思います。これでいいのかなと迷いながらの植物育てです。(Y)

2019年8月21日(水)
キツネノカミソリ

 キツネノカミソリが咲き始めました(写真左)。町道沿いにたくさんあるので、昨年、少し株を採ってきたものです。ヒガンバナと同じ仲間で、今は葉はなく、花茎が伸びて花を咲かせています。右の写真はつぼみ。凛とした雰囲気があります。花も好きですが、つぼみの時はもっと好きです。(Y)

2019年8月20日(火)
サイヨウシャジン

 次々といろんな植物が花の季節を迎えています。今日紹介するのはキキョウ科のサイヨウシャジン(写真左)。ツリガネニンジンの仲間です。ベルのような花がたくさん咲き、雨の後は、水滴がついた花が輝くように格別にきれいです。右の写真は花のアップ。繊細な色や形に、つい見入ってしまいます。(Y)

2019年8月19日(月)
畑とイノシシ柵 その2

 今日は昨日の続きです。畑には、ヒマワリの他にサツマイモ、枝豆、黒豆、小豆、オクラを植えています。猛暑や台風でしばらく見ていなかった間に、オクラがたくさんできていて、枝豆ももうすぐ食べごろです(写真左)。夫は電気柵の設置作業。私はその手伝いを少しした後、作物の周りにびっしり生えた雑草取りとオクラの収穫。夕方、電気柵の取付も終わりました(写真右)。サツマイモや大豆はイノシシの大好物なので気が気でなかったのですが、これで一安心。ヤレヤレ。(Y)

2019年8月18日(日)
畑とイノシシ柵 その1

 台風10号は幸い大きな被害もなく通り過ぎました。早速、田の管理地に作った畑(写真左)の見回りと、イノシシ除けの電気柵の設置準備作業に行きました。よく見ると台風の強い風のせいでヒマワリの一部が折れたり倒れたりしています。それで、私は折れたヒマワリを切り花にしたり、倒れたのは起こして支えをして整えてやりました(写真右)。夫は電気柵設置場所の草刈り。作業は早朝と夕方しかできません。今日はこれで精一杯。(Y)

2019年8月17日(土)
外来種

 自宅や田んぼの周辺にたくさんの外来の植物があります。セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサ、アメリカフウロ、メリケンムグラ(写真左)等々。セイタカアワダチソウやアメリカセンダングサは、はびこるし大きくなるので見つけたら抜くようにしています。先日は、田んぼビオトープの水の中で見慣れない昆虫を見つけました。外来種のイネミズゾウムシです(写真右)。この昆虫は、アメリカ合衆国原産のイネの害虫で、成虫は葉を、幼虫は根を食害するそうです。増えすぎないように注意して見ていこうと思います。(Y)

2019年8月16日(金)
クルマバナ

 左の写真はクルマバナ。漢字では「車花」です。花が茎を車輪のように取り囲み、輪生して咲くのでこの名がついたそうです。7月30日にも旬の花として紹介しました(撮影は7月15日)が、棚田の至る所に大小の群生で咲いている様子(写真右)があまりきれいだったので再度の紹介です。写真はいずれも8月4日の撮影です。(Y)

2019年8月15日(木)
自然の中の「死」

 8月9日、居間の窓ガラスを開けたら、ポタッと音がして何かが落ちてきました。ニホンヤモリです。いつもならうまく着地して素早く逃げていくのに、今日は逆さまに落ちてほとんど動かなくなりました。それで、じっくりと観察させてもらいました(写真左)。6月21日の里やま日記でヤモリのあしの裏の複雑な形状を紹介しましたが、今回は鮮明な写真を撮ることができました(写真右。白いのはフンです)。ヤモリは元気になったら放してやろうと思って飼育容器に入れて一晩外の安全な場所に。ところが翌日には死んでいました。あんな落ち方をしたのは、病気か何かの異変で弱っていたからかもしれません。死骸をヒイラギの根元に置いて、しばらくして見に行ったら死骸がありません。モグラの時と同じ。自然の中での死は誰かを生かす。そんなことが頭をよぎりました。(Y)

2019年8月13日(火)
梅干し作り

 今年も梅干しを作りました。一昨年までは塩分20%、昨年は15%にしました。それでも塩辛かったので、今年は焼酎を使って思い切って10%に。赤しそをよく揉んで、あくを取ったものを梅干しと一緒に梅酢に漬けて本漬け完了。そのあと土用干しをして(写真左)梅干し完成。漬けた梅は2kg。右の写真は出来上がった梅干しです。梅と一緒に土用干しをした赤しそがカラカラに乾いたので、ゆかりを作ってみようと思います。赤しそは例年、敷地内のいろんな所からほんの少しだけ出てくるのを使っていましたが、今年は田のオーナーさんの畑のをどっさりいただいて漬けました。だから今年の梅干しは色が濃くてすごくきれいです。(Y)

2019年8月12日(月
オニグモ

 勝手口のすぐ外側の軒下に、直径1mほどの垂直円網を張ってオニグモが棲みついています。日中は脚を縮めて物陰に潜み(写真左)、夕刻から夜に活動します(写真右)。体長はメス3cm、オス2cmくらいです。寿命は1年。8~9月頃に卵のうを作って産卵し、秋には卵が孵って子グモはそのまま卵のうの中で越冬。そして春に卵のうから出て小さな網を張り、獲物を捕るようになります。オニグモは脚にトゲがあり、怖そうな名前と姿をしていますが攻撃的ではありません。また、獲物を捕らえる時に毒を出して相手を麻痺させますが、この毒は人間には効きません。だから、オニグモは害虫を食べてくれる、人間の大切な仲間です。オニグモを見たら怖がらずに通り過ぎること。でも、大きな網を張るので、うっかり網にかかって破ってしまうことも。網はしっかりした糸でできていて粘着力もあり、髪の毛や体に絡むと取るのが大変。オニグモとの共存で、それが一番困ることです。(Y)

2019年8月8日(木)
中山間地保全事業 草刈り

 7月29日、中山間地保全事業で棚田にあるピオーネ畑の草刈りをしました(写真左)。ここは5月にもみんなで草刈りをしたのですが、その後の草の勢いがすごくて大変な状況でした。朝7時~10時40分頃まで休憩を挟みながら作業。8時ごろから暑くなってきて、体力のない私は軽い熱中症に罹ってしまったようです。きつかったけれど棚田はすっかりきれいになりました。農家の組合のお世話をされているKさんの「棚田が美しいのは人の営みがあったればこそ。人の汗がこの美しい景観を維持するのです。」という言葉を思い出しました。人の手が入った美しい棚田は、豊かな生物相も作り出しています。右の写真はエンマコオロギの幼虫。体長約6mm。草刈りをしていると足元に数えきれないほどの昆虫やカエルが飛び出してきて、殺傷しないように気を遣います。(Y)

2019年8月7日(水)
コウベモグラ

 田の畦でコウベモグラの死骸を見つけました(写真左)。この種は本州の主に西日本に生息。頭胴長は15cmくらいです。モグラの仲間は地下にトンネルを掘り、その中で生活していて、トンネルに落ちたミミズや小昆虫が主な食物です。そのため、生きたモグラを見ることはほとんどありません。でも、トンネル堀りで盛り上がった地面(モグラ塚)によって存在を知ることができます。今回のように死骸を見ることがたまにありますが、死因の多くは縄張り争いから餌場を追い出されての餓死だそうです。しばらくして見に行くと、2頭のキリギリスが来ていました(写真右)。すぐに逃げたので確認できませんでしたが、肉を食べようとしていたようです。翌朝見に行くと死骸はもうなくなっていました。何者かが持ち去って食べたのでしょう。自然の中では無駄はなく、このモグラの命も他の生物の命に受け継がれていきます。(Y)

2019年8月5日(月)
鏡ヶ成へ

 昨年6月29日の里やま日記でも取り上げましたが、今回は日帰りで奥大山鏡ヶ成(かがみがなる)に行きました。鏡ヶ成とは、鏡のように平らな場所という意味だそうです。その名の通り、なだらかな芝生広場が広がっています。暑くなると犬と一緒に行きたくなります。大山烏ヶ山(からすがせん)の山裾、標高920mのこの場所は、木陰に入ると風が心地よく、しばし夏の暑さを忘れさせてくれます。左の写真は飼い犬のウリ。ここしばらくエアコンの部屋でどんよりしていましたが、ここでは元気で嬉しそうでした。右は、すぐ近くに見える擬宝珠山(ぎぼしやま・1110m)。冬はスキー場になります。(Y)

2019年8月3日(土)
水浴び

梅雨が明けて猛暑の日が続いています。強烈な日射で外の作業もほとんどできません。それでも鳥たちは元気で雑木林の中を飛び交っています。そして時々庭のバードバスに来て水を飲んだり水浴びしたり。若鳥たちが中心で、水浴びは楽しい遊びでもあるようです。去年のこの時期はもっと暑かったのですが、バードバスに来る鳥たちはなぜか今年の方がうんと多いです。ヤマガラ、メジロ、ヒヨドリ、シジュウカラ、エナガ、キジバトなどが毎日朝から夕方遅くまでひっきりなしにやって来ます。おかげで私は一日に4~5回ヤカンとタワシを持って水替えに。大変だけど、うれしそうに水浴びしている鳥たちの姿に心が和みます。左の写真はヒヨドリ。きょうだいのようで、いつも3羽でやって来ます。右はヤマガラとメジロが仲良く水浴びです。今年はメジロがすごく多いです。(Y)

2019年7月31日(水)
ナガコガネグモの狩り その2

 ナガコガネグモの狩りは2018年8月28日の里やま日記でも取り上げたのですが、今回の写真はこのクモの獲物が何かがよくわかるので、「ナガコガネグモの狩り その2」としてアップしました。犠牲になったのは、左の写真ではウスバキトンボ、右はヒメギスのようです。命を巡る激しい攻防を思い浮かべ、改めて、食べるとは他の生物の命をいただくこと、人間も他の生物の命をいただいて生きているのだということに思いが至ります。(Y)

2019年7月30日(火)
旬の花 夏編 その5

 左はクルマバナ。これも田にたくさんあり、年々増えています。これから長く咲きますが、今頃が一番美しいです。右は7月6日の里やま日記でも紹介したミソハギ。群落が大きくなり、たくさんの花が咲いている光景は壮観です。他にも紹介したいものはありますが、とりあえず以上「旬の花 夏編」です。里山地域の花(春~夏)をまとめていて、改めて種類と数の多さに驚くとともに、これからも生息できる環境を保全できないものかと強く思いました。(Y)

2019年7月30日(火)
旬の花 夏編 その4

 左がミズオオバコ、右がヘラオモダカ。水のある田んぼビオトープにたくさんあります。ミズオオバコの白い花が太陽の光を浴びて輝くと、見とれるような美しさです。これからはオモダカの花も咲きます。ヘラオモダカの花を一回り大きくしたような白い花。どちらも地味ですが可憐な花です。他には紫色の花が咲くコナギなども同じ環境に育ちます。どれもきれいな花ですが、昔は水田の強雑草として農家の方を困らせていたようです。今ではみんな少なくなりました。ミズオオバコは、岡山県・環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。(Y)

2019年7月30日(火)
旬の花 夏編 その3

 コオニユリとヌマトラノオ。コオニユリは田んぼビオトープ1の法面に1株あって毎年きれいな花を咲かせていました。今年は5株に増えて楽しみにしていたのですが、虫に花芽をすべて食べられて花は咲きませんでした。写真は少し離れた所にあるもう1株のコオニユリ。草むらの中で4輪の花と2個の蕾をつけていました。ヌマトラノオは年々増えて、湿地で大小の群落を作っています。(Y)

2019年7月30日(火)
旬の花 夏編 その2

 ネジバナとコウゾリナ。ネジバナはランの仲間で、よく草刈りをしている所に出てきます。自宅周辺や田の畦などでよく見られ、近づいて見ると本当にきれいだなと思います。コウゾリナはキク科。茎や葉にある剛毛がカミソリのように鋭いことから、カミソリナからコウゾリナと呼ばれるようになったとされます。ネジバナもコウゾリナも在来種です。(Y)

2019年7月30日(火)
旬の花 夏編 その1

 旬の花を紹介します。まずはヒルガオ(写真左)。7月1日に撮影したものですが、今も次々と咲いています。右はコマツナギ。田の法面にたくさんあり、秋まで咲き続けます。(Y)

2019年7月26日(金)
子ガエル

 庭に出たら、足元に何かが飛び込んできました。体長2cmほどのトノサマガエルの子ガエルです(写真左)。自宅そばの人工池にも田んぼビオトープにも卵塊を見つけることができなかったのですが、どこか近くで産卵していたようで、今年も子ガエルに会うことができてうれしかったです。来年こそ田んぼビオトープでの産卵を期待したいです。右の写真はゴーヤの葉にいたアマガエルの子ガエル。体長2cmもありません。7月20日の里やま日記で紹介した尾の付いた子ガエルは正確には亜成体と呼ばれますが、こちらは小さくても成体です。(Y)

2019年7月22日(月)
脱皮殻(羽化殻) その3

 今年はヒオドシチョウをよく見ると思っていたら、自宅の軒下にたくさんの羽化殻がありました(写真左)。右はクモの脱皮殻です。たくさんの穴は何だろうとクモの体を思い浮かべながら何日も考えていたら、ふと思いつきました。8本の脚を引き抜いた跡です。それにしても不思議な形。いつか脱皮中のクモを見たいものです。(脱皮については日本文芸社刊「脱皮コレクション」などを参考にしました。(Y)

2019年7月22日(月)
脱皮殻(羽化殻) その2

 左はギンヤンマの、右はバッタの羽化殻です。バッタは下向きにぶら下がって脚が固まるのを待ちます。だから羽化殻は下向きになっています。コオロギの仲間は通常の姿勢のまま抜け出すそうです。(Y)

2019年7月22日(月)
脱皮殻(羽化殻) その1

 脱皮殻(羽化殻)にもいろいろあります。まずはクロスジギンヤンマの羽化の様子を紹介します。自宅そばの人工池で毎年30~40個体羽化するので、時間があって我慢強ければ羽化の一部始終を観察することができます。まず背中の殻が割れ、ゆっくりと反り返って体の半分が出ますが、そのまましばらく仰向けのまま動きません。しばしの休憩だと考えていたのですが、実は脚が固くなるのを待っているのだそうです。脚がしっかり固まると、体を起こして殻につかまり残りの腹部を抜き出します。そのあと腹部と翅が少しずつ伸びてゆき、最後に翅を左右に大きく開いて羽化完了です。(Y)

2019年7月20日(土)
輝く命 夏編 その5

 左は陸に上がったばかりのアマガエル。まだ尾が付いています。右はフキバッタの仲間。翅は短いけど、もう成虫です。お腹に帯をしているような感じがかわいくて大好きなバッタです。以上、その1からその5まで、今見られる生物を私が好きなものを中心に紹介しました。みんなキラキラ輝いて、生きている喜びが溢れているようです。(Y)

2019年7月20日(土)
輝く命 夏編 その4

 バッタ類もほとんど成虫になりました。左はトノサマバッタ。草刈り中に見つけました。メスの大きいのは6cmほどもあります。右はツマグロバッタ。ツマグロヒョウモンと同じく「褄黒」です。田んぼ周辺でよく見られるバッタです。(Y)

2019年7月20日(土)
輝く命 夏編 その3

 左はツマグロヒョウモンのメス。ノアザミで吸蜜中です。メスの翅先が黒いので「褄黒」です。オスは黒くないので「妻黒」と勘違いしそうですね。右は羽化したばかりのニイニイゼミ。オスはチーとかわいい声で鳴きます。(Y)

2019年7月20日(土)
輝く命 夏編 その2

 4月には体長1cmもなかったキリギリスの幼虫。今では体長4~5cmほどの立派な成虫になって、オスはギース・チョンと盛んに鳴いています。(写真左)。また、体長1.5cmほどだったオオカマキリの幼虫は5cmほどに成長(写真右)。8~9月には成虫になります。(Y)

2019年7月20日(土)
輝く命 夏編 その1

 4月17日の里やま日記で「輝く命」春編をアップしました。今回は夏編です。春編では冬眠から覚めたばかり・孵化後間もない・これから産卵という生物を紹介しましたが、今回はその生き物たちのその後や、盛夏に成虫になる生物の今を中心に紹介します。まずは交尾中のチョウたち。左はツバメシジミ、右はジャノメチョウです。(Y)

2019年7月17日(水)
巣立ち

 7月14日、ブッポウソウがすべて巣立ちしたようです。その日は隣町の吉備中央町であった「ブッポウソウ保護フォーラム」に行っていました。帰宅すると、巣箱から顔を出すヒナの姿はなく、親の給餌も見られず、どうやら最後の雛も巣立ったようでした。日暮れ間近に、巣箱がある谷の上空を8羽以上のブッポウソウが軽く鳴き交わしながらゆったりと舞っていました。何かすごく感動的な光景でした。ブッポウソウは今年繁殖した巣箱を翌年も使うことが多いそうです。そのためヒナがすべて巣立つと、巣箱の位置を忘れないようにこのような行動をすると聞いたことがあります。でも、その光景は無事巣立ちを終えた親子が歓喜の舞を舞っているように見えました。数が多すぎるので家族以外も飛び入り参加していたようです。今はもうひっそりとした巣箱周辺ですが、「ゲッ、ゲッ」という声はよくします。これから渡りを始める8月末頃まで、若鳥は近くの森で親鳥から餌の捕り方を学び、しっかり食べ、飛ぶ練習をして越冬地である東南アジア方面への渡りに備えるのでしょう。彼らの渡りの無事を祈り、来春の飛来を楽しみにしたいと思います。写真左は巣箱を見張る親。右は餌を運んできたところ。どちらも6月25日撮影です。(Y)

2019年7月15日(月)
シロマダラ

 7月10日の朝、新聞を取ろうと玄関ドアを開けた時、狭い隙間に小さな見慣れないヘビを見つけました。火ばさみでつかんで飼育容器に入れ、名前を調べるとシロマダラというヘビでした。毒はなく、性格もおとなしいが怒らせると攻撃し、さらに擬死(死んだふり)もあるということで試してみました。火ばさみで突っつくと鎌首をもたげて毒蛇のように威嚇します。しつこくしていると火ばさみに一瞬噛みついたりもしました。あまり疲れさせるのも良くないので「死んだふり」には至らなかったけど雑木林に放してやることに。スッと落ち葉の下に潜り込んで姿を消しました。体長30cmほどの若い個体。夜行性で、主な食べ物はトカゲやヤモリということです。(Y)

2019年7月10日(水)
ブッポウソウのヒナ

 7月7日、ブッポウソウのヒナがずっと巣箱から顔を出していました。親鳥が餌の昆虫を持ってくるのが待ちきれないようです。親の帰りが遅いとヒナは半身を乗り出すような感じになり、巣箱から落ちないかとヒヤヒヤすることも。写真左は餌を運んできたところ。入口では大きく口を開けたヒナが待っています。この後、親鳥は巣箱の入口でヒナにさんざん餌を見せた挙句、結局くわえたまま飛び立って(写真右)近くの電線へ移動。こんなことを2度繰り返していました。観察や写真撮影は離れたブラインドの中からなので、気にしているようではありませんでした。やはりこの行動はヒナをじらして巣立ちを促していたのではないでしょうか。またこの時期、親鳥は大変神経質になっていて、カラスやトビは徹底的に追い払って巣箱から遠ざけます。私たちも少し前までは巣箱の近くで作業をしていても平気でしたが、最近は何度も近くまで様子を見るように飛んできて、「ゲゲッ」と一声出してUターン。巣箱周辺が慌ただしくなってきました。写真のヒナは翌8日には巣立ったようですが、巣箱の中にはまだ別のヒナがいるようです。すべてのヒナが無事巣立つように。気になる毎日です。(Y)

2019年7月8日(月)
脱皮

 今年もレモンの木にクロアゲハが産卵し、幼虫が大きく成長(写真左)。先日の朝、幼虫がいつもと違う面白い動きをしましたが、無事であることを確認したので、そばにいる飼い犬の相手をしていました。そして何気なくレモンの木の方を振り向いたら、幼虫は脱皮を終えたところでした(写真右。幼虫の右下にあるのが脱皮殻です)。なんと速い脱皮! 目を離したのは3分もなかったのに…。羽化は何度か見ていますが、幼虫の脱皮は見たことがありません。もう少し注意して幼虫を見ていたら脱皮の一部始終を見ることができたのに。惜しいことをしました。(Y)

2019年7月6日(土)
ミソハギ

 ミソハギの花が咲き始めました(写真左)。この花は地元では盆花と呼ばれ、以前はお盆のお供えによく使われたそうです。今はほとんど見かけなくなっていますが、10年ほど前に近所で草に埋もれたようになっているミソハギを見つけて少し持ち帰り、自宅そばの人工池のほとりに移植しました。ミソハギは順調に生育し、増えてきたので田んぼビオトープにも移植。環境が良かったのか人工池のものよりもきれいな花を咲かせ、茎もしっかりしています。群落ができ、年々大きくなっています(写真右)。さらに同じ田の少し離れた場所でも新しい群落が出来つつあります。花の盛りの時は、遠くからでも赤紫の花の色が際立って美しく見えます。ミソハギの他にもオカトラノオ、キキョウ、キツネノカミソリ、ワレモコウ、リンドウ、オミナエシなど、田んぼや里山の花の復活が楽しみです。(Y)

2019年7月3日(水)
コガネグモ

 田んぼビオトープ付近で見慣れないクモを見つけました(写真左)。当地にはナガコガネグモ(写真右)がたくさんいるのですが、それとも違う。調べてみるとコガネグモでした。本種の生息は餌の昆虫類の豊富さを反映するものであり、このクモは良好な草地環境(明るい草地)の指標種の一つということです。近年分布域、個体数ともに減少傾向にあるそうです。田んぼビオトープ周辺が良好な草地環境であるように、コガネグモの増減に気をつけていようと思います。本種は岡山県レッドデータブック2009では「留意」となっています。(Y)

2019年6月27日(木)
ヤモリの卵

 ツバメが巣を作った家には幸運が舞い込むと聞いたことがあります。間近で子育ても見たいのでツバメに巣を作ってほしいけど、我が家には適当な場所がないのか巣を作ってくれません。でも、ツバメと見かけは全然ちがいますが、我が家はヤモリには好評のようです。「家守」と書くヤモリも家を守り害虫を食べてくれる縁起の良い生き物だそうです。ツバメは来ないけどヤモリがたくさんいるから喜ばないといけないかな。先日は窓ガラスにヤモリが張り付いていました(写真右)。よく見ると体の中に卵が2つ。ヤモリは一度に卵を2個産むそうです。産んですぐの卵は柔らかく、時間が経つと固まってその場所にくっつくとも。ヤモリの産卵場所を一度見てみたいです。左のツバメの巣は津山市のスーパーマーケットの壁に作られたもの。3年前の写真です。(Y)

2019年6月23日(日)
アオゲラ

 6月20日は地域で草刈りのボランティア活動の日。休憩時間にKさんから、今朝怪我をしているキツツキらしい鳥を拾ったがどうしようという話。作業を終えて駆け付けたKさんのお宅で見たのは、巣立ち後間もないと思われるアオゲラの幼鳥。翼と脚に怪我をしているようでした。その日は特別蒸し暑い日で、家に連れて帰った幼鳥は息も絶え絶え。負傷した野鳥を診てくれる自然保護センターに連れて行くつもりでしたが、1時間ほどかかります。まずは水分補給をと水を与えようとしたけど、すでに飲む力もなくなっていて、程なくして死んでしまいました(写真左)。初めて間近で見るアオゲラ。幼鳥といえども大きくてすごい存在感です。今回は残念でしたが、当地には大型のキツツキ類が繁殖できる環境があることがわかりました。この環境を大切にしたいと強く思いました。右は4年前に自宅付近でかろうじて撮れたアオゲラの成鳥です。(Y)

2019年6月21日(金)
ヤモリのあしの裏

 先日、部屋の網戸にヤモリがいるのに気づきました。ヤモリは居心地が良かったのか、そこで餌を捕りながら4日間いました。近づいても逃げないので、前あしの裏側をアップで撮影することに成功(写真左)。縞模様の複雑な構造になっているのに驚いて調べてみました。何やらとても難しそうでしたが、ヤモリはあしの裏にある微細な剛毛の機能によって垂直な壁はもちろんのこと、ツルツルのガラスの面も登ったり下りたり、天井を歩いたり、自由自在に行動できるのだそうです。乾燥接着というらしいですが、今まで考えもしなかったヤモリのあしのすごさを初めて知りました。右の写真は板壁に張り付いているヤモリ。体長12cmほど。昼間でも昆虫がいっぱいいて餌に困ることはありません。(Y)

2019年6月18日(火)
お客様

 15~17日、画家(ワイルドライフアーティスト)でカメラマンの谷上裕二さんご夫妻が我が家に来てくださいました。15日はあいにくの雨でしたが、翌日は晴れて、私たちのフィールドを案内することができました。まずは自宅周辺の雑木林へ。ちょうどササユリが満開でした(写真左)。そのあと田んぼに行くとブッポウソウ(写真右)が落ち着かない様子。周囲をよく見ると、もう1羽が嘴に何かをくわえています。どうやら雛が孵ったようです。雛に餌をやりたいのに、巣箱の近くにいる私たちが気になるようです。私たちが遠慮して離れたらスッと巣箱に飛び込みました。去年より5日早い4月28日にやって来て、産卵、抱卵、孵化を経ていよいよ子育ての時期を迎えました。順調にいけば、約3週間後の7月初旬には巣立ちです。その日まで静かに見守ってやりたいと思います。谷上さんご夫婦と一緒に孵化を確認できたうれしい一日になりました。(Y)

2019年6月10日(月)
季節の花 その5

 ササユリが咲き始めました。2年前にイノシシにかなり球根を食べられてすごくショックを受けましたが、今年は株が増えて食害前以上になりました。少し離れた所まで芳香が漂ってきます。環境さえ整えてやれば自然は逞しいのだということに改めて気づかされました。左の写真は蕾(6月5日撮)。右は6月9日です。(Y)

2019年6月10日(月)
季節の花 その4

 ホタルブクロとコガクウツギの花です。ホタルブクロは多年草なので、何年か前に近くから少し移植したら毎年花を咲かせてくれます。この辺りではほとんどが白花で、移植したのも白でしたが、去年から紫の花の株が現れました。右のコガクウツギは自生です。ずっと1株だけで増えないのがちょっと残念です。ともに6月9日撮影。(Y)

2019年6月10日(月)
季節の花 その3

 ノアザミ(6月5日撮)とネジキの花(6月9日撮)です。ノアザミは冬の寒さをロゼット型で耐え、暖かくなると咲き始め、長い期間次々と咲き続けます。アゲハチョウの仲間やヒョウモンチョウの仲間がよく来ます。ネジキは清楚な白い花が透き通るように美しいです。良い香りがします。(Y)

2019年6月10日(月)
季節の花 その2

 左の写真はミヤコグサ(6月1日撮)。黄色の花が可愛いマメ科の植物です。田の畦や法面に大小の群落があります。絶滅危惧種のシルビアシジミという蝶の食草だそうなので、この蝶が来たらいいのにという期待も…。右はウツギの花(6月1日撮)。卯の花というのはこれです。自宅周辺で今たくさんの花を咲かせています。いろんな蝶がやって来ます。(Y)

2019年6月10日(月)
季節の花 その1

 今見られる花を少しずつ紹介します。左の写真はフタリシズカ(5月25日撮影)。昨年近くから少し株を持ってきたものが定着しました。白い粒々は雄しべの一部で、内側に雌しべが隠されています。花弁やがくはありません。珍しい構造の花です。右の写真はスイカズラ(5月27日撮影)。つる植物なので増えすぎると厄介ですが、大好きな花なので、よっぽど邪魔にならなければ刈らずに残しています。甘い香りがします。(Y)

2019年6月6日(木)
水浴び

 ここ数日、最高気温が30℃前後に。暑くなって鳥たちは、毎日何度も水浴びにやって来るようになりました。少し前までは親子で来ていたのが、今では若鳥が群れや単独でやって来ます。ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ヒヨドリ、カワラヒワ、キジバト等々。若鳥は成鳥とは羽の模様などがかなり違います。それに動作がぎこちなかったりするのですぐにわかります。若鳥たちの水浴びを見ていると、生きている喜びが溢れているような気がします。写真の鳥は左からヤマガラ、エナガ、メジロ。みな若鳥です。(Y)

2019年6月4日(火)
雨を待つ

 5月に雨が降ったのはわずかに3回ほど。強烈な日射が4つある田んぼビオトープのほとんどを干上がらせてしまいました。一番ひどい所では地面にひび割れができています(写真左)。右の写真は干上がった田んぼビオトープにいたアカガエルの子ガエル。体長約1.5cm。尾はなくなり、小さくても立派なアカガエルになりました。ここまで成長すれば少々水がなくても大丈夫。6月に入っても雨が降らず、ようやく7日の金曜日が雨の予報。人間も他の生きものも、みんな適度にまとまった雨がほしい。金曜日が待ち遠しいです。(Y)

2019年5月31日(金)
「食べる」とは

 田んぼで作業をしていると、いろんな生きものに出会います。この時期は昆虫の幼虫や体長1cmほどの子ガエルがたくさんいて、歩くのも草刈りをするのも気を遣います。さて、今日は目の前でカナヘビがバッタを捕らえて食べているところに出くわしました(写真左)。ここにいると、「食べる」とは他の生きものの命をいただくことだと日々実感します。写真右は以前のものですが、オオカマキリの幼虫がニイニイゼミを食べているところです。(Y)

2019年5月30日(木)
こんな顔

 カヤネズミ生息地でつる植物やノイバラなどの刈り取りをしている時、ふとそばを見ると、ウラギンヒョウモンのオスが草に止まっていました。なかなか翅を広げてくれなくて、粘ってようやく撮れたのが左の写真。その後、なぜかチョウは翅を閉じたままこちらを向いてきました。どんな顔をしているのだろう。興味が湧いてシャッターを押しました。こんなちょっと愛嬌のある顔でした(写真右)。この仲間のチョウは静止する時、前脚を折りたたんで4本脚のように見えるそうですが、それもよくわかりました。(Y)

2019年5月28日(火)
たくましく

 5月26日の日記で、干上がりかかった田んぼビオトープの水を増やすために水草抜きをしたという報告をしました。翌日気になって見に行ったら、水が少し増えていてオタマジャクシが元気に泳いでいます(写真左)。それでもまだまだ不十分なので水草抜きを続けていると、泥だらけのヤゴやケラなどがたくさん出てきました(写真右はヤゴです)。こういう状況になればメダカは生きていけませんが、ドジョウやヤゴ、ケラなどは泥の中に潜ってたくましく生きていけるようです。昨日の夕方から本格的に降り出した雨は、今日も一日中降り続きました。生き物たちとともに私もホッと一息です。(Y)

2019年5月26日(日)
雨を待ちわびて

 5月20日に降った雨は恵みの雨となりました。でも、その後またカンカン照りの日が続き、田んぼビオトープの一つが干上がる寸前。当地には川がなく、米作りも雨水とため池の水が頼みです。田んぼビオトープはため池とも直接は繋がっておらず、自然の湧き水だけに頼っています。雨が降らないと湧き水が減って干上がってしまうのです。昨日の夕方、たくさんのオタマジャクシが危うい状況(写真左)だったので、周辺の水草を抜いたら少し水が染み出てきて取りあえずはピンチ脱出。でも雨が降ってほしい…。右の写真は別の日ですが、水草抜きをしている時に現れたクサガメ。いつもは敏感ですぐに逃げるのに、この時は向こうから近づいてきてゆっくり写真を撮らせてくれました。じっくり見るとかわいい顔をしています。(Y)

2019年5月24日(金)
キンランと草刈り

 敷地内の笹を鎌で刈っていて、ふとそばを見るとキンランが咲いていました(写真左、右)。この場所でキンランを見るのは初めてで、すごくうれしかったです。まめに草刈りをしていると、休眠していた種子や球根が目覚めて、いろんな植物が出てきます。キンランのように初めて現れるものや、ササユリやホトトギス、シュンランのように数が増えてくるもの。次は何が出てくるだろう。草刈りは大変だけどこんな楽しみもあります。キンランは岡山県、環境省ともに絶滅危惧Ⅱ類指定の貴重な植物です。(Y)

2019年5月23日(木)
子どもたち その2

 前回に引き続いて、田んぼで出会った子どもたちを紹介します。左の写真はキアゲハの終齢幼虫。周りに食草のセリがないところを見ると、蛹になるために移動してきたようです。右はニホンアカガエル。早春に産卵された卵が、およそ3か月かけてカエルになりました。体長約1cm。まだ尾が残っていますが、畦を元気に飛び跳ねています。(Y)

2019年5月21日(火)
子どもたち その1

 草の勢いが強くなってきて、今年も草刈りの季節がやって来ました。これから10月の終わりごろまで、場所によって2回の所もありますが、だいたい4~5回草を刈ります。一通り草を刈り終えたら、最初に刈った所がもう伸びている、そんな感じです。ところで、いま田んぼにいると、いろんな子どもたちに出会います。左の写真はタンポポの綿毛に止まったキリギリスの幼虫。あんまり綺麗だったので写真をパチリ! 右は田んぼビオトープ2の水路にいたカスミサンショウウオの幼生。3月28日の里やま日記で紹介した、卵のうの膜を破って出てきた頃よりずいぶん大きくなりました。(Y)

2019年5月20日(月)
恵みの雨

 今日は夕方から待ちに待った雨。晴天が続いて田んぼビオトープの一部が干上がってしまい、慌てて昨日マコモなどの水草除去をしました。焼け石に水といった感じでしたが、それでも少し水量が回復しました。今日の雨は恵みの雨となりそうです。左の写真は水がほとんどなくなってしまった田んぼビオトープ1。右は鳥の足跡。早速餌を捕りに来たようです。(Y)

2019年5月19日(日)
自然観察会

 5月17日、「旭の自然を守る会」の今年度第1回目の自然観察会を美咲町の両山寺を中心に行いました。参加者は11名と犬2匹。樹齢1000年の「二上杉」(写真左)や樹齢700年のアカガシの群落などを賑やかに観察し、楽しみました。そのあと、環境省の「棚田百選」に選定されている「大垪和西(おおはがにし)棚田」(写真右)へ。田に水が入った景観を眺めながら、美しい「田毎の月」を想像しました。今度は稲が育ったころに訪れたいです。観察会の最後は、山野草を大切に育て保護されている会員のTさんのお庭へ。フタリシズカが咲き、ササユリがもう蕾をつけていました。秋に花が咲くリンドウは10cmほどに成長していました。晴天に恵まれて、新緑の中での観察会。改めてこの地域の自然の豊かさに触れることができました。(Y)

2019年5月17日(金)
鳥類調査

 5月16日、「モニタリングサイト1000・里地」の鳥類調査(繁殖期)をしました。あらかじめ決めている1.5kmほどのコースを歩いて1回目、15分の休憩をはさんで同じコースを戻って2回目の調査終了となります。10日ほどずつあけてあと2往復、合計6回の調査をします。今回の調査では、ブッポウソウやキビタキ、コシアカツバメなど21種を確認。ツバメやエナガ、スズメの幼鳥も見ることができました。左の写真はハシブトガラス、右はオスのキジ。ともに調査中の撮影です。(Y)

2019年5月15日(水)
カヤネズミ生息地で

 5月14日、もうすぐカヤネズミの繁殖期が始まるのに備えて生息地の整備をしました。セイタカアワダチソウやノイバラ、それにクズなど蔓植物の除去です。左の写真は現在の生息地の状況です。よく茂っているのはススキ、それより背丈の低いのはマコモです。ここで4月中旬に刈草を集めていた時に巣を発見。解体したら中で3匹の巣立ち間近と思われる幼獣が死んでいました(写真右)。冬の寒さにやられたか、親が天敵に捕食されたかのどちらかでしょう。日本一小さくて愛らしいネズミ。良好な草地環境の指標生物でもあるカヤネズミの生息地保全を続けたい。そして今年こそ元気なカヤネズミの姿をカメラに収めたいと思います。(カヤネズミは岡山県の準絶滅危惧種に指定されています。(Y)

2019年5月13日(月)
山口・島根の旅 その3

 旅の最終日、5月8日は萩から島根県の津和野町へと向かいました。あまり変化のない静かな山里をしばらく走ってようやく津和野の町へ。ここに来てから、明治の文豪森鴎外や画家の安野光雅が生まれ育った故郷であることを知りました。先ずは津和野駅前にある安野光雅美術館へ。実は私がここに長く居すぎて他を回れず…。宝箱のように思えた津和野の街をもう少しゆっくりと歩いて回りたかったと後悔しました。それでも、いつか行ってみたいと思っていた萩・津和野は想像以上に素敵なところでした。今度はもっとゆっくり訪ねてみたいと思います。左の写真は津和野駅の風景。右は安野光雅美術館です。(Y)

2019年5月12日(日)
山口・島根の旅 その2

 翌7日、秋吉台を後にして萩へ。前日来る時もそうでしたが、山口県に入る頃から山々は所々が白っぽく盛り上がり、見たことのない風景になりました。白っぽいものはシイの花だそうです。赤褐色をした石州瓦の民家とよく馴染みます。そんな風景を楽しみながら1時間ほどで萩に到着。地元の方に尋ねて、まず菊ヶ浜海水浴場(写真右)へ。後ろに見えるのは指月山。この山の麓には萩城跡があります。この海岸は環境省選定の「快水浴場百選」に入っていて、砂浜も海の水もすごくきれいでゴミもありません。今までに見た海岸の中で一番美しいと思いました。砂浜でウリとたっぷり遊んだ後、松陰神社、松下村塾などを訪ね、その日の宿へ。萩は山も海も美しく、そこに住む人たちが行政とともに地域に誇りを持って貴重な自然と歴史遺産を守っている。いい街だなと思いました。(Y)

2019年5月11日(土)
山口・島根の旅 その1

 ゴールデンウイークを避けて、5月6~8日に山口県の秋吉台と萩、そして島根県の津和野へ行ってきました。秋吉台に行くのは私は3回目です。今回は秋芳洞へは行かずにカルスト台地をじっくりと見て、遠い昔のとてつもなく大きな地殻変動に思いを馳せました。写真左は広大なカルスト台地です。右は一緒に旅をした飼い犬のウリを激写⁉ ウリも9歳。右前脚が無いので最近はバランスを崩すことも多くなり、歩行を助けるために赤いハーネスを着けています。心地よい風に吹かれてご機嫌でした。(Y)

2019年5月10日(金)
絵本とツチガエル

 5月4日、中山間地保全事業で棚田のピオーネ畑の草刈りをしました。ハハコグサ、スイバ、ウマノアシガタ、ノミノフスマ、タンポポ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、ムラサキサギゴケ等々、春の花が盛りです。それらを見ると、ふと、娘たちが小さい頃一緒によく読んだ絵本、甲斐信枝作「雑草のくらし」(福音館書店)を思い出しました。絵本の中の情景が目の前に広がっています。左の写真はムラサキサギゴケです。右は草を刈っている時に偶然見つけたツチガエル。以前はたくさんいたけど今は見なくなったと地元の方に聞いていたカエルです。細々とでも命を繋いでいたようで、嬉しい発見でした。(Y)

2019年5月4日(土)
山笑う

 田んぼで作業をしていたら、山がすごくきれいだったので写真を撮りました。「山笑う」とは俳句の春の季語で、草木が一斉に若芽を吹いた春の山の明るい感じをいうそうです(写真左)。ちなみに夏の山は「山滴る」、秋の山は「山装う」、冬の山は「山眠る」。右の写真は「山装う」秋の山。2018年11月26日の里やま日記「錦秋」に載せたものです。古くからの日本語って豊かで美しいなと思います。(Y)

2019年5月2日(木)
続・クロスジギンヤンマの羽化

 4月23日にビオトープ池で始まったクロスジギンヤンマの羽化。5月1日には、もうすぐ飛び立ちそうな個体を見つけました(写真左)。例年なら岸に上がってシオンの葉裏やベンチの裏側にしがみつくように羽化している個体がたくさんいました。でも今年はよく育っているミクリでの羽化が多く、岸辺のイやススキなども利用しています。5月2日現在、30個体以上がトンボになりました。右の写真は現在のビオトープ池です。(Y)

2019年4月30日(火)
ブッポウソウの飛来

 4月28日、特徴ある声とともに今年もブッポウソウが渡ってきました。今までで一番早い飛来です。昨年繁殖に成功した巣箱を目指してやって来た、同じカップルだと思われます。2羽で巣箱を確認したり、周囲を飛び回ったり。また、1羽が近くの電線や電柱の上に止まって、じっと巣箱を見守っていたりします。例年なら巣箱探しや取り合いで「ゲゲゲゲッ、ゲーゲゲゲ」と賑やかに鳴いて騒ぐのに今年は鳴き声も静か。いち早く渡ってきたカップルがすでに繁殖活動を始めたようです。ブッポウソウが来るまでに巣箱周辺の草焼きを終わらせたかったのに間に合わなかった…。これからは刈草を離れた所に運んで焼かなければいけないし、草刈りも気を遣います。少々困ることもあるけど、やはり来てくれて嬉しいし7月の巣立ちも楽しみ。彼らの子育てを大切に見守ってやりたいと思います。※ブッポウソウは岡山県の絶滅危惧Ⅰ類、環境省の絶滅危惧ⅠB類に指定されています。(Y)

2019年4月26日(金)
クロスジギンヤンマの羽化

 4月23日、自宅そばのビオトープ池でクロスジギンヤンマの羽化が始まりました。当日は7個体、今日見たら全部で25個体の羽化が確認できました。イモリがたくさんいるビオトープ池でよくぞ生き延びたと思います。左の写真は羽化終盤の2個体。右はその近くにあった羽化殻です。ミクリの葉にしがみつくように3個あります。よほどこの場所が気に入ったのでしょうか。(Y)

2019年4月23日(火)
子どもたちにもっと生物体験を!

 水生生物には、様々な姿や形をしたものがいます。初めてガムシの幼虫(写真左)を見た時には、宮崎駿のアニメ「風の谷のナウシカ」に出てくる腐海の王蟲(オーム)を思い浮かべました。水木しげるの描く妖怪「一反木綿(いったんもめん)」は田んぼビオトープにいるチスイビル(写真右)の動きとよく似ています。手塚治虫もそうですが、どうしてこんなに独創的で魅力のあるキャラクターが描けるのか。もちろん書物から得るものもあるでしょう。でも私には彼らの幼い時の豊かな自然の中での生物体験が、発想のすごさや創造力や優しさの原点になっているように思えてなりません。今の子ども達にも、人が作ったゲームだけではなく、生物体験が大切なのではないでしょうか。そのために経済一辺倒ではなく、環境保全の必要性をもっと大人はわからないといけないと思います。(Y)

2019年4月21日(日)
ダイサギとオタマジャクシ

 田んぼビオトープのアカガエル幼生の数が日に日に減っていきます。昨年は約400卵塊の産卵がありましたが、今年は200ほど。それでも1卵塊に、ニホンアカガエルは500~3000個、ヤマアカガエルは1000~1900個の卵があるそうですから、相当な数のオタマジャクシが孵化したはずです。それが激減していく原因はシラサギの一種ダイサギの来訪にありそうです(写真左)。多いときは3羽。私たちがいないと一日中いてオタマジャクシを採っているようです。雨の少ない時期で水の減り具合も心配だし、早くカエルにならないかなー。右の写真は泥の上に残ったダイサギの大きな足跡。指の長さが7~8cmもあります。(Y)

2019年4月17日(水)
輝く命 その2

 左の写真はルピナスの花にいたキリギリスの幼虫。体長7mmほど。これからどんどん成長して6月には成虫になります。右はオオカマキリの幼虫。4月10日の里やま日記でオオカマキリの孵化を紹介しましたが、その時の幼虫のようです。寒い日が続いたのに生き延びていたことがうれしかったです。孵化した時は体長約1cm、糸くずのようでした。1週間たって体長1.5cmほどに。体格もガッチリしてきました。(Y)

2019年4月17日(水)
輝く命 その1

 春になって、冬眠から覚めた生き物たちの活動が活発になってきました。先日、田んぼビオトープで溜まった泥を畦に上げていたら、アカハライモリのメスが出てきました(写真左)。お腹が卵でパンパンです。周りにたくさんいるアカガエルの幼生には目もくれず、時々休憩しながら水路を上がっていきました。産卵のため、水量が安定していて水草も適度に生えている上の田を目指しているようです。いつもはふてぶてしい印象のイモリですが、その日は何だか愛おしく感じました。右の写真はニホンヤモリ。着替えをしていた時、ぼたっと床に落ちてきました。多分家の中で冬眠していたのでしょう。気づかずにいたらいずれ骨格標本発見…となるところでした。(Y)

2019年4月15日(月)
もうすぐブッポウソウが渡ってきます

 例年通りなら4月末にはブッポウソウが渡ってきます。いよいよお尻に火がついて、4月13日に隣のE地区にある2個の巣箱の掃除と点検をしました。それから私の自宅近くの新しい場所に1つ巣箱架けを。E地区の2個の巣箱のうちの1つは架けた当初から毎年繁殖に利用され、今では2つとも利用されるようになりました。この地区はきれいな川が流れ、川の両岸には山。山際の平らな土地に水田が広がっています。左の写真はE地区の風景。右は巣箱掃除と点検の様子です。桜がとてもきれいでした。(Y)

2019年4月12日(金)
サクラ満開

 例年ならソメイヨシノが終わってから開花するヤマザクラですが、今年はソメイヨシノが満開中に咲き始めました。そのほかの野生種や園芸種の桜も咲き誇っています。気温が低いせいか花が長持ちしています。毎日身近で満開の桜を楽しむことができる幸せ。ささやかな贅沢。写真は少し色の濃い野生種です。(Y)

2019年4月10日(水)
オオカマキリの孵化

 去年の秋、刈った草に付いていたオオカマキリの卵鞘を持ち帰り、玄関横のプランターに挿しておきました。昨日そのプランターの植物に水をやろうとしたら、卵鞘が何か変。よく見たら、卵が孵化してオオカマキリの幼虫が次々と出てくるところでした(写真左、右)。こんな瞬間に立ち会えるなんて幸運。4月初めというのは今までで一番早い孵化です。この冬は暖冬で、南向きのプランターの場所が暖かすぎたのかもしれません。でもこのところ冬に逆戻りのような寒い日もあります。カマキリの子どもたち大丈夫かな。ほとんどは成虫になれないとわかっているけれど、厳しい世界を生き抜いてほしいと願うばかりです。(Y)

2019年4月8日(月)
多様な生き物を育むゆりかご

 2014年11月12日の里山日記で、本を読んでいて心に残った言葉を紹介しました。「田んぼビオトープのような稲作を行わない浅い水域は多様な生き物を育むゆりかごである」という一節です。昨年の秋に田んぼビオトープのマコモを刈っていたらカヤネズミの巣がたくさん見つかり、中に幼獣がいることも考えられるのでマコモ刈りを途中で止めていました。先日暖かくなったので、倒れて水に浸かってしまったマコモの刈り取りを再開。刈っていると、体長約1.5cmで黒色のオタマジャクシがたくさん泳いでいます(写真左)。ツチガエルの幼生に違いありません。昨年隣の地区の方からいただいたツチガエルが定着したようです。すぐそばには卵を背負ったオスのオオコオイムシが(写真右)。水に浸かったマコモの中は水が透き通ってすごくきれいです。眺めていて、このような環境がよい隠れ場所であり、「多様な生き物を育むゆりかご」なのだと実感しました。大切に保全しなければとの思いを新たにしました。(Y)

2019年3月31日(日)
草木染

2017年10月26日の里やま日記でコブナグサが黄八丈の黄色を染め出す染料であることを紹介し、実際に染めてみました。その時に保管していたコブナグサがたくさん残っていたので、また染めてみたくなりました。ドビー織の生地を輪に縫って煮初めしてミョウバン液で媒染。それを繰り返します。左の写真は煮染めしているところ、右は染めたものを乾かしているところです。前回より濃く染まりました。多少の色ムラはグラデーションということに。首に巻いて、寒さ除け、暑さ除けに重宝しそうです。(Y)

2019年3月28日(木)
カスミサンショウウオの幼生

 このところ、カスミサンショウウオの卵のうの表面に張りがなくなってしわが寄ってきたので、そろそろ幼生が出てくるかもしれないと思って毎日観察していました。今日も卵のうを眺めていたら、急に幼生が飛び出してきました。でも、一瞬のことでどこに行ったかわかりません。しばらく探していると、だんだん目が慣れてきて2匹の幼生を見つけることができました。体長約1.5cm。外エラがあり、クリーム色の体に細かい斑点があります(写真左)。今年は水がたっぷりあり、昨年、一昨年のように水がなくなって幼生が干からびてしまうことはなさそうです。変態して6月頃に陸に上がるまで、じっくりと観察しようと楽しみにしています。右の写真は上がカスミサンショウウオ、下はニホンアカガエルの幼生です。(Y)

2019年3月27日(水)
春到来!

 夏鳥のヒクイナやツバメが渡ってきました。冬鳥は、アトリやカシラダカの小群とシロハラ、ツグミが見られるだけです。アトリやカシラダカは、色が濃くコントラストがはっきりした美しい夏羽になりました。例年アトリやカシラダカは4月中旬、シロハラやツグミは5月初め頃まで当地に滞在していますが、今年はどうでしょうか。彼らの動向を興味を持って見ています。一方で、数日前までいたミヤマホオジロやジョウビタキの姿を見なくなりました。どうやら繁殖地に旅立ったようです。田んぼビオトープのアカガエルの卵塊はすべてオタマジャクシになり、大きいものは2.5cmほど。元気に泳いでいます。2月下旬に顔を出したフキノトウは花を咲かせ(写真左)、畑のサクランボは満開(写真右)。やっと暖かい春になりました。(Y)

2019年3月21日(木)
今年も柿酢

 去年の秋に柿をたくさんいただいたので、固いものは干し柿にして、柔らかく熟したもので柿酢を仕込みました。柿酢の仕込みは、ヘタを取った柿を洗わずにカメに詰め込むだけ。埃が入らないようにふきんで蓋をして、後は毎日かき混ぜます。こうしておけば、柿の皮の表面に付いている天然の酵母菌と空気中の酢酸菌の発酵という働きで酢ができます。先日、発酵が終了してどろどろになった柿をザルで濾しました(写真左、右)。これをさらに寝かすとまろやかな酢に。今は、一昨年に仕込んだものを使っています。しばらくは酢を買わなくてすみそうなのがうれしいです。それにしても、発酵って本当におもしろい!(Y)

2019年3月19日(火)
メダカの放流

 田んぼビオトープ1の水量が安定してきたのでメダカ(写真左)を放流しました。メダカは田んぼの生き物であると本で読んだこと、また、メダカを保護したいという思いもありました。昔はメダカやオタマジャクシなどたくさんの生物がいる中で米作りをしていたと想像されます。さて、メダカは近くの水路から網で掬い取りました。メダカとともにドジョウ、エビ、トビケラの幼虫、ゲンジボタル幼虫の餌となるカワニナ(写真右)などが網に入ったので、一緒に放流しました。これらの生物がうまく定着すると、また新しい生態系ができて生物の多様性も高まるのではないかと楽しみです。メダカは環境省のレッドデータブック(RDB)では絶滅危惧Ⅱ類に指定され、岡山県のRDBでは「留意」となっています。(Y)

2019年3月18日(月)
カエル幼生の外エラ

 カエルの幼生には、カスミサンショウウオの幼生と同じように外エラがあると本で読んだことがあります。でも実物をはっきりと見たことはありませんでした。たまたま田の畦で水面を眺めていると、アカガエルの幼生が成長して寒天質の外へたくさん出ていました。あんまりきれいだったので思わず写真撮影。拡大してみると、はっきりとした外エラが(写真左)!お腹が膨らんでいるのは卵の栄養分。孵化後しばらくはこの栄養分で育ちます。比較のため、体長1.5cmほどになった幼生を撮影しましたが、外エラもお腹の膨らみも無くなって小さいけれどオタマジャクシそのものでした(写真右)。カスミサンショウウオの幼生と違って、カエルの幼生に外エラがあるのは寒天質から出る直前と出てからのほんの短い間だけ、しかもカエルの外エラはすごく小さいということです。毎年この時期にはたくさんの幼生を見るのに、外エラがわからなかったのはこのためだったのだと、やっと納得できました。(Y)

2019年3月16日(土)
卵塊でカエルを見分ける

 2月15日にアカガエルの産卵が始まったので、「環境省モニタリングサイト1000・里地」のアカガエル調査を開始しました。当地には、ニホンアカガエルとヤマアカガエルの2種類のアカガエルがいます。調査では2種類のカエルを卵塊で見分けないといけません。手ですくいあげると区別できますが、この時期に冷たい水の中に入っていくのはちょっと辛い…。しばらく畦に立って卵塊を眺めていると、不思議と違いが見えてきました。左の写真はニホンアカガエルの卵塊。形がしっかりしていて表面が濁っています。右はヤマアカガエルの卵塊。表面が透明で、新鮮な卵塊でもまとまりが緩い。違いがわかるようになって、水の中に入らなくても見分けることができるようになりました。調査を始めてから何回か雨が降り、そのたびに増える卵塊。最終的に200個ほどになり、今年のアカガエルの産卵は終わりました。(Y)

2019年3月14日(木)
カスミサンショウウオの卵

 2月23日、田んぼビオトープ2の水路で今年初めてのカスミサンショウウオの卵を見つけました。「卵のう」と呼ばれる寒天状の膜の中に50~140個の卵があります。初め丸い形をしていた卵は、成長すると細長い魚のような形になります。写真左は2月23日に撮影したもので、卵のうは1対のバナナ型。内部には丸い卵が見えます。右は3月12日に撮影したもので、卵のうはコイル型をしていました。内部には魚のような形のものが見えますが、ちょっとわかりづらいですね。もう少し成長すると膜を破って外に出てきます。外に出た幼生は7~8月に変態して上陸します。今年は水路に水がたっぷりあって干からびる心配はなさそうですから、ウーパールーパーのような外エラのある大きな幼生を紹介できるかもしれません。(Y)

2019年3月10日(日)
蔓細工をしながら

 家の傍のヤブツバキが大きくなりすぎて周辺が暗くなってしまったので、枝を切ることにしました。作業前にヤブツバキを眺めていると、蔓(つる)がたくさん絡んでいるのに気付きました。アケビツルウメモドキスイカズラなどです(写真左)。太い蔓はツルウメモドキ。ツバキの枝とともに蔓も切りました。切った蔓は置いておくと固くなって結局捨ててしまうので、切ってすぐの柔らかいアケビ蔓で籠を作りました(写真右)。ウスタビガの繭殻をぶら下げてみました。真庭市の蒜山地区には「蒜山がま細工」という伝統工芸品があります。そのパンフレットに、「欲しいものは手作りでした」とあります。不便な所に暮らしていて、欲しいものがあってもすぐには買いにいけない。だから身近にあるもので工夫して作ったということでしょう。伝統工芸品と呼ばれるものは、みんなこうしてできたのだと思います。今は時代が変わりました。でも里山の産物やそれを活用する技を失ってしまうのは何とも「もったいない」…。ささやかな籠作りをしながら思いを巡らせました。(Y)

2019年3月6日(水)
ブッポウソウが生きていくためには

 ブッポウソウの食べ物は、カミキリムシ、タマムシ(写真左)などの甲虫類、オニヤンマ(写真右)などのトンボ類、セミ類、バッタ類、それからカタツムリなども食べるそうです(巣箱内のカタツムリの殻は中身を食べたのでしょうか?)。知人で野鳥や昆虫に詳しいTさんは、ブッポウソウ観察会に参加して、親鳥がヒナに運んでくる餌の量の多さ、多様さに驚いたそうです。彼によると、その時確認できただけでも、コオニヤンマシロスジカミキリミズカマキリカナブンニイニイゼミなど。ブッポウソウが生きて繁殖できるということは、餌となる生きものがたくさんいる豊かな自然があることの証です。4月末か5月の初めには「ゲッ、ゲッ、ゲゲゲーゲゲゲッ!」という特徴のある鳴き声とともにブッポウソウが渡って来ます。今年も来年も再来年も…ずっと飛来して繁殖できるように豊かな自然を守っていきたいと思います。(Y)

2019年3月3日(日)
巣箱の取り外し

 ブッポウソウの巣箱は田の中のもののほかに、自宅敷地に金属パイプを立てて設置したものがあります。この巣箱は例年まずシジュウカラが巣作りを始めるのですが、ブッポウソウが覗きにくるのでおびえて巣を放棄してしまいます。ところがブッポウソウも結局利用しないままシーズンを終えるということが続きました。一昨年は例年になくこの巣箱の近くでブッポウソウを見かけることが多く期待しましたが、営巣や巣立ちを確認することは出来ず、諦めて点検もせずに放置していました。でもこのままではシジュウカラにもブッポウソウにもよくないと思い、今年はこの巣箱を取り外すことにしました。外して中を見ると、下にコケの層が1cm、上にはブッポウソウのヒナの糞などが1cm(写真左)。上部の壁面には去年のアシナガバチの巣が1つ(写真右)。状況から推測すると、おそらく一昨年に1羽のヒナが育ち、私たちが気付かない間に巣立っていったのでしょう。そういえば一昨年、家の近くでしばしば私たちと遭遇して慌てていたブッポウソウ。人家に近い所の巣箱で私たちを気にしながら一生懸命子育てをしていたのだと思うと、何だか愛おしく思い出されます。(Y)

2019年2月25日(月)
ブッポウソウ巣箱掃除

 田の中にあるブッポウソウの巣箱掃除と点検をしました。電柱を木登り器で登って巣箱の内容物を取り出します(写真左)。去年の7月に巣立ちしてからまだ点検をしていなかったので、内容物は巣箱内でカチカチに固まっていました。それを剪定用のノコギリを使って切り出します。写真右は取り出したもの。9個のカタツムリと1個の二枚貝の殻があり、餌となった昆虫の破片も。タマムシ、カナブンなどの翅や脚は金属光沢があるのでよくわかります。内容物の厚みは、底にコケが約2cm、その上に糞や昆虫の破片などが約5cmでした。コケの部分はシジュウカラかヤマガラが巣を作りかけて放棄したものか、ブッポウソウに追い出されたものと考えられます。また、糞の厚み1cmで1羽のヒナが育ったと推定できるようですから、この巣箱ではブッポウソウのヒナが5羽育ったことになります。それにしても貝殻やカタツムリの殻は何のためでしょう。固いものを飲み込んで臼のように餌をすりつぶすと聞いたことがあります。でもヒナがこんなに大きなカタツムリの殻を飲み込めるのか、いや飲み込めなかったから残っているのか…。謎は深まるばかり。好奇心は尽きることがありません。※巣箱は日本野鳥の会岡山県支部を通じて電信事業者の許可を得て設置しています。(Y)

2019年2月23日(土)
カスミサンショウウオの産卵

 田んぼビオトープ2には毎年アカガエルとともにカスミサンショウウオ(以下カスミ)も産卵します。そこに入る水の流れが良くなるように、水路にはびこったチゴザサを抜いていました。流れを良くしておかないと水が干上がって、アカガエルやカスミの幼生が干からびてしまうからです。チゴザサ取りに夢中になってふと水路の奥を見ると、カスミの卵のう!一対のバナナ状のものが2個ありました(写真左)。今年の初見。すごくうれしかったです。調子に乗って作業を続けていたら、カスミの成体も登場(写真右)。お腹は卵で大きく膨らんでいました。卵が幼生に、そして成体になるまで、水を切らさないように注意しながら見守っていきたいと思います。カスミは岡山県の絶滅危惧Ⅰ類、環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。(Y)

2019年2月22日(金)
鳥情報

 15cmの積雪があった1月下旬から、今年も野鳥の冬越し応援の餌やりを始めました。餌やりに関しては賛否両論ありますが、節度をもって行えば問題なく、むしろ渡りや繁殖の成功率を上げているのではないでしょうか。さらに冬鳥の動向も掴めます。今年は初めて冬鳥のオオカワラヒワ(写真左)を確認しました。よく見るカワラヒワより一回り大きく、メスの嘴の付け根あたりから下に向けて髭のような模様があります。絶滅が心配されているカシラダカも30羽ほどの群れが来ます。あと、イカル(写真右)、ミヤマホオジロ、シメ、アオジ、アトリ、キジバト、シロハラ、ヒヨドリ、メジロなど。餌やりに目もくれずマイペースで行動しているのは、ジョウビタキ、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、コゲラ、ツグミ、モズ、セグロセキレイ。ネズミを狙って電柱にノスリ。里山の野鳥は多彩です。(Y)

2019年2月19日(火)
もしもカエルがいなくなったら

 左の写真は、毎年米作りが行われている田です。今は水が全くありません。水路も塩ビパイプで作られた排水口(写真右)が3ヶ所あって、水がほとんどありません。田に水が入るのは、田植え前から中干しまでの3~4か月ぐらいです。これでは今まで米作りとともに世代を繋いできたトンボやカエル、ヘイケボタルやゲンゴロウなど、幼虫や幼生の時期を水の中で暮らす生物は生きていくことができません。例えばカエル。もしもカエルがいなくなったらと考えます。まず、カエルを食べる生物がいなくなるでしょう。またカエルの餌となっていた昆虫などが爆発的に増えることが考えられます。昆虫の中には増えすぎると人間にとって害になるものもたくさんいます。水路の一部に水を残すとかして多様な生物と共存できるようにしないと、巡り巡って人間が害を被ることになるのではないか。オオカミが絶滅したことでイノシシやシカが増えすぎたように。そんな気がしてなりません。(Y)

2019年2月15日(金)
アカガエルの産卵

 アカガエルの産卵が始まりました(写真右)。今日、田んぼビオトープ1に3個、田んぼビオトープ2に1個、合計4個の卵塊がありました。そういえば2日前の暖かい日に畦際の草を引き抜こうとしたら、ニホンアカガエルが出てきました(写真左)。産卵が近づくと田に集まってくるのです。でも昨日はすごく寒くて日中の最高気温が3℃。田んぼの作業を諦めて家にこもっていました。カエルはそんな日の夜に産卵したようです。産卵のピークはこれからです。遅れている田の整備をしながら見守りたいと思います。(Y)

2019年2月13日(水)
作業終了!

 今日も暖かかったので、あと少し残っていた田んぼビオトープ1の水草取りをしました。冬眠中の生物を傷つけないように注意しながら、増えすぎたマコモを引き抜いて…。今季最後の作業終了!すっかり開放水面が広くなりました。左の写真は田んぼビオトープ1の一部。右は全景。アカガエルの産卵が楽しみです。(Y)

2019年2月12日(火)
ユズを使って

 昨年の晩秋にユズをたくさんいただいたので、ユズを無駄にせず使い切ろうと一念発起!思いつくだけのユズ料理を作ってみました。左の写真は4種類の柑橘で、左上がユズです。右は出来上がったユズ料理。手前左がユズ大根、時計回りにユズ茶、ユズ酢(ユズ果汁)、ユズジャム、ユズピールです。写真にはありませんが、ユズ味噌、ポン酢も作りました。それから、ユズ風呂も。大変だったけど、ユズの香りに包まれて幸せな時間でもありました。蒸し野菜にユズ味噌、お鍋にポン酢。しばらくは手のかからない料理が楽しめそうです。(Y)

2019年2月10日(日)
水草取り

 ここしばらくは悪天候の寒い日が続いていましたが、久しぶりに暖かくなった日に田んぼビオトープ1の水草取りをしました。アカガエルとカスミサンショウウオの産卵が目前に迫っているので、田んぼビオトープの整備を急がなければなりません。田んぼビオトープは4枚あって、ビオトープにした順に1、2、3、4と名前を付けています。田んぼビオトープ1は5年ほど前に初めて水を溜めた所。今では全体に周年安定して水があり、生物相も豊かです。マコモをもう少し抜き取ったら、田んぼビオトープ1の冬の作業は終了。あと1時間くらいかかるかな…。残った3枚の作業はお天気と相談しながら、カエルやサンショウウオの産卵までできるだけ頑張ろうと思います。左の写真は、作業中に出てきたヒメミズカマキリ。右は冬になるとよく目に付くもので、水底に細長いものが積み重なって盛り上がっています。何か所にもあり、生物のフンだと思うのですが、いくら調べても答えに行きつきません。どなたかご教示いただければ嬉しいです。(Y)

2019年1月31日(木)
ピザ作り

 今日は朝から雨だったので外作業は諦めて、以前からやりたいと思っていたピザ作りをしました。材料を混ぜてこねて、発酵、ベンチタイム。できた生地を鉄のプレート上で円く伸ばして具をトッピング。熾火にした薪ストーブに入れて待つこと5分で出来上がり!初めて作ったピザは自分の思いもあって格別においしかったです。(Y)

2019年1月27日(日)
鳥類調査

 朝、一面銀世界。積雪15cmほどありました(写真左)。でも今日は朝から晴れて気温も上がり、雪はみるみる融けていきます。ふと思いついて、「環境省モニタリングサイト1000・里地」の鳥類調査を今日することにしました。鳥類調査は繁殖期と越冬期に6回ずつ行います。今回の越冬期調査では13種確認することができ、12月調査分と合わせると20種になります。今日はアオジ(写真右)の10羽ほどの群れがいて、間近でじっくり観察できたのは嬉しいことでした。冬にこの辺りに来るのだけど私はまだ見ていない青いルリビタキ、赤いベニマシコとの出会いは次の調査に期待したいです.(Y)

2019年1月26日(土)
続・東京へ

東京からの帰りは中央自動車道を利用。帰路のお楽しみ予定は、琵琶湖に寄って、飼い犬のウリを砂浜で思い切り走らせること、水鳥観察、琵琶湖博物館で生体展示されているカヤネズミを見ること。さて中央道を西へと走行中は天気も良く、、雪を被った南アルプスや八ヶ岳、諏訪湖、中央アルプス、伊吹山などの眺めを楽しむことができました。ただ、場所によっては道路の標高が1000m以上あるのに、周辺に雪が少ない。走るにはそれに越したことはないけど、温暖化や今夏の猛暑が心配になりました。さて、琵琶湖近くで一泊して、翌日はなんと雨…。東京は晴れ続きでカラカラだったのに…。仕方がないので砂浜と水鳥は諦めて博物館へ。いろんな興味深い展示がありましたが、私は何といってもカヤネズミ。成体のカヤネズミをじっくりと見るのは初めてです。葉っぱの上をしっぽをうまく使って移動する様子も見ることができました。左の写真は八ヶ岳の山並み。右はカヤネズミ。体重約7gのかわいいネズミです。(Y)

2019年1月26日(土)
東京へ

 1月6日から2週間ほど、2人目を出産した長女の手伝いに東京へ行ってきました。しばらくお休みしていた里やま日記も再開です。またよろしくお願いします。さて、東京へは犬もいるので車で行きました。左の写真は、途中の海老名SAで見た富士山。雲の隙間からすごくきれいに見えました。東京では手伝いの合間に、いつか行ってみたいと思っていた、武蔵野の自然を色濃く残す落合川と南沢湧水群(写真右)へ。ここは、2008年6月に東京都で唯一、環境省の「平成の名水百選」に選ばれた所です。都心からたった24㎞ほどしか離れていないところに、こんなに美しい場所があることへの驚き。昔の武蔵野の原風景が脳裏に浮かびました。(Y)

2019年1月4日(金)
二代目 真っ赤なポルシェ

 わが家の愛犬ウリのバギーを買い換えました。最初のバギーは8年前、脚に障害があるウリのために買いました。左はその当時の写真です。犬の散歩仲間の人たちは「ウリちゃんの真っ赤なポルシェ」と呼んでいました。でも今ではすっかり色褪せたおんぼろカーに。そこで新年を機会に「二代目 真っ赤なポルシェ」を買ってやりました(写真右)。少し狭くなったけど、車体も車輪の回転も軽く、押すのが随分と楽になりました。ウリもすぐに慣れて、颯爽と散歩に行きます。ウリももうすぐ9歳。支えてやったり、癒してもらったりで2人と1匹の生活を楽しみたいと思います。(Y)

2019年1月1日(火)
2019年 元旦

 今朝の最低気温は-3.5℃でしたが、昼間は日差しが明るく心地よいお天気でした。左の写真はしめ飾りで、この辺りで一般的な形です。土台のしめ縄は近所の方にいただきました。飾りつけは、マツ、ウラジロ、ナンテン、ソヨゴ(当地ではフクシとかフクラシといい、おめでたいときに使われます)。真ん中が寂しかったので金色の紙で作った扇子を飾ると、ちょっと自信作!?になりました。右の写真は元旦のため池の風景。手前の枯れて倒れている植物は、カヤネズミがよく巣材に使うマコモです。水面が白く見えるのはシャーベット状の氷。これから一段と寒さが厳しくなります。(Y)

2018年12月28日(金)
雪の朝

 今朝は一面の銀世界。この冬初めての積雪です。夫が近くを歩くキツネを見たというので、私もすぐに駆け付けましたが残念ながらキツネの姿はすでにありませんでした。でも雪の上に動物の新しい足跡が残っていました(写真左)。調べてみると、足跡はキツネではなく、ノウサギのものでした。丸い足跡が前足、細長いのが後足。奥から手前に移動してできたものです。私にとって足跡はどちらのものでもよく、キツネとノウサギの生息が確認されたことがうれしいことでした。10年以上前には普通にいたキツネやノウサギです。このまま定着して増えてほしい。タヌキやアナグマも。さまざまな生物同士の関わり合いの中で数のバランスがとれて、イノシシ柵(防獣柵)が不要になればと思います。右の写真は今朝の棚田の風景。手前にあるのが防獣柵です。現状ではやむを得ないですが、柵が張り巡らされて、キツネたち中型哺乳類は往来が不自由になっただろうと可哀想な気もします。(Y)

2018年12月26日(水)
イノシシ増加とオオカミの絶滅

 今年は中山間地保全事業で、新しい防獣柵に付け替えが行われましたが、それでも農地にイノシシが侵入します。侵入に気づくたびに柵の点検をすると、合計で10か所以上が壊されていて補修に追われました。今も他の地区で、多くの地元農家の人が出て柵の設置や補強作業が続いています。10年以上前、まだ私たちが大阪と岡山を行ったり来たりしていた頃には柵はなかったし、イノシシを見かけることもなく、キツネやタヌキ、アナグマが結構いました。今はほとんど姿を見なくなり、代わりにイノシシが増えています。時には白昼堂々と歩いていたり…。どうしてこんなにイノシシが増えたのだろう?新聞には、イノシシやシカが増えたのはオオカミの絶滅が原因だと書いてありました。天敵のオオカミが絶滅した頃から増え始め、キツネがいなくなったことでさらに増えたということでしょうか。多様な生物が生きることのできる環境や生物どうしの関わり合いを壊すことは、人間の営みにも悪影響を及ぼすということでしょう。でも取り敢えずはイノシシの増加を抑えたい。どうしたらいいのでしょう…。左の写真はわが家の庭に現れたタヌキ。右は近所で出くわしたアナグマの幼獣。どちらも2010年の写真です。(Y)

2018年12月21日(金)
水草取り その2

 こんな寒い時期でも、水草取りをしているといろんな生物と出会います。マツモムシ、コミズムシ、アカムシ、イトトンボのヤゴ、ミズムシ類、クモ類などの虫たち。それに左の写真のイチョウウキゴケ。この時期によく目に付きます。岡山県の準絶滅危惧種ですが、ここでは年々増加しています。今日の大物は右の体長4cmほどのガムシ。放してやると、急いで泥の中に潜っていきました。(Y)

2018年12月21日(金)
水草取り その1

 今日は少し暖かかったので、田んぼビオトープの水草取りをしました。ここで厄介な水草は、マコモ、チゴザサ、ガマが主なものです。成長が早く、あっという間にはびこって水面を覆ってしまうし、抜こうとしても根が張っていてなかなか抜けないのです。左の写真はチゴザサを抜いたところ。マコモやガマも同じですが、根がしっかりと泥をつかんでいるので、放置しておくとその場所が陸地化してしまいます。右はチゴザサの泥を洗い落したもの。大変な量のひげ根です。根にしがみつくようにミミズが越冬中でした。(Y)

2018年12月17日(月)
鳥たちの好物は

 左の写真は自宅近くにある自生の柿。実は小さくて4cmほどしかありませんが、今年はたくさんできました。食べごろになったのか、鳥たちの食べた跡がここにもあそこにも!柿の実はメジロ、ヒヨドリ、ツグミ、カラスなどの大好物なのです。写真を見ていて、私も1つ食べてみたくなりましたが、鳥たちが食べつくす前にちょっと急がなければ!右の写真はヤクシソウのタネです。こんな小さなタネは、ミヤマホオジロが好んで食べます。このような草は刈ってもすぐには焼かず、しばらくはそのままにしています。そのせいか、今年は例年になく早い時期に畑や休耕田で採餌するミヤマホオジロやアトリの群れを見ることができます。(Y)

2018年12月14日(金)
今年最後の草刈り

 今日はお天気が良かったので、自宅南斜面(写真左)の草刈りをしました。私は刈草を熊手で集める係です。この斜面は傾斜が急で、最初は寒かったのに、作業を始めるとあっという間に汗が噴き出してきました。これがこの場所の今年最後の草刈り。来年5月までお休みです。とは言え、「今年最後」をやらなければならない場所が他にもあって、まだまだ作業は続きます。なるべく早くにすべての作業を終えて、今年こそ「農閑期」というものを味わってみたいです。右の写真は作業中に見付けたモズの「はやにえ」。犠牲になったのはハラビロカマキリです。(Y)

2018年12月11日(火)
里山は食べ物がいっぱい!

 急に冷え込みがきつくなり、今朝の気温は-3℃。一昨日は少し積雪がありました。朝には雲海が見えます。ツグミも飛来して、ジョウビタキ、ミヤマホオジロ、シロハラ、シメ、アトリなど冬鳥の姿もたくさん見られるようになりました。電柱の上からネズミなどの獲物を狙う猛禽類のノスリもよく見かけます。寒くなっても鳥たちの食糧は豊富です。左の写真はコバノガマズミの実で、今年は豊作。右はカラスザンショウの実で、黒く光っているのがタネ。このタネの表面には油分が多く、鳥たちの大好物です。わが家の収穫し残した柿はすべて食べつくされましたが、まだ方々でたくさんの柿が残っています。ミヤマホオジロはススキなどの小さなタネを食べるので、刈草をすべて焼いてしまわずに一部残してやります。樹についたカイガラムシや越冬中の昆虫たちを目当てにコゲラやアカゲラもよく来ます。里山の生き物の豊かさを改めて感じる季節になりました。(Y)

2018年12月8日(土)
海を見に

 山の中で暮らしていると、たまには海を見に行きたくなります。そこで12月2日から1泊で、以前から行きたかった瀬戸内市の牛窓へ2人と1匹で行ってきました。海へ行く前に、瀬戸内市立美術館へ。新聞で「まど・みちおのうちゅう」展が開催されていると知ったからです。まど・みちおさんは、童謡「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」、「一ねんせいになったら」などの作詞者として有名で画家でもあります。詩や絵画、それに演奏も楽しむことができました。そして牛窓の海へ。曇っていましたが穏やかな瀬戸の海で犬ともどもしばしのんびりと。ウリ(犬の名)も走り回ったり、海を眺めたり(写真左)。翌日は残念ながら朝から雨。仕方がないので隣の備前市の「海の駅」へ。珍しい魚がたくさん並んでいました。新鮮なイワシがトロ箱1杯1000円!欲しかったけど、後のことを考えると…。それで、晩ご飯の鍋用にアンコウを、そして珍しかったので「カメノテ」を買いました。右はその塩茹で。味の方は???でしたが、カメノテも食べられるんだ!といたく感動しました。もっとお天気のいい日にまた行きたいです。(Y)

2018年12月7日(金)
カヤネズミの尻尾

 11月23日に刈り残していたマコモ群落の草刈りをしていたら、目の前に大きな球状巣が。手前で気づくことは難しく、巣が丸見えになってようやく気づきます。カメラを取り出したら、巣の中で何かが動いています。よく見るとグレーの尻尾と毛の生えそろったお尻。カヤネズミです!今までカヤネズミの成体をまともに見たことがありません。一瞬だけ顔を見たけれど、カヤネズミかハタネズミかアカネズミかわからないほどの一瞬です。それでこの時は捕まえてしっかりと見たい欲望に駆られましたが、そこは我慢しました。巣の写真を撮った後は、たくさんの刈草を被せてその場を去りました。左の写真はその巣。拡大するとかすかに尻尾とお尻が見えるのですが、ちょっとこれではわからないですね。右はカヤネズミが巣の材料として好むカサスゲの群落でちょうど花が満開です(2016年4月27日撮影)。※カヤネズミは岡山県の準絶滅危惧種に指定されています。(Y)

2018年12月6日(木)
アカハライモリ

 2枚の写真は、10月30日に田んぼビオトープの水草取りをしている時に出てきたアカハライモリです。左は背中側から、右はお腹側から撮りました。お腹が赤いからアカハライモリ。別名ニホンイモリともいいます。すばしっこくていつも逃げられてしまうのですが、この時は何とか捕まえることができました。イモリもカエルと同じ両生類。幼生時代は水の中で過ごし、やがて前あし、後ろあしが出、えら呼吸から肺呼吸へと大きな変化を経て成体になります。イモリの場合はオタマジャクシと違って、前あしが先に出てくるそうです。7月24日の日記に外えらのあるイモリの幼生の写真を載せています。寒くなると水から出て、水辺に近い落ち葉や石の下で冬眠するので、冬眠中のイモリを踏みつぶさないように作業しなければ…。(Y)

2018年12月4日(火)
カヤネズミ生息地と巣

 10月4日に秋の「モニ1000里地調査」(環境省)のカヤネズミ調査を終えました。そこでカヤネズミ生息地として整備しているススキ、マコモ、カサスゲ、チガヤ群落の草刈りを始めました。その作業をしていると、たくさんのカヤネズミの球状巣が見つかります。冷え込みがきつくなっても南に面した田は暖かいので、巣の中にはまだ幼獣がいるかもしれません。刈ってしまわないように気を遣います。それでも誤って巣の付近を刈ってしまった時には、巣の写真を撮り、巣材と地上高を記録してから刈草をたくさん被せておきます。カヤネズミへの影響をできるだけ少なくするため、草刈りはゆっくり、ゆっくりと。左の写真はカヤネズミが生息する草はら、右は球状巣です。(Y)

2018年12月1日(土)
巣箱作り講習会

 11月29日、「旭の自然を守る会」でシジュウカラ、ヤマガラなど小鳥用の巣箱作り講習会をしました。小鳥たちも住宅難。来春の繁殖期には、今日作った巣箱が大いに役立ってくれるでしょう。巣箱は今からかけておくと、小鳥たちは冬の寒さ除けに利用してそのまま繁殖に使われることが多いです。左の写真は作業風景、右は出来上がった巣箱です。参加者は8名で、家に帰って早速取り付けたという熱心な方もおられました。(Y)

2018年11月29日(木)
晩秋の生き物たち

 管理している田の整備を11月末までに終えなければならず、お尻に火が付いたような状況。とは言えいろんな事情もあり、結局のところは期限を少し待ってもらうことになりそうです。それでも11月末までにやれるところまでやろうと草刈りを頑張っています。暖かい日中に草を刈っていると、いろんな生き物に出会います。アカガエル、アマガエル、ナツアカネコバネイナゴツチイナゴショウリョウバッタ等々。ナツアカネやコバネイナゴは、まだまだ元気で繁殖活動をしています。左の写真はお腹が卵でパンパンのニホンアカガエル。右は交尾中のコバネイナゴです。(Y)

2018年11月27日(火)
「ちゅらさん」とゴーヤの棚

 少々季節外れの話題ですが…。2001年に放映された朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」の舞台は沖縄が中心でした。ヒロインの実家の台所の窓から「おばあ」がゴーヤを採って料理に使う場面がありました。窓の外にはゴーヤの棚があり、たくさんのゴーヤがぶら下がっていました。そのシーンがすごく印象に残り、私もいつか鈴なりのゴーヤの棚を作りたいと思うようになりました。こちらに移住してから、何度も挑戦しましたがうまくいきません。色々試行錯誤して、今年の夏、やっと納得できるゴーヤの棚ができました。左の写真は、2階から撮ったもの。蔓がよく成長して屋根の上まで伸びています。右は棚からぶら下がるゴーヤです。(Y)

2018年11月26日(月)
錦秋

 朝晩の冷え込みがきつくなりました。先日の最低気温は-2℃。バードバスに薄く氷が張りました。今、山々の紅葉がとても美しいです。ところで錦秋とは紅葉が錦のように色づいて美しい秋のことをいうそうです。立冬を過ぎましたが、当地は今まさに錦秋の季節。左の写真は自宅の東側にある山。一昨日撮影しました。右は今月中旬に訪れた備前市の閑谷学校。楷の木(かいのき)の見事な紅葉です。(Y)

2018年11月24日(土)
懸命に生きた証

 左の写真はジャノメチョウ、右はツマグロヒョウモンです。どちらも翅がひどく傷んでいます。危険な目に遭うたびに何とか生きのびたということでしょう。生きのびて産卵して、卵に新しい命を託して一生を終えます。ジャノメチョウは9月27日に、ツマグロヒョウモンは11月20日に撮影しました。(Y)

2018年11月22日(木)
山のカフェ

 18日の日曜日に、鏡野町にある「山のカフェひととき」(写真左)にランチを食べに行きました。このお店は、京都から移住された素敵なご夫婦がされている、土・日だけ営業のカフェです。飲み物だけでなく、ランチもあります。ランチは、おにぎりと蒸し野菜の2コースあり、私たちはおにぎりのコース(写真右)をいただきました。天ぷらは、干し柿、イチジク、自然薯、ウド菜、ユキノシタ、フキの葉、ムカゴなど珍しいものが盛りだくさん。デザートと飲み物もついて、お腹も心も大満足でした。里山地域には、畑の作物や山菜、果物など食材が豊富にあります。田舎に誰もが集えるこんなお店が必要だと思うし、私たちが生活している地域にもあったらいいなー。(Y)

2018年11月20日(火)
水生生物調査を終えて

 田んぼビオトープの水生生物調査を、11月8日に続いて11月17日に行いました。7月の調査結果と比べるともちろんですが、8日の調査よりもさらに生物の数は減っていました。それでも、ドジョウ、タニシ、ミズムシ類、コミズムシヒメゲンゴロウマツモムシ、ヒメミズカマキリ、ヤンマ系・シオカラ系・イトトンボ系のヤゴ(写真左)など多彩でした。調査を終えてあぜ道を歩いていると、低い法面の下にオスのキジの羽根が散乱していました(写真右)。法面や崖を利用した狩りをするのはオオタカですが、さほど大きくないオオタカがオスのキジを仕留めたとしたら、大変なことだったろうと思います。体の小さな水生生物も「食う、食われる」の世界を懸命に生きています。里山地域にいると、「生きる」とは他の生物の命をいただくことだと実感する日々です。(Y) 

2018年11月16日(金)
キツツキの巣穴

 雑木林で、キツツキの巣穴が開けられている木を2本見つけました。写真左の枯れ木には、ほぼ直線上に3個穴が開いています。この辺りにいるキツツキの仲間は、コゲラ、アオゲラ、アカゲラ、オオアカゲラの4種ですが、この枯木は春にコゲラが2週間かけて巣穴を掘っていたものです。もう1本はクリの木(写真右)。幹が途中で2本に分かれていて、片方が枯れています。巣穴は枯れた方の幹にあって、コゲラのものと比べて大きいのでアカゲラかアオゲラのものだと思います。ところで、キツツキの仲間は繁殖用とねぐら用の穴を掘るそうです。繁殖用の巣穴は毎年新しいものを作ります。ねぐら用は近くに数個あるのが特徴だそうで、コゲラの3つの穴はねぐら用かもしれません。古い巣は、シジュウカラなどのカラ類やブッポウソウ、コウモリ、リス、モモンガ、ヤマネなどに利用されるので、キツツキ類は棲み処(樹洞)提供者として生態系の中で大きな役割を果たしています。(Y)

2018年11月13日(火)
サワガニとヒメミズカマキリ

 開放水面を広げるために、ほぼ100%水面を覆っている水草を少しずつ引き抜いていると、いろんな生物に出会います。ふと気配を感じた方に目を向けると、イノシシがひっくり返した畦からサワガニが顔を出していました(写真左)。水の中にはヒメミズカマキリが(写真右)。一生懸命生きている彼らの命が愛おしいです。(Y)

2018年11月10日(土)
冬鳥の季節到来

 冬鳥の季節がやって来ました。まず、アトリ(写真左)。先月の18日から19日にかけて、収穫し残した畑のエゴマに多い時には30羽ほどの群れが来て、収穫し残したタネをすっかり食べつくしました。ジョウビタキ(写真右)より早くアトリを見るのは初めてで、渡ってきてすぐのようです。小さな群れでも、アトリの群飛を身近で見ると圧巻でした。それにしても、アトリはエゴマのおいしさや栄養価の高さを知っているのだと感心しました。その後ジョウビタキも毎日姿を見せるようになりました。それから、去年姿を見ることができなかったシメがウワミズザクラの枝に。シメの鳴き声を初めて聞きました。昨日はオス・メス2羽のミヤマホオジロが庭に姿を見せました。しばらくして慌てて飛び立ったと思ったら、小鳥たちの天敵のモズが飛来。長い間水浴びをしていました。これから冬鳥が続々とやって来るのが楽しみ。畑・雑木林・田んぼが鳥たちにとって好ましい環境になりつつあるのなら、こんなにうれしいことはありません。(Y)

2018年11月9日(金)
草紅葉

 秋、草が紅葉すること、また、色づいた草を草紅葉(くさもみじ)というそうです。左の写真はミソハギ、右はチガヤの紅葉。ミソハギはお墓やご仏壇に供える盆花として知られている植物で、以前は、田の畦に普通にあったようです。10年ほど前、近くで草に埋もれるようにあった数株のミソハギを見つけ、少し持ち帰って自宅そばのビオトープ池の岸に植えました。ミソハギは年々増えましたが、背が高くなると倒れるようになり、花も綺麗に咲かなくなりました。それで、もっと日当たりのいい、田んぼビオトープの一角に一部を移植。移植した株は順調に生育し、今年はお盆前から開花、10月初めまで次々と咲きました。そして、台風の強風にも、豪雨にも全く倒れることなく、すっくと立って樹々の紅葉と競うかのように赤く色づいています。(Y)

2018年11月8日(木)
水生生物調査 その1

 7月に岡山県自然保護センターの方が来られて、一緒に田んぼビオトープの水生生物調査をしました(7月24日の里やま日記)。今日は、水草の除去も進んだので、夫と二人で水生生物調査をすることにしました。お天気は快晴。暑いくらいです。こういう日だと、少々水の中をかき回しても生物への負担は少ないと思います。左の写真は、小さな巻貝とヤンマ系のヤゴとクロゲンゴロウ。右はニホンイモリです。他にも、オオコオイムシ、ドジョウ、イトトンボのヤゴ、ヒメゲンゴロウ、ウシガエルのオタマジャクシ、ミズムシ類など、たくさんいました。不確かなもの、わからないものは家に持ち帰って調べたり、専門家の方に同定をお願いしたりします。今日は暑くて、半分の面積をするのがやっと。続きは近いうちにする予定です.(Y)

2018年11月7日(水)
アシタバを眺めていると

 クリの花のような臭いがすると思っていたら、アシタバの花が咲いていました。その臭いはアシタバの花のものでした。たくさんの昆虫が吸蜜に集まっています。その独特な臭いのせいでしょうか、集まっているのはハエやアブの仲間が多いですが、テングチョウも結構よく来ます。じっと眺めていると目が慣れてきて、いろんなものが見えてきます。花を包んでいた鞘の上で休息を取っていたシュレーゲルアオガエル(写真左)。また、何気なくその下を見るとメスのコカマキリがバッタの仲間を食べていました(写真右)。翌日には同じコカマキリがテングチョウを。1本のアシタバにもたくさんの生物が関わっているのだと改めて思いました。(Y)

2018年11月6日(火)
ゴマの収穫

 左の写真は、以前にも紹介したゴマの花です(7月撮影)。花が終わると緑色の鞘ができました。鞘が大きくなり茶色になると弾けて、熟したゴマが飛び出してこぼれそうです(写真右。植えたのは黒ゴマです)。よく見ると、鞘の中にゴマがぎっしりと並んでいます。ゴマはわりと簡単に育てることができるのに、どうして国産のゴマは高価なのか。それはゴマの収穫、とりわけゴマとゴミを選り分けるのに手間がかかるということでしょうか。私もこれから選別にかかります。大変だけど、家で食べるくらいなら大したことはありません。近くを歩いていると、農家の畑の片隅にゴマが植えられているのをよく見かけます。(Y)

2018年11月4日(日)
野の花

 写真左はリンドウ、右はノコンギクです。どちらも田の畦や法面に株が増えてきました。リンドウは今が盛り、ノコンギクは盛りをちょっと過ぎた頃です。季節ごとに違う種類の花々が次々咲いて、田んぼには、真冬を除いて花が絶えることはありません。(Y)

2018年11月3日(土)
ヤクシソウ

 10月中旬頃、ヤクシソウが満開になりました(写真左。右は花のアップです)。この植物も刈り残していると増えてきました。輝くような黄色が美しく、私の大好きな花の一つです。昆虫も吸蜜にたくさんやって来ます。そんなヤクシソウも今は盛りを過ぎました。今日の最低気温は5℃。秋はさらに深まってゆきます。(Y)

2018年11月1日(木)
イノシシ来襲(その2)

 柵の点検に行ったら、4か所破られていました。写真左は押し広げられた柵、右はそこを補修しているところ。支柱の鉄筋の間隔が広い所、結束線を留め忘れた所などは見逃してくれません。すごい力で押し広げているようです。晩秋になるとイノシシも生きるために必死です。破られて補修する、また別の場所を破られる…まるでいたちごっこです。キツネがいなくなってからイノシシが増えました。10年以上前にはイノシシ柵なんてなかったのに。なぜキツネがいなくなったのだろう。伝染病だと聞いていますが、その後、数が戻らないのはなぜ?いったん崩れた生物のバランスが元に戻るのは難しい。もう元には戻らないかもしれません。里山地域に住む人たちが安心して暮らせるように、野生生物との共存ができないものかと考えてしまいます。(Y)

2018年11月1日(木)
イノシシ来襲(その1)

 冬に、中山間地保全事業でみんなでイノシシ柵を補強したのに、数日前に侵入されてしまいました。畑の黒大豆や、もうすぐ収穫と思って楽しみにしていた黒米がなぎ倒され、畦もひどく掘り返されました。ショックでしばらく呆然としてしまいました。柵のどこが破られたのだろう。夫と柵の点検に行くことにしました。写真左は被害を受けた黒大豆、右は黒米です。続きはその2へ。(Y)

2018年10月30日(火)
第4回自然観察会・平坦コース

 昨日、26日の尾根歩きコースに続いて、第4回自然観察会・平坦コースを行いました。かなり冷え込んだ一日でしたが、今が盛りのマユミの赤い実を見たり、自然を観察しながら南展望台、北展望台へと歩きました。南展望台から眺めた紅葉は、赤、黄、柿色と、今まで見た中でトップクラスの素晴らしいものでした(写真左)。よく似たカエデの見分け方、カマツカの赤い実、サワフタギの青い実。ツノハシバミの雄花序はもう出来ているが雌花の芽は?たくさんで行くと感動を共有し、様々な見方に触れ、疑問も次々と。また花の季節に来てみたいと思いました。ソウシチョウ(外来鳥)がたくさんいて、賑やかに鳴きながらマユミの実を食べていました。またヤマガラがエゴノキの実を木の根元に隠していました。冬越しの食糧を蓄えているのです。私たちもよくおしゃべりして、よく食べて。森林公園の魅力がより深まった、楽しい観察会になりました。(Y)

2018年10月27日(土)
第4回自然観察会・尾根歩きコース

 「〇の自然を守る会」の第4回自然観察会を、5月18日の第2回と同じ県立森林公園で行いました。今回は2回に分けて、10月26日の「尾根歩きコース」と29日の「平坦コース」。まず昨日は尾根歩きコース。管理センターを出発してすぐにマユミ、コマユミなどの赤い実やミヤマトリカブトの青い花。登山道を上がっていくと、ツルリンドウやツルアリドオシ、アズキナシの赤い実など。尾根に上がるとリンドウやマツムシソウの花。そして季節外れのアカモノの可憐な花(写真右)。それらを楽しみながら、1,090mの千軒平に到着。少し曇っていましたが、鳥取県の大山を遠望することができました。ブナの黄葉は今がピークです。皆で記念撮影のあと、お昼ご飯を食べ、観察をしながら別コースで無事下山。今回も、色づいたツタウルシやイワガラミ、ブナの実やミズナラのドングリなどこの時期にしか見られないものがたくさんありました。次は29日。ゆっくりと紅葉・黄葉とマユミの赤い実を楽しみにしたいと思います。(Y)

2018年10月25日(木)
棚田を守るということ

 毎年アカガエルやカスミサンショウウオが産卵する田んぼビオトープで、来春の産卵期のために水草を除去して開放水面を広げる作業を始めました(写真左)。作業をしながらふと上を見上げると、夫が棚田の法面の草刈りをしていました(写真右)。ところで棚田とは、20m歩いて1m以上あがる田が1ha以上広がっている所を言うのだそうです。私たちが作業している棚田はもう少し傾斜がきついです。夫が草刈りをしているのは、その棚田の中の大きな段差がある法面です。こういう場所で安全に作業をするためにはとても気を遣います。その場所やその日の条件をよく考えて、危険予測をしてから作業に入ります。先日稲刈りのイベントに参加した北庄棚田もとても傾斜のきつい所でした。棚田を守るのは大変なこと。高齢化が進む中山間地で、若い人の手が必要だとつくづく思います。(Y)

2018年10月23日(火)
ウエルカムボードとシマエナガ

 娘の結婚式で20日から22日まで東京に行っていました。普段、夜はほとんど明りのないところにいるので、夜景が珍しくてカメラに収めました(写真左)。新橋駅近くの道路です。話は変わりますが、結婚式のために娘の友達とお母さんが素敵なウエルカムボードを作ってくれました。私も触発されて羊毛フェルトの「シマエナガ」を作りました(写真右。東京へ持っていく前に自宅で撮影したものです)。式場で「ウエルカムボード」と「シマエナガ」を並べて写真を撮ろうとカメラを持って行ったのに、何かと慌ただしくて取り損ねました。誰か撮っていてくれないかなー。祈るような気持ちです。※シマエナガは北海道に生息している小鳥です。(Y)

2018年10月18日(木)
サクラタデ

 サクラタデが好きで、刈り残していたら年々増えて、棚田に大小いくつもの群落ができています。長年放置されていた田には、とりわけ大きな群落が(写真左)。今時珍しいこの大きな群落を何とか残したいと、セイタカアワダチソウなどの外来種とつる植物の除去、それにススキなどの大型植物や畦草の刈り取りをしています。サクラタデは今最盛期。右の写真は花のアップ。タデの仲間にしては大きくてサクラに似た美しい花です。岡山県の準絶滅危惧種に指定されています。(Y)

2018年10月17日(水)
シイタケを食べたのは

 この秋ははシイタケがよくできます。すでに2回収穫して、まだもう1回採れそうです。でも油断していると何者かに食べられています。よくよく見れば、ヤマナメクジ(写真左)とコベソマイマイ(写真右)がいるのに気づきました。彼らの仕業に違いありません。ヤマナメクジは体長5cmほど、コベソマイマイは殻径約1cmの小さなものでした。シイタケを食べるのに夢中です。穴だらけのシイタケは残念だけど少しは分け前も、ということで、それはそのままプレゼント。無事収穫できたものは、そのまま食べたり冷凍したり。干しシイタケも作ります。買えば高い「原木天日干しシイタケ」です。(Y)

2018年10月16日(火)
棚田のコスモス

 台風でなぎ倒された棚田のコスモス。自力で立ち上がってきて、今満開(写真左)。ここ2、3日ようやく秋らしい爽やかな青空。花にはいろんな昆虫が吸蜜に来ています。特に目立ったのはクマバチ。花から花へ、蜜集めに余念がありません。(Y)

2018年10月15日(月)
黒大豆

 柵が補強されてイノシシの心配がなくなったので、休耕田で野菜を育てています。今年はオクラやゴマ、豆類が大豊作。左の写真は黒大豆の畑です。緑色が濃い元気な株に育ちました。中を覗いてみると、こんな感じ(写真右)。莢が膨らんではじけそうです。間引きついでに湯がいて枝豆に。甘くてモチモチ、すごくおいしい。近所の方にもおすそ分けしました。間引きが終わったら、残りの豆は乾燥して正月用の黒豆に。でも、この分では、全部枝豆で食べてしまいそうです。(Y)

2018年10月13日(土)
小さなススキ

 このあたりの至る所ではびこっているコブナグサ。昨年の10月26日の本欄で紹介したように、黄八丈の黄色を染め出すのに使われる植物です。今、そのコブナグサに穂が出ています(写真左)。ススキの穂のミニチュア版という感じです。毎年この時期になると、身近な野草と共に小さな瓶にさして楽しみます(写真右)。一緒に生けているのは、ヨメナ、キツネノマゴ、イヌタデ、シラヤマギク、キンミズヒキ。コブナグサが小さなススキのように見えませんか。(Y)

2018年10月11日(木)
野の花

 左の写真はコマツナギ、右はサイヨウシャジンです。どちらも8月末に撮りました。コマツナギは「駒繋ぎ」。茎が丈夫で、馬を繋ぎ留めることができるほど、ということから名付けられたようです。サイヨウシャジンのシャジンは「沙参」でツリガネニンジンのこと。サイヨウは諸説あって、はっきりしません。ツリガネニンジンは本種の変種とされ、大変よく似ています。花はすごくきれいですが、草丈が長くなりすぎて倒れてしまうのが難点です。ツリガネニンジンとともに山菜としても価値があります。刈り残していると、年々増えてくるので、私は春には若葉を少しもらって天ぷらにします。(Y)

2018年10月10日(水)
命の重み

 晩夏にクロアゲハがレモンの木に産卵し、2匹が育って終齢幼虫になりました。蛹になる時に移動して行方不明になることが多いので、大きい方の幼虫を飼育することにしました。幼虫がいる小枝を小さなペットボトルに挿して飼育箱に。ところが翌朝、幼虫がペットボトルの水の中に落ちているのを見つけました。すぐに水から出してやりましたが、しばらくして動かなくなってしまいました。ボトルの口を綿か何かで塞いでおくべきでした。カエルがヘビに食べられるのを見るのはショックですが、自然の摂理と理解できます。でも、自分の不注意で死なせてしまうと、とても悲しく、後悔もします。そんな時、人間であろうとなかろうと、体が大きかろうと小さかろうと、命の重みはみんな同じであることに気づきます。写真は去年、飼育がうまくいったときのクロアゲハの終齢幼虫と蛹です。(Y)

2018年10月7日(日)
大きい田と小さい田

 左の写真は9月に撮ったものですが、左の方の黄色く色づいているところは、この付近で唯一、農家のMさんがお米を作っておられる広い田です。今はすでに稲刈りが終わっています。その右側手前の緑色の部分は、私たちが黒米を手植えした小さな小さな田です。右の写真は黒米の今の様子です。籾が膨らんで、かなり黒くなってきました。こちらは刈り取りまであと1ヵ月ほどでしょうか。今日は午前中、地区の方たちと神社に奉納するお餅つきをしました。明日は秋祭り。樹々の葉っぱも色づいて、秋は急ピッチで進んでいきます。(Y)

2018年10月6日(土)
コサメビタキとエゾビタキ

 毎年、秋になると1羽のコサメビタキ(写真左)が自宅周辺にやって来て、2週間ほど滞在します。大きなネムノキの枝に垂直に止まり、そこから飛び立って空中で昆虫類を嘴で捕え、再び同じ枝に戻る。その特徴的な行動で、コサメビタキが来たことに気づきます。昨年は姿を見ることができず心配していたのですが、今年は春に来て長く滞在していました。春に来るのは初めてのことです。もしかしたら近くで繁殖も!と期待したのですが、確認はできませんでした。そして秋。2羽のコサメビタキが姿を見せました。畑や庭を中心にいろんな所で空中採食したり、バードバスで水浴びをしたり。少し遅れて、以前畑で一度見たきりのエゾビタキ(写真右)も複数でやって来て3日間ほど滞在。その後越冬地へ旅立ったようです。コサメビタキはまだいます。鳥たちが我が家周辺を渡りの中継地として来てくれたことがとてもうれしい。鳥たちが安心して過ごせる環境は人間にとってもいい環境であると信じて、体の動く限り里山の保全を頑張ろうと思います。(Y)

2018年10月5日(金)
コスモスと台風と温暖化

 もうすぐ満開と楽しみにしていた棚田のコスモス(写真左)。残念ながら台風24号の影響でほとんどが倒れてしまいました(写真右)。起こしてやりたいのですが、また台風25号が近づいています。起こすのはそれが去ってから。それにしても、大阪の大地震、西日本豪雨、北海道の大地震、各地で40℃を越えた酷暑の夏。そして、いくつも発生して大きな被害をもたらした台風。今年は災害の大変多い年になりました。被災した方たちのことを思うと胸が痛みます。地震は防ぎようがないとしても、ここ数年多発している豪雨や台風、そして命にかかわるような夏の酷暑。これらが長い人類の歴史の中で繰り返されてきたものと同じであるならば、受け入れて命を守る対策を立てなければなりません。でも、温暖化のせいであるならば…。未来の人たちに負の遺産を背負わせないためにも、温暖化について真剣に考えるべき時ではないでしょうか。(Y)

2018年10月3日(水)
棚田守り隊

 車で1時間以内の所に「棚田百選」の田が4か所あります。9月23日にその内の1つ、北庄(きたしょう)棚田の稲刈りのイベントに参加しました。生協が募集していた「棚田守り隊」の会員になり、初めてのイベント参加です。棚田での米作りってどんなものか見てみたい、また、昔田んぼでよく見た、稲わらを積み上げた「藁にお」(このあたりでは「藁ぐろ」と言うそうです)の作り方を教えてもらいたい、そんな思いで参加しました。現地に着いて、まず驚いたのは、小さな子どもたちや若いお父さん、お母さんさんがたくさん参加されていること。岡山市や倉敷市からの方が多いようでした。さて、その日の作業について。長く降り続いた雨で倒伏したコシヒカリ。それを起こして鎌で刈り、10株ほどを束ねていきます。足元はぬかるんで何度も滑り、服はどろどろに。ようやく終わったら「はでかけ」の場所まで運ぶのに、急なあぜ道を上がったり下ったり。棚田での農作業の大変さが少しはわかった気がしました。棚田を守るためには大勢の人の手が必要だとも。それにしても、棚田で生き生きと活躍する若いお父さん、お母さん、子どもたち、そして現地の農家の人たち。工夫次第でまだまだ棚田の価値はなくならないと感じさせてもくれました。左の写真は北庄棚田の遠景。右は稲刈りの一場面です。(Y)

2018年9月29日(土)
カズラオドロとミヤマヒイゴ

 左の写真は、クズなどのつる植物が放置され、電柱を通り越して電線にまで絡まったものです。地元のある方がこの状態を「カズラオドロ」と言われました。聞きなれない言葉に接して興味を持ち、調べてみました。カズラはつる植物のこと。では「オドロ」とは? 難解語だそうで、「草木、茨などの乱れ茂っていること。また、その場所やそのさま。藪。」とありました。「カズラオドロ」とは、つる植物が乱れ茂って立ち木や電柱・電線などに絡みついている状態を言うのだと納得しました。そういえば10年ほど前、近くの谷筋に国道への近道になる舗装道路ができたのですが、その道路は地元で「オドロ線」と呼ばれています。何となく怖そうな、気味悪そうな名前と思っていました。これは想像ですが、昔から人が歩けるぐらいの細い道があったけれど、草木や茨が乱れ茂って難儀していたのではないでしょうか。それで新しい道路も「オドロ線」と呼ばれるようになったのではないかと思います。別の話ですが、地元の古い方はコシアカツバメ(写真右)のことを「ミヤマヒイゴ」と呼ばれます。調べると、「ヒイゴ」はツバメのこと、「ミヤマヒイゴ」は「アマツバメの異名」とありました。でも、当地にはアマツバメはいません。「ミヤマ」とは深山のほかに里山のような環境も意味するようですから、この辺りで言う「ミヤマヒイゴ」は山に多いツバメというほどの意味でしょうか。方言って魅力があって面白いです.(Y)

2018年9月27日(木)
2種のアカガエル

 最近、2種類のアカガエル成体をよく見かけます。左の写真はニホンアカガエル。今までこの近辺ではこのカエルしか見なかったのですが、今年はヤマアカガエル(写真右)にもよく出会います。ともに体長4cmほど。今年は田んぼビオトープ周辺の4か所で合計約350卵塊の産卵があり、卵から孵化したオタマジャクシは6月頃に前あし、後あしが出てカエルらしい姿になりました。その頃から2種類いることが分かったのですが、違いがもう一つはっきりと分からないこともありました。でも、成体のカエルではわかりやすいです。右のヤマアカガエルの方は頭から背中にかけての2本のラインが曲がっています。体色が暗く、後あしの横縞模様も太くはっきりしており、背中には暗色のまだら模様があります。さらに腹の模様が比較的鮮明であることが多いそうですが、その確認はまだ。今後の宿題です。この2枚の写真はどちらも自宅周辺で最近撮ったものですが、いずれも特徴がはっきりした個体です。(カエルの特徴については、山と渓谷社「日本のカエル」を参考にしました。(Y)

2018年9月26日(水)
秋の七草

 8月の末から秋の七草を少しずつ紹介してきましたが、今回で最後。最後に紹介するのはクズ(葛)です(写真左)。昔はクズの根を粉砕してデンプンを取り出し、水を何度も換えて手間をかけて精製して葛粉を作っていました。今は葛粉の代わりに、ジャガイモデンプンが片栗粉として安価で売られています。本物の葛粉は高価で希少なものになりました。飼い葉としての利用もなくなったクズは、すっかりはびこって他の草や木に絡みつく厄介な雑草に過ぎなくなりました。でもクズの花は、華やかで甘い香りのする、私の大好きな花の一つです。右の写真はススキ。前にも紹介しましたが、今回は少しアップで。秋の七草は「ハギ、キキョウ、クズ、オミナエシ、フジバカマ、オバナ、ナデシコ」です。オバナはススキのこと。フジバカマは当地にはありませんが、同じ仲間のヒヨドリバナ、サワヒヨドリがたくさんあります。(Y)

2018年9月24日(月)
野の花

 左の写真はカワラナデシコ。8月に撮ったものです。元々株があった場所では、いつも草刈りで刈り取られていました。保護しようと株を少し自宅敷地に持ってきました。ところが、日当たりなど環境が合わないのか、現状維持が精一杯でなかなか増えてくれません。いい場所を探して植え替えようと思っています。右の写真はヤマハギ。今満開です。自然に生えてきたものを大切にしていたら、こちらはだんだん株が増えてきて、今では邪魔になるものを刈り取ったりしています。(Y)

2018年9月22日(土)
里山の現状

 初夏にキビタキの明るい囀りが響いていたコナラナラガシワの林の一角が見事に伐採されました(写真)。ソーラーパネルが設置されるそうです。他でも何か所かでこのような工事が行われています。ソーラーパネルの耐用年数は20年だそうです。バブル期に作られたリゾート地の多くが廃墟と化したように、20年後、藪の中にパネルの残骸だけが残されている、というようなことはないのでしょうか。幸い斜面の下に人家はありませんが、昨今頻発している豪雨での土砂崩れも心配です。昔、里山ではコナラなどナラやカシの仲間は良質な薪や炭の原料になるので、定期的に伐採・利用されていました。樹が大きくなりすぎるというようなことはなかったそうです。しかし、燃料として利用されなくなってからは人手が入らず、大きな樹が混みあい、下は笹薮となっています。だから地元ではソーラーを歓迎する声もあります。しかし、これが長期にわたって持続的にに地元を潤すとは考えられません。そうではなく、良好な里山の自然を守りながら、例えばバイオマスエネルギーとしての活用などでこの地域の経済がうまく回っていくような方法はないものでしょうか。大木の切り株や積み上げられた伐採屑を見ながら考えてしまいます。(Y)

2018年9月21日(金)
満開のそば畑と塩釜の冷泉

 少し前のことになりますが…。娘家族がお盆休みを9月に取って中国地方への旅を計画したので、3泊目に鳥取県大山麓の宿で落ち合うことにしました。秋雨前線の停滞で娘たちの旅行中ずっと雨続き。孫が一番楽しみにしていた鳥取砂丘も土砂降りで、歩くことはもちろん風景を見ることもできなかったそうです。3日目の大山麓も雨。翌日も雨は上がったものの深い霧。仕方がないので蒜山高原まで下りました。蒜山もそう変わらないだろうと思っていたら、急に霧が晴れ青空も。素通りするつもりを予定変更で「塩釜の冷泉」へ。冷泉に手を浸けて、その冷たさや湧き出る水の青さに驚く孫。青空の下に広がる満開のそば畑も見ることができました(写真右)。最後に天候回復して、娘たちも少しは気分転換できたかな? 次の機会には良い天気に恵まれますように。(Y)

2018年9月20日(木)
野の花

 いつも田んぼの作業に行くあぜ道で、今年もヒガンバナが咲き始めました(写真左)。例年なら私かイノシシが踏みつけてしまうのですが、冬に中山間地保全事業でイノシシ柵が補強されて、イノシシが踏みつける心配がなくなりました。私も踏まないようにそろりと歩きます。ヒガンバナを見ると、新見南吉の絵本「ごんぎつね」の一場面を思い出します。兵十のお母さんの野辺送りの時に咲く満開のヒガンバナが美しく、悲しくもありました。右の写真はヒヨドリバナ。秋の花が次々と咲いて、今日は彼岸の入り。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、穏やかで涼しい秋までもう少し…本当にそうあってほしいです。(Y)

2018年9月17日(月)
ススキと草バッタ

 ススキの穂が出てきました(写真左)。毎日の高温多湿でグッタリの私ですが、自然界は秋の気配が濃くなってきました。ところで、ススキは尾花ともいい、秋の七草の一つです。今日は曇り空で、かなり蒸し暑いけれど、頑張って草刈りをしようと田んぼへ。田んぼに着いて、いきなりちょっと休憩。ススキの葉で草バッタ(写真右)を作りました。それから重い腰を上げて少しだけ草刈り。今日の田んぼの作業はこれで終了。早く涼しくなってくれないかなー。(Y)

2018年9月16日(日)
イネの出穂とオタマジャクシ

 長く降り続いた雨が止んだので、飼育していた8匹のツチガエルのオタマジャクシをすべて田んぼビオトープに放しに行きました。後あし、前あしが出て、みんなもうすぐカエルです。そのあと、6月に植えたイネの様子を見に行ったら、穂が出て花が咲き始めていました(写真左)。黒米なので、籾の色がすでに少し黒っぽいです。ふと下に目をやると、水の中を大きなオタマジャクシがたくさん泳いでいました(写真右)。大雨で上のため池から流されてきたのでしょう。体長は7~8cmほどと大型で、白っぽい色。見たことのないオタマジャクシです。3匹を持ち帰ってよくよく見れば、どうやらウシガエルのオタマジャクシのようです。脱皮直前で、古い皮膚が白く見えているのではないかと思います。しばらく飼育して観察することにします。生物がたくさんいる環境にいると、知らなかった生態に接して驚くことがよくあります。(Y)

2018年9月14日(金)
野の花

 左の写真はキツネノカミソリです。自宅周辺にはなかったのですが、1~2km離れた道路際に小さな群落が何か所かありました。いつも刈られてしまうことが多いので、去年の秋に球根を少しもらってきて自宅の近くに植えました。今年の早春に葉が出て、それが枯れた後、8月に花茎が伸びてきて花が咲きました。右の写真はツルボです。畔の草刈りを続けていたら、年々株が増えてきました。キツネノカミソリもツルボも派手さはないけど心惹かれる花。これから咲くヒガンバナと同じように、花の時期には葉は見られません。(Y)

2018年9月8日(土)
田んぼビオトープと埋土種子

 私たちが管理している休耕田に水を張って田んぼビオトープにしたら、しばらくして白いきれいな花が咲き始めました。調べたら、トチカガミ科のミズオオバコでした(写真左)。この植物は、岡山県、環境省ともに絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。右の写真はオモダカです。ミズオオバコもオモダカもかつては水田雑草とされていましたが、乾田化や除草剤が使われるようになったために、ほとんど見ることができなくなりました。ここで花が咲いたのは、休耕田に水を張ることで眠っていた埋土(まいど)種子が発芽したものと思われます。この2種だけでなく、コナギ、ヘラオモダカ、ヒルムシロ等々、いろんな植物が生えてきてとても興味深いです。でも放っておくとはびこるので、増えすぎたものを除去するのに手間がかかって困ることもあります。植物同士の関わりの中で、あまり手をかけずに良い調和状態ができないものか、あれこれと思案中です。昔の人も苦労したのでしょうが、なんてきれいな花が水田にあったのだろうと思います。今後も埋土種子から何が生えてくるか楽しみです。(Y)

2018年9月6日(木)
ツチガエルのオタマジャクシ

 当地には、カエルが7種います。ニホンアカガエル、ヤマアカガエル、シュレーゲルアオガエル、トノサマガエル、アマガエル、数は少ないですがニホンヒキガエル、そして外来種のウシガエルです。昔はこの7種のほかに、ツチガエルがどこにでもいたそうですが、今は全く姿を見ることができません。初夏の頃に隣の地区のTさんが、体長5mmほどの黒い小さなオタマジャクシをたくさん持ってきてくれました。見たことがない種類でしたが、調べるとツチガエルのようです。早速飼い始めましたが、1cmほどに成長すると今度は体の中が透けて見える透明な姿に。とてもオタマジャクシのようには見えません。でももう少し成長すると、アカガエルなどのオタマジャクシと同じようになりました。彼らは食欲旺盛。日に日に大きくなって飼育容器が窮屈になってくるたび、田んぼビオトープに少しづつ放してやりました。飼育容器に残ったものはさらに成長して、後あし、前あしが出てきて、尾も短くなって、いよいよカエルです(写真)。カエルは肺呼吸。おまけに生きた餌しか食べません。そこで溺死や餓死をしないように田んぼビオトープに放しました。現在、飼育容器には8匹だけ残っています。そのほとんどは後あしが出ているので、9月中にすべて放すことになりそうです。無事越冬して、春には大きくなったツチガエルに再会したいものです。うまく定着してほしいです。(Y)

2018年9月4日(火)
1本のエゴノキから思うこと

 畑の傍に1本のエゴノキが生えてきました。数年経ち、今年はたくさんの花が咲き、実がなりました。最近、ヤマガラが毎日何度もこの木にやって来ては実をくわえてどこかに飛んでいきます(写真左)。実はすぐに食べるのではなく、冬に備えていろんな所に貯蔵しているようです。貯蔵した場所を忘れることはほとんどないということです。それでも、食べ忘れたわずかのタネが発芽してエゴノキが生えてきます。ヤマガラはエゴノキの種子を貴重な冬の食料とする一方で、種子運搬者の働きをしています。また、5月の花の季節には蜜や花粉を集めにたくさんの昆虫が集まっていました。今年はコマルハナバチが特に多かったです(写真右)。このハチはエゴノキから蜜や花粉をもらう一方、受粉を助けることで種子生産に役立っています。野生生物の世界は「持ちつ持たれつ」で巧みな調和が保たれています。人間である私は、満開の花の美しさに見入り、昆虫や鳥たちの一生懸命の活動に感動し、そして1本のエゴノキにたくさんの生物が関わり、直接間接に繋がっていることに気づきました。すべての生物はお互いに関わり合って生きています。そしてその繋がりが複雑であればあるほど豊かな自然なのだと思います。そんな豊かな自然の中でこそ人間も恵みを受け、健全に生きられると思うのです。(Y)

2018年9月2日(日)
雨上がりに

 雨上がりに、普段あまり見ることのない生物をじっくりと観察しました。左の写真はカタツムリの仲間のコベソマイマイだと思います。草の上で、体を長く伸ばしながら移動していました。よく伸びるなぁーと感心しながら見ていたら、一番伸びた時は10cm近くありました。殻径は約4~5cmです。右はヤマナメクジ。体長7~8cm、幅は約1.5cmでした。(大きいものは20cmぐらいあるそうで、この個体はまだ幼体かもしれません)。玄関を出た所で這い回っていたので、粘液でベタベタになって、後の掃除が大変でした。それにしても、いろんな生物が一生懸命に生きている姿に感動です。まだまだ新しい生物や珍しい生態との出会いを楽しみにしたいと思います。(文一総合出版「カタツムリハンドブック」を参考にしました)(Y)

2018年8月30日(木)
野の花

 左の写真はキキョウ、右はオミナエシです。キキョウは10年ほど前までは少しですがこの近くにありました。今は草刈りがされ過ぎたのか、環境が悪化したのか、見ることができなくなりました。そのことを棚田百選で有名な隣の地区のTさんに話したら、初夏に苗を持ってきてくれました。Tさんが住まわれる辺りにキキョウの群落があるそうです。早速植えたら、今、次々と花が咲いています。このまま定着してほしいです。オミナエシは、私たちが田を管理するようになって、刈るものと刈らないもの、選択的に草刈りをしていたら株が増えてきました。昭和30年代頃までは、たくさんのキキョウやオミナエシが咲いていたものと思われます。田んぼが野の草花でいっぱいになるように。そんなことを夢見ています。(Y)

2018年8月28日(火)
ナガコガネグモの狩り

 クモといえばクモの網(クモの巣)を思い浮かべますが、実際には身近なアシダカグモのように、ほぼ半数の種が網を張らずに獲物を捕まえるそうです。当地でよく見られるナガコガネグモは網を張るクモ。網に獲物がかかると、素早く糸を巻き付けて身動きできなくして捕えます(写真左)。右は捕らえた獲物を食べているところです。クモは体外消化といって、消化液を獲物の体内に注入して内容物を溶かして、そこに口をつけて吸い上げます。クモの口は、獲物をかじることはできません。消化できない固いキチン質(昆虫の外骨格)を除けば、ほとんどきれいに溶かして食べてしまうそうです。ところで、日々いろんな生物に接していると、次々と疑問が湧いてきて、調べ、考えます。人間は万物の霊長とか、高等生物・下等生物などと言いますが、生きていく上では生物に高等も下等もないと思います。それぞれの生物が生活に応じた素晴らしい体の仕組みを持っています。そして、多様な生物との関わりの中で、人間もまた生かされているのだと思うのです。(Y)

2018年8月26日(日)
生物との出会い

 田んぼでの作業中や行き帰りにいろんな生物との出会いがあったり、興味深い出来事に遭遇したりします。だから必ずカメラを持っていき、できるだけ記録を残すようにしています。野生動物は用心深くて敏捷で、夜行性のものも多いのでワンチャンスを逃がしたら次はいつ出会えるかわかりませんから。左の写真は、畦に置いてあったプラスチック製の手箕(てみ)の中にいた大きなサワガニです。今年初めての出会いです。この辺りで生き続けていることが確認できました。右はキリギリス。他のバッタを食べていました。狩りをしたのかどうかは不明ですが、キリギリスは肉食性が強いようです。また先日は、この辺りで唯一米作りが続いている田で、穂が出てきたイネの間からヒクイナ(鳥)が現れて、畦を横断して茂みに入って行きました。後ろには3羽の若鳥が。あっけにとられて見ていると、今度は茂みから田へ。あまりの素早さで写真に撮ることはできませんでしたが、今年もヒクイナの繁殖を確認できてうれしかったです。(Y)

2018年8月24日(金)
野の花

 お盆を過ぎたあと、2~3日は秋を思わせる涼しい日がありましたが、またまた夏に逆戻り。厳しい暑さの毎日です。それでも生物の世界は、ちゃんと季節が秋に向かっていることを教えてくれます。私はその変化に追いつけなくて、「里山日記」に紹介することが後手後手になってしまいます。今日は1ヵ月ほど前に田の畦で撮った写真です。左はクルマバナ。群生しているのがとてもきれいでした。右は湿地に咲くサワヒヨドリ。乾いた土地では同じ仲間のヒヨドリバナの蕾が大きく膨らんできました。クルマバナもサワヒヨドリも盛りの時期が長く、今も次々と咲いて私の目を楽しませてくれます。(Y)

2018年8月22日(水)
クモの網と隠れ帯

 一般的によく言われる「クモの巣」は、正式には「クモの網」といいます。また、隠れ帯とは、コガネグモ科、アシナガグモ科、ウズグモ科、ゴミグモ科の仲間で見られる、クモの円網に付けられた糸の装飾のことです。白帯とも言われます。隠れ帯の機能についてはよくわかっていないことが多く、いろんな説があります。写真はこの辺りでたくさん生息しているナガコガネグモの隠れ帯。左は幼体が、右は成体が主に作る隠れ帯です。なんてきれいなんだろうと、見つけるたびに思います。(Y)

2018年8月19日(日)
棚田のヒマワリ

 棚田のヒマワリ、3年目。今年は雨が少なくて大きくなりませんでしたが、予定通りお盆に満開になりました。昨年、ケイトウの苗をヒマワリの間に植えましたが、そのタネがこぼれて育ったケイトウがヒマワリと一緒に満開です。近づいて見ると、ヒマワリの黄色とケイトウの赤が青空に映えてすごくきれいです。ヒマワリが終わったら、次はコスモスが咲くようにとタネを蒔きました。コスモスの苗も元気に育っています。少し離れたKさんの田にも新たにヒマワリ畑ができました。イネの緑とヒマワリの黄色。みんなの力で、美しい里山の風景が少しづつ広がっていくのがうれしいです。イネの穂が少し垂れてきました。もうすぐ収穫の秋を迎えます。(Y)

2018年8月14日(火)
寝床

 朝、何気なく外に掛けてある雑巾を見たら、大きなシュレーゲルアオガエルのメス(体長4~5㎝)が夜の狩りを終えて休息していました(写真左)。シュレーゲルアオガエルは日本の固有種であり、日本に生息するカエルの中で最も美しい種の一つです。また、非常に強力な吸盤を持っていて(アマガエルの吸盤より強力)、垂直の壁もスイスイ。これから夕方まで、日射を避けながらゆっくり休みます。写真右はヤマトシジミ。午後5時前、ゴーヤの葉の上ですでに眠りについていました。蝶は眠りにつくのが早いようです。傍で草刈り機の大きな音を立てても起きません。(Y)

2018年8月11日(土)
梅干しの土用干し

 今年も梅干しの土用干しをしました。「土用」とは、立夏・立秋・立冬・立春それぞれの直前18日間を示す言葉です。一般的には立秋前の18日間の夏土用を指します。今年は7月20日から8月6日までが夏土用です。この頃の日射はとても強くて殺菌効果が期待でき、雨が少なく空気が乾燥しているので干すのに非常に適した時期です。梅干しに限らず、衣類や書物も土用干しをすることでカビや虫の害を防ぎます。そして田んぼも土用干しをすると、雑菌の繁殖を抑え、根がしっかりと張るそうです。土用干しを終えた梅干しとシソを梅酢につけたあと、梅干しとシソを保存容器に入れて冷蔵庫で保管します。今年も梅干し完成!(Y)

2018年8月9日(木)
野の花

 7月中旬頃が盛りのヌマトラノオ(写真左)とヤブカンゾウ(写真右)。ヌマトラノオは田んぼビオトープの一部がイノシシのぬた場だった時にたくさん生えていて、1m近くの高さがありました。今は田んぼビオトープの湿気た畦に50cmほどの高さで群生しています。白い小さな花をたくさんつけて清楚な感じです。ヤブカンゾウは八重で、ちょっと派手すぎるのを好まない人が多いですが、私はなぜか心惹かれる花です。ヤブカンゾウの若い芽は、湯がいて酢味噌で食べたり、あえ物にしたり。花はエディブルフラワーとしてサラダのトッピングにします。この花は一日で萎んでしまうので、咲いたばかりのはもったいなくて、夕方萎みかけたものを料理に。きれいな色で、少し甘い味がします。(Y)

2018年8月7日(火)
緑のカーテン

 暑さ対策に緑のカーテンを作ろうと、今年もゴーヤの苗を植えました。6本の苗は植えてすぐにグングン育ち、蔓を伸ばし葉を広げて、今までで一番いい緑のカーテンができました。ゴーヤも例年以上の大豊作。ゴーヤチャンプルー、佃煮、ゴーヤ茶、ジャム等々いろいろ試しています。豪雨の後の酷暑で今年は野菜が不作だそうです。我が家の畑も例外ではなく、夏野菜は壊滅状態。そんな状況の中で、ゴーヤの豊作はすごくうれしいことでした。(Y)

2018年8月5日(日)
ツバメ

 夫が夏祭り準備の草刈り作業で、朝7時前に家を出ました。私も早起きしたので、棚田のヒマワリの世話をすることに。家を出て歩き出すと、上空低い所をたくさんのツバメが飛んでいます。このあたりで生まれた子どもたちを中心に、集団ねぐらから飛んできて餌を捕ったり、渡りに備えて飛行の練習をして昼間を過ごすのでしょう。当地では毎年、ツバメとコシアカツバメが繁殖します。でも、今日飛んでいるのはこの2種だけではないような…。それにタカの仲間も飛んでいて、双眼鏡を持ってこなかったことを悔やみました。ヒマワリ畑で作業を始めると、私の頭をかすめるように飛んで、巣のある場所に向かうものがいます。ピークはとうに過ぎたもののまだ子育てが続いているようです。人間を頼りにしているようなツバメの子育てを見ていると、ここはずーっと昔からツバメを大切にしてきた土地柄だ、という田のオーナーさんの言葉が納得できます。毎年、真っ先にオーナーさんのお宅で巣作りを始めるツバメ。今年は5個の巣があり、先日見に行くと、まだ1つの巣からヒナが2羽顔を出していました。そして、蚊柱の立つころ、田んぼや畑にさらにツバメの数が増えます。餌を捕りながら北から南へ。我が家の上空は渡りのコースになっていて、長い期間たくさんのツバメを見ることができます。(写真左はツバメ、右はコシアカツバメの巣。どちらも以前に撮影したものです)(Y)

2018年8月3日(金)
「夏越の大祓」と「茅の輪くぐり」

 7月31日、近くの神社で「夏越の大祓」と「茅の輪くぐり」神事がありました。「夏越の大祓」は「なごしのおおはらい(おおはらえ)」、「茅の輪」は「ちのわ」と読みます。この神事は穢れを人形(ひとがた、人の形に紙を切り抜いたもの・写真左)に託して茅(かや)で作った大きな輪(写真右)をくぐり、罪や穢れを取り除き、心身が清らかになるようにお祈りするものです。人形には名前と年齢を書いて、息を3度吹きかけて神社に持っていきます。都会ではとうの昔になくなった行事だと思いますが、田舎では健在です。人形を持って、作法を読みながら8の字を描くように茅の輪をくぐったら、なんだか心が軽くなったような気がしました。(Y)

2018年7月30日(月)
小さな田んぼ

 6月中旬から田植えをしました。古代米の黒米です。水面を覆っている水草を除去して開放水面を少しづつ広げ、そこに苗を手で植えていったので、小さな田んぼですが2週間かかりました。田植えを始めた頃にはたくさんのオタマジャクシがいましたが(写真左)、今はすべてカエルになりました。他にもオオコオイムシやトンボの幼虫、マツモムシ、アメンボ、ミズムシ類などたくさんの生物を見つけました。こんなにたくさんの生物がいる田んぼは今では珍しいと思います。イネが育ち、イネの成長と共に環境が変化して、生息する生物も次々と変わってきます。そんな様子を見るのが楽しみです。右の写真は現在の田んぼ。イネが大きくなりました。(Y)

2018年7月28日(土)
野菜の花

 これから折に触れて、当地に来て初めて知った野菜の花や季節の野の花をご紹介したいと思います。1回目は野菜の花。一昨年、ニンジンの種まきが遅くなって小さなニンジンしかできませんでした。おまけに太い芯があって食べられる部分はほんのわずかでしたが、ボウルに山盛り一杯のニンジンの芯を取り除いて、シチューや煮物にして何とか全部食べました。翌年の初夏、畑の一角に白いきれいな花が咲きました。不思議な気持ちでよくよく見れば掘り忘れたニンジンの株が成長して花が咲いたのです。初めて見たニンジンの花。そのタネがこぼれて今年も花が咲きました(写真左)。ニンジンはセリ科。ハナウドやセリの花とよく似ています。右の写真はゴマの花。ゴマはゴマ科で、同じ仲間のものは身近にはありません。ゴマは買うものだと思っていましたが、栽培してみたら簡単にできておいしいし、花もきれい。莢の中にぎっしり並ぶゴマの粒を見るのも楽しい。細かいゴマ粒を集めるのは面倒だけど、ついまた作りたくなってしまいます。(Y)

2018年7月24日(火)
水生生物調査

 先週、岡山県自然保護センターの方が二人、田んぼビオトープの水生生物調査に来られました(写真左)。酷暑の日で条件は良くなかったのですが、巧みに足を使って大型の網に生物を追い込むという方法で、たくさんの水生生物を捕らえることができました。普段私たちが手入れしている田んぼビオトープに、たくさんの大きなドジョウがいることにも驚いたし、体長2cmほどの子どものドジョウもいて、彼らがここで繁殖していることも確認できました。ニホンイモリも、外えらがついた体長2~4cmの幼生(写真右)がたくさん。すごくかわいいです。センターの方は、生物の密度の高さに驚かれていました。たくさんの小さなコミズムシ類、ヤンマ系・シオカラ系・イトトンボ系のヤゴたち、オオコオイムシ、クロゲンゴロウとその幼虫等々。専門家の方の大胆かつ巧みな採集によって、以前より生物の種類も数もかなり増えていることが実感できました。田んぼビオトープのような環境は、この地域ではおそらく私たちが管理するこの田だけだと思いますが、生物が自由に行き来できて多くの場所で繁殖できるように、各地域の休耕田の内、1枚だけでも田んぼビオトープにならないかなと思います。(Y)

2018年7月21日(土)
巣立ち

 7月14日頃、ブッポウソウが巣立ちました。残念ながらその瞬間を見ることはできず、状況からの判断です。巣立ちしたようだと思って巣箱に近づくと親鳥が現れて警戒する、そんなことが何回かあった後、巣箱周辺が静かになり、近づいても親鳥が警戒することもなくなりました。一斉ではなく、何日かにわたって巣立ちが行われるのかもしれません。巣立ちの前後1週間ほどは、たくさんのブッポウソウが賑やかに鳴きながら上空を飛び回っていました。早朝5時頃に、私たちが寝ている部屋のそばの電線で2羽が「ゲッ、ゲッ、ゲゲゲッ」とうるさく鳴いて、すっかり目が覚めてしまったことも。どうしてこんなにたくさんのブッポウソウが? よそから巣立ちの応援に来た? 巣立った若鳥たちが親と一緒に飛び回って周囲の風景を頭に焼き付けている? ブッポウソウについてはわからないことが多いです。でも研究者によると、親鳥は前年と同じ巣箱に戻ってくる可能性が高いということなので、来年も期待できそうです。10月に巣箱掃除をしますが、その時にこの巣箱で何羽のヒナが育ったかが糞の量から推定できます。例年ならあまり気の進まない巣箱掃除ですが、今年はちょっと楽しみ。ブッポウソウが巣立つまではと草刈りを控えていたので周辺の草は伸び放題。今日はやっとブッポウソウに気遣うこともなく草刈りができました。でも何やら名残惜しくて巣箱を見てしまいます。帰りのあぜ道で満開のコオニユリ(写真左)、ミソハギ(右)が心を和ませてくれました。(Y)
 

2018年7月15日(日)
第3回自然観察会

 7月13日、「〇の自然を守る会」の第3回自然観察会として、今年もブッポウソウ観察会を行いました。場所は町内の去年と同じ所。暑い季節なので、今年は巣箱がよく見える場所にある公民館をお借りして室内から観察することに。ここの巣箱は架けて7年目になり、毎年繁殖に使われています。下見の時の親鳥の様子から、今年は例年よりヒナの成長が遅いように思われましたが、予定通り実施することにしました。いよいよ観察会の日。公民館に着いたときには巣箱のそばの電線にいた親鳥も、警戒して姿を見せなくなり、ヒナが巣箱から顔を出すこともありません。1時間ほどしてやっと親鳥がエサをくわえて巣箱に入りました。巣箱から出た親鳥はそのまま向かいにある森の1本の木の枝に。フィールドスコープで見ると嘴を大きく開けてハーハー(写真右)。「暑いよ~」という親鳥の気持ちが伝わってくるようでした。それから長いこと羽づくろい。ブッポウソウの普段の姿をじっくりと観察することができました。それでもヒナの様子がわからなかったので、会員さんの希望もあり、吉備中央町の「横山様」(腰痛の地蔵尊)にある観察場所へ。ここでは巣箱から顔を出すヒナも見られたし、巣箱に取り付けたビデオカメラで巣箱内の様子も見ることができました。ますますブッポウソウの魅力にはまりそうです。(Y)

2018年7月12日(木)
生まれてバンザイ

 歌人、俵万智さんの「バンザイの姿勢で眠りいる吾子よ そうだバンザイ 生まれてバンザイ」という歌が好きです。この歌からは、赤ちゃんを産んだお母さんの喜びとともに、赤ちゃんの生まれてきた喜びや命の輝きがストレートに伝わってきます。今、我が家の庭にあるバードバスでは、シジュウカラ・エナガ・メジロ・ヤマガラ・ヒヨドリの今年生まれた若鳥たちが、毎日何度も水浴びにやってきます(写真左)。双眼鏡で見ると、すごい水しぶきを上げて、本当にうれしそうに、気持ちよさそうに水浴びをしています。田の畦にあるブッポウソウの巣箱では、ヒナが大きくなって、体を3分の1くらい出して、親鳥が餌を運んでくるのを待っています(写真右)。黄色い嘴を大きく開けて、小刻みに震わせて。昨日は優しい声で「ケ、ケ、ケ」。今日は親鳥と同じように「ゲッ、ゲッ、ゲッ」。水浴びをしている若鳥たちや、親の帰りを待ちわびるブッポウソウのヒナ鳥たちは、人間の赤ちゃんと同じように、生まれた喜び、キラキラした命の輝きで溢れています。(Y)

2018年7月9日(月)
大雨のあとで

 7月5日から降り始めた雨は豪雨となって、ほとんど弱まることなく3日間降り続き、岡山県内をはじめ各地に大きな被害をもたらしました。そして今日は梅雨明け。私が若い頃とは全く異なる、熱帯のような気候になったと感じます。梅雨が明けたら酷暑の夏。被害に遭われた方たちのことを思うと胸が痛みます。明日は我が身。いつ、誰が災害にあってもおかしくない状況です。被害に遭われた方たちに自分は何ができるかを常に考えて行動しよう、そして自身の災害への備えもちゃんとしなければ! 左の写真は自宅近くのため池。右に見えるのは堤防、中央の植物はマコモです。普段は堤防とマコモの間にササ群落がありますが、ササは完全に水没しています。もう少しで水が堤防を越えるところでした。堤防の下方には老人ホームがあるのです。浚渫や堤防の補強など、ため池の維持管理が大事だと痛感しました。雨が止むと一気に生き物たちが出てきました。右の写真はレモンの葉の上で休むシュレーゲルアオガエル。豪雨を乗り越えた命がすごくいとおしいです。(Y)

2018年7月6日(金)
キアゲハとハナウド

 キアゲハの終齢幼虫がハナウドの葉を食べていました(写真左)。もうすぐ蛹になるかなと思いつつそのままにして、翌日見に行ったら姿が見えません。しばらく探したら、昨日までいた株のすぐそばの小さなハナウドの葉をモリモリ食べていました。キアゲハの幼虫の食草はセリ科植物。葉だけではなく花や若い果実も好んで食べるそうです。道理で昨日までいた株は丸裸、茎だけになっていました(写真右)。セリ科植物には、ハナウドの他にもセリ、ニンジン、パセリ、ミツバなどがあります。これらは、このあたりでは自然の中にも畑にもたくさんあるので、キアゲハはよく見る蝶です。でも特に今年はキアゲハの成虫や幼虫を目にする機会がすごく多いです。(Y)

2018年7月4日(水)
棚田のヒマワリ 2018

 中山間地保全事業で今年も棚田のヒマワリを育てることにしました。お盆の頃に満開になるように、去年より少し時期をずらして、6月14日に種まきをしました。棚田のヒマワリは今年で3年目。昨年も一昨年も夫婦2人で種まきをしましたが、今年は設立したばかりの「自然を守る会」から2人手伝ってくれて4人で作業(写真左)。農家の組合の方々が草刈りをしてくれたので、広い田んぼでの種まきも思ったより早く、楽しく終えることができました。写真右は昨日のヒマワリの状況です。少しばらつきはありますが、元気に育っています。ヒマワリの花が満開になって、たくさんの人に見に来てほしい。そして来年はもっと多くの人たちとヒマワリを育て、楽しむことができたらうれしいです。(Y)

2018年6月29日(金)
大山旅行

 6月21日から1泊で大山方面に行きました。大山には何度か登り大好きな山ですが、今回は暑い季節の犬連れなので、犬中心の休養の旅になりました。宿は「休暇村奥大山」。宿のすぐ前は鏡ヶ成(かがみがなる)と呼ばれるなだらかな土地で、芝生広場が広がっています。そこにいるのは私たちだけ、ほかにお客さんはいません。犬を放したら大喜びで走り回っています。とてもうれしい顔。犬も表情が豊かです。そばの高い木のてっぺん辺りでは、カラスが巣立ち間近の大きなヒナの餌やりに一生懸命。親が餌を持って帰るたびに大騒ぎをしていました。翌日は桝水高原方面へドライブ。途中、大山の険しい北壁が見えてきて、しばし車を降りて見入りました。帰りは蒜山に寄って、「塩釜の冷泉」でおいしい水を飲み、蒜山大根を買って帰りました。おいしい水と空気、そして豊かな自然。何度でも行きたくなる場所です。(Y)

2018年6月26日(火)
クサガメ

 昨年の5月の朝、ため池の堤防を田んぼの方に向かって歩く3匹のクサガメを見ました。いつもはため池にいるのですが、産卵のためでしょうか、毎年5月になると田んぼビオトープでよく見ます。今朝は田んぼからため池に向かっているクサガメに出会いました(写真左)。きっと産卵を終えてため池に戻ってきたのでしょう。ため池と田んぼの境にはイノシシ柵があります(写真右)。古い柵を新しい柵で補強した頑丈なものです。ため池から田んぼへはこれをくぐらないと行けません。田んぼや堤防で出会うたび、よくぞあのイノシシ柵をくぐり抜けたなと思います。
ところで、クサガメは2004年頃までは在来種とされていましたが、現在は江戸時代以降に朝鮮半島や中国から持ち込まれた可能性が高いとされ、ニホンイシガメとの交雑が問題視されているそうです。(外来種問題については「和亀保護の会」のサイトを参考にしました)(Y)

2018年6月24日(日)
野の花

 今は盛りを過ぎましたが、敷地内の北斜面に今年もササユリが美しく咲きました(写真左)。昨年はイノシシにひどく荒らされて大きな株の根っこをたくさん食べられたので、5輪以上の花をつけているようなものはありません。でもササの間でたくさんの株が1~3輪の花をつけました。イノシシに荒らされないために、また花茎が倒れないために、今後はササを完全に刈ってしまわないでササと一緒に育てようと思っています。右の写真はハナウド。こちらは草刈りをよくするようになって株が増えました。レースのような花がすごくきれいです。今の季節は、コオニユリ、ヤブカンゾウ、ノカンゾウの蕾が大きくなって出番を待っています。(Y)

2018年6月19日(火)
ヒナ誕生

 昨日、放棄田の草刈りをしていたら、ブッポウソウが頻繁に巣箱に出入りしていました。オスが巣箱の穴に止まって、メスに何やら渡してからUターンして飛び去る様子も見ることができました。5月初めに巣箱に来て1か月半ほど。待望のヒナが誕生したようです。オスはメスが抱卵中、私たちが田で作業している時は高い木のてっぺんあたりで、私たちがいない時は近くの電線でずっと巣箱の見張りをしていました。今日は私は黒米の苗を手で田植え、夫は休耕田を耕運機で耕していました。その間、プッポウソウも忙しそうでした。オスは小さなヒナを抱いているメスに食べ物を与えたり、ヒナに与える餌をメスに渡したりしているのではないかと思います。鳴き声を出さず、静かに行動していました。ヒナが大きくなったら、食欲旺盛なヒナのために2羽で餌探しと餌運びに飛び回ります。巣立ち前には親の運ぶ餌を待ちきれないヒナが巣箱から顔を出すことも。来月上旬頃には巣箱周辺はずいぶんと活気づいていることでしょう。その時を楽しみに、今はブッポウソウの子育てを静かに見守りたいと思います。写真左は草刈りをほぼ終えた休耕田。右はブッポウソウ巣箱の遠景。(Y)

2018年6月16日(土)
2種類のアカガエル

 4月17日の里やま日記で紹介したように、背中に1対の黒斑のあるオタマジャクシと黒斑のないのとを5匹ずつ別々の容器で飼育しました。それぞれ順調に成長し、後ろあしが出て、前あしが出て、尾はすごく長いもののすっかりカエルらしくなりました。水の外に出ている時間も長くなり、小昆虫などの生きた餌が必要になってきたので、写真を撮ってから元の田んぼビオトープに放しました。改めて写真で見ると、体表にぬめりがあり、カエルというよりまだ幼生という感じです。プラスチックの飼育容器の壁面を上がっていきます。このようなことができるのはアマガエルとシュレーゲルアオガエルだけだと思っていました。でもアカガエルも上陸したばかりの頃は壁面を上がれる? 私の中で「不思議」がまた1つ増えました。来年は餌にするためショウジョウバエを飼育して、完全にカエルになるまで育てたいと思います。左の写真は黒斑のあるオタマジャクシが、右は黒斑のないオタマジャクシが成長したものです。明らかに異なる特徴を持っているのがわかります、専門家の方に見ていただいたら、予想通り左はニホンアカガエル、右はヤマアカガエルで間違いないそうです。(Y)

2018年6月10日(日)
モニ1000里地

 私たちが管理している田とその周辺が、環境省のモニタリングサイト1000里地調査(以下、モニ1000里地)の一般調査地に登録されました。鳥類、チョウ類、植物相、カヤネズミ、アカガエル、中・大型哺乳類の6項目について調査を行います。鳥類、チョウ類、植物相はすでに調査を始めていますが、カヤネズミについても近々調査を始めようと準備しているところです。モニ1000とは、全国の約1000ヵ所にサイト(調査地)を設定し、さまざまな生態系を100年にわたってモニタリング調査するという息の長いプロジェクトです。モニ1000里地もその一環で、市民参加で里地里山の生態系調査を行い、その変化を早期に把握し、保全に役立てようというものです。一般の調査地は5年ごとに募集され、今年で11年目、私たちは11年目から15年目までを担当します。最終的な結果が出るのは90年後。結果を見届けることはできませんが、この壮大な事業に5年間だけでも関われるのはすごくうれしくて、やりがいを感じます。結果の出る90年後、里地里山の環境が今よりもっと良くなっていることを願いたいです。写真左は今年5月に見つけたカヤネズミの新巣。右は、ため池の堤防の上から見たカヤネズミの生息地。ススキ、カサスゲ、マコモが優占する草はらです。(Y)

2018年6月4日(月)
生き物のすぐそばにいると

 いつも水が溜まっている田(田んぼビオトープ)が4つあります。1週間ほど前、そのうちの1つの畦で作業をしているとき、「バシャッ」と音がしました。よく見ると、体長約30cmの子どものシマヘビがアカガエルのオタマジャクシを捕まえたところでした。おとなのシマヘビがカエルを捕食するのはよく見ますが、子どもはオタマジャクシも食べるのだと知りました。今、アカガエルのオタマジャクシが次々とカエルになっています。体長は約1cm(写真左)。これも小さなヘビの格好の獲物になっていると思われます。また別の田んぼビオトープでは、みんな孵化して殻だけになった卵を背中に背負っているオスのオオコオイムシを見ました(写真右)。孵化したら卵の殻はすぐに体から離れていくと思っていましたが、そうではないようです。自然は知らないことばかり。日々生き物のすぐそばにいると、彼らの普段着の姿に接し、いろんなことを教わります。(Y)

2018年5月28日(月)
中山間地保全事業ー冬の作業

 季節外れですが、中山間地保全事業の冬の作業について報告します。この地区でも10年以上前からイノシシの被害が大きくなり、一帯の棚田を囲むようにイノシシ柵が設置されていました。しかし、その柵も古くなり、長年補修もされなかったのでイノシシが田に入って大きな被害が出るようになりました。そこで、この冬に10人ほどで新しい柵の設置作業がが行われました。写真左は作業前の放棄田の上の斜面と古いイノシシ柵です。柵の中1mほどは夫と二人で何とか毎年草刈りをしていましたが、それ以上は手が付けられない荒れた状況でした。右は放棄田の草刈りと雑木の伐採をして、イノシシ柵を新しいワイヤーメッシュで補強したあとのものです。見事にきれいになりました。斜面はササユリなどの草花がたくさん咲きそうで、平らな部分はカヤネズミのいい生息場所になりそうです。管理する場所は増えるばかりですが、生物の生息場所の保全を少しずつやっていこうと思っています。生物が好きな人や里山保全に興味がある人など、一緒に活動してくれる人を探さねば…切実な思いです。(Y)

2018年5月18日(金)
第2回自然観察会

 5月11日、「〇(地域名)の自然を守る会」の2018年度第2回自然観察会を岡山県立森林公園で行いました。暑くも寒くもない絶好のお天気。美しい新緑の中を歩いていると心地よい風が吹き抜けていきます。足元にはリュウキンカ、チゴユリ、ユキザサ、エンレイソウ、フデリンドウ等の花々。木々にも花の蕾が膨らんでいます。渓流ではミソサザイ(鳥)の美声と、地中のどこからか響くタゴガエルの不思議な鳴き声が。森林公園はどの季節に来てもいい所だと改めて思いました。遠くにある豊かな自然を楽しみ、自分たちが住んでいる地域の自然の素晴らしさに気づく。そこから、ささやかでも地域の自然を守る活動につなげていきたいと思います。(Y)

2018年5月5日(土)
棚田が美しいのは

 4月の末に特徴のある鳴き声を聞いて、ブッポウソウが渡ってきたことに気づきました。ずるずると引き延ばしにしていたのですが、さすがにお尻に火がついて、ブッポウソウの巣箱掃除と点検を行いました。Fさんの田の土手に架けた巣箱は最初の年から毎年繁殖に利用されていたのですが、放棄田が増えて巣箱に行きつくのが大変になったので、思い切って取り外すことにしました。写真左は荒れた放棄田です。私たちが管理している田に架けた巣箱は今年で7年目。2羽のブッポウソウが出たり入ったり。1羽が離れた所から見張りをしていることも。今年は繁殖が期待できそうな気配です。写真右は私たちが管理している田です。農家の組合のお世話をされているKさんのブログにあった、「棚田が美しいのは人の営みがあったればこそ。人の汗がこの美しい景観を維持するのです。」という言葉が心に沁みました。(Y)

2018年5月4日(金)
山菜の天ぷら

 放棄田で草を焼こうと集めていると、クズの新芽がたくさん伸びているのに気がつきました。放っておくと蔓が巻き付いて大変なことになります。でも、新芽は天ぷらにすると食べられる。そこで新芽の柔らかい部分だけ摘んで、あとは根元から刈ることにしました。写真左はクズの新芽です。今日の晩ご飯は山菜の天ぷら(写真右)。左から時計回りで、クズ、コシアブラ、柿の若葉、フジの花、アシタバです。アシタバは近所の方に苗をいただいて庭に植えたもの。あとはすべて周辺で調達しました。ささやかな田舎のご馳走。おいしかったです。(Y)

2018年4月30日(月)
孵らなかった卵

 3月23日の日記にシジュウカラの巣箱への出入りを紹介しました。しばらくは繁殖活動が順調に進み、巣材を運ぶ姿も何度も見ることができ期待していたのですが、その後ぱったりと姿を見せなくなりました。しばらく様子を見ていましたが、やはり異変を感じ、巣箱を外して開けてみました。中はコケが敷き詰められ、直径4~5cmの窪み(産座)に獣毛や綿のような柔らかいものに包まれて9個の卵がありました(写真左)。1つを割ってみると内部はすでに溶けたようになっていました。また、昨年の4月25日の日記ではヤマガラが抱卵中であることを紹介しましたが、冬の間からずっと庭に居ついたモズにメスが襲われたようで、繁殖は成功しませんでした。巣箱の中にはシジュウカラと同じような産座に卵が7個残されていました(写真右)。なかなか難しいようです。でも、せっかく産んだ卵だから無事孵化してヒナが育ってほしい、巣立ちを見届けたいと強く思います。「運」ということもあるだろうけど、外敵が近づかないような環境整備、そして巣箱に注目し過ぎないで静かに見守ることが大切かな?(Y)

2018年4月27日(金)
カスミサンショウウオ

 去年8個あったカスミサンショウウオ(以下カスミ)の卵のう(写真右)、今年は水路で1つ見つけただけでした。一昨日、畦の補修をしていたら、アカガエルのオタマジャクシ(以下オタマ)と一緒に元気に泳いでいるカスミの幼生(写真左)を10匹ほどを見つけました。オタマは体全体を使う賑やかな泳ぎ。カスミは静止していることが多いですが、静かに素早く移動します。去年は田んぼビオトープの水が干上がって、オタマやカスミの幼生をたくさん日干しにしてしまいましたが、今年はたっぷり水があります。卵のうは1つしか見つけられなかったけれど、今年も田んぼビオトープで育っていたことがわかり、すごくうれしい気持ちになりました。幼生は体長3cmほど。外えらがとてもかわいいです。このまま水が干上がることなく、無事成長してほしい。変化していくカスミの外えらはどうなるのだろう。私の好奇心は膨らむばかりです。※カスミは絶滅危惧種に指定されています。(Y)

2018年4月26日(木)
安全な住処

 午前中、家の南側にあるコナラの切り株にできた隙間からアマガエルが顔を出していました。まるで日向ぼっこをしているよう。何とも言えず可愛くて、可笑しかったです。午後になって見に行ったら、カエルは奥の方に移動。今度は暑さ除け、かな? 隙間は思ったより広そうです。ここならヘビも大丈夫! 夕方出勤して、満腹になって朝帰宅。昼はのんびり寝て過ごす。快適で安全な住処を見つけたものです。(Y)

2018年4月17日(火)
アカガエルのオタマジャクシ

 当地には、ニホンアカガエルとヤマアカガエルの2種のアカガエルが生息しています。常時水のある4つの田んぼビオトープで、今年は約350個の卵塊を数えました。周辺の田の水たまりに産卵されたものを合わせると約400個です。ところで、産んで間もない新鮮な卵塊なら、手で掬ったときの様子で2種を区別できるそうで、毎年やってみるのですが、どうもよくわかりません。次に2種を区別できるのはオタマジャクシになってから。ニホンアカガエルのオタマジャクシの背中には一対の黒斑があり(写真左)、ヤマアカガエルにはありません(写真右)。しかし、個体差があって確実に2種を区別できるわけではないとか。そんなわけで、黒斑のあるものとないものとを別々に飼育してカエルになるまで育ててみようと思います。結果は6月頃にわかるでしょう。お楽しみに!(Y)

2018年4月12日(木)
「自然を守る会」設立総会

 4月8日に「〇(地域名)の自然を守る会」の正式発足総会を自宅で行いました。まずはじめに田んぼ周辺で自然観察会(写真左)。スミレがたくさん咲いていて、それぞれよく似ていますが、いろんな種類があることがわかりました。スミレ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、アリアケスミレ、シハイスミレなど。そのほかにも草刈りで環境が良くなったせいか、ハナウド、ツルボなどの草花が増えました。これらはまだ葉が出たばかりですが、花の季節が楽しみです。田んぼビオトープでは、アカガエルのオタマジャクシが元気に泳いでいました。楽しかった観察会のあと、部屋に入って総会です。役員選任や会則の確認など、和やかな雰囲気の中で総会を終えることができました。総会のあと、山野草に詳しい会員さんの案内でイチリンソウ(写真右)、ヤマルリソウ、ユキワリイチゲなどの群生地へ。地域の自然の豊かさに改めて触れることができました。地域の自然を楽しみ、自然の素晴らしさを伝えたい。そして自然保護への活動につなげていきたいと思います。4月8日、その第一歩を踏み出すことができました。(Y)

2018年4月7日(土)
巣を巡る闘い

 午前中外出していて帰宅したら、雑木林のあたりが何やら騒がしい。よく見るとアカゲラがコゲラの巣のある枯れ木に止まって離れません。巣穴を横取りしようとしているようです。どうみてもアカゲラの巣には小さすぎるのに。コゲラがせっかく作った巣を放棄したらどうしようと心配しましたが、コゲラも負けていません。果敢に体の大きなアカゲラに向かっていきます。手に汗握る闘い。両者の姿が見えなくなってしばらくの静けさのあと、メスのコゲラが巣に戻ってきました。どうやらコゲラの気迫に負けてアカゲラは退散したようです。今年は去年のようにモズが庭に居つくということもないし、カラスも来ないので安心していましたが…。それにしても、キツツキの世界も住宅難。アカゲラが巣にできるような大きな枯れ木がどこかにないものかと、ちょっと気の毒になりました。(写真左はコゲラ、右はアカゲラ。どちらも以前のものです)(Y)

2018年4月4日(水)
コゲラ

 コゲラが雑木林の枯れ木に巣穴を掘り始めて今日で14日目。昨日で巣穴を掘る作業はほとんど終わったようで、今は木屑を嘴でくわえては巣の外に放り出しています。初めのうちは巣穴掘りはオスの仕事だろうと思っていましたが、観察するうちに、いくらなんでもオスだけでは大変すぎると思うようになりました。そしてある日、もう1羽のコゲラが来て交代するのを目撃しました。オスとメスが交代で巣作りをしていたのです。居間の枯れ木が見える場所にフィールドスコープを設置しました。フィールドスコープを覗くと、メスが時々巣の中から顔を出して木屑を出しているのが見えます。巣の中からコツコツという音がすることもあります。仕上げの内装工事中といったところでしょうか。日本最大のキツツキであるクマゲラは、1日で巣を完成させるそうです。コゲラは日本で一番小さなキツツキで、スズメほどの大きさです。体は小さくても細くて鋭い嘴をもっています。コツコツと長い時間をかけた巣作りも完成間近。産卵、抱卵、子育て、そして無事にヒナが巣立ちするまで静かに見守りたいと思います。(Y)

2018年3月30日(金)
続・角ぐむ

 今日も休耕田で刈草集めの作業です。その時ふと、ススキやマコモの芽生えを見たことがないなと思いました。身近な植物なのに…。この田では、いつも水が溜まっているような所にはマコモ、少し湿気た所にはカサスゲ、乾燥した所にはススキが群落を作っています。ススキとマコモの芽生えを見たいと思って注意しながら作業をしていると、芽生えはここにもあそこにもたくさん見つかりました。写真左は芽生えたばかりの角ぐむススキ、右はマコモです。マコモは高さ約3cm、太さは1mmほどしかありません。大きな株になるススキやマコモの芽生えがこんなに小さいとは! 身近にあるものでも見ようとしなければ見えない。自然観察の面白さです。(Y)

2018年3月28日(水)
角ぐむ

 アシ(ヨシ)、オギ、ススキ、マコモ、カサスゲなどが角のような芽を出しかけている状態を「角(つの)ぐむ」というのだそうです。「早春賦」の2番の歌詞の中に出てきます。「氷解け去り葦(あし)は角ぐむ さては時ぞと思うあやにく 今日もきのうも雪の空 今日もきのうも雪の空」。大好きな唱歌ですが、意味もわからずに口ずさんでいました。休耕田で刈草を集めている時にふと思い立って「角ぐむ」カサスゲを探しました。大きく成長し始めた芽の中で、1つだけ芽生えて間もないものを見つけました(写真左)。そばには冬眠から目覚めたばかりのアマガエルが(写真右)。(Y)

2018年3月23日(金)
季節は春へ

 3月16日から19日まで、長女家族に会いに東京に行っていました。さて、しばらく家を空けて帰宅したら、全く鳥の姿が見えません。翌日、残っていた餌を撒いたら、数はうんと減りましたが、イカル、カシラダカ、アオジ、ミヤマホオジロ、シロハラ、キジバト、ヒヨドリが姿を見せてくれました。帰宅した19日には見ることのできたジョウビタキはすでに北に旅立ったようです。庭にやってくる鳥の数も日に日に少なくなっています。北帰行や他に魅力的な食べ物を見つけたりして、それぞれ旅立ったのでしょう。今日は静かになった庭に早速シジュウカラのカップルがやって来て、ヤマザクラに架けた巣箱(写真右)に頻繁に出入りしていました。また、コゲラは雑木林の中にある枯れ木の同じところを長時間コツコツと叩いていました(写真左)。どうやら巣穴を掘っているようです。このところ冷たい雨が降り続いていましたが、今日は風は冷たかったものの久しぶりの明るい陽射し。行きつ戻りつしながら季節は春へ。(Y)

2018年3月21日(水)
まなざし

 2月25日、ホームページにリンクさせてもらっているワイルドライフアート作家、谷上裕二さんの個展に行ってきました。会場はあべのハルカス11Fの美術画廊。谷上さんの個展もあべのハルカスも初めてで、ワクワクドキドキしながら行きました。会場にはたくさんの人、人! 出品された42点の作品は、鳥類を中心に生き物の一瞬の表情、しぐさなど自然の中で一生懸命に生きる姿を生き生きと描いたもの。絵から鳥たちが飛び出してきそうな、何かを語りかけてきそうな、作家さんの生き物への温かい眼差しが感じられる素晴らしい作品ばかりでした。谷上さんの絵は写真のような絵とよく言われます。確かに羽根1枚1枚まで実に精細なのだけど、対象物が浮き立つようでスッと引き込まれてしまう不思議な感覚。写真では味わえない世界でした。ヤマガラを正面から描いた絵の前に来た時、こちらを優しく見つめるような2つのつぶらな瞳に強く魅せられました。そして生まれて初めて絵を買いました。絵につけられていた題は「まなざし」です。(Y) 

2018年3月12日(月)
巣箱架け

 自宅敷地内には雑木林があり、3つ巣箱を架けています。そのうちの1つは寒い日のねぐらとしてメスのシジュウカラが使っていて、そのまま繁殖にも使われるようです。もう1つの巣箱も別のシジュウカラのカップルが気に入ったのか、毎日見に来て中を覗いたりしています。ひとしきり見たらバードバスで水浴びというのが日課のようです。鳥たちも住宅難。毎年この季節になると巣箱を巡っての争いが絶えません。このあたりには他にも雑木林が広がっているので、カラ類が好みそうな場所に新しく作った巣箱を架けました(写真左)。巣箱架けを手伝いながらふと見ると、足元に大きなつぼみをつけたシュンランが(写真右)。暖かい春が近いことを思わせてくれました。新しい巣箱にはヤマガラが入らないかな~。(Y)

2018年3月10日(土)
カエルがたくさんいるということは

 3月1日の暖かい雨のあと、5日、8日、9日と雨が降りました。雨が降った翌日に田んぼビオトープに行くたびにアカガエルの卵塊が増えて、今日は348卵塊になっていました。産卵の季節もそろそろ終わりかなと思います。さて、卵塊が348個あるということは、メスのアカガエル348匹がここで産卵したということ。カエルがたくさんいるということは、カエルの餌となる昆虫やカエルを捕食するヘビや鳥などの生物がたくさんいるということ。そして、それぞれの生物が好む湿地や雑木林、ため池などさまざまな環境があるということです。命あふれる当地の豊かな自然を守り、未来につなげたいです。写真左は水中に産卵されたニホンアカガエルの卵塊(2月撮影)、右はニホンアカガエル成体(11月撮影)(Y)

2018年3月2日(金)
アカガエルの産卵が始まりました

 この冬は、最低気温が-7~-8℃まで下がった日が数日、最高気温が氷点下の真冬日も2度あり、雪もよく降りました。さて、例年なら2月中旬に暖かい雨が降る夜があって、それをきっかけにアカガエル類の産卵が始まるのですが、この2月は全く雨が降らず厳寒の日が続きました。2月下旬になっても産卵を確認できず心配していましたが、前夜に少し寒気が緩んだ2月28日、田んぼビオトープで卵塊を1つ見つけました。そして3月1日の夜は春の嵐でしたが待望の暖かい雨。今朝、ワクワクしながら田んぼビオトープを見に行ったら多数の卵塊!数えたら219個ありました。1匹のメスが1卵塊産むので、200匹以上のメスが昨夜産卵したことになります。卵塊を眺めながら、今年は適度に雨も降って、卵やオタマジャクシが干からびることなく成長するようにと願いました。(Y)

2018年2月26日(月)
コロバン体操

 当地では、年齢の上の人のことを「年の大きい人」と言います。「年を取る」とは言いません。ところで、私は最近よくこけるので、年が大きくなっても元気でいたいと公民館の「コロバン体操」に参加することにしました。参加者は一人ずつカエルの形をした竹製のカスタネット(写真左)をいただきます。これは、お世話してくださる方のご主人が作られたものです。なんでカエルかというと、体操に行って無事カエルの意味が込められているそうです。さて、コロバン体操について。まずはじめに血圧と体重測定。それから、みんなで「どんぐりころころ」の歌に合わせてカスタネットをたたきます。「どんぐりころころ」が5番まであることを初めて知りました。歌が終わる頃には私のテンションも上がっています。いよいよ体操。仰向けに寝て腹式呼吸。10を数えながら左右交互に足を引き寄せたり、体をひねったり。腹筋運動やストレッチも。最後は深呼吸で終わります。体を動かした後は「頭の体操」です。ぬり絵、図形、折り紙(写真右)など。これが一ひねりも二ひねりもしてあって、よく頭を使います。時には「ババ抜き」、「百人一首」も。合間のティータイムとおしゃべりもあって、帰る頃には心も体もホカホカです。(Y)

2018年2月16日(金)
鳥情報

 昨年の10月頃から冬鳥の姿が見られるようになりました。初めはジョウビタキ。しばらく縄張り争いをしていましたが、決着がついてオスが自宅周辺を、メスが田の入口あたりを縄張りと決めました。他の鳥では、ツグミやシロハラなど。ホオジロ科では特にカシラダカのことが気になっていました。一昨年の12月に国際自然保護連合が絶滅の危険度を絶滅危惧Ⅱ類にランクアップしたからです。でもホオジロやミヤマホオジロ、アオジは姿を見たものの、カシラダカは確認できず心配でした。年が明けて、1月下旬には最低気温-7~8℃、最高気温が氷点下の日もあるというような厳しい寒さとなりました。そこで鳥たちの冬越し援助のため食料援助を始めました。餌は市販のまき餌と昨年採れたヒマワリのタネ。それらを庭と休耕田に撒きました。休耕田はなかなか気づいてくれませんが、庭にはたくさんの鳥がやってきます。双眼鏡で見ていると20羽前後のカシラダカも! 昨年は3羽しか来なかったのです。今年は他の場所でもよく見かけます。カシラダカの数が回復してきているのであれば嬉しいのですが。写真左はジョウビタキのオス、右はシロハラのオス。(Y) 

2018年2月7日(水)
オオタカの狩り

 古い小屋を解体したので薪になりそうな廃材を取りに来ないか、と知人から電話がありました。行ってみると、太い梁材のような、よく乾いて腐れもない良いのがかなりありました。軽トラの荷台に運んでいる時、足元に鳥の羽根が散乱しているのに気づきました(写真左)。この羽根はアオバト、襲ったのはおそらくオオタカでしょう。オオタカは、写真右の斜面にアオバトを追い詰めて仕留めたものと思われます。最低気温が連日氷点下5度くらいになる厳しい寒さの中で、鳥たちは食べることに必死です.(Y)

2018年2月3日(土)
巣箱作り

 夫が依頼を受けて巣箱を作りました。小鳥用ではなく、アオバズク用のが2つとフクロウ用のが1つ。アオバズク用(写真左)は幅・奥行き25cm、高さ50cm、フクロウ用(写真右)は幅・奥行き36cm、高さ75cm。軽い杉板を使っていますが、それでもフクロウ用は10㎏近くあります。庭に張ったタープの下で作業をしていましたが、とても寒いし雪が積もったりして難渋しているようでした。でもようやく完成して昨日、設置担当の人に渡すことができました。設置予定の2月下旬に間に合いました。初夏、アオバズクやフクロウがこの巣箱で子育てをしている…想像するだけでワクワクします。(Y)

2018年1月22日(月)
最後の追い込み その1

 昨年の11月末までに終えたかった田んぼビオトープの水草除去。今もまだ進行中で最後の追い込みといったところです。2月にはアカガエルやカスミサンショウウオの産卵が始まるので、作業は1月末がタイムリミット。でも作業は暖かい日の日中と決めています。水草除去をしていると、よく冬眠中の生物が出てきます。心の中で謝りながら泥の中や枯草の下に放してやるのですが、そんな時、寒いと生物は動けなくなって凍死してしまいます。暖かい日の日中なら生物にとってダメージが少ないだろうと。左の写真は作業中に出てきたニホンアカガエル。お腹が卵で大きく膨らんでいます。右はオオコオイムシです。続きはその2へ。(Y)

2018年1月22日(月)
最後の追い込み その2

 左の写真は4つの田んぼビオトープ。最初に作ったのは満水ですが、あとの3つは毎年の産卵の状況を考えて部分的に水面を広げました。作り始めた順に番号をつけて、左手前は田んぼビオトープ2、その右が1、1の奥が3、3の下が4です。田んぼビオトープ2はアカガエルのほかにカスミサンショウウオが産卵します。田んぼビオトープ3は、少しですがお米を作る予定です。田んぼビオトープ4は以前、ヘイケボタルの餌となるモノアラガイがたくさんいましたし、アカガエルやトノサマガエルもたくさん産卵しました。今季は以前と違い、かなり広範囲に水を溜めることができました。オタマジャクシやカスミサンショウウオの幼生が干上がることなく、無事成体になるように見守りたいと思います。右の写真は田んぼビオトープ4です。奥に新しい畦を作り、多様な環境を作るために所々草を残しました。。今季水を溜めるのはここまで。畦の向こう側は来季以降に整備します。(Y)

2018年1月17日(水)
羽根の散乱 その1
年末、上の池に隣接する田の畦に鳥の羽根が散乱しているのを見つけました。左の写真は、その畦から上の池を撮ったものです。畦を少し行った所に羽根が散乱していました。かなり大きな鳥。緑色が目立ったので、初めはコガモだと思いました。帰宅して調べたら、コガモの緑色の羽根は「翼鏡」と呼ばれる三列風切羽根。拾ってきたのは風切羽根ではなく、体羽と呼ばれるものです。(その2へ続く)(Y)
2018年1月17日(水)
羽根の散乱 その2

 翌日、もう一度確認に行ったら、昨日とは違う雨覆羽根と思われるものが1枚と、3つにちぎれた尾羽を見つけました。襲われたのはコガモではなく、オスのキジでした。他の痕跡はいくら探しても見つかりませんでした。オスのキジは気性が荒く、ケヅメと呼ばれる鋭い突起をもった脚や強いくちばし。元気であれば簡単に襲われるとは思えません。かなり弱っていたのでしょうか。襲ったのはオオタカなどの猛禽類ではなくほ乳類だと思います。生と死の現場に立ち会う貴重な体験の日々です。(Y)

2018年1月11日(木)
ため池

 自宅の近くには割と大きなため池が2つあります。近い方の池を下の池、少し離れた棚田の上にあるのを上の池と呼んでいます。この2つのため池をたくさんの生物が利用しています。クサガメ、フナ、メダカ、ギンヤンマキトンボチョウトンボ、カルガモ、コガモ、カワウ、アオサギ、カワセミ、水生昆虫等々。数年前には、ペアのオシドリが渡りの途中にしばらく滞在しました。岸辺のマコモ群落には毎年カヤネズミの巣がいくつか見つかります。ため池も里山の大切な環境です。ところで、地元の方が10年ほど前に下の池で巨大なウナギを捕まえたのだそうです。恐る恐る食べたら大きすぎておいしくなかったとか。それにしても、標高300mにあるため池にウナギがいたなんて! 自然は謎に満ち満ちています。(Y)

2017年12月30日(土)
タヌキとアナグマ

 左の写真は、5月に田んぼビオトープの水が干上がった時に見つけたタヌキの足跡。右は11月末に水草除去をしている時、田んぼビオトープの畦で見つけたアナグマ(正式にはニホンアナグマ)の足跡。イヌ科のタヌキとイタチ科のアナグマの足跡の違いがわかるでしょうか。10年ほど前には昼間でもよく姿を見ることができたタヌキとアナグマですが、最近はほとんど見ることができません。でも、湿気た地面に付いた足跡を見ると、数は少なくなっても今もどこかで生きていることがわかり嬉しくなります。増えるのはイノシシばかり。微妙な生物のバランスが崩れてきているようです。タヌキやアナグマの数が以前のように増えてほしいです。(Y)

2017年12月22日(金)
冬の作業とモズのはやにえ

 コナラの木を倒したが要らないか?と近所の方から電話がありました。我が家は薪ストーブを使っているので、時々そういうありがたい連絡をもらいます。コナラの木はいい薪になるので、早速いただきに行きました。伐採した場所は急な斜面。太い部分は夫がチェンソーで玉切りし、ロープで引き上げました。私は細い枝などをノコギリで切っていましたが、その時、枝先に何かが付いているのに気づきました。よく見ると昆虫のカマドウマ。久しぶりに見つけたモズのはやにえです(写真左)。作業の手を休めてしばし、食う食われるの世界、凄まじい命のやり取りを想像しました。写真右は以前に撮ったメスのモズ。(Y)

2017年12月20日(水)
水の濁りとカルガモ

 20日ほど前から田んぼビオトープの水が毎日濁っていることに気が付き、なぜだろうと疑問に思っていました。ある日の夕方、夫が薄暗くなった田んぼビオトープから14、5羽のカルガモが飛び立つのを見たそうです。2、3日後、私は田んぼビオトープの水面に浮かぶたくさんのカルガモの羽根を見つけました(写真右)。どうやら水の濁りの原因は、カルガモが採食のために動き回ったり泥の中を探ったりするためのようです。この場所では去年の冬、10羽ほどのコガモが越冬しました。今年も待っていたのですが、今年はカルガモ。カルガモは大食漢だそうです。果たして、田んぼビオトープの水生昆虫たちは無事に冬を越せるでしょうか。ちょっと心配になってきました。左の写真は、現在の満水の田んぼビオトープ。手前の大きな水たまりと左奥の方では、新たに2枚の田に水を溜めるための準備作業をしています。水のある環境づくりは、少しずつですが確実に進んでいます。(Y)

2017年12月15日(金)
保育園廃園問題

 東京都H市に住む孫が通っている公立保育園が廃園問題で揺れています。平成31年0歳児の募集を停止し、在園児の卒園をもって廃園とする計画。これを皮切りに市内の全公立保育園が廃園にされる予定です。孫の母親である長女から保育園の様子を聞くたびに、私が7歳までいた大阪市内での昭和30年代の生活を思い出します。自宅の1階が仕事場と、ちゃぶ台1つの小さな台所。2階の一部屋で一家5人が暮らしていました。家を出るとすぐに路地が広がっていて、そこは子ども天国。ビー玉、メンコ、べったん、陣取り、電車ごっこ、胴馬、お姫様ごっこ等々。一日中飽きることなく遊んでいました。私は「ごまめ」といって、鬼ごっこで捕まっても鬼にならないなど、遊びの中でどんなに失敗しても許される存在。頼もしくて優しい年上のお兄さん、お姉さんは憧れでした。その後郊外の団地に引っ越し、私は憧れのお姉さんになることなく、鍵っ子になりました。とても悲しかったことを覚えています。さて、今では皆無と思われる異なった年齢の子どもたちの集団が保育園にはあります。そういう集団の中では遊びを通して社会性や思いやり、自己肯定感など、人間にとって大切なことを自然に学びます。また、お父さんが子どもの問題や地域のお祭りなどに深く関わっていることに驚きました。保育園は地域をつなげるとともに、親も子も成長する場です。子どもたちは将来の国や地域を支える人材。それぞれの個性を生かして成長してほしい。子どもたちの健全な成長のために、どうか税金を有効に使ってほしいと思います。保育士さんの待遇改善を行うこと。今ある公立保育園を廃園にすることなく、質の高い保育園を増やして待機児童問題を解消すること。H市の公立保育園存続プロジェクトのポスターには「保育園はハコモノじゃないよタカラモノ」と。幼い頃の思い出が宝物になりますように。孫の通う保育園の存続を祈ります。(写真は保育園の運動会)(Y)

2017年12月6日(水)
冬は突然に

 今朝の気温、-3℃。地面には霜が降り、ため池の水はシャーベット状の氷になっていました。バードバスの水は一週間前には薄い氷が張っていたのに、今日は氷の厚さが2cm以上。長くて暑い夏、台風の襲来や冷たい長雨の10月。気がつけば真冬です。今年の秋は一体どこへ行ってしまったのでしょう。(Y)

2017年11月30日(木)
水草除去と水生昆虫

 11月も終わり近くになって、ようやく風のない暖かい日が続いてくれました。こんな日は草焼きや水草除去、草刈りなどいろんな作業ができます。大変なのだけど、とてもうれしい日でもあります。今日は、田んぼビオトープでマコモやガマなどの水草除去をしました。暖かいので水の中の水生昆虫たちも活発で、ズブズブと入っていく私の長靴もうまくよけてくれるので、安心して作業ができます。作業中に、久しぶりにミズカマキリ(写真左)と出会いました。一年中姿を見ることのできるマツモムシ(写真右)や小型のゲンゴロウもたくさんいます。ミズカマキリもマツモムシもゲンゴロウも肉食昆虫。田んぼビオトープには彼らの餌となる生物がたくさんいる証拠です。今は来春のアカガエルやカスミサンショウウオの産卵に向けて、あと2枚の田で水がたまるようにあれこれ試行錯誤をしています。(Y)

2017年11月28日(火)
ヒメヤママユとウスタビガ

 ひと月ほど前のことです。飼い犬と遊んでいたら、そばのケヤキの根元で落ち葉が動いているのが見えました。何か少し大きいものがいる! 近づいてみると大型のガ、ヒメヤママユです(写真左)。羽化直後のようで、頼りない感じで翅をバタバタさせ、よろよろしています。羽化途中に繭から落ちたのだろうと思ってケヤキを探しても繭は見当たりません。用事で家の中に入って1時間後にケヤキの根元に行きましたが、もうヒメヤママユの姿はありませんでした。きっと体もしっかりして、無事どこかに飛んで行ったのでしょう。先日は近所の方が、珍しいガがいたと我が家に持ってきてくれました(写真右)。夫がウスタビガだと教えてくれました。ヒメヤママユもウスタビガも自宅周辺で見ることは稀です。そういえば、今年はヤママユを見ることができませんでした。同じ仲間のクスサンばかり増えています。10月の冷たい長雨の影響か? それとも環境が悪化しているのだろうか。今、私たちにできることは? 少しでも環境整備を進めて、来年はヒメヤママユ、ウスタビガ、ヤママユとたくさん出会いたいと思います。(Y)

2017年11月22日(水)
唐箕 その2

 この唐箕は、漏斗下部の隙間の幅を変えることができ、閉じることもできます。まず閉じたままゴミの混じったヒマワリのタネを入れます。そしてハンドルをおよそ1分間に90回のペースで回して風を起こし、漏斗の隙間を少し開きます。すると、下に落ちて風で飛ばされ、充実して重いタネは正面右側の選別口から、充実が悪く軽いタネは左側の選別口から出てきます(写真左)。そして、ゴミや中身のないタネは左側面の選別口から飛び出します。たった1回風選しただけでゴミをほとんど除くことができました。2回風選するとより完璧です(写真右)。以前お米を作った時に、扇風機を使って手製の唐箕もどきを作ってみたけど上手くいきませんでした。今回、本物の唐箕の威力は感動ものでした。もっと唐箕を使いたい。次はゴマ。ゴマは割と簡単に栽培でき、脱穀も簡単。でも粒が小さいのでゴミと分けるのに大苦戦。1年でゴマは諦めました。でも来年は唐箕の力を借りてゴマ作りに再挑戦してみようかな。(Y)

2017年11月22日(水)
唐箕 その1

 ヒマワリのタネ外しを3分の2以上終えたので、田のオーナーさんから唐箕(とうみ)をお借りしました。唐箕は今でも一部のホームセンターで売っていますがすべて金属製。今回借りたのは、民俗資料館などでよく見る木製で、戦後の昭和20年代中頃に愛媛県の会社で作られたもののようですから、70年近くも前のものです。ではまず、唐箕の説明から。唐箕は、風の力でさまざまなものを選別できる農具です。構造は、左の写真で上に乗っているのが漏斗(ろうと)、円筒形の部分が起風胴(きふうどう)、この中には木製の羽根板があり、それを回す鉄製のハンドルが外に出ています。その左の四角形の部分が選別風胴、そして手前下部に2つと左側面に1つの選別口があります。唐箕は江戸時代に中国から伝わったということです。当初はすべて木でできていて、ハンドルを1回まわすと羽根車も1回まわるという単純なものだったようです。今回借りたのは歯車が使ってあり、ハンドルを1回まわすと羽根車は4回まわります。「最高名誉 優勝旗 金杯 連続受領」、「昭和廿六年度発明賞受領」の文字も本体に書かれています(写真右)。シンプルな構造ですが、細かな工夫も見られます。きっと性能がよくて故障も少なかったのでしょう。すっかり唐箕の魅力にはまってしまいました。では、次回は実際に唐箕を使ってのヒマワリのタネの風選をご紹介します。(Y)

2017年11月16日(木)
衝突死

 11月9日の朝、離れのガラス戸の下でメスのミヤマホオジロが死んでいました。衝突死です。ガラス戸に小さな羽根が付いていました。オオタカなどの天敵に食べられるのは仕方ないけれど、人間の不注意で死なせてしまうと、後悔して何とも言えない気持ちになります。改めてガラス戸や窓ガラスを眺めると、外の樹々が写ってまるでガラスの向こうに林があるように見えます。林に行こうと思ってガラスに衝突してしまうのです。大きな窓ガラスやガラス戸は、鳥にとって凶器になります。去年の冬は衝突死が全く無かったので、油断していました。早速、古くなったレースのカーテンをガラスの前に吊り下げて応急措置。これ以上の犠牲が出ませんように…。(Y)

2017年11月14日(火)
柿酢

 近所の方から、台風や大雨で傷ついた柿がたくさんあるから取りに来ないかと電話があり、早速いただきに伺いました。柿は本当にたくさん! 甘柿で、柔らかくなっているものも多いです。さてどうするか。柿を無駄にしたくないときには柿酢作りです! 8年ぶりです。まず大きなカメを洗って乾かしたものを用意します(水気が残っているとカビが出ます)。柿は、表面に発酵に必要な酵母菌がついているので、洗わないで汚れだけをふき取ります。ヘタと黒くなった部分を取り除いて、カメに入れていきます。柿が固いときは包丁で、柔らかいときは手でヘタを取ります。すべて入れ終わったら、ふきんを被せて紐でくくっておきます。毎日、乾いた木ベラなどでかき混ぜると数日で発酵が始まり、泡が出てきて酢の匂いがしてきます(写真左)。さらに毎日かき混ぜていると固形物がなくなり、3か月以上経つと完成。ざるなどで濾してビンに入れます。市販の酢が入っていたビンを使うと、洗ったり干したりする手間がいりません。まだ発酵しているかもしれないので、ビンから気体が出ていけるようにフタは軽くしめておくこと。すぐに使えますが、長く置くほどまろやかに、おいしくなります。夏は冷蔵庫に入れた方が安心です。写真右は2009年に仕込んだ柿酢です。(Y)

2017年11月10日(金)
里山の宝物 その2

 前回に引き続き、文化祭出品作品を紹介します。カヤネズミの生活を表現した「ジオラマ」です。カヤネズミの体は、自己流ですが、羊毛フェルトで作りました。ススキ株に作られた球状巣とカヤネズミの親子です。文化祭には町長さんや教育長さん、地元の議員さんも来られると聞いたので、作品を通じて、開発だけではない、地域の自然の素晴らしさやその自然を生かすことの大切さを伝えたいと思いました。少しでもそれができたらうれしいです。(Y)

2017年11月10日(金)
里山の宝物 その1

 11月3日~5日、地域の文化祭がありました。近所の方に誘われて、私たちもいくつか作品を出品しました。「里山の宝物」をテーマに、私は以前に作ったトナカイ親子や蔓細工(写真左)、コブナグサで染めた首巻やカヤネズミの生活を表現したジオラマ、「棚田のヒマワリ」の写真などを出品しました。夫の出品は身近で撮った蝶の写真です(写真右)。ツマキチョウ、スジボソヤマキチョウ、ジャコウアゲハなど10種類。四つ切サイズで展示すると迫力がありました。改めて身近にたくさんの美しい蝶がいることに思いが至りました。次回にも作品を紹介します。(Y)

2017年11月6日(月)
カマキリの産卵

 お腹の大きなメスのカマキリを観察していると、産卵前の1週間(長いときは10日以上)何も食べなくなり、ほとんど動かずに過ごすようです。このことは、周辺に多くいるオオカマキリハラビロカマキリコカマキリに共通しています。今朝の気温は3℃。朝晩冷え込むようになって、産卵するまでに命を落とすものもたくさんいます。今日は産卵中のオオカマキリを見ました。産卵を終えると、何度も翅を持ち上げています。この行動は一体何のためでしょう。産んだばかりの卵鞘の安全を確かめているようにも見えるし、大仕事を終えた自身の体の調子を整えているようにも見えます。ところで、オオカマキリの卵鞘には200個ほどの卵が入っています。自然下において1つの卵鞘から孵化した幼虫のうち、無事に成虫にまで成長できるのは2~3匹とも言われています。卵を食べる天敵も多く、そのためか卵鞘は一か所だけではなく、各所に何個かに分けて産むそうです。私の目の前でオオカマキリが長い時間をかけて産んだ卵鞘。来年孵化するまで大切に見守ってやりたいと思います。(写真左は古い簾に卵鞘を産み付けているオオカマキリ。右は産卵前の動かないハラビロカマキリ)(Y)

2017年11月4日(土)
バードバス

 去年、野鳥の会のカタログを見て、「来待石(きまちいし)のバードバス」を購入しました。「来待石」というのは「鳥が来るのを待つ」という意味の、野鳥の会のネーミングだと思っていました。でも、去年の秋に「島根県立三瓶自然館サヒメル」に行ったとき、岩石のコーナーで「来待石」という名前の石が目に入りました。「来待石」が実際にあるということをこのとき初めて知りました。この石は島根県の「県の石」に指定されているのだそうです。来待石のバードバスは、プラスチックや陶器で出来たものと違って表面がざらざらしています。足元が安定するのか、夏には今までになくたくさんの鳥たちが、入れ替わり立ち替わり水浴びにやってきました。また、昆虫が頻繁に吸水にやってきましたし、水に溺れて死ぬ昆虫もいなくなりました。広さもあるので、ヤマガラが巣立ったばかりのヒナを連れて4羽で水浴び。冬鳥のアトリの水浴びは芋の子を洗うよう。バードバスに入りきれない鳥たちは、縁で順番待ちをしています。たくさんの鳥や昆虫に利用されているバードバス。ちょっと高価だったので迷ったのですが、思い切って買ってよかったです。(写真左は水浴びをするヤマガラ、右はアトリ)(Y)

2017年10月26日(木)
コブナグサ

 コブナグサ(写真左)が敷地内にはびこっています。9月10日の観察会の準備をする中で、コブナグサが黄八丈の黄色を染め出す染料だと知って、生地を染めてみようと思いました。どうせならすぐに使える実用的なものにしたい。すぐに思い出したのは今愛用している首巻のこと。たまたま行った店で優しいピンク色の首巻が目に留まりました。よく見ると、2年前長女が出産でこちらに来ていた時に縫っていたオムツと同じで、ドビー織の生地の手作り品。それに染色したものであることに気付きました。これなら私にもできそう。綿100%で2000円以上もしていたので高いと思いましたが、その首巻が気に入ったのと、いつか自分で染色してみるときの参考にしたかったので思い切って購入したのです。そして今年コブナグサと出会いました。ドビー織のオムツの生地を買って、針でチクチク縫って、染めてアルミ媒染すると、落ち着いた黄色の首巻ができました(写真右)。材料費は200円くらいです。コブナグサ。里山の宝物をまた一つ見つけました。(Y)

2017年10月21日(土)
中山間地保全作業

 昨日は中山間地保全作業で11人が集まって、朝8時から4時間、休耕田と周辺の草刈りをしました。中山間地とは?  農水省のHPから引用すると、「中山間地とは、平野の外縁部から山間地を指します。山地の多い日本では、このような中山間地が国土面積の約7割を占めています。この中山間地での農業は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割を占めるなど、日本の農業の中で重要な位置を占めています。中山間地は流域の上流部に位置することから、中山間地の農業・農村が持つ水源かん養、洪水の防止、土壌の浸食や崩壊の防止などの多面的な機能によって、下流域の都市住民を含む多くの国民の財産、豊かな暮らしを守っています。」 (引用終わり) 中山間地は古くから棚田が作られ、里地・里山と呼ばれる環境が形成され、生物多様性とすぐれた景観を持つ豊かな地域でもあります。でも、全国の中山間地では高齢化が進み、休耕田・放棄田が急増しています。当地も例外ではありません。60~70代の人たちが、今まで都会に送り出していた人たちを田舎に呼び戻そうと頑張っています。Uターンや私たちのようなIターン、米作りや畑作、環境保全、希少生物の保護など、色んな形でまた人が集まってくれればいい。そして、農林業など中山間地の保全に欠かせない仕事をする人たちに相応の収入をと願います。この地も米作りが途絶えたとしても、春にはレンゲ畑、夏のヒマワリとケイトウ、秋には満開のコスモス畑。みんなが美しいと感じ、ほっとできるような里地・里山の景観を作りたいです。(写真左は作業風景、右はきれいになった棚田)(Y)

2017年10月19日(木)
天候不順

 このところ雨続き。しかもまだまだ降りそうなので、雨の合間に畑の落花生やサツマイモ、トウガン、ミョウガなどを収穫しました(写真左)。落花生は腐ったり、芽が出てきたのもありました。収穫後すぐにまた雨。あのまま収穫せずに放っていたら、落花生やサツマイモは過湿状態の土の中でどうなっていただろうと思うと、早めに収穫しておいてよかったです。とりあえず収穫物をデッキに並べたら、そばには満開のヤクシソウ(写真右)。ヤクシソウの上には屋根があって、そこだけ雨が当たりません。こんな天候でも昆虫がたくさん集まってきます。それにしても雨続き、日照不足。天候不順の10月です。冬眠を控えてたくさん食べなければならない生きものたちも困っていることでしょう。冬鳥の飛来も遅れているようです。今日も雨。やっとヒマワリのタネ採りが一段落したと思ったら、家の中は早くに乾かさないといけない落花生やサツマイモでまたまた足の踏み場もありません。おまけに満艦飾の洗濯物。扇風機と除湿機も動員です。早くお天気にならないかな~。(Y)

2017年10月14日(土)
秋祭り

 10月9日は当地の秋祭りでした。秋は実りの時期。豊作祈願の春の祭りに対して、秋祭りには収穫に感謝する意味があります。私は朝、地区ごとに決まった場所で神様をお迎えしました。まずお神輿が到着。お神輿は神様の乗り物。神社を出て各地区を回り、神社に戻ります。神社の宮司さんの祝詞の後、若い衆による力強い獅子舞がありました。他の地区に向かうお神輿一行を見送った後、みんなで飲んだり食べたりの小宴です。午後からは神社で歌や踊り、太鼓や古武道の奉納などがありました。これらは神様をもてなし、人も神様も共に楽しむためのもので、昔は神楽や田楽が披露されたそうです。美味しい賄い汁をいただいて、最後は餅まきで終了。たくさんの人が関わって秋祭りを支えていました。氏子の末端にいる私も、お祭りの前日に地区のみんなで餅つき(もちろん餅つき機です!)をして紅白餅を奉納しました。都会ではなくなってしまった、農業と深い関係のあるお祭りがここにはあります。(Y)

2017年10月10日(火)
変身

 6月にクロアゲハがレモンの木に産卵しました。しばらくして、幼虫を1匹発見。アゲハチョウキアゲハの幼虫がハッキリとした白色と黒色をしているのに対して、クロアゲハの幼虫は白色の部分がベージュ色で、ちょっとくすんで濡れたように見えます。7月になって成長した幼虫が動かなくなりました。終齢幼虫になる日も近いから写真を撮っておかねばと思っていたのに、うっかり忘れてしまったら、翌日にはもう終齢幼虫になっていました。たった一晩で鳥の糞のような姿形から、きれいな緑色の終齢幼虫へ。知識としては持っていましたが、じっくり見るのは初めてで、改めて終齢までの幼虫の写真を撮っておかなかったことを悔やみました。そして9月。また、クロアゲハがレモンの木に産卵しました。今回も孵化して幼虫になったのは1匹だけ。天敵が多いようです。前回は蛹になる時にどこかに移動してわからなくなってしまったので、今回はレモンの木に白いネットをかけました。幼虫はレモンの葉をモリモリ食べて成長し、今日終齢幼虫になったことを確認しました。もちろん終齢前(写真左)と後(写真右)の写真も撮りました! 秋に産まれた幼虫は、蛹で越冬して来年の春に羽化します。来年の春、無事大空に飛んでいくクロアゲハを見届けたいです。(Y)

2017年10月1日(日)
観月会

 9月30日、「曹洞宗 夢中山 幻住寺」で催された観月会に行きました。幻住寺は6月15日の里やま日記で報告した「自然を守る会」の第1回自然観察会を行った所です。竹灯籠の揺らぎに照らされた夜の幻住寺は、周囲が山に囲まれていることもあって、昼とはまた違う幽玄な世界でした。観月会の出し物は「琵琶演奏と白拍子舞の夕べ」。由緒あるお寺の本堂を舞台にしての上演。1つ目は、義経と静御前の逃避行。2つ目は琵琶演奏による「平家物語」。琵琶の演奏を生で聴くのは初めて。琵琶には筑前琵琶と薩摩琵琶の2種類があって、薩摩琵琶の方が古いということを知りました。「平家物語」は2種類の琵琶の共演で圧巻!最後にみんなで被災地の復興を祈りつつ、「花は咲く」を合唱してお開きとなりました。空にはきれいなお月さま。観月会にふさわしい夜でした。(Y)

2017年9月20日(水)
ヒマワリ800本の後始末

 朝晩めっきり涼しくなりました。日によっては寒いくらい。おかげで外作業もはかどるようになり、先日からヒマワリのタネ取りを始めました。来年の種まき用と、餌が少なくなる冬場の野鳥の食糧援助用に。食糧援助が良いのか良くないのか、いろいろ調べたり人に訊いたりしました。その中で一番納得できたのは、節度をもってすれば確実に繁殖率を上げる、ということでした。そういうわけで、私も堂々と食糧援助をすることにしました。さて、ヒマワリのタネ取りですが、まず枯れた花の部分を持ち帰って天日干し。夜には家の中に入れて。出し入れは手間ですが、当地は湿度が高く、特にこれからの季節はよく霧が発生するので、夜も外に置いたままだとすぐにカビてしまいます。それに、クマネズミが食べに来ます。そんなわけで、今家の中は枯れたヒマワリとタネだらけです。晴れた日に2、3日干してよく乾燥させた花の部分を、バーベキュー用の金網にこすりつけると、タネが花がらなどのゴミと一緒にパラパラと下に受けたカゴの中に落ちてきます。それをさらに乾燥させます。タネとゴミの分別が終わると作業終了です。分別は去年は扇風機を使って苦労しながらやりましたが、今年は田のオーナーさんが唐箕(とうみ…風を送って選別する道具)を貸してくださるそうです。唐箕の威力がどんなものが、早く試してみたいです.(Y)

2017年9月11日(月)
自然観察会

 9月10日(日)に我が家周辺の休耕田と雑木林で自然観察会を行いました。日本自然保護協会岡山県自然観察指導員連絡会(NOI岡山)の主催で、自然観察指導員対象の研修行事です。案内は私たち夫婦。準備が暑い最中で大変でしたが、お盆を過ぎて朝夕涼しくなってようやく間に合わせることができました。今までやってきたことを振り返ってまとめることができ、緊張感とともに、これから何がしたいのか、できるのかを考える機会をもらったような気がします。今回の参加者は専門家の方が多く、草刈りの時期など、教わることも多かったです。新しい経験や愉快なこともいろいろ。準備をする中で、このあたりに多いコブナグサが黄八丈の染色に使われるということで、試しにガーゼを染めてみたら、きれいな優しい黄色に染まり、皆さん感心。また、観察会の最中、解説する夫の胸ポケットにタマムシが止まって、皆が一斉にカメラを向けたり、ニホンアカガエルがたくさん現れ、ベテランの方が巧みに捕まえて後ろ足を抑えてピタリと動きを止め、解説してくれたり。我が家の庭で皆で昼食をとっていると、テーブルにコクワガタの雌が来てしばらく歩き回ったり、すぐ近くのバードバスにいつものようにヤマガラが来て水浴びを見せてくれたり。みんな心配して応援に来てくれたような気がしました。案内役として観察会を企画・準備するのは大変だったけど、貴重な体験ができました。やってよかったです。(Y)

2017年8月27日(日)
「うり」と仲間たち

 我が家には「うり」という名のメス犬がいます。7歳、沖縄生まれ。我が家の看板娘です。幼いときに交通事故に遭って右の前足がありません。歩くのは少々苦手ですが走るのは大好きで、きれいなフォーム。不自由を感じさせません。事故のあと、生後6ヵ月頃に縁あって我が家に来ました。沖縄でみんなに大事にされたのか、人間を信頼し、性格は穏やかで、辛い思いをしている人に寄り添う温かい心を持っています。躾に大切なアイコンタクトも初めからできました。名前の「うり」は「うり坊」ではなく、沖縄のいい季節を表す「うりずん」から名付けられました。「うり」には、ほぼ毎夕近くのグラウンドで遊ぶ大切な仲間がいます。幼いときに仲間に入った「うり」は、すぐにみんなと仲良くなりました。この5月に5歳のメス犬が仲間に入りました。子犬と違って少し時間はかかりますが、様子を見ながらお互いの距離を縮めていっているのがわかります。犬は協調性の高い動物だそうです。他の犬の行動を見て真似たり、学んだり。ちょっとトラブルになりかけて、しょげたりそれをかばったり。集団の中で社会性が育まれていきます。そんな様子を見ていると、人間の子どもと同じだなあ、と思います。人間の子どもも、異なった年齢の子どもたちの集団の中で育つことが大切だと改めて思いました。(Y)

2017年8月22日(火)
緑のカーテンとカエル

 ゴーヤの緑のカーテンに挑戦して5年目。やっとレースのカーテンぐらいになりました。果実も例年になく大きく育ち、数もたくさん収穫できそうです(写真左)。ゴーヤチャンプルー、天ぷら、佃煮、ジャム、ゴーヤと肉のお好み焼き、塩もみ等々、食べ方はいろいろあります。今年はゴーヤを干してお茶にしてみたい。早朝、いろんなことを考えながらゴーヤを眺めていたら、葉の上にシュレーゲルアオガエル(メス)を見つけました。体長約4cm(写真右)。昨夕出勤した彼女は、お腹いっぱい食べて眠りについたところでしょうか。夕方までゆっくり休んでね。気に入ればどこでも寝床になるカエルのシンプルライフが、ちょっぴり羨ましいです。(Y)

2017年8月3日(木)
棚田のヒマワリ

 中山間地保全事業の一環として、お盆のころに満開となるようにヒマワリの種を蒔きました。種まき、管理、草刈りなど地域の人たちとの共同作業でヒマワリはすくすく育ち、お盆にはちょっと早いですが、見ごろを迎えました。全部で約800本。棚田のヒマワリは里山の風景に溶け込んで、青空にも映えてとてもきれいです。7月20日にヒマワリの間に植えたケイトウの苗も成長して、もうすぐ色づきます。ケイトウが、お盆で帰省した人たちを温かく迎えてくれることでしょう。(Y)

2017年7月20日(木)
ブッポウソウ観察会
 7月13日、私たちも含めて10人でブッポウソウの観察会をしました。場所は車で15分ほどの所で、川が流れ、水田が広がり、山が間近に迫っています。川からはカジカガエルの鳴き声がして、きれいな里山の風景です。そこの田の畔に、5年前に巣箱を架けさせてもらいました。ブッポウソウが渡ってくる直前のタイミングでしたが、すぐに繁殖に利用され、それから毎年無事ヒナが巣立っています。
 観察会前日の下見では、大きく成長したヒナが巣箱から顔を出していたので、当日、巣立った後だったらと心配しましたが、間に合いました。観察会当日もヒナが巣箱から顔を出してくれたのです。くちばしは親鳥のように赤くはなく、付け根のあたりは黄色です。(写真左)。親鳥が巣立ちを促すかのように巣箱をのぞき込んだり、鳴きながら周辺を飛び回る姿も観察できました(写真右)。ブッポウソウを初めて見る人が多く、感激していただいて、よい観察会になりました。
 自宅敷地内の巣箱にも、一時頻繁に出入りしていたので、今年こそはと期待したのですが、残念ながら繁殖には至らなかってようです。それでも間近でブッポウソウを観察できたので、諦めず来年につなげたいです。(Y) 
2017年7月14日(金)
子ガエル

 鎌で草刈りをしていたら、体長3cmくらいの子ガエルをよく見かけます。トノサマガエル、アカガエル、シュレーゲルアオガエル、アマガエル。『カエルの一生は、たんに水中と陸地というだけでなく、湿地だったり、草地だったり、森林だったり、さまざまな環境が必要である。彼らが世代を重ねてゆくためには、それらの環境を自由に行き来できる経路も大切である。種類によっては、ちょっとしたコンクリートの段差が妨げになり、世代をつなぐことができなくなってしまう。』(山渓ハンディ図鑑9「日本のカエル」より引用)。カエルがたくさんいるということは、その場所にはさまざまな環境があり、エサとなる昆虫や小動物など多様な生物が生息している証拠です。また、カエルを食べるヘビやシラサギなども生きていけるということです。最近全国的に数を減らしているトノサマガエルは、今年の産卵を確認できず心配していましたが、子ガエルを見つけたので近くで繁殖に成功したに違いありません。とてもうれしいことでした。オタマジャクシ時代を生きのびて子ガエルになったのは産卵数の何%ぐらいだろう。さらに無事成長して次の世代を残せるのは何%? そんなことを考えていると、子ガエルたちに思わず「ガンバレ!」と声をかけたくなります。写真左はニホンアカガエル、右はトノサマガエルの子ガエルです。(Y)

2017年7月1日(土)
オオタカの朝ごはん

 少し前、連れ合いからオオタカの目撃談を聞きました。早朝雨戸を開けたら、目の前にオオタカがいて何かを食べていたそうです。10秒ほどの間、共に相手を見つめて固まっていたけれど、カメラを取りに行こうとそっと後ずさりした瞬間、オオタカは獲物を足で掴んだまま飛び去ってしまったそうです。話を聞いて現場に行ったら、たくさんの羽根が散乱していました(写真左)。この羽根はキジバトです。オオタカとキジバトの生きるための壮烈な戦いが自宅のすぐそばであったことに深い思いを抱きました。食べるとは、他の生物の命をいただくこと。人間も同じ。ここにいると、いつもそのことを実感させられます。オオタカの食事場所は伐採した木を積んだ一番高い所だったそうです(写真右)。(Y)

2017年6月28日(水)
鳥の足跡

 ここのところ恵みの雨が降って、田んぼビオトープの水量もほっと一息です。それでも真夏に日照りが続いたらあっという間に干上がりそうなので、まだまだ水草取りは続けます。1週間ほど前、干上がった田んぼビオトープの水草(マコモ)取りをしていたら、地面に鳥の足跡が。足指の長さは2.5~3cm(写真左)。足跡はマコモの茂みの奥まで続いています(写真右)。この足跡は一体誰のものだろう。調べてみたくなりました。(Y)

2017年6月23日(金)
ジャコウアゲハ

 ジャコウアゲハが来ればと思って、5年ほど前に幼虫の食草であるウマノスズクサを植えました。3年目ぐらいには立派な株になったのですが、蝶はなかなか来てくれませんでした。今年の5月末にようやくやって来て、ウマノスズクサの葉裏に産卵しました(写真左)。たくさん卵があったので、4個を室内で飼育して観察することにしました。4個すべてが孵化して順調に成長していましたが、いつの間にか1頭が行方不明に。葉を食べる量も多くなってきたので、残った3頭を元の株に戻すことにしました。その際に、ほかに幼虫がいないかと慎重に探したのですが、見つけたのはわずかに1頭だけ。たくさんの卵があったのに、ほとんどの卵は寄生蜂などにやられたのでしょう。4卵を飼育していてよかったと思いました。ジャコウアゲハも食草のウマノスズクサも減ってきていて、野外で見ることは滅多にありません。ジャコウアゲハを殖やすにはウマノスズクサを保護するとともに、ジャコウアゲハの卵を保護して、幼虫をある程度の大きさまで育ててから放すことが必要かもしれません。次の産卵があったときにはそのようにしてみようと思います。写真右は成長して葉をモリモリ食べている幼虫です。(Y)

2017年6月15日(木)
自然観察会

 4月に近所のご夫婦と共に、地元の多くの方々のお世話にもなって「○(地域名)の自然を守る会」を設立しました。6月15日に会の行事として「第1回自然観察会」を行い、私たち夫婦を含めて10人の参加がありました。まず、作州(県北)南部の三大名刹の一つとされる「曹洞宗 夢中山 幻住寺」を見学。このお寺は奈良時代に建立されたと伝えられ、現在の名は後醍醐天皇の命名といわれる由緒ある禅宗寺です。風格のあるお寺の佇まい、手入れの行き届いたお庭と美しい花々。色んな季節に訪れたいと思いました。その後、お寺の背後にある山へ。山の入口付近にはササユリやシライトソウ、ホタルブクロが盛りでした。もう少し奥に入って、スダジイとアカガシの巨樹(写真左)に感嘆してお寺を後にしました。その後、車で移動。「まきばの館」で昼食とハーブ園の見学。ハーブ園ではラベンダー(写真右)やレモン・オレンジ・カレーの香りのするハーブもあって楽しい時間でした。初夏の風が心地よく、「自然を守る会」の記念すべき第一歩を踏み出すことができました。(Y)

2017年6月13日(火)
昆虫の子どもたち

 一年中水を溜めているはずの田んぼビオトープが、5月のカンカン照りで一部干上がり、そこにいたアカガエルのオタマジャクシなどを干からびさせてしまいました。昨年も同じようなことがありました。水量を安定させることはとても難しいです。水草が水面を埋め尽くすと陸地化が進んで、日照りが続くとあっという間に干上がってしまいます。それで、水草取りを再開しました。水草取りをしながら、じっくりと水面と向き合っているといろんなものが見えてきます。初めて子どものタイコウチを見ました(写真左)。体長約1cmです。お父さんの背中に産み付けられた卵から孵化したばかりの体長約2mmのオオコオイムシもいます。自宅のレモンの木の葉には孵化して間もないオオカマキリが(写真右)。たくさんの生き物で賑わっている里山の環境を守りたいです。(Y)

2017年6月10日(土)
親子の語らい

 伐採した木を見ていると、木切れで何か動物を作りたくなります。1作目はトナカイです(里やま日記2016.12.11で紹介しています)。3月には大きなコナラの木を植木屋さんに伐採してもらいました。コナラの木肌はゴツゴツしていて、コケも生えています。生命力の強さや温もり、優しさが感じられ、味のある木です。コナラの木で2作目、3作目のトナカイを作り(写真左)、全部で3体になりました。トナカイ親子の楽しいおしゃべりが聞こえてくるようです(写真右)。(Y)

2017年6月7日(水)
フィールドサイン

 フィールドサインとは、生き物たちの痕跡のことです。例えば、足跡・フン・食べ跡・角や爪のとぎ跡・毛・羽根・巣穴・クマ棚・イノシシやシカの「ぬた場」・モグラ塚などがあります。フィールドサインを調べれば、どんな生き物がいたか、何を食べたかなどがわかります。先日、敷地内の斜面下で久しぶりにタヌキの「ためフン」を見つけました。タヌキは同じ場所で何度もフンをする習性があるので「ためフン」となります。また、一部が干上がった田んぼビオトープでは、いろんな動物の足跡がありました。きっと、オタマジャクシなどを食べに来たのでしょう。たくさんの足跡の中に、タヌキやアナグマのものもありました。写真左はタヌキと思われる足跡です。数日後、連れ合いが斜面下の「ためフン」の近くで作業をしていたら、すぐ近くに毛並みのきれいなタヌキが現れたそうです(写真右)。以前はキツネやタヌキやアナグマがたくさんいましたが、キツネは寄生虫エキノコックスのためにいなくなったようです。タヌキは疥癬が流行っていなくなり、アナグマも見なくなりました。代わりにイノシシが爆発的に増えて、農作物被害で皆が困っています。最近はタヌキの増加に期待が持てそうですが、キツネやアナグマも復活してほしい~。(Y)

2017年5月29日(月)
里山とは

 大阪で同窓会があり、35年ぶりに懐かしい方たちと会うことができました。うれしくて楽しくて、温かい気持ちになった、あっという間の3時間でした。その折に訊かれた「里山とは?」という質問にうまく答えられなかったので、改めて自分なりの考えを書いてみようと思います。里山とは、伝統的な農村の暮らしを支えてきた、人の営みと自然が調和した空間です。薪や炭の材料を採り、肥料にする落ち葉を集めた雑木林や、家畜の餌を得る草はら、屋根やすだれなどの材料を採るカヤ原、ザルや籠など生活用具の材料を採る竹林、集落を取り巻く田や畑、小川、ため池などが調和して美しい景観を作っていました。適度に人の手が入り、さまざまな環境に恵まれた里山は、多様な動植物で賑わっていました。ところが、高度経済成長期を境に生活様式が大きく変化し、薪や炭が電気・ガスに、竹や木製品がプラスチック製品に変わり、里山は価値のないものとなっていきました。人々の手が入らなくなり、里山と関わる知恵や技も顧みられなくなり、動植物の賑わいも消えていきました。里山の荒廃が進み、耕作放棄地が増加するようになって、ようやくその価値が多くの人の知るところとなってきました。里山には、人が手を加え、恵みをいただきながらも、資源を枯渇させることなく続けられてきた仕組みがあります。ずっと昔から、持続可能な暮らしがあったのです。今日では、バイオマス資源、景観や生活文化の維持、環境教育や自然体験の場、地球温暖化の防止など多様な機能や意義が認められるようになりました。荒廃を食い止めて、里山の恵みを将来に受け継いでいってもらいたい。私たちも里山地域に住んでいるので、里山の価値が将来につながっていくように、ささやかでも活動を続けたいと思います。…質問してくれたYさん、わかっていただけましたか?(写真左は棚田と雑木林が広がる里山の風景。写真右は里山の鳥アカゲラ)(Y)

2017年5月11日(木)
休耕田が干上がって

 ゴールデンウイーク中は晴れてカンカン照りの日が続きました。そのため水量の安定している田んぼビオトープを除いて、オタマジャクシやカスミサンショウウオの幼生がいる休耕田が、一部を残し干上がってしまいました。救出作戦も試みましたが、僅かを救出できただけでした。一昨日、ようやくまとまった雨が降り、私だけでなく生物たちも一息ついたことでしょう。水がある環境の大切さを思わずにはおれません。先日聞いた話ですが、近くで夜間に灯火を点けて作業をしていたら、大きなナミゲンゴロウがたくさん集まってきたそうです。ナミゲンゴロウがこのあたりに生息していることがわかり、ちょっと元気が湧いてきました。水がたっぷりある田んぼビオトープに気付いてナミゲンゴロウがやって来る日もそう遠くはないかもしれない! 絶滅が危惧される生物であっても、環境を整えてやることで必ず絶滅の淵から甦ります。多種多様な生物が生息できる環境は、人間が健全に生きていくためにも必要です。次の世代の人たち、そのまた次の世代の人たち…のためにも、多くの生物が生息できる環境を保全するということを早急に考えなければならないと思います。写真左は干からびて死んだオタマジャクシやカスミサンショウウオの幼生。右はほとんど干上がってしまった休耕田です。(Y)

2017年5月9日(火)
クロスジギンヤンマの羽化2017

 自宅そばのビオトープ池で、今年も4月22日からクロスジギンヤンマの羽化が始まりました。毎日1~5個体が羽化し、5月3日には36個体目が羽化しました。その後は羽化を確認できず、今年はこれで終わりだろうと思っていたら、7日に新しい羽化殻1つと羽化の最中のものが2個体。昨日も今日も羽化はなく、今年のクロスジギンヤンマの羽化の季節は終わったようです。合計で39個体がビオトープ池でヤゴからトンボになりました。見落としもあるので多分40個体以上でしょう。今までで最多です。羽化の場所は水面から出ている植物の茎や葉が多いですが、池からかなり離れた木のベンチや植物の葉裏で羽化していることもあって驚かされます。ヤゴが陸上を長い時間かけて歩いてきたのです! ところで、トンボは羽化によって水中生活から陸上生活へ。オタマジャクシがカエルになる時も同じ。人間もお母さんのお腹にいるときは羊水に浸かっているので、誕生と同時に陸上生活になるといえます。クロスジギンヤンマの羽化は、生命の力強さ、不思議さと共に、生物は成長の初期の段階では共通することがたくさんあるということを、改めて思い起こさせてくれました。写真左はクロスジギンヤンマの羽化、右は現在のビオトープ池です。(Y)

2017年5月5日(金)
ブッポウソウ

 「ゲゲ、ゲゲゲゲ」という鼻にかかったような鳴き声とともに、今年もブッポウソウがやってきました。Fさんの田の土手、自宅敷地内、借りている休耕田の土手、と自宅周辺には3個の巣箱がありますが、毎年繁殖に利用されるのはFさんの田に架けた巣箱だけです。休耕田の巣箱は架けて3年目。ブッポウソウは毎年巣箱を見に来て、中に入ったりもするのですが利用しません。どうしてだろうと巣穴の向きを変えたり、いろいろ工夫しているのですが…。今年こそ繁殖に使われますように。祈るような気持ちです。ところで、ブッポウソウは東南アジア方面からやってきて日本で繁殖します。一方冬鳥のアトリやカシラダカ、ツグミなどは日本で越冬し、シベリア方面に渡って繁殖します。4月上旬ごろまで我が家の庭にいたアトリ達は、無事繁殖地に着いて繁殖の準備を始めたでしょうか。鳥たちに国境はありません。広い世界をまたにかける鳥たちが渡りの途中に見る風景はどんなものか、鳥と話ができたら聞いてみたい気がします。(Y)

2017年5月3日(水)
畦を歩いていると

 先日、お借りしている田んぼの地権者さんのお宅に用事があって出かけました。そのお宅は我が家のお隣とも言えるのですが、間には谷があって棚田が広がっています。一番近道の田んぼの畦を急いで行きました。お隣といっても5分以上かかります。用事を終えた帰り道は、ゆっくりと畦に咲く野の草花を観察しながら歩きました。ウマノアシガタ、キランソウ、ムラサキサギゴケ、ジシバリ、ハハコグサ等々。春の花は今が盛りです。お恥ずかしい話、大阪にいるときは、花は花屋さんか花壇にあるものぐらいにしか認識していませんでした。当地に来て、自然の中にたくさんの美しい花々があることを知りました。写真左はレンゲソウ、右は在来のタンポポです。群生しているのもいいですが、畦に咲く一株の花も楚々としてきれいです。(Y)

2017年4月30日(日)
シクラメンとカサブランカ

 3年前の秋に大阪の友人に満開のシクラメンをいただきました。うまく翌年の夏を越して、2年目もクリスマスにたくさんの花を咲かせました。でも昨年の12月には全く咲きません。それでも元気な葉の下には蕾がいっぱいついていたので、年明けには!と楽しみにしていました。でも1月が過ぎ、2月、3月になっても咲きません。4月に入って、思い切って茂りすぎた葉を抜いて隙間を作ってやりました。そうしたら次々と花が咲いて、今頃満開になりました(写真左)。もう暑くなってきたので花の期間は短いですが、うまく夏越しをさせて、夏の終わりにはまた一回り大きな鉢に植え替えてやります。そして茂りすぎた葉を除きながら、今年はクリスマスに満開のシクラメンを見たいと思っています。シクラメンと一緒にいただいたカサブランカ(ユリ)も元気に育っています(写真右)。6月の開花が楽しみです。でもイノシシ対策を考えないと…。イノシシはユリ根が大好物で最近敷地内のササユリがひどく荒らされてしまいました。カサブランカのプランターは玄関先に置いてありますが、油断はできません。(Y)

2017年4月25日(火)
レンゲ畑とヤマザクラ

 休耕田に昨年の秋、レンゲソウの種を蒔きました。今、満開のレンゲ畑。レンゲソウの種に混じっていた菜の花も満開です(写真左)。庭ではソメイヨシノよりだいぶ遅れてヤマザクラが満開になりました。ヤマザクラは一斉に咲くのではなくて、時期をずらして次々に咲くので、この季節、長い期間サクラの花が楽しめます。周辺の山々ではスギやヒノキの濃い緑とパステル調の青葉の色の間にサクラの花が点在して、とても美しいです。庭の満開のヤマザクラ(写真右)に架けた巣箱では、ヤマガラが抱卵中。ヒナが孵り、成長して無事巣立つ日を楽しみにしています。(Y)

2017年4月17日(月)
冬眠を終えて

 暖かくなって、冬眠から目覚めたり、ヤゴが羽化してトンボになったり、卵が孵化して幼虫になったり、日ごとに生物の種類も数も増えてきました。桜の花が咲き、木々の芽吹きも始まりました。先日、玄関先のプランターの位置を変えようと思って持ち上げたら、下に冬眠中のトノサマガエル(メス)がいました(写真左)。体長約6cm、大きなお腹をしています。砕石を敷いた地面に小さな隙間を作ったのでしょうか。厚みのある草加せんべいのような形になって隙間に収まっていました。上にはプランター。これでよくぞ真冬を生き抜いた! プランターの移動を諦めて、底をコンクリートの少し段差のある所に渡して隙間を作ってやりました。2、3日して見たら、体のふやけもとれて、すっかりトノサマガエルらしくなっていました。数日後、そこにカエルの姿はなく、どうやら敷地内のビオトープ池に移動したようです。産卵を期待したいと思います。ところで、トノサマガエルは平成24年に環境省のレッドリストに「準絶滅危惧種」として登録されました。当地ではまだたくさんいますが油断はできません。さて、写真右はニホンヤモリです。体長約4cmのまだ若い個体です。東京都のレッドリストで絶滅危惧種です。こちらにはたくさんいて、夏の夜に窓を開けると10cmくらいの大きいのがよく頭の上に落ちてきます。ヤモリもビックリでしょうが、私もビックリ。顔に落ちてきたときには、もう…!(Y)

2017年4月11日(火)
洗濯機がまた故障!

 一昨日の夜から洗濯機が故障して動かなくなりました。最近は5年保証でありがたいのですが、あまりに洗濯機の故障が多いのです。前に使っていた二層式洗濯機は5年の間に3回故障し、3回目の時に思い切って全自動洗濯機に買い替えました。それが2年ほどでダウンです。洗濯機は家の一番奥に置いているので、修理に来てもらうとなると家の中を少しは片付けないといけない。故障のたびにため息です。でも、故障が多いことにもひとつだけメリットが。修理の時にお願いして、普段できない洗濯機の下や裏の掃除をします。洗濯機も周辺もスッキリ。修理が終わると、ちょっと嬉しい気分。他の所もきれいにしようと力が湧いてくるようです。でも、やっぱり故障はない方がいい。さて、急に話題が変わりますが、ハリガネムシのことを。先日田んぼビオトープで、生まれて初めてハリガネムシを見ました(写真)。体長約40㎝、直径約2mm。文字通り針金のようです。水の中でクネクネと動き回り、アルファベットの筆記体のようになったり、楕円になったり。カマキリの寄生虫だと思っていましたが、他にもバッタやコオロギ、カマドウマなどいろんな昆虫に寄生するそうです。寄生された昆虫は水辺に誘導されるようになり、水の中に飛び込みます。ある調査では、渓流のサケ科の魚が年間に得る総エネルギーの約6割を、秋の3か月程に川に飛び込む寄生されたカマドウマが占めているそうです。カマドウマなど陸の昆虫が川に落ちることで、川の水生昆虫はあまり食べられなくなり、水生昆虫の餌である藻や落ち葉の量が減少します。実験的にカマドウマを飛び込ませないようにすると、魚は水生昆虫をよく食べるようになり、藻や落ち葉が増えるそうです。ハリガネムシのようなあまり人に知られていない寄生虫が、森林と河川の生態系に大きな影響を及ぼしていることを初めて知りました。生態系の複雑さ、生物多様性の大切さを感じます。ところで、ハリガネムシは水の中で産卵しますが、人間には寄生しないのでご心配なく。ハリガネムシの生態に関してはWikipediaを参照しました。(Y)

2017年4月7日(金)
オタマジャクシとカスミサンショウウオの幼生

 今日は朝から暖かい雨です。外に出ると、シュレーゲルアオガエルの「キリリリッ、コロロロッ、キリリリッ、コロロロッ」という乾いた、明るい、私の大好きな鳴き声が盛んに聞こえます。畦などの地中に掘った巣穴の中で鳴くため姿は見つけにくいです。さて、2月、3月は寒くて、夜に暖かい雨が降る日がなかったせいか、昨年と違ってアカガエルの鳴き声を聞くことはほとんどありませんでした。それでも2月に小さな産卵のピークがあり、3月にも少しずつ産卵があり、結局昨年の卵塊数の半分、約200個の卵塊を確認して今年のアカガエルの産卵の季節は終わりました。2月に産卵されたものは成長して、約2cmのオタマジャクシになって元気に泳いでいます(写真左)。このところ、ダイサギ2羽とアオサギがオタマジャクシを目当てに(こんなに小さなオタマジャクシが彼らの空腹を満たすとは思えないけれど)田んぼビオトープに来て、半日以上居座る時もあります。オタマジャクシが心配になって見に行くと、ほとんど姿が見えない! ガックリして帰宅しましたが、あきらめきれず、翌日また見に行きました。そうしたら驚くことに、思っていたほどにはオタマジャクシの数は減っていませんでした。泥にもぐったり、落ち葉の下にでも避難していたのでしょう。食べられる方も大変ですが、食べる方も大変だとつくづく思いました。ところで先日、数日ぶりに田んぼに行くと、アカガエルと同じころに産卵したカスミサンショウウオの卵のう(8個)が見つかりません。しばらく目印を付けておいた周辺を探していると、空になった卵のうが見つかりました。成長したカスミサンショウウオの幼生が卵のうから出て行ったのです。でも幼生は何処へ? 後日、卵のうがあった休耕田で水草取りをしていたら、田の斜面下の水たまりでカスミサンショウウオの幼生(体長約3cm)を見つけました!(写真右)。わかりにくいですがレースのような外えらがあります。この広い田んぼで、初めての幼生との出会いに感激しました。(Y)

2017年4月5日(水)
春になりました!

 3月は啓蟄を過ぎても寒い日が続いていましたが、4月になってようやく暖かくなってきました。朝晩は冷え込んで、時々バケツの水の表面がシャーベット状に凍っていることがありますが、少し前までの寒さとは比べものになりません。外作業も楽になりました。田んぼでも畑でも、生物の姿を見ることが多くなりました。ほぼ毎日田んぼに行くのですが、先日は田んぼビオトープでサワガニを見ました(写真左)。きれいな川に生息するというサワガニが、どうして近くに川などない田んぼにいるのか不思議です。土の中を通って田んぼに浸みだしたため池の水は、案外きれいなのかもしれません。また、自宅近くの草地では、体長約5cmのトノサマガエル(オス)を見かけました(写真右)。冬眠から目覚めたばかりでしょうか。とても痩せています。庭のヤマザクラに架けた巣箱にはヤマガラが出入りしています。以前にヤマガラが繁殖に使った巣箱では、親が事故に遭ったのか、4羽の巣立ち間近のヒナが死んでいました。2年ほど前には、巣箱を巡ってスズメとの争いに負けたことも。そんな訳で、今回はヤマガラの繁殖が成功するように、祈るような気持ちです。冬鳥のアトリは小群がまだいます。シロハラやツグミは5月の初め頃までいるでしょう。シロハラはいつものように、くちばしで豪快に葉っぱをどけながら採餌しています。夏鳥のツバメやヒクイナもやってきました。シュンランが咲き、サクラの蕾も膨らんで。里山は一年で一番輝く季節を迎えます。(Y)

2017年3月31日(金)
ヒヨドリ

 明日から4月というのに、今日は雪混じりの雨です。今年は、なかなか暖かくなりません。さて、今日は身近な鳥、ヒヨドリについて調べてみました。ヒヨドリはスズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属に分類されます。春、秋には渡りをします。日本国内では都市部を含めごく普通に観察されますが、分布がほぼ日本国内に限られ、国外ではサハリン、朝鮮半島南部、台湾、フィリピン北部にしかいません。このため、日本を訪れる海外のバードウオッチャーにとってはぜひ観察したい野鳥の一つとなっているそうです。ヒヨドリは世界的には珍しい野鳥なのです。ヒヨドリの食性は多岐に渡り、果実、花蜜、花弁、葉、新芽といった植物質、小型の両生類や爬虫類、昆虫、クモ、カタツムリ、時には小鳥の雛といった動物質、また冬季には畑の葉菜類も食べます。我が家の白菜も盛大に食べられて哀れな姿です(写真右)。春になって、今は2羽だけが残っていますが、冬には家の周辺にたくさん来ていました。そんな時、食べ物を巡ってヒヨドリ同士が激しく牽制しあいます。その合間にメジロやシロハラが食べ物にありつくのですが、ヒヨドリは消耗するばかりでお腹を満たすことができていないのではないだろうかと心配になります。野鳥の食べ物を巡る攻防は、見ていて興味深いものがあります。ところで、ヒヨドリは農作物に被害を与える害鳥とされ、環境省によると2000年度には有害鳥獣駆除で約3万4千羽、狩猟で34万3千羽ものヒヨドリが捕獲されています。ヒヨドリは夏季には害虫を多く食べ、農業に貢献している面もあります。日本国内でのヒヨドリの正確な生息数もわからない現状で、これほど多数を捕獲して大丈夫でしょうか。人間とヒヨドリの共存を図らなくてはいけない時期が来ていると思います。(写真左は厳冬期に捨てられた大根の葉を食べるヒヨドリ)(Y)
引用・参考:Bird Research News 2005.11.15、「日本の野鳥」(山と渓谷社)

 

2017年3月27日(月)
火の怖さ

 3月20日の午前、田んぼで枯草を少しづつ焼いていました。ほんの一瞬のことでした。連れ合いの金属の熊手に付いていた小さな火の粉が、少し離れた場所に積んでいた枯草に落ちて一気に燃え上がったのです。いつもなら簡単に消せるのに、その日はとても乾燥していたこと、周辺に枯草が幾重にも重なっていたこともあって、瞬く間に周囲に燃え広がり、自力消火は無理と判断して消防署に連絡しました。すぐに「林野火災発生」の防災放送が流れ、消防署と共に地域の消防団の方々が駆けつけて、手際よく消火にあたってくれました。おかげで田んぼを焼いただけで鎮火し、建物や人的被害がなかったのは幸いなことでした。消防団の方たちはボランティアで、仕事中でも火事が起これば仕事を中断して現場に駆け付けるそうです。でも、消防団や地域の人々からは我々を責めるような言葉は一切なく、逆に「大変だったね」、「怪我はありませんでしたか?」と気遣ってもらいました。人の優しさ、ありがたさが心に沁みました。地元の方には、常々、3月が一番乾燥して火事が起こりやすいと言われていました。重々わかっているつもりでしたが、気の緩みがありました。この度のことで、本当の「火の怖さ」を思い知りました。ここで生活する限り、草を刈り、刈草を焼くという作業を止めるわけにはいきません。これからは用心に用心を重ねて「火」と向き合うつもりです。(Y)

2017年3月15日(水)
アトリ

 冬鳥のアトリ(スズメ目アトリ科)はユーラシア大陸の、西はスカンジナビア半島から東はカムチャッカ半島に至るまでのタイガ地帯で夏に繁殖し、秋になると南下して、西はイベリア半島、東は日本列島に至るまでの広い地域で越冬します。全長16cm(スズメより少し大きい)、雑食性で草の種子や木の実、果実、昆虫などを食べます。昼間は小さな群れで行動しますが、夜は集団で休みます。日本においては、渡来直後や繁殖地へ帰る直前に数千~数万羽になる大群を作ることがあります。「集まる鳥」ということでアトリと名がついたそうです。冬になると時には最低気温が-5℃~-8℃にもなる当地では、毎年ほんの少し冬越し応援のために餌をまくのですが、アトリの食事コースの一つに我が家も入っています。今年はアトリがとても多く、一番多い時には200~300羽来ました。アトリは敏感で、少しでも危険を感じたら一斉に飛び立って雑木林に逃げ込みます。また、しばしば大群で自宅周辺を飛び回ります。巧みに群れの形を変えたり、方向を変えたり。アクロバット飛行のような大群での飛翔は、一つの生命体のようで迫力満点です。そして、安全を確かめたら次々と雑木林の木に降りてきます。葉を落としたヤマザクラの木に真っ白な腹をしたたくさんのアトリが止まると、枯れ木に花が咲いたようです。そして、勇気ある(?)一羽が地面にひらひらと降りて餌をついばみ始めると、続いてゆっくり、ひらひら、ひらひらと降りてきます。そんな時は、白い花びらが1枚1枚舞い降りてくるようで、とても美しいです。私が住んでいるのは里山と呼ばれる所で、周囲は雑木林と休耕田に囲まれています。里山の荒廃が叫ばれる中、冬に野鳥が休耕田で餌を採れるようにするにはどうしたらいいのか思案の最中です。今年は啓蟄を過ぎたというのに、雪の降るような寒い日が続いています。野鳥への冬越し応援も終わりに近づき、アトリのオスもメスも体色が鮮やかさを増してきました。日本に来るアトリはシベリア方面から渡ってきます。渡りと繁殖という大仕事を終えて、また冬には我が家周辺に渡ってきてほしい。カシラダカ(本欄1月23日)も数が増えることを祈りたいです。(写真左で黒っぽいのがオス、白っぽいのがメス、写真右は地面で餌を探す群れ)(Y)

2017年3月8日(水)
コナラの伐採

 敷地内の北斜面にコナラの木が2本あります。高さ10mほどにもなり、北側に広がる棚田の風景が見えなくなってしまったのと、これ以上大きくなると、ますます手が付けられなくなることを考えて、2月18日に地元の植木屋さんに伐採してもらいました。足場の悪い急斜面で周りには他の木もあります。こんな場所で大きく枝を張ったコナラをどのようにして伐採するのか、不安もありましたが、興味も湧きました。植木屋さんは高い梯子をかけて登っていき、小さなチェーンソーで手早く枝と先端部を切り落とし、最後に根元から切り倒しました。助手の人と共に、ロープを巧みに使って枝や幹が斜面の下に落ちないよう配慮してくれました。素晴らしいプロの技でした。切り株の直径は40cm近くあり、年輪を数えると30本以上ありました。作業の様子が素晴らしくて、お願いして写真を撮らせてもらいました(写真左)。今回の伐採は植木屋さんの都合で1本だけ。もう1本は今年の晩秋ということに。伐採された木は、扱いやすい長さに玉切りしてくれましたが、それでも重い! でも少しづつ運んで、シイタケのほだ木と薪ストーブの薪作りをしなくては。1本のコナラですが、幹も太い枝もかなりの量があって、2~3年分の薪ができそうです。棚田の風景もよく見えるようになりました。写真右は、黄葉したコナラ。2010年の11月に撮影したものです。(Y)

2017年3月2日(木)
カスミサンショウウオの産卵

 2月24日、カスミサンショウウオの卵のう(写真左。一対のゼリー状物質の中に卵が十数個から数十個程度入っています)を2個見つけました。(写真右はカスミサンショウウオの成体。2012年3月に吉備中央町で撮影したものです)。卵のうは板で作った産卵床ではなく、田んぼビオトープのすぐ上の田の、水があって水草がびっしりと生えている所に産み付けられていました。翌日その近くでもう1個見つけたので、合計3個です。アカガエルは開放水面がないと産卵しませんが、カスミサンショウウオの産卵には隠れることができる場所が必要だということがわかりました。この場所は浅く水を張った田にしたかったのですが、なかなか手が回らず、ようやく昨年末から手を入れ始めたところです。ほぼ100%水草が覆っていましたが、水草取りを頑張って、今は開放水面が少し広くなりました。今年はアカガエルもたくさん産卵しています。ここは元々湿田なので水はあります。私たちが気付かなかっただけで、カスミサンショウウオは水草の茂みで毎年産卵していたのでしょう。今日も水の具合の確認と水草取りのために田んぼに行こうとしたら、田んぼビオトープにコガモ(カモの仲間の冬鳥です)が10羽いるのに気が付いてそっとUターン。今日は田んぼ行きを諦めて、コガモの観察と写真撮影です。多様な生物が生息するには多様な環境が必要だということが、日々の活動の中で実感できるようになりました。田んぼビオトープとその周辺が生物にとって好ましい環境になって来つつあるのだとしたら、とても嬉しいです。(カスミサンショウウオは、岡山県版レッドデータブック2009で絶滅危惧Ⅰ類に指定されています)(Y)

2017年2月28日(火)
松ぼっくりと蔓細工

 2月11日、瀬戸内市の錦海塩田跡地での自然観察会に行きました。帰りに牛窓オリーブ園へ。そこには大王松(ダイオウマツまたはダイオウショウとも読みます)という北アメリカ原産の大きな松の木が植わっていて、地面には松ぼっくりがいっぱい落ちていました。大きさは15~17cm。クリスマス・リースの飾りに使われるので手芸店ではよく見ますが、自然の中で見たのは初めてです。うれしくて拾っていたら、持っていたリュックはすぐ満杯に。帰宅して大きな松ぼっくりを眺めていると、籠が作りたくなりました。実は、いつか蔓で籠を作りたいと思い、20年以上も前に「あけびを編む」(農文協)という本を買ってありました。蔓も昨年と一昨年の秋に採取したものがあります。早速、本を参考にして籠作りに取り掛かりました。保管していた蔓はあまりいいのがなかったのですが、それでも何とか籠が完成し、大王松の松ぼっくりを入れて、アカマツの小さな松ぼっくりと記念撮影です(写真左)。家の周辺で、まだまだいい蔓がたくさんあったので、丁寧に蔓を切って、編んで、二作目の籠が完成!(写真右)。さて、何をいれようかな。(Y)

2017年2月19日(日)
アカガエルの産卵

 アカガエルの産卵が始まりました。2月17日の夜に今年初めてアカガエルの鳴き声を聞きました。翌18日に田んぼに行ったら、田んぼビオトープ周辺で23個の卵塊を見つけました。水中の板を持ち上げてみると1匹のアカガエルが隠れていました。このアカガエルはヤマアカガエルのようですが、卵塊に関してはヤマアカガエルのものなのか、それともニホンアカガエルのものなのか、両者が混じっているとすればその比率はどうなのか。それをこれから調べるつもりです。写真左は17日夜に産まれたアカガエルの卵塊。写真右は板の下にいたヤマアカガエルと思われるカエルです。この板は下側の竹ひごで泥に刺してあるのですが、カスミサンショウウオ用の産卵床です。私たちの自然観察の師匠に教えていただきました。(Y)

2017年2月17日(金)
カヤネズミの赤ちゃんのその後

 今日は雨。しばらく良い天気で外作業が続いていたので、よし家の中の用事だ!と朝からちょっとうれしい気分です。ところで、1月6日に書いたカヤネズミの赤ちゃんの「その後」のことです。しばらくそのままそっとしておいたのですが、1月28日に確かめに行きました。雪と枯葉を取り除いてその巣を見つけました。上に向いて直径2cmほどの穴が開いていました。巣を元の場所に戻した時には無かった穴です。巣は全く濡れておらず他の動物に荒らされた跡もありません。そーっと開けてみましたが子ネズミの痕跡は何もありません。きっと親のカヤネズミが子どもを安全な場所に連れて行き、そこで無事に育ったのでしょう。そう信じようと思います。写真左は昨年の12月24日に見つけたカヤネズミの赤ちゃん。写真右は確認のため解体した巣です。草の厚さは約5cm。ふかふかで細かく裂かれたたくさんの巣材(マコモ)で作られた繁殖巣でした。やっと気になっていた赤ちゃんの報告ができました。時計を見たらもう5時前! アケビ蔓を使った籠作りを少しだけして、晩ご飯に取り掛かることにします。(Y)

2017年2月15日(水)
水草取りとカエルの産卵

 今日は久しぶりに暖かくていいお天気。休耕田で水草取り、とりわけ厄介なチゴザサの除去作業をしました(写真右)。水草が100%水面を覆っていたり、底に枯れた草がある所では、たとえ水が十分にあってもアカガエル類は産卵しません。逆にイノシシが掘ってできた水たまりでも、底に草がなければ競って産卵します。でも、そんな水たまりは、卵がオタマジャクシからカエルになるまでに干上がってしまいます。カエルが産卵し、無事に育つためには、十分に水があって水底に草がない場所の確保が大切なのです。そのために水草取りは欠かせません。昨年は、2月13日にアカガエル類の産卵が始まりました。今年は寒いせいかまだありません。暖かい雨が降った後に、メスを呼ぶオスの澄んだ鳴き声がして産卵が始まります。金曜日あたりに暖かい雨という予報です。今年初めての産卵が楽しみ…。水草取りを頑張って少しでも開放水面を広くしておこうと思います。(当地のアカガエル類は、ニホンアカガエルとヤマアカガエルがいるようです)(Y)

2017年2月5日(日)
金柑の甘露煮
 冷蔵庫の野菜室に入れたままになっている金柑が気になっていたのですが、今日は一念発起、甘露煮を作ることにしました。このところ毎年、金柑が出回る頃に作っています。若い頃は甘すぎて好きではなかったのですが、酢を入れて作る方法をテレビで見て、試してみたらとてもおいしかったので何度か作りました。でも、いつしか作らなくなって、作り方も忘れてしまいました。時は流れて、また無性に作りたいと思うようになり、いくつかのレシピを試してみました。そして、やっと見つけたあの時の甘露煮の味!私のいつもの作り方を紹介します。COOKPADのレシピを参考にしました。
【材料】 金柑800g、酢160cc、白砂糖またはグラニュー糖400g(きれいな色になりますが、私は粗糖をつかいました)。
【作り方】 
1. 金柑を一晩水に浸けておく(あく抜きのため)。
2. ザルにあけて水気を取り、フォークで縦に5~6回、中まで突き刺す。ヘタも取り除く。
3. 2の金柑をホウロウ鍋に入れて、できるだけ平らに隙間なく並ぶようにしておき、砂糖と酢を加える。
4. 鍋にアルミホイルを被せてぴっちり蓋をする。アルミホイルが小さければ2枚をずらして使用してもOKです。
5. 弱めの中火にかける(強火だと充分に水が上がりません)。沸騰したらアルミホイルの蓋がこんもり膨らんできます。そうなったら弱火にして、きっちり23分煮て火から下す。
6.アルミホイルの蓋を取らずに一晩おく(しわが寄りにくくなると思います)と完成です。ビンやガラス、ホウロウなどの容器に入れ、煮汁に浸した状態で冷蔵庫で保存する。酢で煮るので砂糖が少な目でも傷みません。

 お湯で割ったり、紅茶に入れたり、ヨーグルトのトッピングにしたり(写真右)と重宝しています。喉の痛みにも効くので冬の常備品。しかも夏まで長期保存も可能な、あっさり味の甘露煮です。甘いのが好きな方は砂糖の量を増やしてくださいね。(Y)
2017年2月4日(土)
立春の日に

 朝は‐3℃と冷えたが、日中は12℃まで気温が上がり、立春にふさわしい好天となった。しかもほぼ無風。絶好の日和なので、ため池の堤防法面の草焼きをすることにした。12月に草刈りをしたけれど、まだ枯草が残っているので(写真左)すっきりさせるには燃やすのが一番。法面の下の方に火を点けると枯草がよく乾いているので斜面に沿ってじわじわと燃え広がっていく。両側に広がるから絶対に一人でしてはいけない。二人で両側の火勢をコントロールしながら焼いていく。堤防の上面まで火が広がると二人でも手が回らなくなるから、法面だけにしておく。火を止めたい時には熊手の裏側で叩くと簡単に消すことができる。1時間ほどできれいに焼けた(写真右)。奈良若草山の山焼きが1月下旬、日本三大名園の一つ、岡山後楽園の芝焼きが2月初旬。今頃が最適な時期ということだろう。春のツクシ取りが楽しみ。(T) 

2017年1月31日(火)
カマキリとカエル

 この冬は寒くて雪の降る日が多いです。今日も午前中は雪が舞う寒さで、外の作業はできませんでした。田んぼビオトープの整備をアカガエルの産卵が始まる2月中旬までに終えたいのに…ちょっと辛いです。でも、外のことを気にせず、家の中のことや考え事をするのに良い時間でもあります。さて、今日は以前見た印象的なシーンの振り返りを。3年ほど前の秋、庭のヤマザクラの高い所で、オオカマキリの雌が体長約3cmのアマガエルを前脚のカマでしっかりと挟んで食べているのを見て驚きました。真下の地面にはもう1匹のアマガエルの残骸が。産卵間近で食欲旺盛な雌が2匹目を食べていたのでしょう。ところで、肉食昆虫であるカマキリ類の孵化は、餌となる他の昆虫たちがほぼ出そろった5月末頃から始まります。同じ頃からカエル類のオタマジャクシも次々1cmほどの小さな子ガエルになり、陸上で餌を採り始めます。その時、まだ小さくてひ弱なカマキリの仔虫はカエルたちの格好の食料となるでしょう。つまりカマキリとカエルは成長段階によって食べる側になったり、食べられ側になったり、言い換えると食物連鎖の上位になったり下位になったりするということに気付かされました。植物→草食動物→小型肉食動物→大型肉食動物、などと簡単な図式で説明されることが多い「食物連鎖」も実際にはそう単純ではなさそうです。直接触れる生き物の世界は、とても複雑で興味が尽きることはありません。(写真左はニホンアカガエルの幼い成体。写真右は孵化直後のオオカマキリ幼虫)(Y)

2017年1月23日(月)
カシラダカ

 2016年12月8日にIUCN(国際自然保護連合)が発表したIUCNレッドリスト2016年版の中で、ホオジロ科の渡り鳥カシラダカの絶滅危険度が、軽度懸念(LC)から絶滅危惧Ⅱ類(VU)へランクアップされたことを知りました。毎年冬になると居間から、庭の奥の方に来るカシラダカの10羽ほどの群れを毎日眺めていました。地味ですが魅力的な鳥で、当地では冬になると当たり前にみられる里山の鳥です。毎日、朝から夕方遅くまで採食し、4月末頃まで滞在します。そんなカシラダカの姿をこの冬は見ないと思っていたのですが、今日初めて3羽確認することができホッとしました。冬越し応援の食料援助を始めたので、たくさんの鳥が集まってきます。その中から双眼鏡でカシラダカを探す日々が続きそうです。最近、過去30年の間に75~87%もの個体数が減少したことが明らかにされ、驚きとショックを受けました。繁殖地での繁殖率の低下、渡りの途中での大量捕獲、越冬地の里山荒廃などいろんな原因が考えられ、カシラダカを取り巻く環境は厳しいようです。当たり前にいた、小さくて地味だけど魅力的な鳥が絶滅の危険性が高いということ、身近で絶滅が起こりうるということを実感しました。カシラダカが絶滅に至りませんように。せめて、越冬地である当地の放棄田の環境整備を進めようと思います。今日の最低気温-5℃、最高気温+0.5℃。鳥たちの冬越しも大変です。(Y)
*IUCNは国際的な自然保護ネットワークです。

2017年1月19日(木)
雪かき

 3日間雪が降り続いて、多い所では積雪25~30cm。昨日は道路の雪かきをしました(写真左)。とても重労働! そして今年も野鳥の冬越しをほんの少し応援してやる季節になりました。毎年、大雪が降った日から食料の援助をしてやります。庭のヤマザクラの根元に積もった雪を取り除いて、去年の秋に収穫したヒマワリやイヌビエの種をまいてやりました。今日はリンゴとミカンを横半分に切って木の枝に刺しました。それから、バター、黒砂糖、クルミ、小麦粉を混ぜ合わせて作った特製バードケーキも木の股や幹に貼り付けてやりました。大雪が続いてお腹をすかせていたせいか、すぐにたくさんの鳥が集まってきました。カワラヒワは地面の種を、エナガは器用に幹につかまってバードケーキを、メジロやヒヨドリはミカンやリンゴをおいしそうに食べます。写真右は枝に刺したリンゴです。すぐにこうなります。一度食料をやり始めたら、途中で止めるわけにはいきません。食料援助は寒さが緩む3月初め頃まで続きます。毎年冬にはヤマガラが窓近くの物干しざおに止まったりして、居間から彼らの行動をつぶさに観察することができます。今年はヤマガラではなくエナガ。物干しざおに並ぶ姿はとてもかわいいです。(Y)

2017年1月14日(土)
大雪の日

 今日は大雪。一面の銀世界です。外の作業をしたかったのですが、諦めて普段できないことをすることに。まずカレー作り。香辛料をたっぷり入れて、時間をかけて作りました。先日ネットで手に入れた4リットルのほうろう鍋で作ったので、しばらくはお昼ごはん楽勝です(笑)。次は雪を見て興奮気味の飼い犬と外で遊びました。犬も嬉しいのか笑顔です。少し休憩して、里やま日記の更新。写真左は段ボールを利用したカマキリの卵鞘(らんしょう)コレクション。オオカマキリチョウセンカマキリの卵鞘を集めたものです。草刈りや枯草を集める時に見付けると、コレクションに加えます。孵化が近づいたら、元あった環境に近くて草刈りの予定がない所に分散させてやります。カエルもですが、カマキリも成長すると自分が生まれた場所近くに産卵するような気がします。集中してはいけないので卵鞘の分散は欠かせません。写真右は庭に放置した木片に産み付けられたコカマキリの卵鞘。ここには他にハラビロカマキリ、ヒメカマキリ(数は少ない)がいます。…もう夕方。時間の経つのがなんて速いこと!(Y)

2017年1月6日(金)
たき火をしながら

 自宅のすぐ近くにある、ため池の堤防の草刈りを年末にしていたので、今日はその刈草と樹木の剪定くずを一緒に焼きました。この時期のたき火の楽しみは何といっても焼き芋! たき火の終わりごろ、昨年秋に収穫した大きなサツマイモを、新聞紙、さらにアルミホイルでくるんで、燃え残りの木片や灰の中に埋めます。待つことおよそ一時間半、おいしい焼き芋が出来ました。ねっとり甘くて、冷めても固くなりません。たき火の火がおさまった頃に芋を入れてじっくりと時間をかける。それが一番おいしくできるコツだと思います。さて、枯草焼きの話題をもう一つ。年末の24日に、カヤネズミの巣の調査をしている放棄田(以下、調査地)で以前に刈った草を集めながら焼いていました。マコモを刈った場所の刈り残したマコモの株元にカヤネズミの巣がありました。刈った時にはなかった巣で、少し緑色が残っていたけど、繁殖期も過ぎていたし、何の疑問も持たず、巣を観察しながら解体を始めました。巣は外側の粗い草の層と、内側の細かい草の層の二重構造になっています。内側の細かい草の層を開けたら、何と中には4頭のカヤネズミの赤ちゃんがいました(写真左)。急いで写真を撮って、巣材でくるんで元あった場所に置き、上から元のように枯草を被せておきました。無事巣立ってくれることを祈るのみです。自分の迂闊な行動を悔やみましたが、調査地で初めて繁殖を直接確認することができました。今年は、カヤネズミになるべく負担をかけない方法での調査を考えるつもりです。そうして、毛の生えそろった子どもか成体のカヤネズミとの、一期一会の出会いを期待したいと思います。右の写真は12月28日、雪の日の庭です。年末は寒い日が多く、雪の降る日もありましたが、お正月は晴れて暖かい日が続きました。でも今日は日陰に置いたバケツの氷が一日中張ったままでした。(Y)

2016年12月11日(日)
雨の日には

 このところお天気が安定しなくて、晴れたと思ったら急に曇って雨が降り出します。慌てて洗濯物を取り入れたら、
また晴れて…。時には青空から雨が…。そんな訳で外の作業がままなりません。大抵はたまっている家事に追われるのですが、今日は久しぶりに買い物で街に出ました。道の駅に寄ったら、立派なセロリの株がありました。新鮮で、濃い緑色。株元から葉の先まで50cm以上ありました(写真左)。カレー、ベーコンと蒸し煮、肉と炒めて等々、色んなメニューが頭に浮かんで思わず買ってしまいました。ずっしりと重い。これで280円は安いです! ほかにも色々買い物をして帰宅しました。それから、先日の簡単な木工の続きをして、やっとトナカイが完成しました(写真右)。秋~冬は木の伐採や剪定の季節。蔓や木切れがたくさん手に入るので、それらを眺めていると創作意欲が湧いてきます。(Y)

2016年12月4日(日)
ポン酢を作る

 今日は午前中から雨が降り出し、予定していた外の作業ができませんでした。それで、前々からしようと思っていたポン酢作りを。使用した柑橘類は、冷蔵庫の野菜室にあった、カボス、スダチ、ユズ、レモンの4種類(写真左。黄色い色をしていますが、一番小さいのがスダチです)。
ポン酢の作り方
【材料】濃口醤油…2カップ、本みりん…2カップ、柑橘果汁…2カップ(大きいタネだけを除く。小さいタネは残っても大丈夫。果肉がある方がおいしい。寒い季節なので保存性も問題なし)、かつお節…60g程度(適当でいいです)
【作り方】(1)みりんを鍋に入れて煮切る。 (2)(1)に醤油を加えて煮立たせた中にかつお節を入れ、再び煮立ったらザルで濾す。 (3)(2)の粗熱が取れたら柑橘果汁を加えて混ぜる。 (4)出来上がったポン酢は、酢やお酒、みりんなどの空き瓶に入れて冷蔵庫で保存。酢などの空き瓶は、洗ったり消毒したりの手間が省けるので便利(写真右)。
この季節、1~2か月はおいしくいただけます。もっとも、それまでに使ってしまいますが。自分で作るとおいしいので、毎年柑橘類が出回る季節には作りたくなります。
(Y)

2016年11月26日(土)
水草取り

 今、田んぼビオトープの水草取りを継続しています。夏の間に水面を100%覆っていた水草を50%以下に抑えるためです。ガマは根っこごと除去しようとしても、なかなか抜けません。まずゴム手袋をした手でガマの根元を探ります。泥の中の直径1.5cmくらいの地下茎を探し当てたら、そーっと引っ張ります。そうすると、別のガマが動きます。ガマは地下茎でつながっているのです。残したいガマは地下茎の途中で切って、除去したいガマだけを抜きます。地下茎を切ると簡単に抜けます。左の写真は抜き取ったガマです。地下茎から次々と新しい芽が出てくるのがわかります。それを見ていると、植物の逞しさに圧倒されます。右の写真は、田んぼビオトープの現在の様子です。水草をかなり除去することができました。マコモ(マコモの地下茎は深い所にあって固いので、ガマより抜きにくい)をもう少し除去して、イノシシに荒らされた畦を修復したら、田んぼビオトープでの今年の作業は終わります。(Y)

2016年11月4日(金)
炎の中からウマオイ救出

 5月末からずっと草を刈って刈草を焼く作業。今は加えて田んぼビオトープの水草取りもしています。日本の気候では、年に3回刈れば畦は芝になるといわれていますが、当地では5回以上刈らないと芝にはならないようです。水草取りは、夏に100%になってしまった開放水面を50%以下にするために行います。ガマやマコモは引っ張っても抜けなくて、根茎切りをしてから取り除きます。水底に枯れた草や根っこがほとんど無い場所でないと、アカガエル類やトノサマガエルは産卵しないのです。イノシシがたまたま掘ったような水たまりでも産卵しますが、そういう場所は雨が降らないとすぐに干上がり、卵やオタマジャクシも死んでしまいます。水底に枯れた草や根っこがなくて、安定して水のある所でないとカエルは育つことができません。それで水草取りというわけです。ところで、一昨日、枯草を焼こうと、いつものように竹の熊手で軽く叩いて、中に何かいないか確かめてから火を点けました。ところが炎が上がると、枯草の中から何かがゴソゴソ…。よく見るとウマオイでした。慌てて両手で捕まえて草はらに放そうとしましたが、手から離れようとしません。長い触角を舐めてきれいに整えて…。左の写真は後脚を舐めているところです。一通り終わったら悠然と草はらに去って行きました。おかげでじっくりとウマオイを観察することができました。さすが肉食。迫力ある顔つきです。それにしてもウマオイにケガがなくて良かった! 右の写真はリンドウ。今年はリンドウの株が大きくなって、数も増えました。花もたくさん付いて、とてもきれいです。(Y)

2016年11月1日(火)
新世代イノシシ

 最近、朝夕の明るい時間帯にイノシシを見かけることが多い。左の写真は朝の8時頃。20mほどの距離で目が会ったが、慌てて逃げる様子はない。このようなことが2回続けてあった。他の人からも同じような話をよく聞くようになった。狩猟人口が減ったせいで人を恐れなくなったのかもしれない。さしずめ「新世代イノシシ」か。クマではないので、こちらも必要以上に恐れることはないだろうが、あまり気持ちの良いものではない。被害も大きい。今年も田んぼビオトープの畦が広範囲に壊されたし、夏には電気柵のない場所のサトイモが全部食われてしまった。右は地面を激しく掘り起こした場所。ミミズやコガネムシの幼虫などを探すのだろう。全く困ったものだが、レンゲソウの種を蒔こうと思っていた場所が掘り起こされて、おかげで耕うん作業がずいぶん楽になった。まあ、サトイモのお礼にこれぐらいはしてもらっても良いだろう。野生動物と人がうまく共存できたらよいのだが。(T)

2016年10月27日(木)
収穫の秋 その3(サツマイモと柿)

 一週間ほど前にサツマイモと柿を収穫しました。サツマイモは20本苗を植えて、およそ80個できました。今年は例年になく大きなイモが多く、最大のものは2kg近くありました。畑の土がやや粘土質でこびりつくので、掘ってすぐに水で洗います。乾いたら一つずつ新聞紙に包んで段ボール箱に入れて2階で保管。サツマイモは寒さが苦手だけど、こうしておけば春まで大丈夫。甘さも増しておいしく食べられます。芋粥、焼き芋、ふかし芋、蒸し野菜にして味噌をつけて等々。今年はサツマイモご飯も作ってみようかな。さて、次は柿のこと。敷地内には2種類の柿の木(富有柿と西条柿)があります。今年は2本とも(我が家にしては)豊作。西条柿は苗木を買ったとき「横綱西条」という札が付いていたけど、その名に恥じない大きさで50個ほど採れてました(写真を撮り忘れたのでこれは去年のです)。渋柿なので干し柿にしています。保存食作りは面倒だけれど楽しいことでもあります。(Y)

2016年10月20日(木)
収穫の秋 その2(シイタケと落花生)

 シイタケのほだ木に今、シイタケが次々と出てきます。春はあまり採れなかったのに、うれしいことに秋は大豊作です。昼ごはんに採れたてをすまし汁に入れたり、うどんに入れたり。夕食には焼いてスダチを搾って、お醤油を少し。お酒の肴です。今日は、きのこご飯も作りました。シイタケの香りと歯ごたえが市販のものと違います。すぐに食べきれないものは、冷凍や干しシイタケに。少しだけ干して水分を飛ばしたものも美味です。畑では落花生を収穫。ざっと洗って土を落とし、乾かして保管。食べたい時に殻付きのままオーブン皿に重ならないように並べて、160℃で30分。食べるのは冷えてから。カリッとして甘みがあって、とても美味しいです。作物を自分で作って食べる。ささやかな幸せ…。(Y)

2016年10月14日(金)
収穫の秋 その1(クリ)

 9月下旬から敷地内のクリの収穫が始まりました。自生のシバグリですが、結構実が大きいので重宝しています。一昨年はクスサン(ガの仲間)が大発生し(700~800匹)、木が枯れてしまうのではないかと心配しましたが、何とか持ちこたえてくれました。昨年はほんの少しの収穫。そして今年は大豊作。全部で10kgぐらいありました。10日間ほど毎日毎日クリが木から落ちてきます。拾わないとイノシシが食べに集まってくるので頑張って拾いました。イガごと頭に落ちてくると痛いこと! 収穫したクリは1.5Kgを渋皮煮にしました。尤も渋皮を傷つけずに剥けたのは半分くらい。でも、挑戦4年目にしてどうにか「おいしい」と思えるところまできました。来年は皮むきも含めて、さらに渋皮煮を極めたいと思っています。残りは、栗ご飯用に皮を剥いて少し砂糖をまぶして冷凍に。砂糖をまぶしておくと、少々時間がたっても味が落ちないと地元の人に教えてもらいました。さらに残ったものは、洗ってザルにあげて水気を取ってから1ヵ月ほど冷蔵庫へ。そのあと冷凍保存。クリのデンプンが糖に変わり、甘くなります。食べたい時に冷凍のまま湯がいたり蒸したりして、手を切らないように半分に切ってスプーンで。我が家では、おやつや酒の肴にも。簡単でおいしいです。(Y)

2016年10月1日(土)
ニホンヒキガエル

 午前中、犬と一緒に自宅そばにあるため池の堤防に行きました。カメがいたり、カモやサギやヌートリア(特定外来生物)がいたり…。いろんな生物のにおいがする、犬の大好きな場所です。しばらく自由に遊ばせていると、何やら見つけた様子。駆けつけてみると、体長(鼻先から尻までの長さ)12cmくらいのニホンヒキガエル(以下ヒキガエル)がいました。ヒキガエルとしては中くらいの大きさです。当地でヒキガエルを見るのは初めて。先日も地元の方に、昔はヒキガエルがたくさんいたのに最近は全く見なくなったと聞いたばかりだったので、とてもうれしいことでした。ヒキガエルは繁殖期だけ歩いて水辺に集まって来て、繁殖期が終わればオスは小さなグループで山や林に帰って行き、メスはひも状の卵塊のそばでしばし休憩をとる、とも。今は繁殖期ではありませんが、少しづつ環境が整ってきたのでここに移動してきたのでしょうか。そうではなくて、以前からここに細々ながらも生息していたのを今日たまたま見つけたということかもしれません。どちらにしても、存在感がありユーモラスなヒキガエルが、以前のように普通に見られる環境を整えたいと思います。これで、ヒキガエルと特定外来生物のウシガエルを含めて、当地で確認できたカエルは7種類に。山渓ハンディ図鑑9「日本のカエル」の中の「カエルが生きていくためには、他の生物を食べ、またカエル自身もほかの生物の食物となる。カエルの鳴き声が聞こえる地域は、それだけ多様性のある自然が残されている証拠でもあるのだ」の一文は、心に染みました(Y)

2016年9月28日(水)
伊良湖岬

 9月25日から27日まで、愛知県の伊良湖岬に行ってきました。犬連れだったので自家用車で。8時間ほどかかりました。最大の目的はタカの渡りを見るため。伊良湖岬はタカの渡りで有名な場所なのです。26日朝6時頃から観察場所の恋路ヶ浜の駐車場に行くと、双眼鏡やカメラを持った人がすでに何人も。お天気は薄曇りでまずまずの観察日和。しかし1時間半ほどいて、ハチクマ(1)、サシバ(1)の残念な結果でした。伊良湖岬では台風の影響で1週間雨が降り続き、食料確保のために渡りは1週間後がピークになるだろうとか、渡りのルートを変えたかもしれないと現地の方が言われる。タカはそんなことでしたが、ヒヨドリはたくさん集結していて、集団で高速で飛び回る様子は自宅周辺のいつものヒヨドリと違って圧巻でした。ヒヨドリはこれからもっと大きな、小山のような集団になって渡りをするそうです。ピーク時の、頭上をたくさんのタカや小鳥たちが渡っていく様は観察できませんでしたが、実際に伊良湖岬に来てそんな情景を想像するだけでも、自然の不思議さ、スケールの大きさを感じることができました。数は少なくても、岡山県内のなるべく自宅に近い所でタカの渡りが観察できるスポットを探そうと思います。(写真左は恋路ヶ浜、右は海浜植物のハマゴウ)(Y)

2016年9月15日(木)
ヒマワリ800本の後始末

 およそ800本のヒマワリの花が終わって1ヵ月半。タネの収穫に取り掛かりました。ふるいの網を使って枯れた花の部分をゴシゴシ。タネが花がらと一緒にパラパラ落ちてきます。30年近く前に同じ作業をしたことがありますが、あの時のヒマワリは10数本でした。今回はやりごたえがあります…というか、非常に疲れました。右の写真は花がらなどのゴミや熟していないタネを取り除いて箕(み)に入れたものです。黒いタネは一昨年に蒔いたのと同じで、今年思わぬ所から芽が出て2m以上に育ったものです(7月18日の右の写真)。左の写真がその株の花のあとです。タネの部分だけで25cmほどありました。収穫したタネは箕(み)5杯分ぐらいありました。黒いタネは来年の種まき用に、残りのタネは野鳥の冬越しのために取っておきます。ヒマワリのタネは野鳥にとって、ビフテキに相当するそうです。

2016年9月14日(水)
ヒマワリのタネを食べたのは?

 パソコンが壊れて、しばらく里やま日記の更新ができませんでした。ようやく戻ってきたので、また日々の生活の様子や、見たこと、感じたことを綴っていきます。よろしくお願いします。
 梅雨明け後、雨がほとんど降らなかったせいか、ヒマワリの花の咲いたあとがきれいに乾いて裏側がお椀のようになっていました。その中に種の殻がいっぱい! 私たちが落花生の殻を割って食べた時のようです。ヒマワリの実をここで食べたのはネズミに間違いないでしょう。ここにはハタネズミ、アカネズミ、ハツカネズミ、クマネズミ、カヤネズミの5種類のネズミがいると思われますが、一体誰のしわざ? 知りたいけれどなかなか難しい。誰かわからないけど残された殻の様子を見ていると、とてもおいしそうに食べている姿が目に浮かび、何だか私も楽しい気分になりました。(Y)

2016年7月18日(月)
ヒマワリ

 もともと棚田だった一部が畑に転用され、それも放棄されて草ぼうぼうの荒地になっていた。オーナーさんの了解を得て、ヒマワリ畑にしようと一昨年から種まきを始めたが2年続きで失敗。土が固かったり肥料が乏しいことが原因で、うまく育たなかった。そうなると執念のようなもので、今年こそと中古の耕運機を買い、鶏糞やバーク堆肥をたくさん入れ、土壌改良をしてから種をまいた。それが4月末から5月初めごろ。成果あって順調に育ち、7月初め頃から咲き始めた。大きくなる品種を選んだので高さは2mを超えるものも。数は正確には数えていないが800本位だろうか。つぼみが朝は東、夕方は西と首ふり運動をし、花が咲くと東を向いて動かなくなるというなかなか可愛い奴。一斉に花開いた様子も棚田の風景によく似あう。在来の植物ではないが、野生化はしないので生態系を乱す心配はない。今年は場所が良くなくて、あまり人に楽しんでもらうことができなかった。来年は皆さんに楽しんでもらえるようにしたい。(T,Y)

2016年7月5日(火)
カサブランカとシクラメン

 カサブランカが今年も見事に咲きました(写真左)。一昨年の11月に1鉢のシクラメンとともに大阪の友人からいただいたものです。昨年より茎は太く高くなり、花の数も17輪に増えました。昨年は花が終わったあと、ルリタテハが葉に産卵し、幼虫は葉を食べて大きくなり、蛹から成虫になって飛んでいきました。今年もルリタテハの産卵が楽しみです。シクラメンは今まで夏越しに失敗していましたが、昨年初めて休眠させない方法を試したらうまく夏越しができ、花屋さんの店先にあるようにクリスマスの頃にはたくさんの花をつけました(写真右)。今、シクラメンは少し葉を付けていて、土が乾いたら水をやり、月に一度液肥をやっています。夏の終わりが待ち遠しいです。(Y)

2016年7月1日(金)
暑い日の水浴

 ある日のこと。自宅そばのビオトープ池に行ったら、立派な体格のトノサマガエルが、クワイの根元に座って水に浸かっていました。ちょうど人間が半身浴をしている感じです。あんまり気持ちよさそうな顔をしていたので、思わず写真を撮りました。今度は田んぼビオトープに行った時のこと。黒化型のシマヘビが岸辺で体の半分を水に浸けていました。シマヘビは、カエルが来るのを待ちながらのことでしょう。カエルもヘビも人間と同じように、暑いときは暑いのです!(Y)

2016年6月28日(火)
夏野菜

 今年の梅雨は雨が多く、日照不足が心配。そんな中、夏野菜の初収穫。ナス3個、キュウリ3本、ピーマン2個。やや小ぶりながら良いのができた。早速晩のおかずに。新鮮でとてもおいしかった。さて、過湿を嫌うトマトの出来はどうなるだろうか?野菜作りは手間がかかるが、楽しみも大きいのでやめられない。(T)

2016年6月17日(金)
田んぼで授業

 地元の小学5年生1クラス8名(!)と担任の先生、ボランティアの方が来てくれて、田んぼビオトープと草原で授業をしました。授業は、あらかじめ草原で観察しやすい所に見つけておいたカヤネズミの球巣を観察することから始めました。そのあと田んぼビオトープに移動して生き物探し。タイコウチ、卵を背負ったオスのオオコオイムシ、オタマジャクシ、アカガエルの子ガエル、ヤゴなどいっぱい見つかりました。みんな大喜びでいい笑顔!それから、子どもたちはトンボやイトトンボ類の連結飛行や産卵に興味津々で、そばで見ている私も本当に楽しい時間でした。私たちの活動で生物に興味を持ち、好きになる子どもが増えたらいいな。地元の子どもたちに田んぼの素晴らしさを伝えたい、そんな私の夢が一つ叶いました。(Y)

2016年6月10日(金)
刈っても刈っても…

 俳人、種田山頭火の代表作、「分け入っても分け入っても青い山」という句が好きです。草刈りをしながらふと思い出しました。私の場合は「刈り取っても刈り取っても青い草」です。彼も同じ心境だったのかなと思います。暑くなって草の勢いがすごくなってきました。広い休耕田の草刈りをしていると、気が遠くなることがあります。順に刈っていき、最初に刈った所に戻るとまた伸びている…今はそんな感じ。これから10月末まで草との戦いは続きます。でも時折吹いてくる涼しい風。晴れ渡った大空を鳴きながら勇壮に飛んでいく数羽のブッポウソウ。また、足元にはアカガエルの子ガエルやイトトンボがいっぱい。踏まないようにそーっと歩きます。今が盛りのササユリやホタルブクロ…。自然の素晴らしさは、暑さも草刈りの大変さもいっとき忘れさせてくれます。左の写真は最近の田んぼビオトープ。右はホタルブクロ。このあたりでは白がほとんどでこの色は珍しいです。(Y)

2016年5月26日(木)
ルピナスと絵本

 娘達が幼い頃、よく一緒に絵本を読みました。もう30年くらい前になります。その中の一冊に、バーバラ・クーニー作の「ルピナスさん」というのがありました。この絵本は、一人の女性の人生の輝きと、生きるということの意味をルピナスの花に託して語りかけてくれました。私は、この絵本もですが、絵本の中に描かれたルピナスというマメ科の花が大好きになりました。そしていつかルピナスの花壇を作ってみたいと思うようになりました。念願叶い、一昨年からルピナスを育て始めました。失敗続きでしたが、3年目の今年やっときれいな花が次々と咲いてくれるようになりました。このルピナスは宿根性なので夏と冬をうまく越すことができれば、来年の春はもっと見事な花壇になるだろうと楽しみです。(Y)

2016年5月20日(金)
カヤネズミとウシガエル

 この周辺でカヤネズミが巣を作っているのがわかって、6月から本格的に調査を始めようと準備をしています。調査地はカサスゲとマコモが群生し、ススキが点在する放棄田です。まず、セイタカアワダチソウの除去をしました。この外来の植物は、根から他の植物の成長を抑える物質を出してはびこるやっかいな存在です。これを1本1本抜いている時に、ドサッと大きな物音。びっくりして音のした方を見ると、刈り取った草の山に大きなカエルらしきものが。ヒキガエルかも!と近づいて見ると、体長約20cmのウシガエルでした。おとなのウシガエルを見るのは2度目ですが、こんなに近くから見るのは初めてでした。ウシガエルも外来種ですが、ウシガエルに罪はなく…私には駆除できません。本当は駆除しなければいけないのですが…。さて、これから1本の観察道を作り、5m間隔で杭を打ちます。そうして杭を目印にして、カサスゲやマコモを踏み荒らさないように観察する予定です。繁殖期が始まったので、親子のカヤネズミを見たいものです。写真左はウシガエル、右はススキの株で見つけたカヤネズミの新しい球状巣です。(Y)

2016年5月10日(火)
トノサマガエルの産卵 その2

 先日トノサマガエルが産卵した田のすぐ下の水たまりで、また2卵塊を見つけました。先日は失敗したので今度は寒天質を壊さないよう慎重に掬って、水槽でしばらく飼うことにしました。発生は順調に進んで泳げるようになった(写真左。水槽の壁に張り付いている)ので、もう大丈夫だろうと今日ビオトープ池に放しました(写真右)。ほっと一息と思ったのも束の間。すぐに13匹ものイモリが集まり、あっという間にほとんどが食べられてしまいました。それでも少しは残ったのですが、それも日に日に少なくなり…。何匹かはビオトープ池のどこかで生き延びてカエルにまで育ってほしい、と祈るのみです。やはり干上がる心配のない場所で産卵し、そこで育つことが、もともと産卵数の少ないトノサマガエルにとって大切なことだと思いました。トノサマガエルが安心して産卵できる環境作りが今の私の課題です。(Y) 

2016年5月3日(火)
トノサマガエルの産卵 その1

 トノサマガエル(写真左)が、毎年お米を作っている田んぼの水たまりで産卵しました。3卵塊ありました(写真右)。そこでは水が干上がる心配があったので、2つは田んぼビオトープへ、あとの1つは自宅そばのビオトープ池に放しました。トノサマガエルの卵塊はアカガエルのそれと違って薄く横に広がって非常に掬いにくいので、卵を包む寒天質をかなり壊してしまいました。そのせいか、放してすぐにアメンボやイモリ、マツモムシ、それにアカガエルのオタマジャクシまで集まってきて…。あっという間に卵が食べ尽くされました。寒天質を壊してしまったこと、卵塊を移動したこと、オタマジャクシになるまで水槽で飼育しなかったことを悔いました。そして、凍死することを恐れず天敵のいない早春に産卵するアカガエルの行動が理解できた気がしました。翌日、卵塊のあった場所に行くと水は完全に干上がっていて、そのことが私の心をほんの少し軽くしてくれました。(Y)

2016年5月2日(月)
シュレーゲルアオガエル

 たんぼビオトープの開放水面を50%以上にするために、田んぼの草を根っこから引き抜く作業をしていました。バックグラウンドミュージックはシュレーゲルアオガエルの鳴き声です。キリリ、コロロとよく響くきれいな声です。ふと畦の水際を見ると大きな穴!漏水したら大変とあわてて穴を塞ごうとしたら、すぐそばに泡の塊。シュレーゲルの卵塊です(写真左)。直径は約3cm。そのあと、草の根を田んぼの水で洗って土を落としていると、窪みの中で抱接中のシュレーゲルが(写真右)。自然の中にいると、生きものの今まで知らなかったいろんな姿を目にします。シュレーゲルの、声はすれども姿は見えないというのは、畦の目につかない窪みの中でオスがメスを呼んでいたということのようです。ここにいると日々発見と感動の連続です.(Y)

2016年4月21日(木)
クロスジギンヤンマの羽化とフナ

 ビオトープ池で、4月16日から20日の間にクロスジギンヤンマ20個体が羽化しました(うち1個体は羽化失敗)(写真左)。ちなみに昨年は11個体、一昨年は37個体でした。3年ほど前に、この池で小さなフナを見つけました。川とつながっていない止水池でなぜフナが?初めは驚きましたが、池を作った時に近くのため池から採ってきた水草にフナの卵が付着していたのでは?それで合点がいきました。昨年の秋にはフナは体長20cmを超え、立派な体格になっていました。このままでは池の生物が食べ尽くされると思い、近くの広いため池に放しました。クロスジギンヤンマのヤゴも無事だったようです(一部は食われたかもしれませんが)。クロスジギンヤンマの羽化が終わると春本番。トンボの季節が始まり、オオコオイムシのオスも背中に卵を背負っています(写真右)。夕方、カヤネズミの巣がある休耕田からタシギ(鳥)が飛び出して…。今年は生物とのどんな出会いがあるか…楽しみです。(Y)

2016年4月14日(木)
ダイサギとオタマジャクシ

 アカガエルのオタマジャクシ(写真左)は暖かくなってどんどん成長して大きくなりました。でも数は日々少なくなっています。ほぼ毎日田んぼビオトープにやってくるダイサギ(白鷺の一種)は長い時間いて、そこで何かを食べています(写真右はダイサギの足跡)。多分大半はオタマジャクシでしょう。オタマジャクシの命がダイサギを育てているといえます。そんな中でカエルにまで育つオタマジャクシはどれくらいでしょうか。それでも良好な環境では、カエルがいなくなることもなく、ダイサギが増えすぎることもありません。カエルもまた昆虫などほかの命をもらって大きくなり、ダイサギもまた捕食され、ほかの生物の命を支えます。例えば、ミツバチがいるからハチミツや果物を食べられる。良好な環境でこそ、人間も自然から恩恵を受けることができるのです。ここにいると、人間もまた多様な生物の命によって支えられていることを実感します。多様な生物が生息し、関わり合うここの環境を大切に次の世代に渡したいと思います。(Y)

2016年4月1日(金)
つくし

 パソコンのトラブルでまたまた更新が滞ってしまった。なんとか復旧できたが古いパソコンなのでヒヤヒヤもの。さて、早くも4月。風景も日ごとに緑が増えてきた。日当たりの良い斜面ではつくしが最盛期(写真左)。立派なものがたくさん生えているとつい摘んでしまう。「はかま」取りが面倒なので少しにしようと思いながらもたくさん摘んでしまうのは俗人の悲しさ。早速夕食のおかずに卵とじ(写真右)。みずみずしく歯ごたえも良し。もちろんはかま取りは全部私が責任を取った。(T)

2016年3月19日(土)
レンゲソウとアマガエル

 去年の秋、休耕田にレンゲソウの種をまきました。なかなか芽が出ず心配しましたが、少しづつ出てきて今はたくさんの株が大きく成長し始めています。その種まきの後で古い種子がたくさん残っているのを見つけて、年末頃に、ダメだろうと思いながらトロ箱にまいて保温しておきました。すると案に相違してすべて発芽したようで。レンゲソウって強いんですね。その苗はビオトープ池のまわりなどに植えました(写真左)。土を掘っていたら冬眠中のやせたアマガエルが出てきました(写真右)。悪いことをしたなとカエルに謝りつつ、満開のレンゲソウを想像しているだけでうれしくなる私です。(Y)

2016年3月10日(木)
アカガエルの産卵

 2月13日の暖かい雨の夜に、田んぼビオトープでアカガエル(このあたりで見られるアカガエルは正確にはニホンアカガエルです)の産卵が始まりました。3月に入っても暖かい夜にはアカガエルの声がして、翌朝見に行く度に卵塊(写真左)が増えていきました。昨日、田んぼビオトープとその周辺の水たまりで卵塊の数を数えたら約350個ありました。1つの卵塊で500~3000個の卵があります。1卵塊に500個としても約175,000個の卵があることになります。ちなみに去年の卵塊は約250個でした。どうして今年はこんなに増えたのか。排水路の整備により乾田化が進んだので、一年中水をためている田んぼビオトープがアカガエルにとって大切な場所になったのでしょうか。早くに産まれた卵はこのところの暖かさで一気にオタマジャクシとなり、元気に泳ぎ始めました(写真右)。この中でカエルになって子孫を残せるのはどれぐらいか。ここにいると、オタマジャクシがたくさんの生命を支えているのだということを実感します。(Y)

2016年3月8日(火)
笹刈り

 池の堤防沿いにイノシシ対策の金網があってその裏側がひどい笹の藪になっている。スズメバチや蛇が活動を始める前に何とかしようと少しずつ笹刈りをしている。何年も放置されていた場所なので2m以上にも伸びていて、おまけにクズ、ヤマノイモ、スイカズラなどの蔓がからんでひどい状態。刈払機で下の方を切っても倒れないからダメ。鎌で刈っても同じこと。やむなく能率は悪いが剪定ばさみを使う。まず立った姿勢で1m位のところを切る。絡んでいる蔓も切る。ある程度やったら今度はしゃがんで根元から切る。この時は刈払機も使えるが切った笹の軸が飛び跳ねて危ないし、後から集めるのも面倒。それで結局これも剪定ばさみ。こうして手間をかけてもすぐに新しい笹が出てきてあっという間に大きくなる。でもその時からは刈払機が使える。それを2、3年続けるとようやく笹の勢いも衰え、丈も低くなる。笹はとても手ごわいが時間をかければほどほどにコントロールはできる。(T)

2016年2月23日(火)
おひなさま

 長女の初節句に私の両親から贈ってもらったおひなさま(写真左)。今日東京の孫の初節句に間に合うように送りました。右の写真は私が小学生の頃に贈ってもらったもの。左のおひなさま一体分くらいの大きさです。さて、娘たちが大きくなり、いつの頃からかおひなさまを飾らなくなりました。最近になって私は私自身のために再び飾るようになりました。娘たちの幼いころ常だった、ひな寿司やひなまつりはないけれど、おひなさまの周りは華やいで私の心も和みます。娘たちを見守ってくれて、私を和ませてくれて。おひなさま、3度目の出番です。(Y)

2016年2月13日(土)
冬の仕事

 一昨日は刈り残した草刈りをしました。冬はカエルや昆虫がいないので安心してできます。草刈りをしていると、よくカヤネズミの球形の巣を見つけます(写真左)。新しそうな巣はその周りを刈り残してやります(また刈り残しができるのですが…)。残念ながらカヤネズミの姿はまだ見たことがないのですが、巣の多さから考えるとここには相当数がいる筈です。早く姿を見たいです。昨日は落葉掻き。落ち葉は畑や田んぼに入れて土作りに使います。
 他にも冬の作業はいっぱいあるので、たまに雨が降るとちょっと嬉しい気分。久々の休養日です。本を読んだり、手紙を書いたり…。でもほとんどは溜まった家事に追われてしまいます。
 今朝は未明から暖かい雨が降り出し、アカガエルの鳴き声がしました。昼間田んぼに行くと、やはり今年初めての産卵。田んぼビオトープに19個の卵塊(写真右)。周辺を合わせると30近くの卵塊がありました。今年も賑やかな水辺の季節が始まります。(Y)

2016年2月10日(水)
樹の伐採

 冬にもしなければならないことがたくさんあります。今日は庭に影をつくってしまうヒノキ(高さ10m位)の伐採をしました。周辺の木を傷めないように、木登り器で登って下から枝を落とし、最後にチェンソーで倒します。念のためロープと滑車を使って安全な場所から引っ張ります。ぴったり狙った方向に倒すことができました。倒した木は種類や大きさに応じて薪、斜面の土止め、階段作りの材料などに使います。細い枝も薪ストーブの最初の火おこしに重宝します。今日のヒノキの太い部分は30cm近くあるので、玉切りしてガーデン用の椅子にしようと話しています。(Y)

2016年1月21日(木)
薪ストーブ

 今日は大寒。さすがに寒い。我が家の主な暖房は薪ストーブ。入れて5シーズン目になるが、ようやく使いこなせるようになった。薪も自分で作れるようになり買う必要はなくなった。火を着けるには拾い集めた杉の葉と廃材を細く割ったものを使う(写真左)。乾いた杉の葉はよく燃えてすぐに廃材も燃えだす。後は廃材や細い薪を足していき、火力が強くなったら太い薪を入れる。最初は十分空気が入るようにする。しばらく燃えて天板の温度が100℃を超えたら、空気弁をほどほどに絞る。安定して燃えだすと耐熱ガラス越しの炎のゆらめきが何ともいえず美しく、見ていると心が落ち着くようだ。小型のストーブだけどとても暖かい。エアコンの暖房と違って体の内からほっこりと温めてくれる。(T)

2016年1月19日(火)
一挙に真冬

 暖かい冬が続いていたが、昨夜から雪が降り始め、今朝起きてみると10cmほどの積雪。雪は困ることも多いが白い風景も悪くない。気温が下がったので軽く気持ちのいい雪。歌の通り犬は大喜びで走り回っていた。歯医者の予約があったので10時頃から車で出かけたが問題なかった。もちろんタイヤは冬用に交換してある。ただ、明日以降残った雪が凍ると危なくなるので慎重に行動しなければ。まだ慣れない頃に凍った路面で転んでカメラレンズのフィルターを割ってしまったことがある。自分の骨でなくてよかったが。(T)

2016年1月4日(月)
暖冬

 今日は敷地に沿った細い道の落葉掻きをした。かつては小学校(今はなくなっている)への通学路だった道らしいが、今はほとんど通る人はいない。でも両脇のコバノミツバツツジヤマツツジがきれいで、珍しい植物が出てきたりもする貴重な環境なので毎年落葉掻きをしている。集めた落葉を空き地に積んでおくと1,2年で良い腐葉土ができるというメリットもある。ところでこの冬はちょっと異常な暖冬。県北のスキー場はどこも営業できずに困っているらしい。今日も日中は15℃位まで気温が上がり、春のような陽気。汗をかきながら落葉掻きをしているとキタキチョウが出てきた(写真左)。どこかにもぐり込んで越冬していたのを掻き出してしまったのか、それとも陽気に誘われて自分で出てきたのかはよくわからない。少しは飛ぶこともできたが、風の当たらない物陰に移し、落葉を被せておいた。右はシイタケ。去年の冬に植菌したもの。夏に遮光シートをかけてその後今までさぼってそのままにしていた。今日シートをはずしてびっくり。大きなシイタケが4つも出ていた。最大のものは笠の径が15cmほどもあった。これも暖冬のせいか?過ごしやすいのは確かだけど大丈夫かなとも思ってしまう。(T)

2016年1月1日(金)
明けまして

おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。またまたずいぶんブランクを作ってしまいました。冷や汗もんです。申し訳ありません。さて、新年。今年は子たちも帰省せず、ちょっと寂しいお正月。そこで元日登山に。近所の山好きのWさん姉妹と4人で那岐山(1255m)へ。前日午後に雪が降ったということで頂上付近は15cmほどの積雪。登山道はしっかりしていてアイゼンなしで大丈夫だった。下山してから麓のキャンプ場でWさんが持参の肉、野菜、餅で豚汁をふるまってくれた。自家製の味噌ということで最高に美味しかった。今年は例年とは違うスタートとなったが、よい元日を過ごすことができた。(T)

2015年10月30日(金)
西条柿

 5年ほど前に西条柿の苗を買って植えた。渋柿だがとてもおいしい干し柿ができる。その柿の木が今年、初めて実をつけてくれた(写真左)。ちょうど20個。数は少ないが大きくてなかなか立派なもの。さしずめ今年の新人王候補というところか。近所のお宅で毎年採らせていただくものと合わせて180個ほどを干し柿にした。2日かかったが苦労とは思わない。実もきれいだし、皮をむいてずらりと吊り下げた様もいい。それに店で売っている値段の高いものよりよほど美味しい干し柿ができる。自宅で実ったものが混じっていると思うとうれしさもひとしお。(T,Y)

2015年10月5日(月)
草を焼く

 棚田の休耕田3枚ほどをお借りして、いろいろ試みて遊んでいるが、そこ以外の場所もできるだけ草刈りをするようにしている。オーナーの方はお元気とはいえ高齢なので。刈った草の処理に関しては、堆肥化しようとか試行錯誤はしたが結局燃やしてしまうのが一番という結論。それにも要領がある。初めのうちは刈ってすぐに掃き寄せて積み上げていたが、これでは内部は乾燥しにくく、雨に濡れたりすると特に後が大変。写真左のように刈ったまま広げておくのがよいと気づいた。2、3日後にはよく乾いて、あっという間に燃えてしまう。しかし晴天続きで地面が乾いていると刈り残しの草に火が広がる恐れがあって怖い。地面が湿っていて、刈り草はよく乾いているという状態がベスト。夕方から雨の予報という日は安心で更に良い。もちろん風が強い日はご法度。火の扱いは慎重な上にも慎重にと心がけている。(T)

2015年9月27日(日)
自然観察会

 所属する「岡山県森林インストラクター会」では、毎年この時期に県内各地で参加者を募って自然観察会を行っている。今年は県東北端の西粟倉村、その中でも兵庫、鳥取県境に近い若杉天然林で実施した。場所が遠かったせいか一般参加は22名とやや少なかったが、絶好の秋晴れに恵まれ、気持ちよく楽しい観察会になった。他の県北の山地と同様、この地域もタタラ製鉄、それに伴う炭の生産などで森林が利用されていた所だが、この森は江戸幕府直轄の林地であったため、乱伐を免れ、戦後の拡大造林の時代にも貴重な自然が評価され、保全されてきた。そのため83haの面積にブナ、ミズナラ、トチノキ、カエデ類などの巨木が立ち並ぶ中国地方でも有数の天然樹林で、「森林浴の森百選」にも選ばれている。参加者もスタッフも秋の森を堪能したが、今年は特にブナの枯木に有毒のツキヨタケの発生が多く(写真右)、樹木以外にキノコ、シカ、ツキノワグマなどの話題で盛り上がった。楽しい一日だった。(T)

2015年9月15日(火)
イノシシと知恵比べ

 イノシシに田んぼビオトープの畦を荒らされるので、センサーライトを設置してみた。ツインライトのものが大型獣の目のようで効果的と考え、高かったがそれを買った(写真左、手前の白いのはクモの巣)。効果てきめんで悪さはすっかりなくなり、ザマミロと思ったのもつかの間…。一週間後には御覧の通り。今まで以上のひどい荒らされようで、麻袋の土のうもズタズタにされた。「よくも騙したな」と倍返しをされたような気がする。どうしたものか、次の一手を考えるとするか。学習能力の高いイノシシとの知恵比べは当分続きそう(負けそう)。(T)

2015年9月8日(火)
美人のカマキリ

 先日、田んぼからの帰り道、メスのオオカマキリに出会いました(写真左)。お腹が大きいので、もうすぐ産卵して一生を終えるのでしょうか。あまりに美しく、風格があったので思わず写真を撮りました。カマキリの仲間はみんなカメラ目線です。
 昨日の夕方、田んぼの雑草を手で刈っていたら、すぐそばの草にキアゲハが止まりました。写真を撮ろうと邪魔な草をどけたりしてガサガサしましたが、キアゲハは動きません。今夜の寝床と決めたのでしょう。ゆっくりおやすみ。いつもより少し早いけど、私も作業を終えて帰ることにしました。(Y)

2015年8月31日(月)
もうけもの

畑のスイカとマクワウリ。どちらも勝手に生えてきたもの。コンポストで堆肥化した生ゴミを畑に入れているので、おそらくそこに種が混じっていたのだろう。スイカもマクワウリも買った苗ではうまく育ったためしがないのに、これらはグングン成長して立派な実をつけた。スイカは幸いカラスにも見つからず、直径17、8cmまで育った。どちらも食べてみると、糖度は高くないが新鮮でとても美味しかった。これは元手いらずのもうけもの。来年からもこの無手勝流でいこう。まあ、毎年そううまくわ…(苦しい)(T)

2015年8月26日(水)
しそジュース

 しそジュースを毎年夏になると作ります。赤じそと青じその両方を使うと香りもよく、よりきれいな赤いジュースができます。
【材料】赤じそ(生の葉)50g、青じそ(生の葉)100g、クエン酸12g、砂糖(白いもの)500g、水1.5リットル。
【作り方】
①大きめの鍋でお湯を沸騰させ、洗った しその葉を入れる。再び沸騰したら弱火にして、さらに10分間煮る。

②火を止めてクエン酸を入れ、よくかき混ぜて溶けたら煮汁を漉す。しその葉はしっかり搾る。
③煮汁を鍋に戻して中火にかけ、砂糖を加えよくかき混ぜる。アクを取り除き、一煮立ちしたところで火を止める。
④煮沸して滅菌した蓋つきの瓶に入れて冷蔵庫で保存する(空いたばかりの酒、焼酎、酢などの瓶だと煮沸せずそのまま使える)。
飲む時は水や炭酸水で2~3倍(お好みで)に薄めてください。砂糖やクエン酸の量が少ないので今夏中に飲んでください。
※(「ベニシアのハーブ便り」(世界文化社)を参考にしました)(Y)

2015年8月22日(土)
イノシシやりたい放題

 田んぼビオトープの畦は少しずつ低くなってくるので補修が欠かせない。土のうを積んだり土を盛って踏み固めたり、なかなか大変な作業。やっときれいになったと思ったら、翌日にはこの有様(写真左)。イノシシの仕業だ。土の中の虫を探すのだろうが、こんなひどい破壊行為をされるとガックリと力が抜けてしまう。ここ数年イノシシが増え、農家はどこも苦労している。他の地域ではそれに加え、シカやサルの害にお手上げ状態の所もあるらしい。中山間地の抱える大きな問題の一つ。気落ちばかりしていてもダメだから何か対策を考えようと思うが、面倒で費用もかかる電気柵以外に有効な手立てがないのが実情。すぐそばの水面で咲くミズオオバコの白い花(写真右)がなぐさめ。(T)

2015年8月17日(月)
ゴーヤの佃煮レシピ

 ゴーヤの佃煮を作りました。切り方は、薄切り、乱切り、といろいろありますが、ゴーヤの形や苦味がわかるように少し厚めに切りました。
【材料】ゴーヤ 中4~5本(約800g)…縦半分に切って、綿と種を取ってから1cm幅に切る。(苦味が気になる人は薄切りにし、熱湯でさっとゆでて水気をしっかり切って使う)、薄口しょうゆ40ml、濃口しょうゆ40ml、酢80ml、砂糖(あまり精製されていないもの)160g、かつおぶし15g~、炒りゴマ(白)適量、青じそ10枚(好みで増減)…みじん切りして水にさらし、水切りしておく。
【作り方】①酢、しょうゆ、砂糖を煮立たせてゴーヤを入れ、中火で水分がなくなるまで炒りつける。②汁気がなくなったら、かつおぶし、ごま、青じそを入れてさっと混ぜる。
 ゴーヤがたくさん手に入ったときにぜひ作ってみてください。おいしいですよ。(Y)

2015年8月14日(金)
ゴーヤの棚とカマキリ

 ゴーヤの緑のカーテンを始めて4年目。年々改良を加えてよくなってきていると思いますが、今年も下の方は葉が枯れてスケスケです。そこで液体肥料をやったり、米のとぎ汁をやったり…。ゴーヤの棚を見るのが日課になりました。そのゴーヤの棚で、毎年オオカマキリの幼虫が1頭居ついて成虫になります。今日も棚を眺めていると、オオカマキリ(♀)が目に止まりました(写真左)。昨日は大きな幼虫だったはず。よく見ると白い翅が生えて、そばには大きな脱皮殻。羽化直後です。しばらくじっとしていましたが、4時間後には体色も濃くなり活動を始めていました。去年の秋に産卵されたものが5月末に孵化。体長約1cmの糸くずみたいな幼虫が、体長約8cmの立派な成虫になりました。これからたくさん食べて無事産卵してね。旅立ちを見送る親になったような気持ちです。
 さて、ゴーヤ。この時期いただいたり、我が家で収穫したりで、たくさんのゴーヤが冷蔵庫の一角を占めています。お好み焼き、佃煮、チャンプルー、酢の物、熟したものはジャムにして美味しくいただきます。右の写真は白ゴーヤ。苦味がないので食べやすいです。(Y)

2015年8月12日(水)
真夏の収穫

 ちょっと余裕がなくて、長い間日記を怠っていました。クリックしていただいた方には誠に申し訳ありませんでした。これからまた週1回以上更新を目標に続けていきます。
 さて、去年の夏は雨が異常に多く、日照不足で夏野菜がさっぱりだったが、今年は一転、7月末から8月のはじめにかけて雨が降らず猛暑の日が続いた。こんな天候が合うのだろうか、今年はトマトとゴーヤがよくできた。トマトは乾いた畑が良いと聞いていたのでそのような場所に植え、ビニールで雨除けもした。そして地面が乾いてしまっても水をやらなかった。その結果、やや小粒ながら色づきのよいものがたくさん採れた。朝どりしたものを冷やして丸かじりする。トマト本来の味がして実に旨い。食べきれない分はトマトソースなどを作る(らしい)。(T)

2015年6月25日(木)
子ガエル

昼間、何気なくビオトープ池を眺めていたら、池の中の石の上に小さなトノサマガエル(写真左)。まだ尻尾がついています。(体長約4cm。口先から尾の付け根までは約2cm)。陸に上がったばかりのトノサマガエルを見るのは初めてです。それにしても、上陸間近のオタマジャクシ(写真右)の迫力と比べたら一回り小さくなって頼りない感じです。えら呼吸から肺呼吸への体内の大きな変化を想像すると無理もないかな。ゆっくり休息をとって無事に育ってね。(Y)

2015年6月14日(日)
ホタル2題
 梅雨に入ったが相変わらずの少雨傾向。雨が降らないと、つい草刈りなどの外仕事を優先するのでHPの更新を怠ってしまう。今日は所用で岡山市へ行った帰りに、いつも立ち寄る旭川河畔へ。予想通りオニグルミの葉裏にゲンジボタルが多数昼寝。きっとここは夜は綺麗なのだろうな。家から遠いのが残念。(T)
 田で作業をしていて、畦に置いていたゴム手袋を取ろうとするとヘイケボタル! 田んぼビオトープには幼虫の餌になるモノアラガイがいるので期待していましたが、やはり育ってくれていたようです。ゲンジボタルは各地で大切にされているのに田んぼで育つヘイケボタルは農薬の影響でしょう、ほとんど姿を消し、地味なので注目されることもありません。こんな生きものこそ大切に守ってやりたいと思うのです。(Y)
2015年5月28日(木)
雨が降らない

5月18日以降まとまった雨が降らず、気温も高い日が続いている。近隣の田ではため池から水を引くポンプの音が一日中響いている。我々が管理している田んぼビオトープの一部も干上がってしまった。せめて漏水を防ごうと畦切りの作業をしていたら、シュレーゲルアオガエルの卵塊が2個見つかった。大きさはピンポン玉くらい。畦の窪みに目立たないように産み付けられていたようだ(写真左)。よく見ると中でオタマジャクシが動いている。すでに孵化して雨を待っているようだ。でも降る見込みはないし、すぐ下の田は干上がってしまっている。このままでは死んでしまう可能性が高いので、自宅のビオトープ池に運んで水辺に置いてやった。少し水をかけるとすぐに卵塊は溶け始め、中から小さなオタマジャクシが次々と水の中に落下して元気に泳いでゆく(写真右)。数はきちんとカウントはできなかったが50匹くらいはいただろうか。このカエルは有名なモリアオガエルと近い種類で、同じように泡状の卵塊の中で孵化して雨天時などに水中に流れ出すという生態をもっているようだ。珍しいものが見られたのはうれしいが…カエルも人も雨が欲しい!(Y、T)

2015年4月22日(水)
カヤネズミが確かにいる!

昨年と同じ4月17日に種モミを播きました。地面に直接播いた種モミを鳥に食べられないよう上に稲わらを被せます。稲わらは1月に作った「わらにお」(写真左)をほどいて使うことにしました。半分ぐらいほどいたところに、カヤネズミの越冬巣(写真右)がありました。直径5cm(入口の直径は約1cm)ぐらいで、細い稲わらをうまく使って丸いボールのようです。「わらにお」の中はとても暖かそうです。カヤネズミはもういませんでしたが、そこで冬越しをしたと想像するだけでうれしくなります。(Y)

2015年4月6日(月)
出産ラッシュ

東京にいる長女が里帰り出産のためにこちらに来て、先月無事にに女児を出産しました。長女の出産とアカガエル類の産卵ピークが重なって忙しいこと! 用事の合間を縫ってビオトープ池や借りている田んぼ周辺の見回り。結果、目の届く範囲だけでおよそ250卵塊ありました。今はオタマジャクシになって、大きいもので体長2cmくらい。元気に泳いでいます(写真左)。このごろはシュレーゲルアオガエルの声がよく聞こえます。畦の修復をしながら、泡に包まれた卵塊を見つけるのがこれからの楽しみになりそうです。当地ではソメイヨシノが満開。ヤマザクラコバノミツバツツジも次々と咲き、美しい季節を迎えます。(写真右は作業中に現れたオオコオイムシ)(Y)

2015年3月30日(月)
シイタケ植菌

私事で忙しい日が続き、外の作業やHPの更新もままならなかったが、ようやく少し余裕ができて、今日はシイタケの植菌。1月に伐ったクヌギに電気ドリルで穴をあけ、ホームセンターで買った種菌(種駒)を打ち込んでいく(写真左)。6本の原木に200個の種駒を植えて建物の北側に並べた。種駒の袋に「従来品種より1年早く発生」と書いてあるので、来年の春には出てくるかな?新鮮な原木シイタケは最高に美味しいので今から楽しみ。(T)

2015年2月25日(水)
薪割り

寒い日の朝はまず薪割りから。ただし1日30分以内と決めている。それ以上頑張ってしまうと体にこたえる。道具は写真左の斧とくさび。斧はスウェーデン製で少し値が張ったが使いやすい。大きく振り下ろして…というのが格好いいのかもしれないが、残念ながら若くはない細くて貧弱な肉体。無理はせず真正面に構えて、腰の位置を下げながら斧を上からスッと落とすような要領。節のない部分ならこれで力もいらず安全に気持ちよく割れる。節がある部分は斧ではなかなか割れないので、くさびを使って割るのだが結構大変でこちらの節々も悲鳴を上げる。まあこれも無理はしない。温まった体で積み上げた薪を見るとなにやらうれしい気分になる。(T)

2015年2月18日(水)
アカガエルの産卵

16日の夜に暖かい雨が降ったので、田んぼに行ってみたら、2枚の田んぼビオトープと休耕田の水たまりに合計41個のアカガエルの卵塊がありました。自宅敷地内のビオトープ池にも産んだばかりのピカピカの卵塊が1つ。1月末に今シーズン初めて見つけた卵塊の中では発生が進んで、小さなオタマジャクシの姿を見ることができます。1卵塊あたりの卵数は500~3000個。産卵は3月まで続くので、いったいどれくらいの数のオタマジャクシが生まれるのだろう。水面に氷が張る日も多いけど確実に春が近づいているのがわかります。写真左は抱接中のアカガエル(2月12日)。右は新しい卵塊。透明なゼリー状物質に包まれてとてもきれい。(Y)

2015年1月27日(火)
アカガエルの卵塊

田んぼの畦の補修に行った時に、田んぼビオトープで今年初めてのアカガエルの卵塊(写真左)を見つけました。ニホンアカガエルかヤマアカガエルかは、オタマジャクシになると区別できます。ニホンアカガエルのオタマジャクシ(写真右)には背中に1対の黒い斑点があるのです。この卵塊の主がどちらかは今後の楽しみにとっておこうと思います。卵塊は今は水面に張った氷の下にあります。どうか無事に育ちますように。(Y)

2015年1月22日(木)
クヌギの伐採

10年ほど前に植えたクヌギが直径20cm、高さ10m以上になった。これ以上大きくなると手に負えなくなるので伐採することにした。まっすぐに伸びた木なので正しい方法で伐れば予期せぬ方向に倒れる心配はないが、他の小木を傷めたくなかったのでロープと滑車を使って誘導した。右は玉切りした状態。太いものは割って薪ストーブの燃料に、ほどほどのものはシイタケのほだ木にする予定。クヌギは伐っても萌芽再生するから、それをまた育ててやろう。成長が速い割に材は充実して重く、でも斧で割りやすい。薪にはうってつけの有難い木だと思う。それにしても生木は重い。今回は問題なかったが、作業方法、チェンソーの扱いなど再確認しておく必要があると感じた。(T)

2015年1月18日(日)
藁にお(わらにお)

稲わらを積み上げたものを「わらにお」と言います。ある冊子の中で、以前は田んぼにたくさんあった「わらにお」がカヤネズミ(ススキなどの葉を編んで丸い巣を作る日本最小のネズミ)の格好の越冬場所になっていた、という一文を読んで、私も「わらにお」を作ってみました。わらの量が少なくて本物には程遠いですが、自然に溶け込んでいるのか我が家の犬も吠えません。早速スズメが残ったお米を食べに来ました。(Y)

2015年1月12日(月)
息抜き

やることがいっぱいある。暇を持て余しているよりは良いと思う。体を動かしているのも嫌いではない。でも毎日同じような日々だと気分が煮詰まってしまう。というわけで今日は休養日。以前から行ってみたいと思っていた総社市の備中国分寺(写真左)へ。今から約1270年前、天平13年に聖武天皇の勅願により建立された国分寺の一つ。現在の建物は江戸時代中期に再建されたもので国指定史跡となっている。周囲はよく整備された田畑で、一部の畑では早くも菜の花が咲いている。五重塔が風景とよくマッチしてとても良い。ぜひまた訪ねたい。帰りに同じく総社市の「ひいご池湿地」へ。ハンノキの花の写真を撮ろうと思って来てみたが1週間ほど早かったようだ。写真右は枝先に垂れ下がる雄花の穂でまだつぼみの状態。花といっても大変地味で見に来る人なんかいないだろうが、気になりだすと、よし1週間後にまたと思ってしまう。(T)

2015年1月2日(金)
雪の年明け

雪の年明けとなった。元旦も2日も強い寒気が入り、雪が降ったりやんだりの天気。左は今朝の様子。積雪は2cmほど。朝日が射しているがそのあとは曇って時折雪が激しく舞う時間も。正月らしく室内でゆっくり過ごすことに。右は元旦のお雑煮。二人とも大阪出身なので丸餅の白味噌仕立て。2日の朝はおすましで。酒はちょっと張り込んで津山の地酒「加茂五葉(カモイツハ)」の大吟醸。雪見酒でささやかにハレの日を祝う。(T)

2014年12月15日(月)
ダイコンとタマネギ

9月19日に種まきをしたダイコンが育って、先月から少しずつ収穫している。今年はやや小ぶりのものが多い。小さくても美味しい。我が家では葉もほとんど食べる。沢庵漬に挑戦したこともあるが見事に失敗。以後は面倒になってしまってそれっきり。右の写真はタマネギの苗。11月15日に定植したもの。冬に低温になる当地ではそのままだと霜柱に持ちあげられて全滅する(何回かやられた)。そこで今年はしっかりと対策を。左の畝はもみ殻と藁で防寒。右は不織布の黒マルチ。もう一畝は直播で雑草を取らない草マルチ。さてどうなるか。結果が楽しみ。(T)

2014年12月3日(水)
千歯扱き(せんばこき)

少しばかり稲を育てて収穫できたのはよいが、脱穀の手段が無い。どこかで古い脱穀機が借りられるだろうと高を括っていたが、どこの農家も処分してしまって残っていないらしい。いつまでも干したままで雀ばかりを喜ばせていた。竹でピンセットのようなもの(扱箸・こきばし)を作ってしごいてはずしたりもしたが、面倒でとてもやってられない。そこで一念発起、竹を割って櫛の歯のような道具(千歯扱き)を作った(写真左)。廃材で台も作った。これが意外とうまくいって能率が一挙に向上。喜んでいたら、訪ねてきた地元の方が、うちの倉庫に古いのがあるから貸してあげるという(もう少し早く来てほしかった)。それが右の写真。何時頃のものかはよくわからないという。竹製の雑な作りのものよりさらに能率アップ。一挙に脱穀作業が終了した。さて、ここからどうやってもみ殻をはずして玄米にするか。それはこれからゆっくり考えるとしよう。あせってもろくなことはありまセンバ。(T)

2014年11月23日(日)
干し柿

毎年100個ほど干し柿を作って楽しんでいる。ところが今年は干し柿に適した西条柿が裏年のようで、あまり店頭に出ず値段も高い。諦めていたら谷向こうのTさんが自分で取るならいくらでもあげるという。喜んでたくさん取らせてもらって今年も作ることができた。皮をむいて、紐に掛けて、熱湯をくぐらせてから吊るす。夜は霧が出ることが多いので家の中に入れる。出しっぱなしにすると必ずカビにやられる。とても面倒なんだけど、秋の日差しを浴びている柿のこの風情は大好きだ。好天が続いて畑のハクサイとキャベツ(写真右)も順調に育っている。ハクサイはすでに1個収穫した。虫に食われてはいるが安全のあかし。新鮮で美味しかった。(T)

2014年11月12日(水)
ゆりかご

隣接する放棄田から進出してきたガマが増えすぎたので、今日はガマの根茎除去作業をしました。掘り上げた根茎(およそ2m、写真左)を見て勢いのすごさに納得。張りめぐらせた地下茎から次々に新しい株ができるのです。本を読んでいて、「田んぼビオトープのような、稲作を行わない浅い水域は多様な生き物を育むゆりかごである」という一節が心に残りました。ゆりかごが居心地のいいものであるように、私の試行錯誤はまだまだ続きます。右の写真はサワガニ(10月10日撮影)(Y)

2014年11月10日(月)
DIY

今日は工作作業の日。部屋の一角に4段の棚を作った。建築廃材をもらったので材料費はゼロ。例によって計算ミスなどもあったがなんとか完成(写真左)。家の壁が板張りなのでこういう時には助かる。ノコで切った端材は風呂焚きの燃料。風呂のボイラーは兼用釜(写真右)といって灯油と薪の両方が使えるが、灯油はほとんど使わない。薪や端材で十分。火付けもコツをつかめば至極簡単。焚口が外なので寒い時期は少々つらいが、風呂は冷めにくくて気持ちがいい。便利だったり、楽だったりが幸福かというとそうでもないと思う。もちろん程度問題なんだが。(T)

2014年10月26日(日)
収穫の秋

ラッカセイ(写真左)とサツマイモ(右)を掘った。8月が日照不足だったからあまり期待していなかったが、案に反してよい出来栄え。ラッカセイは小ぶりだが虫食いなどはほとんどない。サツマイモも割合サイズが揃っていてきれいなものが多い。120個程あった。6月8日につるを20本植えたもの。冬場に落ち葉の堆肥(自作)と牛糞堆肥(無料配布)を入れただけであとは少し草取りをしただけでほおってあった。それでこれだけ採れてうれしい話。近所の人たちと焼き芋会をしよう。先日は柿の収穫をした。これは裏年で30個ほど。甘みも足りず手入れ不足が正直に出た格好。いずれにせよ楽しい収穫の秋。(T)

2014年10月23日(木)
冬鳥の季節到来
「小鳥」は秋の季語だそうです。我が家の庭にも、エナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラの混群がほぼ毎日やってきます。つい先日はその中にアトリの雌(写真左。去年の写真です)を1羽見ることができました。ジョウビタキやツグミが来る前にアトリを観察するのは初めてのことでした。この冬は庭でどんな野鳥と出会えるか楽しみ…。冬鳥の季節到来です。ウワミズザクラもきれいに色づいてきました(写真右)。ジョウビタキは「季節の1コマ」№4で雌を、№57で雄を紹介しています。(Y)
2014年10月12日(日)
宝さがし

同じ町内で、子どもたちのための活動をされているMさん(私たちの田んぼの先生でもあります)のイベントに参加しました。自然観察会を担当したので、ネイチャーゲームの「宝さがし」をしながら観察を楽しみました。ノビタキの群れ、カラス、キセキレイ、ヒヨドリ、タヌキのフンを観察したり、ドングリやクリ拾いをしたりと、短時間でしたがとても楽しいひと時でした。ごほうび用にマコモで作った草バッタを持っていったら、子どもたちがすごく喜んでくれました。私もうれしくなって、帰る道々話をしながら、チガヤでバッタを作ってもう一つプレゼント。観察会を終えて、コーヒー、カレー、玄米の巻きずしをいただきました。どれもおいしくて、心も体もホカホカの一日になりました。自然素材のクラフトを頑張ってみようかな。(Y)

2014年10月11日(土)
稲刈り

昨日は地域ボランティアグループの草刈り。草が茂った中に野菊の一種ノコンギクがきれいに咲いている場所(写真左)があった。一瞬迷ったが刈らずに残した。周囲の人たちも笑って見逃してくれた。これは残さなくてはね。
疲れたので今日はゆっくりするつもりだったが、大型台風の接近ということで急きょ稲刈り(写真右)。30坪ほどの狭い田だけど一株一株鎌で刈るのは結構大変だった。2日続きの肉体労働になったが気分は壮快。(T)

2014年10月8日(水)
一期一会

今から10年近く前、敷地内を鎌で草刈りをしていた時、3匹のニホンアナグマの母子連れが私の方に向かって歩いて来ました。3匹は私の5m程手前で止まり、座り姿勢でじっとこちらを見上げました。私は凍ったように動けなくなって…。先日は庭から見上げた空にカラスに追われたオオタカの姿が。羽根の模様が1枚1枚はっきりとわかる近さです。いずれも私の発した不用意な一声で、大切な出会いをフイにしてしまったけれど…。今年の春には、敷地内の斜面を上がってくる灰色の子ギツネを目撃。久々のキツネです。
昨日今日は天気も良く、メスグロヒョウモン(蝶)の産卵、真っ赤に染まったナツアカネ、ヤマガラとシジュウカラの水浴び、キジの雄(写真左)も現れ、夜には皆既月食と盛り沢山な、ちょっと贅沢な一日でした。(Y)

2014年10月7日(火)
台風一過

心配した台風18号もこちらでは6日未明にやや風雨が強まった程度だった。今日は秋晴れの好天。昨日の風で庭のホオノキの葉がかなり落ちた。大きな葉だから落ち葉の量も半端ではない。2、3回は落葉掻きをしなければならない。集めた落ち葉は空き地に積んでおいて、1、2年経ったら冬の間に畑に入れてやる。どちらの作業も結構な重労働なんだが、落ち葉の堆肥で育てたサツマイモはとても美味い。ホカホカの焼き芋を頭に描きつつ、さあ頑張るか。(T)

2014年9月30日(火)
ミョウガの花

畑の片隅の半日蔭に植えっぱなしのミョウガが今年はよく採れる。写真左はミョウガの花で、このように咲いてしまう前に掘りとって食用にする。薬味にしたり、甘酢漬にしたり。食べ過ぎると物忘れをするというのは俗信でまったく根拠はない。最近物忘れが多いがミョウガのせいにしてはいけないのだ。右はダイコン。9月19日に種まきをしたものだが、天候に恵まれ順調に育って本葉も出てきた。周辺の細い葉はカラスノエンドウ。春にピンクの蝶形の花が咲くおなじみの野草だが、9月頃発芽して寒い冬を小さな株で耐える。けなげに思うのだけど甘い顔をしていると春に急激に成長して畑がひどいことになる。でもこの時期はダイコンの成長の方が旺盛だから放っておいていいか、とまた楽をすることを考えている。(T)

2014年9月29日(月)
むかご

デッキの柱にヤマノイモが絡みつき、それが年々立派な株になります。そしてこの時期になると「むかご」がたくさんできます。毎年、軒先を貸してあげるかわりにむかごをいただいています。今日はそれと畑のミツバを収穫して(写真左)、昼食にお粥を作りました。お鍋に水を入れて沸騰させ、むかごを入れる。しばらくしてご飯を入れ、ミツバを散らす。塩少々で味付けをして完成(写真右)。※むかごは洗って冷凍しておくといつでも使えます。(Y)

2014年9月21日(日)
巣箱

自宅周辺に5つの巣箱があります。1つはブッポウソウ用の大きなもの。5月にはブッポウソウが何度も見に来ていたので期待したのに、今年も繁殖はありませんでした。残りの4つは小鳥用。うち3つが繁殖に利用されました。2つはシジュウカラが利用し、その内の1つがいは2度子育てをしました(写真左は巣立ち直前のひな)。1つはスズメが巣作りを始めたヤマガラ(写真右)を追い払って横取り。3番仔まで育てました。来年も繁殖に利用されるように、もうすぐ巣箱点検の季節です。(Y)

2014年9月19日(金)
冬野菜の準備

急に朝晩冷えるようになった。冬野菜の準備を急がなくては! 夏草で被われた畝をきれいにして白菜の苗の植え付け(写真左)。例年大きくなる前に寒さが来てうまく育たず、冬場のヒヨドリの餌になっていた。今年は少し早めに植えてみた。さてうまくいくか? 右はダイコンの種を蒔いたところ。「誰でもできる 野菜の自然流栽培」(農文協)という本にでているやり方が気に入っている。長靴の踵に重心をかけて柔らかい畝に足形をつける。その踵の部分に鶏糞と堆肥、つま先の部分に種を3,4粒。あとはうまく間引いて1本ずつにしてやればよい。毎年この方式でうまくできている。畑も凝りだすと時間がいくらあっても足りないから実にいい加減。ほおっておいてできるものしか作らないゴメンナ菜園。(T)

2014年9月16日(火)
草焼き

刈った草を積んだままにしていると夜の間にイノシシがひっくり返して下の地面を掘り返す。虫やミミズを探すのだろう。イノさんにも事情があろうが、こちらにも都合がある。そこで今日は風も弱いので刈り草を燃やすことにした。ここしばらく雨がなく乾燥しているので少しずつ慎重に。本当は夕方から雨というような日が安心なのだけど。合間に刈りっぱなしの草を集める。棚田のあぜがきれいになって気持ちが良い。ヒガンバナが咲き始めた(写真左)、右はサクラタデ。紹介しきれない魅力的な花々。(Y、T)

2014年9月11日(木)
草刈りとヒガンバナ

借りている田の周辺の草刈りをした(写真左。少し水面が見えている所が「田んぼビオトープ」)。数年前まではこの時期、黄金色の美しい棚田風景だったのが今はこんな感じ。でも今日はカラリとした快晴で風が心地よい。つい先日刈った畦でヒガンバナが出てきていた(写真右)。9月になって夏の暑さが一段落すると農家の人たちが一斉に畦の草刈りをする。それが終わるのを待っていたかのようにヒガンバナの花茎が地上に出てきて一気に成長し、中旬頃には色鮮やかな花を咲かせる。人の営みとの見事な調和に驚く。(T)

2014年9月5日(金)
稲の開花

 4月に籾を蒔き、6月に手植えした古代米(赤米、うるち)に花が咲き始めた。のぎが長くて赤い(写真左)。このあたりの農家はそろそろ稲刈りの時期だから、1か月ほど遅いけど、自然農での米作りを実践しておられる方に指導を受けて少し違う形での米作り。初挑戦で不安もあったが稲は元気に育っており、イノシシに荒らされなければ今夏の異常気象にも負けず、思った以上の収穫が望める…かな?(Y)
 不安定な天候が続いていたが今日はよい天気になった。年中水を溜めた状態にしている「田んぼビオトープ」の生きものも活気づいている。ナツアカネ(写真右)、ノシメトンボはどちらも雄雌連結飛行をしながら空中から卵をばらまく習性をもっているが、今日はどちらも10カップルほどが産卵に来ていた。
(T)

2014年9月1日(月)
田んぼビオトープ

今日は田んぼビオトープを覆いつくすコナギ(写真左)
の除草を行った。水中にはたくさんの小型のガムシやミズカマキリ、マツモムシ。オオシオカラトンボの交尾、打水産卵を見ることができた。雌が産卵している間、雄は周囲を警戒するように飛び回っていた。右はネコハギ。かわいい白猫のようです。(Y)

2014年8月29日(金)
田んぼの草刈り

田んぼの斜面の草刈りをようやく終えた。8月初めから雨と暑さの合間に少しずつ進めてきた。この斜面は長さ63m、高さ2mほど。特定の植物を残すために大きなハサミを使って手作業で慎重に行った。今、刈り残したサワヒヨドリ(写真右)やネコハギの花が満開です。(Y)

2014年8月28日(木)
ため池
2日かけて池の堤の草刈りをした。この池は今はほとんど利用されなくなっており、埋め立てられてしまうかもしれない。しかし、メダカやトンボ類など生きものにとって貴重な環境でもある。その価値を見てもらうためにも荒れ放題にしておくわけにはいかない。というわけでここの草刈りもやっている。大変といえば大変だけど、きれいになった風景は心地よい。気持ちのよい風も吹き抜ける。この堤はキジもお気に入り(キジの写真は5月のもの)。(T)
2014年8月20日(水)
田んぼ

 休耕田を4枚借りて、1枚はヒマワリ畑、2枚は田んぼビオトープ(写真左)、あとの1枚の半分にイネ(赤米)を植えている。 今日は田んぼの斜面の草刈りに行く。途中のため池ではチョウトンボ(写真右)が多数。田んぼビオトープでは、キイトトンボ、オオイトトンボ、アジアイトトンボ、シオカラトンボ、ギンヤンマ、トノサマガエルなど。斜面では、在来の植物をのこしながら、昆虫を傷付けないようにと気を遣いながらの手作業。 こちらに定住して4年目。ようやく田んぼと向き合えるようになって初めて気づいたこの時期の草の勢いのすごさ。それにしてもこの蒸し暑いお天気、どうにかならないかな。(Y)

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